JPS6348709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はドラム型緯糸貯留装置のヤーンガイ
ド糸道内の風綿留り防止装置更に詳しくは特に静
止した緯糸貯留ドラム外周を相対的に回転する糸
巻き付け用のヤーンガイドたるアームでもつて緯
糸を巻き付け貯留する形式のドラム型緯糸貯留装
置のヤーンガイド糸道内の風綿留り防止装置に関
するものである。

一般に上記型式のドラム型緯糸貯留装置におい
ては、給糸体から糸を巻き付けヤーンガイドたる
アームの先端に緯糸を導くのを容易にするため及
びアーム回転による糸の外気による影響やバルー
ニング時に緯糸が他の器具に接触して糸切れを防
止する為等の理由から、上記アーム内を中空状に
して糸道を形成し、その中に緯糸を通してアーム
の先端に緯糸を導き、貯留ドラム表面に巻き付け
ていた。

ところで、このアームの中空糸道の入口からア
ーム先端の出口に至る糸道は、紆余曲折している
ため、緯糸にスパン糸等を用いた場合には、糸道
の特に屈曲部や糸道出口に風綿が留り、緯糸に風
綿の塊りがついて、この塊りがついたまま貯留ド
ラムに巻きつけられる。そうすると貯留ドラムか
らはこの塊りがついたままの緯糸が解舒されて、
流体噴射でこの緯糸を緯入する場合にノズルをつ
まらせる原因となつたり、甚だしい場合には、緯
糸の飛走を妨げる様になることが度々あり、この
ことが、この型式の貯留装置の性能を著しく低下
させていた。

この考案はこの様な事実に鑑みて提案されたも
のであり、上記形式の緯糸貯留装置であつても、
アームの糸道に風綿が留つたりすることを防止
し、しかもこれにより緯糸への悪影響が出たり糸
道詰りが生じたりすることがないようなドラム型
緯糸貯留装置を提供することを目的とする。即
ち、この考案の要旨とするところは、静止貯留ド
ラムの外周を相対的に回転するパイプ状アームの
糸道にヤーンガイドたる該アームの回転時に連続
的又は間欠的に圧縮空気を供給するに際して、圧
縮空気量切換回路を用いて、アームの回転時の空
気供給量がアームの停止時の糸通しのための空気
供給量より少なくなるように切換えて圧縮空気を
噴射するものである。

以下添付の図面に基づいて更に詳細にこの考案
のドラム型緯糸貯留装置における糸道内の風綿留
り防止装置について説明する。

添付の図面に示す様にこの考案のドラム型緯糸
貯留装置のアーム内の風綿留り防止装置における
アーム１は公知の方法で静止した緯糸貯留ドラム
３の外周を相対的に回転をして、アーム１の緯糸
出口から送り出された緯糸Ｗをドラム外周に巻き
付けるものである。ところでこのアーム１は、中
空状をしており、中空部は糸道１０を形成してい
る。そして、アーム１の糸道１０の緯糸出口１３
と入口１２との間の所定位置即ち回転中心部に
は、アーム静止時に緯糸Ｗを糸道１０に通すため
の糸通し用手動バルブ７に連通したパイプ６が開
口接続されており、更にこの糸通し用手動バルブ
７の上流側のパイプ６は圧縮空気供給源５に接続
されている。以上のことは従来と同様であるが、
この考案は更に上記圧縮供給源５から糸道のパイ
プ開口接続部に至るまでのパイプ６には、前記糸
通し用手動バルブ７と並列関係におかれた風綿除
去用バルブ８を有するバイパスパイプ６３を有し
ている。この風綿除去用バルブ８をヤーンガイド
たるアームの回転時に連続的に又は間欠的に開閉
する様に設定してやれば、圧縮空気供給源から連
続的に又は間欠的に圧縮空気がアームの糸道１０
に送り込まれる。すると、糸が糸道１０内を走行
して走行中に該糸道内に風綿がたまつても、この
圧縮空気の連続的又は間欠的な作用により、糸道
１０内の風綿が糸道出口１３から追い出され、風
綿が糸道１０内に留つて塊状になることもない。

