JPS6350313B2 - - Google Patents

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JPS6350313B2
JPS6350313B2 JP56030551A JP3055181A JPS6350313B2 JP S6350313 B2 JPS6350313 B2 JP S6350313B2 JP 56030551 A JP56030551 A JP 56030551A JP 3055181 A JP3055181 A JP 3055181A JP S6350313 B2 JPS6350313 B2 JP S6350313B2
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JP
Japan
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silicon carbide
slurry
granules
sintered body
producing
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JP56030551A
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JPS57145077A (en
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Akira Enomoto
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6350313B2 publication Critical patent/JPS6350313B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、高密度でかつ高強度の炭化珪素焼結
体の製造方法に関するものである。 炭化珪素は、極めて優れた化学的および物理的
性質を有しており、特にガスタービン部品,高温
熱交換器のような苛酷な条件下で使用される高温
構造材の如き用途に対して好適な材料である。 従来、炭化珪素の焼結方法としては加圧焼結法
および反応焼結法が広く知られている。しかしな
がら前者の加圧焼結法には複雑な形状の焼結体を
製造し難く、生産性もあがらない欠点が、また後
者の反応焼結法には高強度の焼結体が得難く、か
つ有害な遊離珪素を多量に含有するため高温域に
おける使用が困難である欠点があつた。 ところで、炭化珪素は難焼結性の材料であり、
酸化物セラミツクスを製造するのに一般的に行わ
れている無加圧焼結法すなわち常温で成形した生
成形体を無加圧下で焼結する方法を炭化珪素の焼
結に用いることはこれまで困難であるとされてい
たが、最近になつて炭化珪素,ホウ素含有添加剤
および炭素質添加剤から成る混合粉末を成形し、
不活性雰囲気中で焼結する無加圧焼結方法が報告
されている。 例えば、1973年10月24日に米国に出願された特
許出願第409073号に基づいて、優先権主張された
特開昭50―78609号公報記載の発明によれば炭化
珪素をホウ素含有添加剤(0.3〜3.0重量%B)お
よび炭素含有添加剤(0.1〜1.0重量%C)と混合
成形し、次にこの成形体を不活性雰囲気中で1900
〜2100℃の温度において無加圧焼結し、少なくと
も理論密度の85%を有する炭化珪素焼結体を得る
方法が開示されている。 前述の如く、炭化珪素の無加圧焼結法において
は、出発原料中に主な焼結助剤としてホウ素含有
添加剤および炭素質添加剤とが添加されており、
さらにその他にベリリウム,アルミニウム等を含
有する添加剤が使用された例もある。前記ホウ素
含有添加剤を出発原料中に主な添加剤として添加
する理由は、焼結に際して、炭化珪素粒子の各接
触点にホウ素を共存させることによつて炭化珪素
粒子表面に粘着層を形成し、ネツクの形成時に各
