JPS6349061B2 - - Google Patents

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JPS6349061B2
JPS6349061B2 JP57227547A JP22754782A JPS6349061B2 JP S6349061 B2 JPS6349061 B2 JP S6349061B2 JP 57227547 A JP57227547 A JP 57227547A JP 22754782 A JP22754782 A JP 22754782A JP S6349061 B2 JPS6349061 B2 JP S6349061B2
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JP
Japan
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amount
control
rotation speed
engine
internal combustion
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JP57227547A
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JPS59120751A (ja
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Takashi Ueno
Tooru Takahashi
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS59120751A publication Critical patent/JPS59120751A/ja
Publication of JPS6349061B2 publication Critical patent/JPS6349061B2/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D31/00Use of speed-sensing governors to control combustion engines, not otherwise provided for
    • F02D31/001Electric control of rotation speed
    • F02D31/002Electric control of rotation speed controlling air supply
    • F02D31/003Electric control of rotation speed controlling air supply for idle speed control
    • F02D31/005Electric control of rotation speed controlling air supply for idle speed control by controlling a throttle by-pass

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) この発明は、内燃機関のアイドル時の回転速度
の制御方法に関し、より詳細には、従来一般的な
PID(比例積分微分)制御とは異なり、内燃機関
の内部状態を考慮して機関をダイナミツク(動
的)なシステムとして捕え、内部状態を規定する
状態変数によつて機関の動的な振舞いを推定しな
がら、機関の入力変数を決定する状態変数制御の
手法を用いて、アイドル回転速度を制御する方法
に関する。
(従来技術) 従来の内燃機関におけるアイドル回転速度制御
方法としては、例えば第1図に示すようなものが
ある。アイドル回転速度制御用のAACバルブ1
は、VCMバルブ2の制御ソレノイド3の駆動パ
ルス幅PAをデユーテイ制御することによつてリ
フト量が変わり、スロツトルバルブ4のバイパス
5を通過するバイパス空気量が変化して、アイド
ル回転速度が制御される。
コントロールユニツト6は、スロツトルバルブ
スイツチ(アイドルスイツチ)7によるアイドル
(IDLE)信号、ニユートラルスイツチ8によるニ
ユートラル(NEUT)信号、車速センサ9によ
る車速(VSP)信号などによつて機関がアイド
ル状態にあることを検知すると、水温センサ10
による冷却水温度(TW)に応じた1次元テーブ
ルルツクアツプによつて、アイドル回転速度の基
本目標値を算出する。そして、エアコンスイツチ
11によるエアコン(A/C)信号、ニユートラ
ル(NEUT)信号、バツテリ電圧(VB)信号な
