JPS6348677Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は好気的醗酵処理に用いる袋体に関す
る。

（従来の技術） 畜糞、水産加工廃棄物、屠場廃棄物等各種の廃
棄物を処理して堆肥化する方法の１つとして、こ
れらの廃棄物が含水量が少なく通気性を有する場
合はそのままの形で、含水量が多い場合にはオガ
屑、チツプ屑、切りわら等と混合して通気性を付
与した上で通気性の袋体に詰めて好気醗酵せしめ
る方法が知られている。

この方法によれば、醗酵槽が不要であり、処理
場所の制約がなく、切り返しが不要であり、悪臭
及びうじの発生が著しく減少する等の利点がある
が、従来使用されていた袋体では廃棄物を大量
に、且つ機械的に取扱う場合に、堆積する高さに
限度があり、また満足し得る好気的醗酵が行われ
ない等の欠点を有していた。これらの問題を解決
するため、本考案者はすでに好気的醗酵用処理装
置特開昭60−145983号（特願昭58−247227号）を
提案している。この装置は金属製又は合成樹脂製
の枠組容器内に繊維シートから成る箱型袋体を設
けたものであり、この袋体には、これを枠組容器
の底部に固定するための結束紐が数本縫着されて
いる。

前記の装置における好気的醗酵により得られた
製品堆肥は、ローテーシヨンフオーク又は他の転
倒装置を用いることにより、トラツクの上方等で
枠組容器を180゜反転させて上下逆にすることによ
り、袋体からトラツク荷箱内等に移される。この
際、枠組容器と袋体とを結着している結束紐に
は、数百Kgにも及ぶ製品堆肥の偏重荷重が負荷さ
れるため、結束紐の強度が不足している場合には
これが切断されてしまう。このため結束紐として
太く丈夫な材料を使用する必要がある。

他方、本考案の好気的醗酵用袋体は、その内部
における好気的醗酵を円滑に進行せしめるために
60c.c.／cm³／sec以上の通気性を有する必要があり、
このためには目付を多くすることができず、袋体
の強力にはおのずから限界がある。

このため、太く丈夫な結束紐を袋体に単に縫着
しただけでは、前記の偏重荷重により結束紐の縫
着糸が切れ、或いは縫着個所近辺の破袋が生ず
る。

（考案が解決しようとする問題点） 従つて本考案は、廃棄物の好気的醗酵処理に好
適で、しかも繰返し使用することができ、ローテ
ーシヨンフオーク等により枠組容器を反転させて
該枠組容器内に収容されている袋体中の製品堆肥
を排出せしめる作用に耐え、経済的に有利な好気
的醗酵用袋体を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的は、繊維シートから成る箱形の袋体
の少なくとも対応する一対の底部の稜線に沿つて
補強紐を付着し、該補強紐に結束紐を付着して成
る好気的醗酵用袋体により達成される。

（作用） 本考案の袋体においては、袋体の底部稜線に沿
つて補強紐が付着されており、該補強紐には結束
紐が付着されており、そして使用時には該結束紐
によつて袋体と枠組容器とが結着されるから、該
枠組容器を反転して袋体から製品堆肥を排出する
際に該結束紐に負荷される荷重が、袋体における
結束紐の付着部分に集中することなく稜線全体に
分散されるため、結束紐の縫着糸が切断されるこ
とがなく、また付着個所近辺の破袋も生じない。

（実施例） 以下、図面に基いて本考案を具体的に説明す
る。

第１図において、Ａは本考案の袋体１の斜視図
であり、Ｂは袋体１を収容する枠組容器10の斜視
図であり、そしてＣは枠組容器10に袋体１を収容
した状態を示す斜視図である。本発明の袋体１
は、該袋体の底部稜線に沿つて縫着された補強紐
３を有し、該補強紐３には袋体１を枠組容器１０
に結着するための結束紐４が付着されている。枠
組容器１０はフオーク挿入ガイド１１、支柱１
２、及び枠材１３を有し、上面を除く５面に、例
えばビニル被覆鉄製のエキスパンドメタルが設け
られている。袋体１は、枠組容器１０に収容さ
れ、結束紐４を支柱１２又は枠材１３に結び付け
ることによつて結着される。