粒子を粘着し、収縮を均一に進行させる効果を有
するからであり、一方炭素質添加剤を添加する理
由は、炭化珪素粒子は常温で常にシリカ膜で被覆
されており、このシリカ膜のために炭化珪素の自
己焼結が阻害されるので前記シリカ膜を還元除去
して炭化珪素粒子間の焼結性を高める効果及び焼
結時における結晶粒の粗大化を抑制する効果を有
するからである。したがつて、前記焼結助剤は炭
化珪素粉末中に一様に分散していることが有効で
あり、特に焼結時に熱分解し、炭素を析出する炭
素質有機化合物を溶液状で添加することは、炭化
珪素粒子表面に炭素を均一にコーテイングさせる
ことができるため有利である。 ところで、従来セラミツクスの無加圧焼結法に
おける生成形体の成形手段としては、例えば泥漿
鋳込み成形,押出し成形,ろくろ成形,揺動成形
および乾式加圧成形等の手段が知られている。前
述の諸成形手段は成形時の含液量によつて湿式あ
るいは乾式の成形手段に大別することができる。
このうち湿式の成形手段によれば成形後十分に生
成形体を乾燥させることが必要であり、乾燥によ
る収縮を考慮しなければならないばかりでなく、
乾燥中に反りや亀裂等の欠陥を生じ易い。これに
対し乾式の成形手段は寸法精度に優れており有利
な成形手段であるが、微細な粉末を使用する場合
には粉末の流動性が悪いため型の中へ均一に充填
し加圧することが困難で生成形体の嵩密度あるい
は成形時の圧力分布にバラツキが生じたり、生成
形体中にブリツジングに起因する欠陥が生じ易
い。この成形時の欠陥は焼結した後にもそのまま
焼結体中に残存し、焼結体の物性特に機械的強度
を著しく低下させる原因となるため、従来微細な
粉末原料を使用して生成形体を成形する場合には
流動性が悪いためあらかじめ粉末原料を顆粒化し
て流動性を向上させた原料が使用されている。 前記顆粒化方法としては例えばタブレツト法,
直接顆粒化法および噴霧乾燥による顆粒化法が広
く知られている。このうちタブレツト法および直
接顆粒化法は少量生産に適しており広く実用化さ
れているが、前者のタブレツト法はあらかじめ加
圧成形して作成したタブレツトを破砕し篩分けす
る方法であり、得られる顆粒は比較的角ばつてい
るので流動性が若干劣る欠点を有し、後者の直接
顆粒化法は粉体に結合剤溶液を加えて造粒する方
法であり、顆粒が比較的広い粒度分布をもつため
篩分けしなければならず、さらに結合剤の含有率
を目的とする範囲内に調整することが困難である
欠点を有している。 また、噴霧乾燥による顆粒化法はスラリー状の
懸濁液を高温状態に維持した容器内へ噴霧し、極
めて急速に乾燥させながら顆粒化する方法であ
り、均一な粒度分布で丸い形状の極めて流動性の
良好な顆粒を容易に多量生産することのできる利
点を有するが、乾燥時に収縮して見掛け顆粒密度
(apparent qranule density)が高くなり、顆粒
が硬くなり易く、プレス成形性が悪化するという
欠点を有している。なお、前記見掛け顆粒密度と
は単位嵩容積当りの重量のことであり、嵩容積と
いうのは顆粒中に占める固体と内部空隙を含んだ
容積である。 また、炭化珪素の無加圧焼結法においては、先
に述べた如く主としてホウ素含有添加剤および炭
素質添加剤等の焼結助剤を炭化珪素粉末中に均一
に分散させることが望ましい。しかしながら従来
一般に行われている前記の如き顆粒化法はいずれ
も顆粒化工程中で原料粉末を湿潤化させて顆粒化
するため乾燥時において湿潤化に用いた媒質が移
動し、この移動に伴つてホウ素含有添加剤および
炭素質添加剤等の焼結助剤が偏析し易いという欠
点を有している。前記焼結助剤の偏析は最終製品
である焼結体に例えば密度等のミクロ的なバラツ
キや炭素偏析層等の介在物を生じさせる原因とな
るため、上記従来知られている顆粒化法によれば
高強度の炭化珪素無加圧焼結体を得ることは困難
であつた。 ところで、炭化珪素粉末中に焼結助剤をできる
だけ均一に分散させ焼結用原料を調製する方法と
