JPS6348206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両の前席として用いられるシート装
置の改良に関するものである。

従来の車両用シートとして実公昭53−24012号
が提案され、これはヘツドレストがシートバツク
上方に配設されるハイバツクシートタイプのもの
で、シートバツクの左右の部分に内装された枠体
の上部をシートバツク内の上部で中央部方向に折
曲して左右の肩部状とし、シートバツクの中央部
から上方に枠体よりも充分に幅の狭いヘツドレス
ト支持枠を起設し、支持枠は上端部を横杆部で連
結し、支持枠は逆Ｕ字型をなす。シートバツクよ
りも幅の狭いヘツドレストを支持枠の中間部乃至
上部に上下可調節に装着し、支持枠の下部がヘツ
ドレストとシートバツク間の幅方向中間部に露出
する。

以上の従来技術は、シートバツクの枠体とヘツ
ドレストの支持枠が一体のためヘツドレスト支持
強度の向上が図れる。

ところで以上のシートは一般に前席に用いら
れ、上記シートを含んで従来のシートは後席乗員
がつかまるところがなく、車室内は天井側部にア
シストグリツプが一般に設けられてはいるが手を
上に上げて把持する要があることから急旋回、急
制動時等では時間的余裕が少ないためつかみにく
く、手を前席シートバツクの背面に当てているの
が現状で、つかみくい。

ところで前記従来技術ではヘツドレスト支持枠
部がシートバツク上に露出しているもシートバツ
クの幅方向中央部に幅狭に配設され、板状の一本
のシートバツク支持杆と差程変らず、これをアシ
ストグリツプとして用いる場合にはつかみにく
く、アシストグリツプとして機能させることは困
難である。

本考案は以上を改善すべくなされたもので、後
席乗員がつかみ易く、急旋回、急制動時等におい
て手を前に差し出すだけで把持することができ、
アシストグリツプとしての機能性向上を図り、以
上をシート自体の構成部材を利用して企図するこ
とができ、別途の機能を備えつつ部品を増すこと
なく、且つ構造、製作を容易に実現し得る如くし
た車両のシート装置を提供するにある。

以上の目的を達成するため本考案は、シートバ
ツク内の左右の部分に縦通せるシートバツクフレ
ームの左右の縦杆部をそのままシートバツク上方
に延出し、延出部上端部を横杆部でつないでこれ
の中間部にヘツドレストを配設し、シートバツク
左右の部分上方に延出露出した左右の縦杆部上部
をグリツプとして用いるように構成した。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は本考案にかかるシート装置の斜視図
を、第２図はシートバツクフレームを示した斜視
図を、第３図はヘツドレスト近傍の拡大斜視図を
示している。

シート装置１はシートクツシヨン２とシートバ
ツク３とからなり、シートクツシヨン２とシート
バツク３とはシートクツシヨン後端とシートバツ
ク下端との間で既知のリクライニング装置４で枢
着され、シートバツク３は起立角度の調節及び前
倒れ、後ろ倒れが可能に構成され、シートクツシ
ヨン２は車両のフロアパネル上に前後位置を可調
節に取り付けられている。

シートバツク３のフレーム５は第２図に示され
る如くで、第１図に示される如く外に表れる部分
は逆Ｕ字型をなす如く形成する。フレーム５はシ
ートバツク３内の左右の部分に内装され、上方に
起立する左右の縦杆部５ａ，５ａと、これの上端
を繋ぐ上部横杆部５ｂと、図示例では縦杆部５
ａ，５ａの下端部間を繋ぐ下端部横杆部５ｃとで
構成され、フレーム５はパイプ材で一体的に形成
される。そしてフレーム５の縦杆部５ａ，５ａの
下部間には上下にクツシヨン用バネ６，６を架設
するとともに、中間部間にはクロスフレーム７を
架設する。そしてフレーム５の縦杆部５ａ，５ａ
の下端部から中間部上部迄の間に充填材及び該被
材等よりなるシートバツク３を設け、縦杆部５
ａ，５ａの中間上部から下端部迄、バネ６，６、
クロスフレーム７はシートバツク３で被覆される
こととなる。

これによりフレーム５のシートバツク３の左右
の部分上には縦杆部５ａ，５ａの上部５ｄ，５ｄ
が肩幅相当幅で左右に離間して上方に延出され、
露出することとなり、これにより左右に広く、縦
方向の把持部が形成されることとなり、この間と
上部の横杆部５ｂとの間には肩及び背中上部に対
応する充分に大きい区間が形成されることとな
り、縦杆部上部５ｄ，５ｄは肩幅相当幅で後席乗
員の前方につかみ易い構成で臨むこととなる。そ
して上部横杆部５ｂの中央部にはヘツドレストフ
レーム８を固着、或は間欠的に揺動可能に取り付
け、該フレーム８の周りには充填材及び外被材か
らなるヘツドレスト９を設ける。従つて把持部を
なす縦杆部上部５ｄ，５ｄはヘツドレストの両側
から外側力に延び、且つシートバツクの両端に近
い部分から下方に垂下されることとなる。かくし
て第１図に示される如きシート装置が得られ、ヘ
ツドレスト９は図示の如き状態で固定しても、或
は節度をもつて回動させ、ヘツドレストの位置を
可調節としても良い。そして第３図に示される如
く縦杆部５ａ，５ａの左右上部の露出部５ｄ，５
ｄにはラバーグリツプ１０，１０を被着し、後席
乗員がグリツプ１０を把持し、滑らないようにす
ることが好ましい。

以上で明らかな如く本考案によれば、シートバ
ツク上の左右の部分上に肩幅相当分に充分に離間
したシートバツクフレームの左右の縦杆部上部が
露出し、後席乗員はこの部分をアシストグリツプ
として把持することができ、把持も手を前方に差
し出す行為で行えるため又肩幅相当に離間して左
右にあるために容易であり、且つ２ドア車では前
席シートバツクを前倒した状態下で前記把持し得
る部分を把持することにより後席乗員の乗降が容
易化し、アシストグリツプとしての機能性向上を
図ることができる他、シートバツクフレームの一
部を利用するため部品点数が増えることがなく、
構造簡単であり、特別なグリツプをシートに別説
することがなく、シートの製作のみでグリツプ機
能をもたせることができ、更に天井側部のアシス
トグリツプは必要がないこととなつて部品点数の
削減が図れる。

本考案は以上の如き多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はシート装置の斜視図、第２図はフレームを露出
した状態の斜視図、第３図はヘツドレスト近傍の
拡大斜視図である。 尚図面中１なシート装置、３はシートバツク、
５はフレーム、５ｂは横杆部、５ｄ，５ｄは把持
部、９はヘツドレストである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンとシートクツシヨン後端部か
   ら上方に起設されるシートバツクとからなり、シ
   ートバツク内には該シートバツク内の左右の部分
   を縦通する肩幅相当幅離間した左右の縦杆部を備
   える柱状のシートバツクフレームを内装した車両
   のシート装置において、前記したシートバツクフ
   レーム内の左右の縦杆部をシートバツク上端から
   肩幅相当幅維持したまま乗員の肩部が位置する領
   域よりも連続して上方に起立延出させ、シートバ
   ツク上端から上方に起立延出した左右の縦杆部上
   部の上端部間を横杆部で連結し、横杆部の中間に
   ヘツドレストを設け、シートバツク上端とヘツド
   レストとの間のシートバツクフレームの左右の縦
   杆部上部に肩幅相当幅の左右の把持部をシートバ
   ツクフレームにより形成したことを特徴とする車
   両のシート装置。