JPS6349527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、２サイクルエンジンのロータリー
バルブの改良に関する。

２サイクルエンジンでは、クランク軸に、円板
の一部に切欠きを設けたロータリーバルブを連結
して、クランク軸の回転と共に、吸気孔の途中に
設けたバルブシートの間を回転させ、吸気孔を開
閉するものがある。このロータリーバルブによつ
て吸気孔を開閉するものは、ロータリーバルブの
切欠きによつて、吸気孔の開閉タイミングを自由
にでき、吸気効率を最もよくできる特徴がある。
ところが、ロータリーバルブは、クランク軸と共
に早い回転速度で回転し、しかも吸入圧でバルブ
シートに押付けられるので、摩擦熱によつて、バ
ルブシートに押付けられた部分が焼けて変形して
平面度が低下したり、異常摩耗を起すことがあつ
て、性能が不安定になることがある。

この考案は、かかる点に鑑み改善したもので、
以下本考案を図面に示す実施例について説明す
る。

ロータリーバルブ１は、円板の一部に吸気タイ
ミングに合せて切欠きを設けたもので、内側に軸
金具２が固着され、軸金具２は、クランク軸３の
端にスプラインによつて、一体に回転するように
連結してある。ロータリーバルブ１は、吸気孔４
のバルブシート５に接するように合せられ、外側
にはキヤブレター６が連結される。そして、クラ
ンク軸３の回転と共に回転して、バルブシート５
とキヤブレター６の端面の間を摺動し、切欠きに
よつて吸気孔４を開閉する。しかして本考案は、
ロータリーバルブ１の当るバルブシート５の当り
面に、僅かに皿状の反り７を設ける。反り７の量
は、軸方向で0.2〜0.5mmでよい。

しかして、ロータリーバルブ１は、クランク軸
３と共にバルブシート５に当りながら摺動回転し
て、吸気孔４を開閉する。その際、吸入負圧によ
つて、バルブシート５に押付けられるが、バルブ
シート５の当り面に、僅かに反り７が設けてある
ので、ロータリーバルブ１の全面当りをさけるこ
とができる。従つて、摺動摩擦熱の発生を少くで
き、ロータリーバルブ１の焼けによる変形が少く
なつて、性能が安定する。

以上説明したよにに、この考案は、クランク軸
に円板の一部に切欠きを設けたロータリーバルブ
を連結し、吸気孔のバルブシートの面を摺動回転
させて吸気孔を開閉するものに於て、該バルブシ
ートに僅かに皿状の反りを設けたので、ロータリ
ーバルブが、バルブシートに全面で当るのをさけ
ることができ、摺動摩擦熱の発生を少くすること
ができて、熱によるロータリーバルブの変形を防
ぐことができ、性能の安定化が図れる。尚、バル
ブシートの当り面の反りは僅かであるので、シー
ル性には殆んど影響がない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断面
図、第２図はバルブシート単体の縦断面図であ
る。 １……ロータリーバルブ、３……クランク軸、
４……吸気孔、５……バルブシート、７……反
り。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランク軸に円板の一部に切欠きを設けたロー
   タリーバルブを連結し、吸気孔のバルブシートの
   面を摺動回転させて吸気孔を開閉するものに於
   て、該バルブシートに僅かに皿状の反りを設けた
   ことを特徴とする２サイクルエンジンのロータリ
   ーバルブ。