しては従来種々の方法が報告されている。 例えば、1975年6月30日に米国に出願された特
許出願第591840号に基づいて、優先権主張された
特開昭52―6716号公報によれば、ベンゼンにポリ
エチレングリコールを添加した溶液中で混合粉末
をボールミル粉砕し、次に上記混合粉末を含むス
ラリーを噴霧乾燥する方法が記載されている。し
かしながら、この方法によれば、先にも記載した
ように顆粒が硬くなつたり、焼結助剤が偏析した
りする欠点を有している。 前記特開昭50―78609号公報によれば、炭化珪
素粉末を、ベンゼン中にオレイン酸とステアリン
酸アルミニウムを溶かした溶液中に分散してボー
ルミル処理したスラリーを篩を通した後凍結乾燥
し、かくして得られた粉砕性のケーキを砕き、篩
分けする方法が記載されている。しかしながら、
この方法によれば、篩分けして得られる炭化珪素
焼結体製造用原料は上述のようにケーキを砕いて
製造されたものであるため、流動性に劣り、成形
型の中へ均一に充填することが困難であつた。 上述の如く、従来知られた炭化珪素焼結用原料
の製造方法は種々の欠点を有していた。 本発明は前記種々の欠点を除去改善した極めて
均一でかつ流動性に優れた顆粒を製造し、高強度
の炭化珪素焼結体の製造方法を提供することを目
的とするものである。 本発明によれば、炭化珪素微粉末を必要により
焼結助剤及び成形助剤と混合した後顆粒となし、
この顆粒を任意の形状の生成形体とした後無加圧
焼結する炭化珪素焼結体の製造方法において、 炭化珪素微粉末を分散媒質中に投入しスラリー
を形成するに際し、スラリー中に占める炭化珪素
微粉末の容積比率を15%以上となし、必要により
焼結助剤,成形助剤および解膠剤のいずれか少な
くとも1種を添加し、均一分散させたスラリーを
前記分散媒質の融点より低い温度に維持された雰
囲気中へ噴霧して顆粒状の凍結物となし、次に前
記顆粒状の凍結物より分散媒質を減圧下で昇華乾
燥せしめて乾燥顆粒を得、ついで前記乾燥顆粒を
任意の形状の生成形体とした後無加圧焼結するこ
とを特徴とする炭化珪素焼結体の製造方法を提供
することによつて前記目的を達成することができ
る。 次に本発明を詳細に説明する。 本発明によれば、炭化珪素微粉末と必要により
添加される焼結助剤及び又は成形助剤は分散媒質
中に投入され、均一分散される。その理由は炭化
珪素微粉末と必要により添加される焼結助剤及び
又は成形助剤は分散媒質中に均一分散していない
スラリーを使用して顆粒を製造すると顆粒間で炭
化珪素微粉末と焼結助剤及び又は成形助剤の含有
率に差が生ずる。このような顆粒を使用して生成
形体を造ると焼結助剤及び又は成形助剤の効果が
不均一となり、炭化珪素焼結体の密度や結晶粒径
等にバラツキを生じ、炭化珪素焼結体の物性を劣
化させるからである。 前記焼結助剤は、主としてホウ素含有添加剤及
び又は炭素質添加剤であり、その他従来知られて
いるベリリウム,アルミニウム等を含有する添加
剤をも焼結助剤として使用することができる。 前記ホウ素含有添加剤としては、例えばホウ素
あるいは炭化ホウ素から選択される少なくとも1
種をホウ素含有量に換算して炭化珪素微粉末100
重量部に対して0.1〜3.0重量部添加することが有
利であり、また前記炭素質添加剤としては、例え
ばフエノール樹脂,リグニンスルホン酸塩,ポリ
ビニルアルコール,コンスターチ,糖蜜,コール
タールピツチ,アルギン酸塩,ポリフエニレン,
ポリメチルフエニレンのような焼結開始時に炭素
の状態で存在する各種有機物質あるいはカーボン
ブラツク,アセチレンブラツクのような熱分解炭
素を使用でき、その添加量は固定炭素含有量に換
算して炭化珪素微粉末100重量部に対して1.0〜
4.0重量部であることが有利である。 前記成形助剤は、粉末中に配合されることによ
つて成形時における潤滑剤あるいは結合剤として
用いられ、生成形体中に発生する成形欠陥を減少
させる効果を発揮する。前記成形助剤のうち例え
