JPS6352203B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液圧駆動アジヤスタ、特にその高圧室
と連通している流体のリザーバを有し、オーバヘ
ツドカムエンジンと共に用いることができる半自
己内蔵液圧駆動アジヤスタに関する。

〔従来技術及びその問題点〕

駆動アジヤスタ（タペツト）は従動子、ボデ
イ、プランジヤ及びチエツク弁等から成るが、特
に倒置形のタペツトにおいては、空気を含有した
オイルが高圧室に至ることは避けねばならない。
さもなければ、タペツトが作動不良を起こし、極
めて悪い作動状態になる。従来技術としては、例
えば西独特許第1808000・７号及び米国特許第
2213195号が知られているが、これらは上記問題
点を完全に解消し得るものとはいえない。

本発明は、従来技術における問題点を解消する
こと、即ち空気含有オイルが圧力室内に至ること
を防止し、以つて良好に作動する駆動アジヤスタ
を提供することを目的としてなされたてものであ
る。

〔問題点を解消するための手段、作用〕

上記目的を達成するために、本発明において
は、駆動アジヤスタのボデイの周辺にダイヤフラ
ム型シール部材を取り付け、このシール部材が従
動子の内面とシール接触するようにし、かつこの
シール部材はチエツク弁を介して高圧室と連通す
る自己内蔵リザーバを形成するようにしたのであ
る。

このようにすれば、オイルは駆動アジヤスタが
内蔵したリザーバ内に貯えられているので、換言
すれば、エンジンオイル室から供給されるのでは
ないから、オイル中に空気が含有されることはな
くなり、タペツトは騒音を伴うことなく良好に作
動する。

以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳
細に説明する。

第１図において、駆動アジヤスタ１０が弁１２
の上方に軸方向に位置決められ且つオーバーカム
１４の真下に配置されている。本発明の駆動アジ
ヤスタは、特に、オーバーカムを用いる小型の効
率の良い内燃エンジンに用いるように意図されて
いる。エンジンシリンダキヤステイングは符号１
６で示され、通常のオイル室と駆動アジヤスタ１
０の外部溝に連通する溝１８を有している。

駆動アジヤスタの詳細が第２図に示されてい
る。逆向きのカツプ状従動子２０は上面２２を有
し、この上面はオーバカム１４と接触している。
従動子２０は、上述の型式の駆動アジヤスタ／エ
ンジン構造に通常みられるように、弁１２の上端
を収容するための開口室を有している。この従動
子は外部溝２４と、これに連動する小通路２６と
を有している。通路２６は従動子によつて限定さ
れた室の中に開口している。

従動子２０内にはボデイ２８の軸方向に配置さ
れている。スペーサ３０は外周縁３２を有し、こ
の外周縁は従動子の内面の溝３４の中に延びて、
その下側に配置されたスナツプリング３６によつ
てその位置に保持されている。スペーサの上方に
延びる中央部３８の内面は、ボデイ２８の外面を
閉じているが非干渉的に嵌合して、ボデイを従動
子内で半径方向に位置決めている。ボデイは、後
述するようにプランジヤの軸方向寸法によつて許
容される程度、上方に移動するのが自由であり、
ボデイの下方向への移動制限は後述するダイヤフ
ラム型シール部材によつて行われる。

スペーサ３０は環状のシール部材４０を支持
し、このシール部材はスペーサの上に載る下方環
状面４２と、通路２６を弾性的に閉じる上方に延
びる円筒部４４とを有する。通路２６のオイル圧
力は通路の領域で円筒部４４を通路から僅かに移
動せしめて、従動子２０によつて限定された室の
中に制限された流れを入れる。シール部材４０の
詳細とその機能のより特定の説明は、本出願人に
係る米国特許出願第219266号に開示されている。