どに応じた補正を行なつて最終的に算出されたア
イドル回転速度の目標値Nrに対し、機関の実際
のアイドル回転速度Nとその目標値Nrとの偏差
SAが小さくなるように制御ソレノイド3のパル
ス幅PAを比例、積分(PI)のデユーテイ制御を
して、目標回転速度Nrにフイードバツク制御す
る。
以上の制御方法を流れ図で示したのが、第2図
である。
しかしながら、このような従来の内燃機関のア
イドル回転速度制御方法にあつては、機関、アク
テユエータおよびセンサの動特性を効果的に用い
たPI制御を行なつている訳ではなく、さらには、
制御手法としてのPI制御は多入出力システムに
対する制御には不向きなものとなつていたため、
機関が他の運転状態からアイドル状態に入る時、
またはアイドル状態から出る時、さらには種々の
負荷外乱が加わつた直後等の、機関がダイナミツ
クな振舞いを呈する時には、制御追従性すなわち
過渡応答が悪いという問題があつた。また、他の
制御入力を加えて制御の自由度を上げ、制御性を
高めようとする時には、PI制御の手法では適用
が難しいという問題があつた。
そして特に、予測不可能な空気の持続外乱によ
り、N>Nrという状態が継続し、従つて制御入
力量である空気量が非常に少なくなつた状態で、
急にその持続外乱が取り除かれた場合には、機関
回転速度の落込みに対して、制御入力量である空
気の増加が間に合わず、エンストしてしまうとい
う問題があつた。
(発明の目的) この発明は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、機関が他の運転状態からアイ
ドル状態へ入る時、またはアイドル状態から出る
時、さらには負荷外乱が加わつた直後等の、機関
がダイナミツクな振舞いを呈する時の制御追従性
すなわち過渡応答を最適にし、さらに、多数の制
御入力変数を加えて制御自由度を上げ、制御性を
高めることを容易にし、もつてより安定なアイド
ル回転速度制御を行なうことを目的とする。そし
て特に、予測不可能な空気の持続外乱が加わり、
制御入力量である空気量が非常に少なくなつた時
に、その持続外乱が急に取り除かれた場合にも、
機関回転速度の低下を防止し、機関を安定して制
御することを目的とする。
(発明の構成および作用) そこでこの発明の内燃機関のアイドル回転速度
制御方法は、内燃機関のアイドル回転速度の目標
値Nrと実際値Nとの間の偏差SAに基づいてアイ
ドル回転速度をフイードバツク制御する方法であ
つて、予め記憶された前記内燃機関のダイナミツ
クモデルに基づき、前記内燃機関の制御入力値と
して該内燃機関に供給される空気量もしくは該空
気量に相当する量、該内燃機関の点火時期、該内
燃機関への燃料供給量もしくは該燃料供給量に相
当する量、および排気環流量もしくは該排気環流
量に相当する量から選択された1つまたは2つ以
上の組合せと、前記アイドル回転速度とから、該
内燃機関のダイナミツクな内部状態を代表する適
当な次数の状態変数量(xi,i=1、2、…n)
を推定し、かつ該推定された状態変数量(x^i,i
=1、2、…n)と前記偏差SAを積分した量と
から前記制御入力値を決定し、さらに、前記目標
値Nrと前記実際値Nとの間に持続外乱による偏
差SAが生じ続けている場合に、該持続外乱が除
かれたときは、前記状態変数量(xi,i=1、
2、…n)と前記偏差SAを積分した量とに零の
初期値を与え、かつ前記制御入力値に、前記偏差
SAを零としたときの初期値を与えることを特徴
とするものである。この制御手法は、従来一般的
なPID制御に代わり、多数の入出力変数を総合的
に制御する多変数制御の手法を用いるものであ
る。そして特に、予測不可能な空気の持続外乱に
よりN>Nrとなり、制御入力値が上限値または
下限値のどちらかにはりついた状態で、その持続
外乱が急に取り除かれた場合に、ある条件で制御
入力値を機関回転速度が上昇する方向に初期値を
与えることを特徴とするものである。
以下、この発明を図面に基づいて説明する。
第3図は、この発明による内燃機関のアイドル
回転速度制御方法の一実施例を実現する装置の構
成図である。
同図において、12は制御対象である内燃機関
で、アイドル回転速度制御の他、空燃比フイード
バツク制御を含む燃料噴射制御その他を行なつて
いる。制御対象12の制御出力をアイドル回転速
度とした場合、制御入力としては、空気量(また
は相当量)、点火時期、燃料供給量(または相当
量)および排気還流量(または相当量)のうちの
いずれか1つまたは任意の2つ以上の組合せをと
り得る。本実施例では、2制御入力として、アイ
ドル時のバイパス空気量を調整するためのVCM
バルブ2の制御ソレノイド(第1図)を駆動する
パルス幅PA(すなわちバイパス空気量に相当する