ば潤滑効果を有するものとしてはカーボワツク
ス,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸バ
リウム,ステアリン酸アルミニウム,ステアリン
酸亜鉛,ステアリン酸,酢酸セルロース,グリセ
リン,ポリエチレングリコール等があり、結合効
果を有するものとしては澱粉,デキストリン,ア
ラビアゴム,カゼイン,糖蜜,Na―カルボキシ
メチルセルロース,メチルセルロース,酢酸セル
ロース,グリセリン,ポリビニルアルコール,ポ
リビニルメチルエーテル,ポリアクリル酸アミ
ド,ポリエチレングリコール,タンニン酸,流動
パラフイン,ワツクスエマルジヨン,エチルセル
ロース,ポリビニールアセテート,フエノールレ
ジン等があり、これらを単独あるいは混合して使
用することができる。 本発明において使用することのできる炭化珪素
はα型結晶,β型結晶,非晶質のなかから選ばれ
るいずれか1種または2種以上からなる炭化珪素
であるが、特に高強度の炭化珪素焼結体を製造す
るためにはβ型結晶を主体とする炭化珪素を出発
原料とすることが有利である。 本発明によれば、噴霧凍結によつて得られる顆
粒状凍結物をさらに凍結乾燥して得られる顆粒の
見掛け顆粒密度はスラリー中に占める固形分の容
積比率によつて決まり、おおよそスラリーの状態
から分散媒質の占める容積分を除去した密度とな
る。したがつて前記スラリーの濃度はスラリー中
に占める炭化珪素微粉末の容積比率が15%以上と
することが必要である。その理由は、スラリー中
に占める炭化珪素微粉末の容積比率が15%より低
いと凍結顆粒中に占める分散媒質の容積が大きい
ため、乾燥後の顆粒の見掛け顆粒密度が低くな
り、顆粒中における各粒子間の接触点が著しく減
少する結果、顆粒の強度が低く、乾燥後の取扱い
時に壊れ易く、粉化し易いからである。前記容積
比率が50%より高い場合にはスラリーの粘性が著
しく高くなるため噴霧することが極めて困難とな
るから前記比率は50%以下であることが好まし
く、なかでも20〜45%の範囲内で特に好適な結果
が得られる。 前記分散媒質は融点が−5〜15℃の範囲内のも
のが有利に使用でき、なかでもベンゼン,シクロ
ヘキサンより選択される少なくとも1種あるいは
水であることが好ましい。このうちベンゼンは比
較的融点が高く凍結させ易いし、焼結助剤のうち
炭素質添加剤として有機溶剤可溶性のものを溶解
させて使用できるため、炭素質添加剤を極めて均
一に分散させる利点があり特に有利である。 前記スラリーは振動ミル,アトライター,ボー
ルミル,コロイドミルあるいは高速ミキサーのい
ずれか少なくとも1種の分散装置によつて均一分
散されることが好ましい。その理由は炭化珪素微
粉末は極めて凝集性が強く常に強固な凝集状態に
あるため、強い剪断力を与えることのできる前述
の如き分散装置でないと均一な分散状態を得るこ
とが極めて困難であるからである。 前記分散装置よりスラリーを排出するに際して
スラリーに振動を与えながら排出することが好ま
しい。その理由は本発明におけるスラリーは高濃
度で粘性が高く流動性に劣るため、分散装置より
排出する際の取扱いが極めて困難で長時間を要
し、排出時に偏析が生じ易い欠点がある。しかし
ながら前記スラリーに振動を与えることにより流
動性を付与することができ排出が極めて容易とな
り、かつ短時間に行えるからである。前記スラリ
ーに与える振動としては例えば機械振動,超音波
振動あるいは電磁振動を使用することができる。 前記スラリーは解膠剤を含有することが好まし
い。前記解膠剤としては分散媒質が有機質の場合
には例えば脂肪酸アミン塩,芳香族アミン塩,複
素環アミン塩,ポリアルキレンポリアミン誘導体
等の陽イオン界面活性剤,エステル型,エステル
エーテル型,エーテル型,含窒素型等の非イオン
界面活性剤が有効であり、分散媒質が水の場合に
は例えば水酸化ナトリウム,水ガラス,炭酸ナト