ボデイ２８内にはプランジヤ４６が往復動可能
に取付けられている。このプランジヤは通路５０
を有する内壁４８を有し、この通路は壁の上方の
領域からボデイとプランジヤ４６との間に形成さ
れた高圧室５２の中に流体を流す。通路５０を通
る流体の流れは、小さなコイルばね５６によつて
通路の下縁に対して付勢されるボール部材５４か
ら成るチエツク弁により制御される。ばね５６は
保持部材５８によつて保持されている。チエツク
弁は上述の型式のタペツトでは一般的なものであ
る。ボデイ２８に相対的なプランジヤ４６の移動
は、ボデイの底に着座しボデイをプランジヤから
外方に付勢するコイルばね６０によつて制御され
る。ばね６０は上述した高圧室５２内に位置決め
られている。

ボデイ２８の下面は環状のボス６２を有する。
このボスは弁部材１２の上端と接触し、且つオー
バヘツドカム型エンジンに使用し得る駆動アジヤ
スタとして通常の構造である。

高圧室５２に流体を与える流体収容リザーバ
は、ダイヤフラム型シール部材６４によつて形成
される。このシール部材は内周部６６を有し、こ
の内周部はボデイ２８の外部で環状溝７０内に延
びる突出部６８を備えている。従つて、これら溝
７０と突出部６８によつてダイヤフラム型シール
部材６４はボデイ２８に取付けられる。補強部材
７２がダイヤフラム型シール部材６４内に埋込ま
れ、このシール部材はそれ自体がゴムあるいは同
様の弾性材料から作られている。シール部材６４
の外周領域は、従動子２０の内面７６に密接する
一対の僅かに間隔をあけた環状ビード７４を備え
ている。ダイヤフラム型シール部材６４の周囲は
従動子２０に固定されていないが、固有の弾性お
よび可撓性質のためにシール係合できる。しかし
このシール部材の周囲は従動子の内面に対して摺
動することができる。第二の補強材７８がゴムあ
るいはダイヤフラム型シール部材６４を形成する
弾性材料内に埋込まれる。

このシール部材６４の設置は駆動アジヤスタの
組立てに重要である。組立ての第一の段階は、空
の従動子の高圧室と連通するリザーバに入れる流
体即ちオイルを加えることである。次いでシール
部材６４が従動子２０内の中央に配置され、その
後ボデイがシール部材の中央に挿入される。ボデ
イが押込まれると、突出部６８が溝７０の中に嵌
め込まれてシール部材６４をボデイ２８に止め
る。通常、ボデイ２８とプランジヤ４６との結合
は、ボデイ２８を従動子２０内に設ける前に組立
体として完成される。ボデイが突出部６８を溝７
０内に取付ける点に押込まれた後、ばね６０の力
がボデイ２８を外方に僅かな量押出し、この作用
はシール部材６４の外周即ち平行なビード７４を
従動子２０内の前方内方位置に移動せしめる。第
２図に示すように、駆動アジヤスタの最終即ち作
動位置は、リザーバ内の流体の作動条件および量
に従つて、従動子２０の内面の限定部分に沿つて
ダイヤフラム型シール部材６４の外周が摺動を行
うことを許容する。

通常、駆動アジヤスタを作動するためダイヤフ
ラム型シール部材６４によつて限定されたリザー
バ内に十分な流体がある。ダイヤフラム型シール
部材６４は長期間に亘つて耐久性あるものに作ら
れている。しかし、ある条件の下ではこのシール
部材が実際に破壊することがある。そのため、圧
力流体を供給する従来の手段を含んでいることが
望ましい。従つて、エンジン室からのオイルは通
路２６内に流れて、シールの円筒部４４を通路に
対する通常のシール位置から駆動アジヤスタを作
動するためにオイル圧を供給する通路に対して離
反せしめる。このような状況の下で、タペツト高
圧室に供給されるオイルに空気を含むようなこと
があれば、タペツトは騒音を起こすが作動はなお
続く。

