JPS6346792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は建築物内部に設置する排水管または換
気管に適した繊維補強仕切管と曲管間の接続構造
に関する。

（従来技術） 従来から建築物内部には多数の例えば排水管が
設置されていて屋内のかなりのスペースを占める
ので、これを単純化するために個々の装置に夫々
対応した排水管を設けないで、１本の排水管で例
えばバスとトイレツト等の複数装置の排水を共通
にまかなう場合がある。しかしこの場合水圧差に
よつては、一方の装置からの排水が他方の装置に
逆流して不都合となる。

上記の問題を解決するために最近では、一本の
排水管を断面方向に複数の区画室に区分したプラ
スチツク、アルミニウム等からなる仕切管が作ら
れるようになつた。このような仕切管にプラスチ
ツク、アルミニウム等の材料を使用するのは、そ
れらの材料の押出成形性が良好なためである。し
かしながら上記のうちでプラスチツク管は低価格
であり耐蝕性及び施工性がすぐれているが、可燃
性のため火災時に燃えて有毒ガスを発生する欠点
がある。又これに耐火性を持たすために例えば耐
火被覆が考えられるが加工が繁雑であつた。アル
ミニウム管は耐久性はあるが高価で加工性が悪く
また内部に発錆、水垢の付着を起し易くさらに外
面に結露を生ずる欠点がある。さらに上記の仕切
管をエルボ、Ｙ形管等の曲管と接続する場合に、
該管が押出材で出来ているため突合せ型式とな
る。このため接続部にパイプを外嵌しても、接続
部の曲げ強度が不足する欠点がある。

（考案の目的） 本考案の目的は、耐火、耐蝕、防露性があり、
かつ低価格で施工性にすぐれた水硬性セメント系
材料からなる仕切管（以下モルタル管と云う）の
直管と曲管間の簡単で確実な接続構造を提供する
ことである。

（考案の構成） 上記の目的は、夫々軸線方向に沿つた仕切板を
有して内部空間を２分割した繊維補強モルタル製
の直管とエルボ、Ｙ形管等の曲管との間を上記両
管と同一内径の繊維補強モルタル製のソケツト管
を介して連結する接続構造であつて、上記ソケツ
ト管の内壁に、軸線方向に沿つた４本の嵌溝を円
周方向に等間隔に形成し、上記嵌溝に嵌着すべき
継手部材を、長尺矩形板と短尺矩形板とを一体状
に交差させて断面十字形に形成し、上記長尺矩形
板は、上記ソケツト管にほぼ等しい長さを有する
と共に中心線上に上記直管及び曲管の仕切板の厚
さにほぼ等しい切欠溝を軸線方向の上下より切込
まれ、また短尺矩形板は、長尺矩形板の夫々の切
欠溝の底部間に亘つた部分より該長尺矩形板の側
方に向けて直交状に延設され、上記継手部材を嵌
着したソケツト管の、短尺矩形板を嵌めた嵌溝と
長尺矩形板の切欠溝とに亘つて、直管及び曲管の
端部から突出させた仕切板を夫々挿入し、該仕切
板の夫々の端部を短尺矩形板の上下縁に整合状に
当接させてなる仕切られたモルタル製直管と曲管
間の接続構造により達成される。本考案に用いら
れる補強繊維としては特に限定されないが天然有
機繊維、天然無機繊維、ガラス繊維、合成繊維等
が適宜用いられる。

（実施例） 第１図〜第３図に示すように、１は芯型の周囲
にガラス繊維を含んだモルタル層をビニロンネツ
トを介してのり巻状に補強したモルタル製直管
で、通常は外径60〜180mm、厚さ7.5〜９mm、長さ
2000mmに形成される。直管１の内壁には上記の芯
型によつて直径方向に対向した断面矩形状の二つ
の嵌溝２が軸線方向に沿つて設けられる。

３は耐蝕性金属又は塩ビ等のプラスチツク材料
からなる長尺の仕切板で、上記の嵌溝２に差込ん
で直管１内の空間を２分する。

第４図に示すように、曲管４（図にはエルボを
示す）は直管１と同一内径を有する。曲管４は耐
蝕金属又はプラスチツク材料からなる仕切板５を
繊維補強モルタル材料からなる曲管４にインサー
トして一体的に形成され、直管１と同様に内部空
間を２分している。

上記の直管１と曲管４とを接続する場合、直接
接続するのには次の二つの方法が提案されてい
る。

第５図に示す如く、接続強度を保つために直管
１から仕切板３を長く突出させて、曲管４に直管
１と同様に設けた嵌溝に挿入することが考えられ
るが、曲管４の直線部分は通常短いので仕切板３
を長く突出させることが不可能であり、従つて強
固な接続強度が得られない。また仮令可能である
場合も、長く突出させた仕切板３の端部は巾方向
に亘つて湾曲し易いので曲管４の仕切板５を整合
し難い他、曲管に設けられた上記嵌溝の端部、コ
ーナー部等は脱型時に崩れ易く仕切板３が曲管内
で安定して保ち難い。一方第６図に示す如く、曲
管４からその仕切板５を長く突出させて、直管１
の嵌溝２に挿入することが考えられるが、直管１
の嵌溝２は上述したように芯型によつて形成され
た場合、脱型時に特に端部の嵌溝２の形状が崩れ
易く、そのため互に突合せた仕切板３と５の正確
な整合が期待できない。