リウム,アルミン酸ナトリウム,しゆう酸ナトリ
ウム,しゆう酸アンモニウム,アンモニア水等の
無機解膠剤,ジエチルアミン,モノエチルアミ
ン,ピリジン,エチルアミン,水酸化四メチルア
ンモニウム,モノエタノールアミン等の有機解膠
剤を有効に使用できる。前記解膠剤はスラリー中
で炭化珪素微粉末の凝集をほぐし、比重や粒径の
それぞれ異なつた焼結助剤や炭素質添加剤の均一
分散性を向上させる効果を有し、かつスラリーの
粘性を下げて噴霧し易くする効果を有する。 前記均一分散されたスラリーは連続して2分間
以上静置することなく振動あるいは撹拌の少なく
ともいずれか1種の方法によつて分散状態が維持
され、噴霧されることが好ましい。その理由は、
炭化珪素微粉末や焼結助剤は極めて凝集し易いた
め、前記スラリーを連続して2分間以上静置する
と炭化珪素微粉末や焼結助剤が凝集し沈降するた
め噴霧することが困難となるばかりでなく、前記
焼結助剤や成形助剤を偏在させるため均一分散性
が失われるからである。前記スラリーに与える振
動としては例えば超音波振動あるいは電磁振動に
よる方法が有利であり、また前記スラリーを撹拌
する方法としては例えばインペラーあるいはスク
リユーによる方法が有利である。 本発明によれば、均一分散させたスラリーを分
散媒質の融点より低い温度に維持された雰囲気中
へ噴霧して顆粒状の凍結物となし、次に前記顆粒
状の凍結物より分散媒質を減圧下で昇華乾燥せし
めて乾燥顆粒となすことが必要である。スラリー
を噴霧して顆粒状の凍結物となす理由は、スラリ
ーを噴霧して微細な液滴とすることによつて熱交
換を速やかに行わしむることができ、極めて短時
間のうちに凍結させることができるため、凍結時
における焼結助剤や成形助剤の偏析を防止するこ
とができ、組成が極めて均一でかつ取扱い性に優
れた顆粒を得ることができるからであり、また前
記凍結物より分散媒質を減圧下で昇華乾燥せしめ
て顆粒となす理由は、凍結乾燥することによつて
焼結助剤や成形助剤の偏析を生じさせることなく
成形性の極めて良好な比較的軟い顆粒を容易に製
造することができるからである。 前記スラリーが噴霧される雰囲気中の温度は分
散媒質の融点より少なくとも5℃低く維持するこ
とが好ましい。前記温度が分散媒質の融点より少
なくとも5℃低く維持されないとスラリーの液滴
が凍結するに要する時間が比較的長くなるため液
滴内で焼結助剤や成形助剤が偏析し易い。また前
記雰囲気中の温度は低ければ低い程スラリーの液
滴を短時間のうちに凍結させることができるが、
雰囲気の冷却に多大の費用を要するため不経済で
あり、さらに前記液滴が擬球状となる前に凍結し
顆粒の形状が不揃いとなるため、前記雰囲気中の
温度は分散媒質の融点より10〜100℃低い範囲内
で特に好適な結果が得られる。 本発明者は、本発明に使用される分散媒質なら
びにこれと炭化珪素微粉末との混合スラリーの特
性について種々研究した結果、下記式で示される
関係を満足させることができるスラリーの液滴を
つくる場合に最も良い結果を得ることができるこ
とを新規に知見した。 なお、上記式中Xは噴霧されるスラリーの液滴
の平均粒径(mm)、ρはスラリーの比重(g/
cm3)、Qはスラリーを凍結させる際に奪わなけれ
ばならない熱量(cal/g)、Mは分散媒質の融点
(℃)、Tは雰囲気の温度(℃)である。 前記液滴の平均粒径が前記式で示される範囲よ
りも大きいと液滴の凍結に要する時間が長くなる
ため液滴内で焼結助剤や成形助剤が偏析し易い
し、さらにまた乾燥に要する時間が長くなるため
単位設備当りの製造能力が小さくなる。 本発明によれば、顆粒の平均粒径は0.02〜0.5
mmの範囲内であることが有利である。その理由
は、顆粒の平均粒径が0.02mmより小さいと流動性
が著しく低下し、生成形体の嵩密度や成形時の圧
力分布にバラツキが生じたり、生成形体中にブリ
ツジングに起因する欠陥が生じ易いし、一方0.5
mmより大きいと小型で複雑な形状の生成形体を成