量)と点火時期ITとをとる。制御出力はアイド
ル回転速度Nで、1出力である。
13は、制御対象である機関12のダイナミツ
クモデルを記憶していて、上記3つの制御入出力
情報PA,IT,Nから機関のダイナミツクな内部
状態を推定する状態観測器(オブザーバ)であ
り、内部状態を代表する状態変数量x(例えば4
つの量x1,x2,x3,x4のベクトル表示)の推定値
x^を計算する。
状態観測器13は制御対象である機関をシミユ
レーシヨンするもので、ダイナミツクな内部状態
を状態変数x(n次のベクトルx1〜xo)で代表す
る。制御対象である機関12の内部状態を表わす
状態変数は、具体的には例えばインテークマニホ
ールドの絶対圧や吸入負圧、実際にシリンダに吸
入された空気量、燃焼の動的挙動、機関トルク等
が挙げられる。これらの値をセンサにより検出で
きれば、その検出値を用いることによつて、動的
な振舞いを把握し、制御に用いることによつて制
御をより精密に行なうことができる。しかしなが
ら現時点ではそれらの値を検出できる実用的セン
サはあまり存在しない。そこで機関の内部状態を
状態変数xで代表させるが、但し状態変数xは実
際の内部状態を表わす種々の物理量に対応させる
必要はなく、全体として機関をシミユレーシヨン
させるものである。状態変数xの次数nは、nが
大きい程シミユレーシヨンが精確になるが、反面
計算が複雑になる。そこで、モデルとしては低近
似されたものを使用し、近似誤差または機関固体
差による誤差を積分動作で吸収する。この発明に
おける2入力1出力の場合には、n=4程度が適
当である。
第3図において、14は積分動作とゲインブロ
ツクで、機関回転速度の指定された目標値Nr
実際値Nとの偏差SAを積分した量および状態観
測器13で計算された状態変数量xから、2つの
制御入力PAとITの値を計算する(第5図参照)。
そして、上記状態観測器13と積分動作とゲイン
ブロツク14とでコントローラを構成する。
次に作用を説明する。
制御対象である機関12は2入力1出力システ
ムで、この入出力間の回転同期サンプル値系のあ
る基準設定値近辺で線形近似された伝達関数行列
T(z)から、制御対象12のダイナミツクな内
部状態を推定することが可能である。その1つの
手法として状態観測器13がある。アイドル回転
速度近辺の運転条件で、制御対象12の伝達関数
行列T(z)が実験的に求まり、 T(z)=〔T1(z) T2(z)〕 (1) となる。但し、zは入出力信号のサンプル値のz
−変換を示し、T1(z)とT2(z)は例えばzの
2次伝達関数である。
入力、出力および伝達関数T1(z),T2(z)の
関係を示す制御対象(機関)12のモデル構造を
第4図に示す。但し、入出力はそれぞれ基準設定
値からのズレδPA,δIT,δNを用いている。
この伝達関数行列T(z)から、次の様に状態
観測器13を構成することができる。
先ず、T(z)から機関の動的な振舞いを記述
する状態変数モデル x(n)=Ax(n−1)+Bu(n−1) (2) y(n−1)=Cx(n−1) (3) を導く。ここで、各量のカツコ内の(n)は現時
点を、また(n−1)は1つ前のサンプル時点を
表わす。u(n−1)は制御入力ベクトルで、あ
る基準設定値からの線形近似が成り立つ範囲内で
の摂動分を表わす、制御ソレノイド3のパルス幅
δPA(n−1)と点火時期δITを要素とする。すな
わち u(n−1)=〔δPA(n−1) δIT(n−1)〕 (4) また、y(n−1)は制御出力で、制御入力ベク
トルと同様に、ある基準回転速度Na(例えば
650rpm)からの摂動分を表わすδN(n−1)を
要素とする。すなわち、 y(n−1)=δN(n−1) (5) x(・)は状態変数ベクトルであり、行列A,B,
Cは伝達関数行列T(z)の係数から決まる定数
行列である。
ここで、次のようなアルゴリズムを持つ状態観
測器を構成する。
x^(n)=(A−GC)x^(n−1) +Bu(n−1)+Gy(n−1) (6) ここに、Gは任意に与えられる行列で、x^(・)
は機関12の内部状態変数x(・)の推定値であ
る。(2)(3)(6)式より変形すると、 〔X(n)−x^(n)〕 =(A−GC)〔x(n−1)−x^(n−1)〕 (7) となり、行列(A−GC)の固有値が単位円内に
あるようにGを選べば、 n→大で x(n)→x(n) (8) となり、内部状態変数量x(n)を入力u(・)と
出力y(・)から推定することができる。また、
行列Gを適当に選び、行列(A−GC)の固有値
を全て零にすることも可能で、この時状態観測器
13は有限整定状態観測器となる。
このようにして推定された状態変数x(・)と、
