JPS6347686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主としてガスレンジなどにおいて用
いられるガスバーナに関し、煮汁のガスバーナ下
方への漏れを防止すると共に炎を広い範囲で燃焼
させる技術に係るものである。

〔従来の技術とその問題点〕

従来のガスバーナはドーナツ型をしており、そ
の外周側に主炎口と保炎口を設け、内周側に内炎
口を設けており、内炎口へは中央の空洞部から空
気を供給していた。しかし、このタイプのガスバ
ーナにあつては中央に空気供給のための空洞部が
開口しているので、この空洞部から下方へ煮汁な
どがこぼれ、ガスバーナ下方のガスレンジ内など
を汚したり、錆を発生させたりするという問題が
あつた。

一方、煮汁が下方へこぼれるのを防止するため
に上記のような空洞部を無くしてガスバーナを盤
型に形成したものもあるが、斯るガスバーナでは
ガスバーナの外周に環状に形成された保炎口と主
炎口で燃焼するガスがエアカーテンのようになつ
て内側への空気供給を断ち、このために主炎口の
内側へ必要量の空気を供給することができず、内
炎口を設けることができず、ガスの燃焼範囲が狭
く、広い範囲で均一に加熱することができなかつ
た。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のガスバーナは、バーナトツプ１の外周
のほぼ全周に保炎口２を形成し、保炎口２の上方
にバーナトツプ１外周に沿つて適宜ピツチで複数
個の主炎口３を形成し、バーナトツプ１外周の保
炎口２の設けられていない箇所からバーナトツプ
１上面に向けて二次空気導入溝４を形成し、バー
ナトツプ１上面の二次空気導入溝４の近傍に内炎
口５を形成し、二次空気導入溝４の両側の主炎口
３から二次空気導入溝４の開口端部の上部へ向け
て水平に副保炎溝６を穿設して成ることを特徴と
するものである。

〔作用〕

本考案は、上記のように保炎口２と保炎口２と
の間においてバーナトツプ１外周から内炎口５の
方へ向けて二次空気導入溝４を設けたので、ガス
バーナをドーナツ型にして中央に空洞部を設けな
くとも二次空気導入溝４を通して内炎口５に必要
量の空気を供給することができ、主炎口３の炎と
内炎口５の炎により広い範囲で均一にガスを燃焼
させることができるものであり、更にガスバーナ
をドーナツ型にして中央に空洞部を設ける必要が
なく、中央を塞いでおけるので煮汁などの漏れ落
ちを防止できるものである。しかも、主炎口３の
炎消えを防止するための保炎口２が二次空気導入
溝４を隔てて分離されているにも拘わらず、保炎
口２同士が主炎口３から出て副保炎溝６を通る炎
により連結されており、確実に炎切れを防止でき
るものである。

〔実施例〕

バーナトツプ１は、第２図に示すように受け皿
状のバーナボデイ７内に球面状の網体１０を納入
し、その上からバーナボデイ７に蓋状のバーナキ
ヤツプ８を嵌合させて中空円盤状に形成されてお
り、第１図に示すように煮汁防止型のもので中央
部には内側から空気を供給するための空洞部は設
けられていない。バーナトツプ１の外周面におけ
るバーナキヤツプ８とバーナボデイ７との間、即
ちバーナキヤツプ８の外周面下部にはほぼ環状に
保炎口２が凹設されている。図示例では、保炎口
２は３つの部分に分離されていて３箇所の保炎口
２の無い（保炎口２の端部間の）部分が設けられ
ている。各保炎口２の上には多数のスリツト状の
主炎口３が一定ピツチ毎に穿設されており、主炎
口３は保炎口２の上に櫛歯状に連設されている。
また、保炎口２の底部には主炎口３の下端と連通
して一定ピツチ毎にガス流出小孔９が開口されて
おり、このガス流出小孔９から保炎口２へガスが
供給されている。保炎口２と保炎口２との間の保
炎口２の無い部分ではバーナキヤツプ８外周面か
ら上面にかけて３箇所に放射状に二次空気導入溝
４が形成されている。二次空気導入溝４の底面
は、第４図に示すようにバーナキヤツプ８外周面
の保炎口２と略同じ高さの箇所からバーナキヤツ
プ８上面へ向けて斜め上がりに傾斜させられてお
り、この二次空気導入溝４へ保炎口２の炎が上が
つてバーナキヤツプ８上面への二次空気の導入が
妨げられることのないようになつており、一方バ
ーナキヤツプ８上面へこぼれた煮汁などはこの二
次空気導入溝４を通つて外周の汁受け皿（図示せ
ず）の上へ排出されるようになつている。バーナ
キヤツプ８上面の二次空気導入溝４の両側には堰
状の突起１５が突設されており、この突起１５の
部分には第５図に示すように隣接した大径孔１２
と小径孔１３との組みから成る内炎口５が穿孔さ
れている。この内炎口５の配置は大径孔１２が外
周側に位置し、小径孔１３が内周側に位置してい
るが、図示例とは逆の配置になつていてもよい。
バーナキヤツプ８外周面の二次空気導入溝４の両
側の主炎口３上端からは外周側へ向けて突部１４
が突設されており、第６図に示すように、この突
部１４下面には主炎口３上端と連通し且つ相手の
突部１４へ向けて水平に副保炎溝６が穿設されて
いる。バーナボデイ７の下面にはガスと空気の混
合気体が供給される供給孔１１が開口されてお
り、この供給孔１１にはパイプ状のガス供給管
（図示せず）の上端をかしめて固定される。