形することが困難であるからである。 前記顆粒の粉体嵩密度(powder bulk
density)は0.4〜1.2g/cm3の範囲内であることが
好ましい。なお、前記粉体嵩密度とは顆粒の一定
容積の重量、すなわち固体,内部空隙および外部
空隙を含んだ単位容積当りの重量であり、この粉
体嵩密度を上記の範囲内にする理由は、粉体嵩密
度が0.4g/cm3よりも小さい顆粒は成形時におけ
る圧縮比が著しく大きくなるため成形が困難であ
るからであり、一方1.2g/cm3よりも大きい顆粒
は比較的顆粒の粒度分布が広い場合あるいは見掛
け顆粒密度が高い場合とがあるが、前者の場合に
は流動性が劣化するし、後者の場合には顆粒の圧
潰強度が強くなるためプレス成形時に潰れずにそ
のままの形状で残留し焼結体中に密度が著しく低
い箇所を生じさせる場合があるからであり、なか
でも0.6〜1.0g/cm3の範囲内がより好適である。 前記顆粒は成形型に充填する際に流動性に優れ
ることが望ましく、本発明者は顆粒の特性につい
て研究した結果JIS―S2502―66に従つて測定さ
れる流出時間が130秒以内である特性を満足する
場合に好適な結果が得られることを知見した。 本発明によれば、上述の如くして製造された顆
粒を任意の形状の生成形体にプレス成形した後、
焼結炉内へ装入し、不活性ガス気流中で1900〜
2300℃の範囲内で焼結することにより、高密度で
かつ高強度の炭化珪素焼結体を製造することがで
きる。 次に本発明を実施例および比較例について説明
する。 実施例 1 炭化珪素としては特公昭55―40527号公報に記
載の主としてβ型結晶よりなる炭化珪素の製造方
法により製造し、さらに精製,粒度分級した炭化
珪素微粉を使用した。前記炭化珪素微粉は96.2重
量%がβ型結晶よりなり、0.38重量%の遊離炭
素,0.18重量%の酸素を含有し、14.2m2/gの比
表面積を有していた。 前記炭化珪素微粉50gと市販の200メツシユ炭
化ホウ素粒を粉砕,粒度分級して比表面積を21.4
m2/gに調製した炭化ホウ素粉末0.65gと固定炭
素含有率51.6重量%のノボラツク型フエノール樹
脂1.94gとの混合物に対し、ベンゼン26mlとポリ
エチレングリコール0.5gと非イオン系エステル
型界面活性剤(ノニオンOP―80R日本油脂製)
0.1gとを添加し振動ミルを使用して6時間分散
処理を行つた。前記振動ミルより混合物スラリー
を振動ミルの運転を行いながら排出し、−50℃に
維持された容器内に噴霧して顆粒状の凍結物を得
た。前記スラリーが排出されてから噴霧される迄
の時間は約10秒間であつた。得られた顆粒状の凍
結物は0.10mmの平均粒径を有していた。 次いで前記顆粒状の凍結物を0.01〜20mmHg,
0〜−5℃に維持された容器中に装入して凍結乾
燥を行つた。得られた顆粒の粉体嵩密度は0.83
g/cm3であつた。また前記顆粒の流動性はJIS―
S―2502―66に従つて測定した結果、流出に要し
た時間は84秒間であることがわかつた。 この顆粒から適量を採取し、金属製押し型を用
いて0.15t/cm2の圧力で仮成形し、次にアイソス
タテイツクプレス機を用いて2.0t/cm2の圧力で成
形した。前記生成形体の密度は1.86g/cm3である
ことが認められた。 前記生成形体をタンマン型焼成炉に装入し、ア
ルゴンガス気流中で焼結した。昇温速度は常温〜
1650℃の間は5℃/minであり、1650℃にて45分
間保持した後、さらに5℃/minで昇温し最高温
度2100℃で30分間保持した。 得られた焼結体は3.15g/cm3の密度を有してい
た。この焼結体を3×3×30mmの棒状に加工し、
最終的に1μmのダイヤモンド砥粒で研磨仕上げ
し、スパン20mm,クロスヘツドスピード0.5mm/
minの条件で3点曲げ強度を測定したところ常温
で66.2Kg/mm2の平均強度を有していた。前記曲げ
強度を測定した試料の破断面は第1図の走査型電