本考案の袋体は、第１図〜第３図に示すごと
く、袋体本体２を有し、場合によつては蓋６を有
する。

ローテーシヨンフオーク等によつて袋体１を収
容した枠組容器１０を反転せしめる際には、その
回転軸に平行な稜線、すなわち回転方向に直交す
る稜線に力が集中し、回転軸に直交する稜線、す
なわち回転方向に平行な稜線にはほとんど力が加
わらない。このため、本考案の袋体には、第１図
及び第２図に示すごとく反転の際に回転軸に平行
になる底部稜線に補強紐３及び結束紐４を有する
必要があるがその他の稜線には必ずしも補強紐及
び結束紐を設ける必要がない。しかしながら、袋
体全体をさらに強固にするためには、第３図に示
すごとく補強紐３及び結束紐４を上部稜線にも設
けることができる。この場合、上部補強紐は下補
強紐と平行な稜線に沿つて設けるのが好ましい。

結束紐４は、第２図に示すごとく、補強紐３の
袋体２の底部の隅に相当する２箇所に設ける必要
があるが、力を十分に分散して破袋の発生を防止
するためには中間部分にも１個又は複数個の結束
紐を設けるのが好ましい。また、第３図に示すご
とく上部稜線にも補強紐を設ける場合には、この
補強紐にも上記のごとく結束紐を設けるのが好ま
しい。さらに、使用時に袋体を枠組容器に十分に
固定するためには、補強紐を設けてない稜線にも
結束紐を付加するのが好ましく、この場合には、
第２図及び第３図に示すごとく結束紐４を補強布
５と共に縫着するのが好ましい。

稜線に沿つて補強紐を付着するために種々の手
段を用いることができる。最も簡単でしかも強固
に付着する方法は、第４図に示すごとく縫糸７を
用いて縫着する方法である。しかしながら他の方
法を用いることもでき、例えば第５図に示すごと
く、稜線に沿つて当布８を縫着し、袋体１と当布
８の間に補強紐３を通すこともできる。

補強紐に結束紐を付着する方法としては、例え
ば第６図に示すごとく、結束紐を補強紐に結着す
る方法が便利である。また、補強紐の両端を延長
して、補強紐自体を結束紐として機能せしめるこ
ともでき、さらに第７図に示すごとく補強紐の両
端に輪９を形成し、この輪に結束紐を結着するこ
ともできる。さらには、これらの付着方法を組合
わせて使用することもでき、また他の方法を用い
ることもできる。

次に、この考案の袋体に使用する材料について
説明する。この考案の袋体の本体部分２及び蓋６
は一定の強度と通気性を有する材料で構成され、
例えば、目付130ｇ／cm²、引張強度60Kg／５cm、
引裂強度８Kg、通気量125c.c.／cm²／secを有し、両
面をエンボス加熱加圧処理したポリエステル長繊
維不織布により構成するのが好ましい。補強紐と
しては十分に強力を有する紐状材料を用いる必要
があり、例えば、幅約100mmのポリプロピレンフ
イルム３本撚りソフトテープを用いるのが好まし
い。結束紐の材料としては、例えば幅約70mmのポ
リプロピレンフイルム３本撚りテープ紐を用いる
のが好ましい。勿論これら補強紐および結束紐に
耐候性が要求される場合にはポリアミド、ポリエ
ステルなどの材料を使用することが望ましい。ま
た補強紐を袋体に縫着するための縫糸としては、
例えばビニロン系20番手６本片撚りの糸を用いる
ことができる。なお、本考案の袋体、補強紐、結
束紐および縫糸に使用される材料は上記のものに
限定されるものではなく、これらの材料と同様の
性質を有する他の任意の材料を使用することがで
きることは言うまでもない。

（考案の効果） 本考案の袋体を使用すれば種々の廃棄物を好気
醗酵せしめて良質の堆肥製品を製造することがで
き、成熟した堆肥製品を収容した袋体及び枠組容
器をローテーシヨンフオーク等により上下転倒し
て該堆肥を所望の場所に移動することを多数回反
復しても、袋体が破損することがない。すなわち
本考案の袋体は極めて高い耐久性を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の袋体の概略の構造及び枠組容
器への取付け状態を示す斜視図であり、第２図及
び第３図は本考案の袋体の１例を示す斜視図であ
り、第４図及び第５図は補強紐の付着方法を示す
略図であり、そして第６図及び第７図は結束紐の
付着方法を示す略図である。 これらの図中、２は袋体本体、３は補強紐、４
は結束紐、５は補強布、６は蓋、７は縫糸、８は
当布、そして９は輪を示す。また、１０はこの考
案の袋体を収容する枠組容器、１１はフオーク挿
入ガイド、１２は支柱、１３は枠材、そして１４
はエキスパンドメタルを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 繊維シートから成る箱形の袋体の少なくとも
   対応する一対の底部の稜線に沿つて補強紐を付
   着し、該補強紐に結束紐を付着して成る好気的
   醗酵用袋体。 ２ 繊維シートが不織繊維シートである実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の袋体。