尚、風綿除去に必要な圧縮空気の供給量は、糸
通し用の圧縮空気給量より少くてよいものである
から、前記バイパスパイプの所定の位置に絞り弁
９を取付けておいてやつてもよい。この様に、バ
イパス回路６３に絞り弁９を設置する理由は、風
綿除去時に糸通し用回路６と同じ空気量を供給す
ると、糸通しの場合と違つて、糸が長い間強い噴
気流にさらされて糸の毛羽だち等を生じせしめ緯
糸に悪影響を与えるからである。

上記説明においては、糸道１０内に送り込む風
綿除去用の圧縮空気は、糸通し用の圧縮空気供給
用のパイプ６から分岐されたバイパスパイプ６３
を用いたが、この考案はこれに限定されるもので
はなく、糸通し用の圧縮空気供給源とは別個に圧
縮空気供給源を用いる様にしてやつても良いこと
は勿論である。要は、糸道１０にヤーンガイドた
るアームの回転時に連続的に又は間欠的にアーム
の停止時の糸通しのための空気供給量より少い圧
縮空気を送り込む様にしてやれば良いのである。
更にこの考案は上記した静止ドラム型形式のもの
に限定されるものではなく、緯糸貯留ドラムが回
転する形式のものであつても、緯糸を該貯留ドラ
ム外周に導くための緯糸導通用糸道が形成してあ
るものにも応用できることはいうまでもない。

上記したこの考案によれば、糸道内１０にヤー
ンガイドたるアームの回転時には連続的又は間欠
的に圧縮空気が送り込まれるので、糸道１０内の
風綿は、たえず糸道出口１３から追出され、風綿
が糸道内に留つて塊状となることがない。この結
果糸道出口１３から繰り出されて貯留ドラム３に
巻き付けられる緯糸Ｗに風綿の塊が付着する事は
なく、爾後貯留ドラムから解舒された緯糸が緯糸
挿入用のノズルに送込まれた場合に、該ノズルが
風綿でつまるといつたこともなくなり、緯糸の飛
走に障害を与えるといつたことが無くなる。しか
も時間的に長いアームの回転時には弱く空気を噴
射するから、糸道の緯糸入口から周りの風綿を吹
込んでそのため糸道が詰まるというようなことも
なく、また毛羽立ちなどが生じて、緯糸に悪影響
が出ない。

【図面の簡単な説明】

添付の図面はこの考案のドラム型緯糸貯留装置
のヤーンガイド糸道内の風綿留り防止装置周りを
示した説明図である。 １……アーム、３……緯糸貯留ドラム、５……
圧縮空気供給源、６……パイプ、７……糸通し用
手動バルブ、８……風綿除去用バルブ、６３……
バイパスパイプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ［１］ ドラム外周に緯糸を案内するヤーンガイ
   ドたるアーム内に中空状の糸道が形成されてい
   る形式であつて、 上記糸道の所定位置には該糸道内に連続的ま
   たは間欠的に圧縮空気を供給するための圧縮空
   気供給機構が接続されており、かつ アームの回転時の空気供給量がアームの停止
   時の糸通しのための空気供給量より少なくなる
   ように切換えて圧縮空気を噴射できる圧縮空気
   供給量切換回路を、上記の圧縮空気供給機構が
   有している ことを特徴とするドラム型緯糸貯留装置のヤー
   ンガイド糸道内の風綿溜り防止装置。 ［２］ 上記圧縮空気供給量切換回路が、糸通し
   用手動バルブ７を含む第１の空気供給路および
   これに並列に設けられたバルブ８と絞り弁９を
   含む第２の空気供給路からなる 如き実用新案登録請求の範囲第［１］項に記載
   の装置。