子顕微鏡写真(1500倍)に示した如く焼結助剤の
偏析や粗大な気孔等の欠陥は観察されなかつた。 実施例2,比較例1 実施例1と同様の配合であるが、第1表に示し
た如くベンゼンの配合量を変えて混合物スラリー
を調製し実施例1と同様の操作で顆粒を作成し
た。得られた顆粒の物性は実施例1に示したと同
様の方法で測定し、第1表に示した。
【表】 前記比較例1―1は凍結乾燥時に大半が粉化し
てしまい顆粒物性を測定することはできなかつ
た。また比較例1―2はスラリー濃度が極めて濃
厚で粘性が高いため、噴霧することが極めて困難
であつた。 実施例 3 実施例1と同様にして調製し振動ミルより排出
した混合物スラリーを一旦貯蔵タンクに保持した
後、実施例1と同様の操作を行つて顆粒を得た。
前記貯蔵タンクに混合物スラリーを保持する際は
26KHz,600Wの超音波振動によつて分散を維持
した。 得られた顆粒の平均粒径は0.10mm、粉体嵩密度
は0.85g/cm3、JIS―S―2502―66に従つて測定
した流出所要時間は82秒間であつた。 この顆粒から適量を採取して実施例1と同様の
操作で焼結体を得た。 得られた焼結体は3.14g/cm3の密度を有してい
た。また実施例1と同様にして測定した3点曲げ
強度は常温で64.4Kg/mm2の平均強度を有してい
た。 比較例 2 実施例3と同様の操作であるが、貯蔵タンク内
に保持した際に150秒間静置したところ粉末の一
部が凝集し沈降していることが認められた。そこ
で26KHz,600Wの超音波振動およびインペラー
撹拌によつて1時間分散処理を施した後、実施例
1と同様の操作で顆粒を得た。 得られた顆粒の平均粒径は0.09mm、粉体嵩密度
は0.84g/cm3であつた。また前記顆粒の流動性を
実施例1と同様にして測定した結果、流出所要時
間は85秒間であつた。 この顆粒から適量を採取して実施例1と同様の
操作で焼結体を得た。 得られた焼結体の密度は3.09g/cm3と焼結収縮
が若干不充分であり、また実施例1と同様にして
測定した3点曲げ強度も常温で41.3Kg/mm2の平均
強度と低下していた。前記曲げ強度を測定した試
料の破断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ
第2図の走査型電子顕微鏡写真(1500倍)に示し
た如く、焼結助剤の偏析に起因する介在物層が認
められた。 実施例 4 炭化珪素として市販のα型炭化珪素粉末(GC
#6000)を粉砕し、さらに精製,粒度分級した炭
化珪素微粉を使用した。前記炭化珪素微粉は0.42
重量%の遊離炭素、0.14重量%の酸素を含有し、
15.4m2/gの比表面積を有していた。 前記炭化珪素微粉50gと実施例1で使用した炭
化ホウ素粉末0.65gと平均粒径210Å、比表面積
123m2/gのカーボンブラツク1.0gとの混合物に
対し、水33mlと酢酸セルロース0.5gとモノエタ
ノールアミン0.15gとを添加し、ボールミルを使
用して36時間分散処理を行つた。分散処理後ボー
ルミルに電磁振動による振動を与えながら混合物
スラリーを排出し、−60℃に維持された容器内に
噴霧して顆粒状の凍結物を得た。前記混合物スラ
リーを噴霧ノズル迄移送する管に超音波発生装置
を設置し、移送中は超音波振動を与えた。得られ
た顆粒状の凍結物は0.11mmの平均粒径を有してい
た。 次いで前記顆粒状の凍結物を0.01〜20mmHg,
−5〜−10℃に維持された容器中に装入して凍結
乾燥を行つた。得られた顆粒の粉体嵩密度は0.68
g/cm3であつた。また前記顆粒の流動性を実施例
1と同様にして測定した結果、流出所要時間は93
秒間であつた。 この顆粒から適量を採取して実施例1と同様の
操作であるが焼結時の最高温度を2150℃に変更し
て焼結体を得た。 得られた焼結体は3.13g/cm3の密度を有してい
た。また実施例1と同様にして測定した3点曲げ