目標回転速度Nrと現在の実際の回転速度N(・)
との偏差SA=(Nr−N(・))の情報を用いて、
制御入力である制御ソレノイド3の駆動パルス幅
PAの基準設定値(PAaからの線形近似が成り立
つ範囲内での増量分δPA(・)と、点火時期の基
準設定値からの線形近似が成り立つ範囲内での増
量分δIT(・)を決定し、機関のアイドル回転速
度Nの最適レギユレータ制御を行なう。レギユレ
ータ制御とは、アイドル回転速度Nを一定値であ
る目標回転速度Nrに合致するように制御する定
値制御を意味する。
なおこの発明では、前述したように実験的に求
めたモデルが低次元化された近似モデルであるた
め、その近似誤差を吸収するためのI(積分)動
作を付加しているが、ここではI動作を含めての
最適レギユレータ制御を行なう。
この発明の制御対象である機関は、前述したよ
うに2入力1出力システムであり、これを最適に
レギユレータ制御するものであるが、一般的な多
変数システムの最適レギユレータ制御アルゴリズ
ムは、例えば古田勝久著「線形システム制御理
論」(昭和51年)昭晃堂その他に説明されている
ので、ここでは詳細な説明は省略する。結果のみ
を記述すると、いま、 δu(n)=u(n)−u(n−1) (9) δe(n)=Nr−N(n) (10) とし、評価関数Jを、 J=k=0 〔δe(k)2+δut(k)Rδu(k)〕 (11) とする。ここでRは重みパラメータ行列、tは転
置を示す。kは制御開始時点を0とするサンプル
回数で、(11)式の右辺第2項はRを対角行列とする
と(9)式の2乗を表わす。またこの項は(9)式のよう
な制御入力の差分の2次形式としているが、これ
は第5図に示すようにI動作を付加したためであ
る。(11)式の評価関数Jを最小とする最適制御入力
u〓(k)は、 となる。(12)式で K=−(R+tP)-1 tP (13) とおくと、Kは最適ゲイン行列である。また(12)式
において であり、Pは、 のリカツテイ(Riccati)方程式の解である。
(11)式の評価関数Jの意味は、制御入力u(・)
の動きを制約しつつ、制御出力y(・)であるア
イドル回転速度Nの目標値Nrからの偏差SA(回
転変動)を最小にしようと意図したもので、その
制約の重みづけは重みパラメータ行列Rで変える
ことができる。従つて、適当なRを選択し、アイ
ドル時の機関のダイナミツクモデル(状態変数モ
デル)を用い、(16)式を解いたPを用いて計算
した(13)式の最適ゲイン行列Kをマイクロコン
ピユータに記憶し、アイドル回転速度の目標値
Nrと実際値Nの偏差SAの積分値および推定され
た状態変数x(k)から、(12)式によつて最適制御入力
値u*(k)を簡単に決定することができる。また前
述したように、機関のダイナミツクな状態変数の
推定値x(k)を求めるには、行列A,B,C,Gの
値をマイクロコンピユータに記憶しておき、(6)式
により計算すればよい。
特に、予測不可能な空気の持続外乱が加わり、
機関回転速度の実際値N>目標値Nrの状態が継
続し、制御入力値であるバイパス空気量が非常に
少なくなり、点火時期も機関回転速度低下の方向
(遅角側)に動いた状態で、その持続外乱が急に
取り除かれた場合、制御入力値である空気量およ
び点火時期が急には機関回転速度上昇の方向に動
かないため、従つて機関回転速度が低下し、エン
ストしてしまうことがある。
例えば、エンジン始動時には、AACバルブ1
で制御されるバイパス空気量だけでは、機関回転
速度を高めることができないため、エアレギユレ
ータを取り付け、スロツトルバルブ4(第1図)
を開け、時間経過により徐々に空気量を減じてい
く。この場合に、スロツトルバルブ4で供給され
た外乱空気量とアイドル回転速度制御でVCMバ
ルブ2で供給される空気量との和が、機関に供給
される総空気量となつている。この時、スロツト
ルバルブ4で供給される空気量が、水温TW等で
求めた目標回転速度Nrで機関を運転するのに十
分な量である場合、Nr<Nとなり、アイドル回
転速度制御にあつては、当然VCMバルブ2を全
閉、すなわち制御入力である空気量を最少にして
しまう。
この状態でエアレギユレータが急に閉じた場
合、VCMバルブ2が全閉に近い状態となつてい
るため急に機関回転速度が低下してNr>Nとな
り、バイパス空気量および点火時期を増す方向に
制御が開始されるが、Nr<Nの状態が続いてい
る時間が長い場合、積分要素を吐き出して行くま
でに時間が掛かり、Nr>Nの状態が続き、エン
ストし易い状態となる。
また、アイドル判定に使用するスロツトルバル
ブスイツチ7(第1図)には不感帯があり、車両
停止時にスロツトルバルブスイツチ7が切れない
程度にアクセルペダルに足を乗せ、スロツトルバ