しかして、供給孔１１からガスの混合気体がバ
ーナトツプ１内へ供給されると、混合気体は主炎
口３から噴き出し、大気中の酸素を消費して外周
側へ広がるようにして燃焼する。一方内炎口５か
ら噴出する混合気体は二次空気導入溝４からバー
ナトツプ１上面へ供給された空気を消費して内側
で燃焼する。これにより主炎口３の炎と内炎口５
の炎によりバーナトツプ１からは広い範囲でガス
が燃焼させられるのである。しかも、内炎口５の
小径孔１３からは大きな流速で噴き出す混合気体
によりバーナトツプ１上面が負圧となり、これに
よつて第４図に示すように二次空気導入溝４より
空気が強制的に吸引され、内炎口５で酸素不足と
なつて不完全燃焼するのが防止されている。この
ように小径孔１３から混合気体を高速で噴出させ
ると小径孔１３の炎はパツ、パツと間欠的に燃焼
していわゆるリフト現象を生じるが、近接して大
径孔１２でも炎が出て小径孔１３の炎と大径孔１
２の炎とが混合していることによりリフト現象は
解消されている。保炎口２でも炎がほぼ環状に燃
えていることにより、例えば何処か一部分の主炎
口３の炎が消えても保炎口２の炎を介して消えた
主炎口３に他の主炎口３の炎が火移りされて直ち
に着火され、主炎口３の炎切れが確実に防止され
る。しかも保炎口２が切れている部分があるにも
拘わらず、端の主炎口３に立ち昇つている炎が副
保炎溝６に達して水平方向に炎を走らせられ、第
３図に示すように隣同士の副保炎溝６の炎同士が
交差していることにより、各保炎口２同士も結合
されており、いずれかの領域の主炎口３及び保炎
口２の炎が一度に消えてしまつた場合にも直ちに
他の部分の炎が導かれて再着火されるようになつ
ており、バーナトツプ１が安定した燃焼を行うよ
うになつている。なお、二次空気導入溝４を流れ
る二次空気はこの副保炎溝６の炎の下を通るよう
になつている。

〔考案の効果〕

本考案は、叙述のごとく保炎口と保炎口との間
においてバーナトツプ外周から内炎口の方へ向け
て二次空気導入溝を設けたので、ほぼ全周に保炎
口を設けてあるにも拘わらず二次空気導入溝を通
して内炎口に空気を供給することができ、主炎口
の炎と内炎口の炎により広い範囲で均一にガスを
燃焼させることができるものであり、更に内炎口
へ空気を供給するためガスバーナをドーナツ型に
して中央に空洞部を設ける必要がないので、中央
を塞いで煮汁などの漏れ落ちを防止できるという
利点がある。しかも、主炎口の炎消えを防止する
ための保炎口が二次空気導入溝を隔てて分離され
ているにも拘わらず、保炎口同士が主炎口から出
て副保炎溝を通る炎により連結されており、確実
に炎切れを防止できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は分解斜視図、第３図は同上の二次空気導入溝
と副保炎溝の部分及び炎の状態を示す正面図、第
４図は第３図のＸ−Ｘ断面図、第５図は同上の平
面図、第６図は同上の副保炎溝を示す斜視図であ
つて、 １はバーナトツプ、２は保炎口、３は主炎口、
４は二次空気導入溝、５は内炎口、６は副保炎溝
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナトツプの外周のほぼ全周に保炎口を形成
   し、保炎口の上方にバーナトツプ外周に沿つて適
   宜ピツチで複数個の主炎口を形成し、バーナトツ
   プ外周の保炎口の設けられていない箇所からバー
   ナトツプ上面に向けて二次空気導入溝を形成し、
   バーナトツプ上面の二次空気導入溝の近傍に内炎
   口を形成し、二次空気導入溝の両側の主炎口から
   二次空気導入溝を隔てて互いに対向する相手の方
   向へ向けてほぼ水平に副保炎溝を穿設して成るガ
   スバーナ。