強度は常温で56.0Kg/mm2の平均強度を有してい
た。 以上述べた如く、本発明方法によれば、従来の
顆粒化法では得ることの困難であつた極めて流動
性に優れ、かつ成形性に優れた顆粒を容易に製造
することができ、この顆粒を使用して極めて欠陥
が少なく高強度の炭化珪素無加圧焼結体を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1に記載の焼結体の走査型電
子顕微鏡写真(1500倍)、第2図は、比較例2に
記載の焼結体の走査型電子顕微鏡写真(1500倍)
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭化珪素微粉末を必要により焼結助剤及び成
    形助剤と混合した後顆粒となし、この顆粒を任意
    の形状の生成形体とした後無加圧焼結する炭化珪
    素焼結体の製造方法において、炭化珪素微粉末を
    分散媒質中に投入しスラリーを形成するに際し、
    スラリー中に占める炭化珪素微粉末の容積比率を
    15%以上となし、必要により焼結助剤,成形助剤
    及び解膠剤のいずれか少なくとも1種を添加し、
    均一分散させた後、スラリーを前記分散媒質の融
    点より低い温度に維持された雰囲気中へ噴霧して
    顆粒状の凍結物となし、次に前記顆粒状の凍結物
    より分散媒質を減圧下で昇華乾燥せしめて乾燥顆
    粒を得、ついで前記乾燥顆粒を任意の形状の生成
    形体とした後無加圧焼結することを特徴とする炭
    化珪素焼結体の製造方法。 2 前記スラリーの濃度はスラリー中に占める固
    形分の容積比率が15〜50%の範囲内である特許請
    求の範囲第1項記載の炭化珪素焼結体の製造方
    法。 3 前記分散媒質はベンゼン,シクロヘキサンよ
    り選択される少なくとも1種もしくは水である特
    許請求の範囲第1あるいは2項のいずれかに記載
    の炭化珪素焼結体の製造方法。 4 前記雰囲気中の温度は少なくとも分散媒質の
    融点より5℃低く維持される特許請求の範囲第1
    〜3項のいずれかに記載の炭化珪素焼結体の製造
    方法。 5 前記スラリーは振動ミル,アトライター,ボ
    ールミル,コロイドミルあるいは高速ミキサーよ
    り選択されるいずれか少なくとも1種の分散装置
    によつて均一分散される特許請求の範囲第1〜4
    項のいずれかに記載の炭化珪素焼結体の製造方
    法。 6 前記分散装置よりスラリーを排出するに際し
    て前記スラリーに振動を与えながら排出する特許
    請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の炭化珪
    素焼結体の製造方法。 7 前記スラリーは解膠剤を含有する特許請求の
    範囲第1〜6項のいずれかに記載の炭化珪素焼結
    体の製造方法。 8 前記均一分散されたスラリーは連続して2分
    間以上静置することなく振動あるいは撹拌の少な
    くともいずれか1種の方法によつて分散状態が維
    持され、噴霧される特許請求の範囲第1〜7項の
    いずれかに記載の炭化珪素焼結体の製造方法。 9 前記噴霧されるスラリーの液滴の平均粒径X
    (mm)はスラリーの比重ρ(g/cm3),スラリーを
    凍結させる際に奪わなければならない熱量Q
    (cal/g),分散媒質の融点M(℃)及び雰囲気の
    温度T(℃)の下記関係式で示される範囲内とす
    る特許請求の範囲第1〜8項のいずれかに記載の
    炭化珪素焼結体の製造方法。 10 前記顆粒の粉体嵩密度は0.4〜1.2g/cm3
    範囲内である特許請求の範囲第1〜9項のいずれ
    かに記載の炭化珪素焼結体の製造方法。
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