ルブ4が開いた状態が続いた場合にも、上述した
始動時と同様のことが起こり、その状態でアクセ
ルを離すと、スロツトルバルブ4により供給され
ていた空気が急に無くなり、またこの時点火時期
を遅角されており、機関回転速度が急に低下し、
最悪の場合はエンストしてしまう。
従つて、以上詳述したような状態を検知したな
ら、機関のダイナミツクな内部状態を代表する状
態変数量の推定値x^(=x^i)に初期値を与え、積分
(I)分(ki=0 〔Nr−N(j)〕)をキヤンセルすると
同時に制御入力値である空気量を増加させ、かつ
同時に点火時期も進角側にする。
以上のアイドル回転速度制御の手順を示したの
が、第6図である。手順を説明すると、ステツプ
30では、エアコンのオン−オフ状態、水温TW
の値等によりアイドル回転速度の目標値Nrを決
める。ステツプ31では、実際の回転速度Nが
650rpm以下かどうかを判定し、以下であれば、
ステツプ32で空気量と点火時期(すなわち制御
入力)の値が下限値(最小値)かどうかを判定
し、下限値ならステツプ33で状態推定値x1
x2,x3,x4および積分要素DUNをそれぞれ0に
し、制御入力値を機関回転速度を650rpmに保つ
ために必要な値とする。ステツプ34では、アイ
ドル回転速度の目標値Nrと実際値Nの偏差SAを
計算する。ステツプ35では、制御を始めてから
前の周期までの回転速度の偏差SAを加算してい
て、結果をDUNというレジスタに移す。ステツ
プ36では、回転速度の実際値Nの基準設定値
Na(例えば650rpm)からのズレδNを計算する。
ステツプ37では、前の制御周期で推定された機
関のダイナミツクな内部状態を表わす状態変数量
x* 1〜x* 3(前回計算値)と、計算された制御入力値
δPAおよびδITと、さらに制御出力値であるδNと
を重みづけ加算して各状態変数量x1〜x4を計算す
る。但し(6)式の行列(A−GC)は、 の形で、有限整定オブザーバを形成した例であ
る。なお、(A,B,C)は可観測正準形を用い
ている。
ステツプ38では、推定された機関のダイナミ
ツクな内部状態変数量x1〜x4とDUNに最適ゲイ
ンKの要素kijを乗じて加算し、基準設定値(PA
aおよびITaに対し制御入力値をどれだけ増量する
かを計算する。
第6図の係数bij、gi、kij等は、予め求めてお
いてマイクロコンピユータ等に記憶しておく。
以上の手順で、アイドル回転速度が一定の状態
における種々の外乱に対する過渡応答と、アイド
ル回転速度の目標値を変更した場合の過渡応答を
実験した結果を、従来のPI制御とこの発明によ
る多変数制御とで比較したのが第7図A,Bない
し第10図A,Bである。
第7図A,Bはクラツチ接続時(t0点で半クラ
ツチ接続、但しブレーキを踏んでいる)のアイド
ル回転速度Nの過渡応答を示し、Aは従来のPI
制御、Bはこの発明の多変数制御の場合である。
第8図A,Bはクラツチ遮断時(t0点で遮断)の
過渡応答を示し、Aは従来方法、Bはこの発明の
方法の場合である。第9図A,Bはエアコンをオ
ンし、目標アイドル回転速度を800rpmに移行し
た場合、およびエアコンをオフし、目標アイドル
回転速度を650rpmに戻した場合の過渡応答を示
し、Aは従来方法、Bはこの発明の方法の場合で
ある。第10図A,Bは無負荷高回転状態から目
標値650rpmにコーステイングする場合の過渡応
答を示し、Aは従来の方法、Bはこの発明の方法
の場合である。第7図A,Bないし第10図A,
Bから明らかなようにいずれの場合もこの発明に
よる方法によつて、過渡制御性が大幅に改善され
ていることが判る。なお第7図Aではアイドル回
転速度が目標値に整定しない。
第11図A,Bおよび第12図A,Bは、予測
不可能な空気の持続外乱が加わつた場合で、第1
1図A,Bは始動時のアイドル回転速度と空気量
と点火時期の動きを、第12図A,Bはアクセル
足乗せの場合のアイドル回転速度と空気量と点火
時期の動き(時刻t0でアクセルを完全に離した場
合)を、それぞれ示し、Aは従来の方法、Bはこ
の発明の方法の場合である。図から明らかなよう
に、いずれの場合もこの発明による方法によつ
て、回転速度の落込みや整定時間等の制御性が改
善されていることがわかる。なお、第12図Aで
は整定までに45秒程度を要している。
前述したように、この発明における内燃機関の
制御出力をアイドル回転速度とした時に、制御入
力としては、空気量(または相当量)、点火時期、
燃料供給量(または相当量)および排気還流量
(または相当量)から選択されたいずれか1つま
たは任意の2つ以上の組合せを用いることがで
き、上述の実施例では、バイパス空気量の相当量
であるVCMバルブの制御ソレノイドのパルス幅