本考案は上記を考慮して、直管１と曲管４の間
に特殊構造のソケツト管を介在させてこれらの欠
点を除去したものである。

第７図に示す如く、ソケツト管６は上記両管１
及び４と同一内径を有する繊維補強モルタル製の
円筒で、その内壁には軸線方向に沿つて嵌溝２と
同様の４個の嵌溝７Ａ，７Ｂを円周方向に等間隔
に設ける。このうち７Ａ，７Ａ及び７Ｂ，７Ｂは
夫々直径方向に対向した嵌溝を示す。嵌溝７Ａ，
７Ｂには断面十字形の継手部材８を嵌着する。継
手部材８はソケツト管６とほぼ等しい長さの長尺
矩形板９を含み、その中心線上には仕切板３及び
５の厚さにほぼ等しい厚さを有する切欠溝１０が
上下両方向から切込まれている。また長尺矩形板
９の夫々の切欠溝１０の底部間に亘つた部分から
短尺矩形板１１が該長尺矩形板９に対して直交状
に両側方に延設されている。

接続に当つて、継手部材８を嵌着したソケツト
管６の、短尺矩形板１１を嵌めた嵌溝７Ａ（図の
場合）と長尺矩形板９の切欠溝１０の３個所の溝
に亘つつて、直管１及び曲管４の端部から突出さ
せた仕切板３及び５を夫々挿入し、仕上板の夫々
の端部を短尺矩形板１１の上下縁に整合状に当接
させる。直管１及び曲管４から突出した仕切板３
及び５の端部はソケツト管６の３個所の溝で係合
されるので、各管よりの突出長さがたとい少し短
くても安定した接続が得られ、また端部が巾方向
に湾曲していても短尺矩形板１１との整合が良
い。

尚、各管はそれ自体で耐水性があるが、特に完
全耐水性或は野積みを要求される時は管の内外面
にエチレン酢び系共重合、エポキシ系樹脂、ポリ
エステル系樹脂等のエマルジヨン或は溶液で処理
して耐火コーテイングを施す。

（考案の効果） 本考案は上記のように構成し、簡単で確実な構
造のソケツト管で直管と曲管の間を接続し仕切板
の整合を向上するだけでなく接続強度が大であ
り、また管材料として繊維補強モルタルを使用し
たので耐火、耐蝕及び防露性にすぐれている等の
多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案に使用する仕切管の斜
視図で、第１図及び第２図は分解図、第３図は組
立図を示し、第４図は本考案に使用する曲管の斜
視図、第５図及び第６図は従来の接続構造を示す
概略図、第７図は本考案の接続構造を示す分解斜
視図である。 １……直管、３……直管の仕切板、４……曲
管、５……曲管の仕切板、６……ソケツト管、７
Ａ，７Ｂ……ソケツト管の嵌溝、８……継手部
材、９……長尺矩形板、１０……長尺矩形板の切
欠溝、１１……短尺矩形板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 夫々軸線方向に沿つた仕切板３，５を有して内
   部空間を２分割した繊維補強モルタル製の直管１
   とエルボ、Ｙ形管等の曲管４との間を上記両管と
   同一内径の繊維補強モルタル製のソケツト管６を
   介して連結する接続構造であつて、上記ソケツト
   管の内壁に、軸線方向に沿つた４本の嵌溝７Ａ，
   ７Ｂを円周方向に等間隔に形成し、上記嵌溝に嵌
   着すべき継手部材８を、長尺矩形板９と短尺矩形
   板１１とを一体状に交差させて断面十字形に形成
   し、上記長尺矩形板は、上記ソケツト管にほぼ等
   しい長さを有すると共に中心線上に上記直管及び
   曲管の仕切板３，５の厚さにほぼ等しい切欠溝１
   ０を軸線方向の上下より切込まれ、また短尺矩形
   板は、長尺矩形板の夫々の切欠溝の底部間に亘つ
   た部分より該長尺矩形板の側方に向けて直交状に
   延設され、上記継手部材８を嵌着したソケツト管
   ６の、短尺矩形板を嵌めた嵌溝７Ａ又は７Ｂと長
   尺矩形板の切欠溝１０とに亘つて、直管１及び曲
   管４の端部から突出させた仕切板３，５を夫々挿
   入し、該仕切板の夫々の端部を短尺矩形板１１の
   上下縁に整合状に当接させてなる仕切られたモル
   タル製直管と曲管間の接続構造。