JPS6348651Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は婦人の和装用帯に関し、特に胴に２巻
きして蝶結びや文庫結びや貝の口結び等に結ぶこ
とのできる長さを有するところの幅が４寸程度
（17cm程度）の半幅帯に関するものである。

従来技術 上記のような半幅帯は浴衣を着用する時等の簡
素な装いにおいて手軽に結び使用できる便利なも
のであることは周知のとおりである。ところが従
来のこの種の半幅帯では種々の色柄の付け方にさ
れていたにしても、色柄の表現性においていま一
つ変化に乏しく、色柄の表現を変えるように結ぶ
ことのできるものはなかつた。

考案の目的 そこで本考案は、色柄の表現を面白い斬新な形
態に変化させて結ぶことのできる半幅帯を提供す
ることを目的とするものである。

考案の構成 本考案は、半幅帯につき、帯の長さの中央での
ほぼ胴への２巻き分に相当する長さ範囲にわたる
帯表側中央面域部分を、これ以外の帯表側の左右
両端部側面域部分及び帯裏側のいずれとも異なつ
た色調にしたことを構成の骨子とするものであ
る。

実施例 本考案の実施例を図面を参照して説明すると、
第１図には半幅帯の帯表側が示され、第２図には
その帯裏側が示されている。この半幅帯１は、帯
表側２と帯裏側３を別生地として周縁で縫合し袋
状にした所謂小袋帯である。この半幅帯１は、長
さ（全長）が胴に２巻きして蝶結びや文庫結びや
貝の口結び等に結ぶことができる３ｍ20cm〜３ｍ
40cm程度であり、幅が普通の袋帯等の半幅の４寸
程度（17cm程度）である。

本考案は係る半幅帯１につき、その帯表側２に
ついて、その色調を、帯の長さの中央でのほぼ胴
への２巻分に相当する長さl₁の範囲にわたる中央
面域部分２ａと、残りの左右の互いに同じ長さ
l₂，l₃の範囲にわたる両端部側面域部分２ｂ，２
ｃとの３つの面域部分に区分けし、このようにし
て中央面域部分２ａを、彩度或は明度或は色相に
おいて左右両端部側面域部分２ｂ，２ｃの色調と
は異なつた色調にするものである。そして、その
帯表側中央面域部分２ａの色調は、さらに帯裏側
３の全体の色調とも彩度或は明度或は色相におい
て異なつた色調にするものである。上記帯表側２
での中央面域部分２ａの長さl₁としては、ほぼ胴
に２巻分に相当するものとして一般的には１ｍ30
cm前後に設定するとよく、従つて残りの左右両端
部側面域部分２ｂ，２ｃの長さl₂，l₃は夫々同じ
く95cm〜１ｍ５cm前後に設定するとよい。

帯表側中央面域部分２ａの色調については、好
ましくは適当な模様付けの色調面とし、特に好ま
しくは金糸又は銀糸の織込み模様付けの色調面と
することであり、たとえば金糸や銀糸の織込みに
より、全体的に斜め縞状等の金又は銀の光沢模様
を表わした光沢色調面とすると良好である。そし
て帯表側の左右両端部側面域部分２ｂ，２ｃと帯
裏側３の全体との色調については、帯表側中央面
域部分２ａとは対照的に異なる色調で赤或は黄或
はピンク或は緑といつた鮮やかな適当な色の色調
にするとよく、好ましくはそれら帯表側の左右両
端部側面域部分２ｂ，２ｃと帯裏側３の全体と
を、いずれも全く同じ色の同じ色調にし、しかも
いずれも同じように無模様で無地の色調面とする
ことである。しかし、それに限らず帯表側の左右
両端部側面域部分２ａ，２ｂと帯裏側３とにつ
き、夫々を互いに異なつた色の色調にしたり、そ
のうちのいずれか２つを同じ色の色調にし、残り
１つを異なつた色の色調にしたり等のようにして
もよく、それらのいずれとも異なつた色調にしさ
えすれば帯表側中央面域部分２ａと無模様の無地
の色調面にしてもよいものである。