と点火時期とを制御入力とする場合について説明
した。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、内燃
機関のダイナミツクなモデルに基づく多変数制御
手法を適用してアイドル回転速度制御を行ない、
しかも内燃機関のダイナミツクな状態を推定する
手順を付加し、なおかつ、状態観測器内の機関モ
デルを低次元化したものを用いて計算時間を短縮
し、その近似誤差分は積分動作で吸収するように
したため、アイドル状態で問題となる失火外乱や
負荷外乱などの外乱に対する制御過渡応答を最適
にでき、しかも制御自由度を上げ制御性を高める
ために多変数制御入力を加えて制御することも容
易であり、より安定なアイドル回転速度制御が実
現できるという効果が得られる。
そして特に、予測できない空気の持続外乱によ
りアイドル回転速度の実際値N>目標値Nrとな
り続け、その外乱が急に除かれた場合、機関のダ
イナミツクな内部状態を代表する状態変数量x^i
初期値を与え、また、積分要素をキヤンセルする
と同時に、制御入力値である空気量を増加させ、
また点火時期も進角側にするようにしたため、機
関回転速度の低下または最悪の場合の機関停止と
いうことを防止でき、より安定なアイドル運転を
実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の内燃機関のアイドル回転速度制
御装置の構成図、第2図は従来のアイドル回転速
度制御方法を示すフローチヤート、第3図はこの
発明による内燃機関のアイドル回転速度制御方法
を実現する制御装置の構成図、第4図は第3図の
制御入出力と機関の関係を示すブロツク図、第5
図は第3図の積分+ゲインブロツクの詳細を示す
図、第6図はこの発明による制御方法を説明する
フローチヤート、第7図A,Bはクラツチ接続時
の過渡応答の実験結果を示す図、第8図A,Bは
クラツチ遮断時の過渡応答の実験結果を示す図、
第9図A,Bはエアコンのオンオフ時の過渡応答
の実験結果を示す図、第10図A,Bはコーステ
イング時の過渡応答の実験結果を示す図、第11
図A,Bは機関の始動時の過渡応答の実験結果を
示す図、第12図A,Bはアクセル足乗せ時にア
クセルを急に離した時の過渡応答の実験結果を示
す図である。 1……AACバルブ、2……VCMバルブ、3…
…制御ソレノイド、4……スロツトルバルブ、5
……バイパス、7……スロツトルバルブスイツ
チ、8……ニユートラルスイツチ、10……水温
センサ、11……エアコンスイツチ、12……内
燃機関(制御対象)、13……状態観測器、14
……積分動作とゲインブロツク、Nr……アイド
ル回転速度の目標値、N……アイドル回転速度の
実際値、Na……アイドル回転速度の基準設定値、
SA……アイドル回転速度の目標値と実際値の偏
差、PA……バイパス空気量を規定する制御ソレ
ノイドの駆動バイパス幅、IT……点火時期、xi
…状態変数量、x* i……前の制御周期での状態変
数量、x^i……状態変数の推定量。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 内燃機関のアイドル時に、アイドル回転速度
    の目標値Nrと実際値Nとの間の偏差SAに基づい
    て、アイドル回転速度をフイードバツク制御する
    内燃機関のアイドル回転速度制御方法において、
    予め記憶された前記内燃機関のダイナミツクモデ
    ルに基づき、前記内燃機関の制御入力値として該
    内燃機関に供給される空気量もしくは該空気量に
    相当する量、該内燃機関の点火時期、該内燃機関
    への燃料供給量もしくは該燃料供給量に相当する
    量、および排気環流量もしくは該排気環流量に相
    当する量から選択された1つまたは2つ以上の組
    合せと、前記アイドル回転速度とから、該内燃料
    機関のダイナミツクな内部状態を代表する適当な
    次数の状態変数量(xi,i=1、2、…n)を推
    定し、該推定された状態変数量(x^i,i=1、
    2、…n)と前記偏差SAを積分した量とから前
    記制御入力値を決定し、さらに、前記目標値Nr
    と前記実際値Nとの間に持続外乱による偏差SA
    が生じ続けている場合に、該持続外乱が除かれた
    ときは、前記状態変数量(xi,i=1、2、…
    n)と前記偏差SAを積分した量とに零の初期値
    を与え、かつ前記制御入力値に、前記偏差SAを
    零としたときの初期値を与えることを特徴とする
    内燃機関のアイドル回転速度制御方法。
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