第３図の実施例の構造は第２図の実施例と同様
である。第３図において、シール４０は省略でき
るが、必要に応じて含ませることもできる。スリ
ーブ８０が従動子２０の内側に配置されて、ダイ
ヤフラム型シール部材６４の内方支持面を形成す
る。場合によつては従動子２０の円滑な内面を作
ることは困難であり、従つてシール部材６４によ
つて必要な小さな移動を行う面を形成するため
に、従動子の内側に円滑な内面を有するスリーブ
８０を用いることが望ましい。一般的には、従動
子２０の内側に上述の如き内面を作るには費用が
かかり、また困難が伴う。スリーブ８０は所定位
置に固定され、従動子２０の内面に係合するシー
ルリング８２を有する。スリーブ８０に設けられ
たオイル孔８４が従動子２０に設けられたオイル
通路すなわち通路２６と連通し、このためエンジ
ンオイルが従動子の内側に達する。スリーブ８０
の下端はスペーサ３０に位置決められたシール８
６上に着座している。第３図の実施例の他の構造
は第２図の実施例と同じである。

ここでは駆動アジヤスタはシール４０を含むも
のとして述べられて来たが、シールを用いなくて
も作動可能である。

ダイヤフラム型シール部材は、組立てを容易に
するばかりでなく、従動子内に位置決められる独
特な方法において特に利点がある。

本発明は上記実施例に限定されるものでなくそ
の他種々の変形を行うことができる。

〔発明の効果〕

以上述べてきたように、本発明によれば、ボデ
イと従動子との間に介装されたダイヤフラム型シ
ール部材によつて駆動アジヤスタ内に形成された
リザーバから高圧室にオイルを供給するようにし
ているので、空気を含有するオイルが高圧室に至
ることはなく、駆動アジヤスタは良好に作動する
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は内燃エンジン内に位置決めされた、本
発明に係る駆動アジヤスタの概略断面図、第２図
は駆動アジヤスタの要部の拡大断面図、第３図は
本発明の変形例を示す第２図と同様の断面図であ
る。 主要部分の符号の説明、１０……アジヤスタ、
２０……従動子、２８……ボデイ、３０……スペ
ーサ、４０……ダイヤフラムシール、４６……プ
ランジヤ、６４……ダイヤフラム型シール部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 室を形成する略円筒のカツプ状の従動子と、
   前記室の中に軸方向に位置決めされたボデイおよ
   び該ボデイを支持するスペーサと、プランジヤで
   あつて、前記ボデイ内および該プランジヤと該ボ
   デイとの間に形成された高圧室内に往復可能に設
   けられたプランジヤと、該プランジヤ内に設けら
   れ前記高圧室内に進入する流体を制御するチエツ
   ク弁と、を含む駆動アジヤスタにおいて、 前記ボデイの周辺に取付けられて前記従動子の
   内面とシールされた摺動係合を行うダイヤフラム
   型シール部材を備え、該シール部材は前記チエツ
   ク弁を介して高圧室のみと連通する可変容量のリ
   ザーバを形成していることを特徴とする駆動アジ
   ヤスタ。 ２ 前記ボデイが周辺溝を有し、且つ前記シール
   部材に設けられた突出部が前記周辺溝の中に延び
   て前記シール部材を前記ボデイに取付ける特許請
   求の範囲第１項の駆動アジヤスタ。 ３ 前記従動子はその外部から室の中に開口する
   通路を有し、可撓性のシール部材が前記通路を通
   して室の中に入る流体の流れを制御する特許請求
   の範囲第１項の駆動アジヤスタ。 ４ 前記シール部材は、前記従動子と摺動係合す
   る特許請求の範囲第１項の駆動アジヤスタ。 ５ 前記従動子は、その内部に位置決めされたス
   リーブを有し、前記ダイヤフラム型シール部材が
   前記スリーブとシール係合している特許請求の範
   囲第１項の駆動アジヤスタ。 ６ 前記スリーブがオイル孔を含み、前記従動子
   は該オイル孔と連通するオイル通路を含んでいる
   特許請求の範囲第５項のアジヤスタ。