以上の構成の半幅帯１によると、帯の長さの中
央を胴に２巻きし、帯の左右両端部側で蝶結びや
文庫結びや貝の口結び等に結んで着用することが
できるが、この場合、帯表側２の長さの中央での
胴への２巻き分に相当する長さl₁の範囲にわたる
中央面域部分２ａが帯裏側３とは異なつた色調で
あるので、その帯表側２と帯裏側３とのいずれを
表側にして胴に巻くかの選択によつて、それらの
帯表側中央面域部分２ａと帯裏側３との異なつた
２種の色調のいずれかを胴に巻いた部分に選択的
に表わして結び着用することができる。そして、
その選択において、帯表側２を表側にして胴に巻
いて結び着用した場合には、帯表側中央面域部分
２ａが左右両端部側面域部分２ｂ，２ｃとも異な
つた色調であるので、第３図及び第４図に示すよ
うに、胴に巻いた部分に帯表側中央面域部分２ａ
の色調が表わされ、結び部分ではそれと異なつた
色調が表わされることとなり、このとき特に胴に
２巻きするうちの表層の帯縁の片側或は両側を適
当な長さと角度幅で斜め裏返しの折返し状にする
ように結び部分の結び方で調整して結ぶようにす
ることにより、その胴に巻いた部分には前側等で
帯表側中央面域部分２ａの色調が表わされた上
に、これとは異なつた帯裏側３の色調を同時に適
当な斜め筋面の柄状のパターンに混在的に表わす
ような形態に結ぶことができ、以つて従来にない
斬新な非常に興趣深く美しい色柄の表現形態の変
化結びに装うことができる。また逆に帯裏側３を
表側にして胴に巻いて結ぶ場合も、同様に、第５
図及び第６図に示すように、胴に２巻きするうち
の表層の帯縁を適当な長さと角度幅で斜め裏返し
の折返し状にするように結び部分の結び方で調整
して結ぶことにより、その胴に巻いた部分には前
側等で帯裏側３の色調が表わされた上に、これと
は異なつた帯表側中央面域部分２ａの色調を同時
に適当な斜め筋面の柄状のパターンに混在的に表
わすような形態に結ぶことができ、色調的に逆の
形で同じく斬新な非常に興趣深く美しい色柄の表
現形態の変化結びに装うことができる。

考案の効果 以上のようにして本考案の半幅帯によると、帯
の長さの中央でのほぼ胴への２巻き分に相当する
長さ範囲にわたる帯表側中央面域部分を、これ以
外の帯表側の左右両端部側面域部分及び帯裏側の
いずれとも異なつた色調にしたことにより、帯中
央を胴に２巻きして結ぶ場合、帯表側と帯裏側と
のいずれを表側にして胴に巻くかの選択によつて
帯表側中央面域部分と帯裏側との異なつた２種の
色調のいずれかを胴に巻いた部分に選択的に表わ
して結ぶことができ、帯表側を表側にして胴に巻
いた結び方では胴に巻いた部分と結び部分とで異
なつた色調になる特長があるだけでなく、いずれ
の場合にしても胴に２巻きするうちの表層の帯縁
を適当に斜め裏返しの折返し状にするように結び
部分の結び方で調整して結ぶようにすることによ
り、その胴に巻いた部分に帯表側中央面域部分と
帯裏側との異なつた２種の色調を同時に適宜の斜
め筋面状の混成柄をなす斬新で美しく興趣深い形
態に表現して結ぶことができる特長があり、この
ようにして従来のこの種半幅帯の色柄の表現の変
化の乏しさが解消され、色柄の表現性において従
来にない斬新で非常に興趣深い形態に変化させる
結び着用ができ、一本の半幅帯で色柄的に従来に
ない美しい装いの変化を手軽に楽しさことができ
るようになつた至便なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる半幅帯の実施例を示す表
面図、第２図は同帯の裏面図、第３図及び第４図
は同帯の一つの結び着用態様の正面図及び背面
図、第５図及び第６図は同帯の別の一つの結び着
用態様の正面図及び背面図である。 １……半幅帯、２……帯表側、２ａ……中央面
域部分、２ｂ……左端部側面域部分、２ｃ……右
端部側面域部分、３……帯裏側。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 胴に２巻きして蝶結びや文庫結びや貝の口結
   び等に結ぶことのできる長さを有する半幅帯１
   において、帯の長さの中央でのほぼ胴への２巻
   き分に相当する長さ範囲にわたる帯表側中央面
   域部分２ａを、これ以外の帯表側の左右両端部
   側面域部分２ｂ，２ｃ及び帯裏側３のいずれと
   も異なつた色調にしたことを特徴とする半幅
   帯。 (2) 前記帯表側中央面域部分２ａが模様付けの色
   調面とされていることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第(1)項に記載の半幅帯。 (3) 前記帯表側中央面域部分２ａが金糸又は銀糸
   の織込み模様付けの色調面とされていることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第(2)項に記
   載の半幅帯。 (4) 前記帯表側の左右両端部側面域部分２ｂ，２
   ｃ及び帯裏側３がいずれも同じ色調であること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項〜
   第(3)項のいずれかに記載の半幅帯。 (5) 前記帯表側の左右両端部側面域部分２ｂ，２
   ｃ及び帯裏側３がいずれも無模様で無地の色調
   面とされていることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第(1)項〜第(4)項のいずれかに記載の
   半幅帯。