JPS634669Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両等に於けるエアタンクの空気を大
気中に放出することなく、非常ブレーキを開放さ
せ、必要な時には再度非常ブレーキをかけ車両を
確実に停止せしめ得ることを目的とした非常ブレ
ーキ開放回路に関するものである。

従来車両に於けるブレーキ回路は第１図に示す
ようにエマージエンシイライン１とサービスライ
ン２をリレーエマージエンシイバルブ３に接続
し、リレーエマジエンシイバルブ３にエアタンク
４とエアチヤンバ５とを空気配管８，９でそれぞ
れ接続した回路となつている。このようにリレー
エマージエンシイバルブを備えたエアチヤンバ５
（エアブレーキ）付きの車両にあつては、その安
全をはかるため、空気源等の故障によりエマージ
エンシイライン１の空気圧が一定限度以下に下が
るとリレーエマージエンシイバルブ３の働きによ
りエアタンク４の空気をエアチヤンバ５に送り込
んで非常ブレーキがかかるようになつている。

このような場合に非常ブレーキを開放させるた
めには新しい空気源と接続させるか又はエアタン
ク４の空気を大気中に放出して全くのノーブレー
キ状態にするものであるが、エアタンク４の空気
を大気中に放出してノーブレーキにした場合はエ
アタンク４に新たな空気を供給しない限りノーブ
レーキの状態のままとなり危険である等の欠陥が
あつた。

本考案は従来の欠陥を解消しエアタンクの空気
を大気中に放出することなく非常ブレーキを開放
させ必要時に再度非常ブレーキをかけることを可
能にしたもので、その構成は、エマージエンシイ
ライン１と、リレーエマージエンシイバルブ３と
の間にエア復帰型の切替バルブ６を接続し、かつ
エマージエンシイライン１の空気圧力により切替
バルブ３が作動するようにパイロツト配管１１に
よりエマージエンシイライン１と切替バルブ６と
を接続し、切替バルブ６とエアタンク４とをバイ
パス回路７で接続し、エアタンク４とエアチヤン
バ５とはリレーエマージエンシイバルブ３を介し
て空気配管８，９により接続したことを特徴とす
る、非常ブレーキ開放回路である。

特に本考案に於て第３図に示すように、パイロ
ツト配管１１をエマージエンシイライン１に接続
したエア復帰型切替バルブ６を用い、エマージエ
ンシイライン１に通気することにより常にポート
ＡとポートＢが連通状態となり、通常のブレーキ
作用が営なまれ、非常ブレーキ開放作動の後、万
がいち切替バルブ６の切替を忘れてもエマージエ
ンシイライン１にパイロツト配管１１が接続され
ているのでノーブレーキの状態にならないため安
全が保持できる。

本考案において下記に説明してある第２図のよ
うに、エマージエンシイライン１のラインにおけ
るエアが抜けると、非常ブレーキがかかる通常の
使用状態となり、通常走行をする。しかし第４図
に示すようにポートＡ，Ｂ，Ｃが切替弁６の上室
になる状態のまま切替バルブ６の復帰を忘れてそ
のまま走行すると、けん引車とトレーラが外れて
も非常ブレーキは作動せず極めて危険である。

しかし本考案は第３図に示し、前述のようにパ
イロツト配管１１でエマージエンシイライン１と
切替バルブとを連通させてあるから、けん引車と
トレーラとを連結し、走行中エマージエンシイラ
イン１にエアを通じれば、切替バルブ６は第２図
に示すように非常ブレーキがかかる状態となり、
安全に走行することが出来る。

更に詳しく説明すると下記の通りである。

本考案は第２図に示すようにエマージエンシイ
ライン１とリレーエマージエンシイバルブ３との
間に切替バルブ６が、ポートＡ及びポートＢの部
分でそれぞれ接続されており、又切替バルブ６の
ポートＣとエアタンク４とはバイパス回路７で接
続されている。

前記切替バルブ６は通常時ポートＡとポートＢ
とが連通されており、エマージエンシイライン１
とリレーエマージエンシイバルブ３とは第１図に
示してある従来のブレーキ回路と同じ関係になつ
ていて通常のブレーキ作用が行なわれる。

そして空気源の故障や、エマージエンシイライ
ン１の破損によりエマージエンシイライン１の圧
力が下がると、リレーエマージエンシイバルブ３
が作動してエアタンク４の空気をリレーエマージ
エンシイバルブ３を介してエアチヤンバ５に送り
込み非常ブレーキがかかり車両の走行を停止せし
め危険を防止する。

前記非常ブレーキ作用を開放するには前述して
あるように新しいエア源を接続するか、あるいは
エアタンク４の空気を大気中に放出するものであ
るがこれは従来のブレーキ回路の方式で、これを
行なう手間と危険が伴なうものであるが、本考案
によれば、切替バルブ６の切替により、切替バル
ブ６のポートＢとポートＣとを連通させることに
よりエアタンク４の空気をバイパス回路７を通じ
てリレーエマジエンシイバルブ３に送り込み、一
時的にエマージエンシイライン１に空気が満たさ
れた状態と同じになり、非常ブレーキ作用を開放
することが出来る。

このように本考案によれば、空気源の故障や、
エマージエンシイライン１の破損に際しても、切
替バルブ６の切替によりエアタンク４の空気をバ
イパス回路７を通してリレーエマージエンシイバ
ルブ３に送り込んで非常ブレーキを開放させるこ
とが出来るため、空気源の修理を行なうことなく
緊急に車両の移動が可能となりブレーキの開放に
より停車しておく必要もなく道路交通の妨げにも
ならず車両の走行を円滑にすることが出来る。又
車両停車の必要な場合は、切替バルブ６の切替に
より非常ブレーキ作用を行ない得るので安全も確
保できる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の非常ブレーキ開放回路図、第２
図は本考案の非常ブレーキ開放回路図、第３図は
エア復帰型切替バルブの回路図、第４図は非常ブ
レーキ解放時の回路図である。 １はエマージエンシイライン、２はサービスラ
イン、３はリレーエマージエンシイバルブ、４は
エアタンク、５はエアチヤンバ、６は切替バル
ブ、７はバイパス回路、８，９，１０は空気配
管、１１はパイロツト配管、Ａ，Ｂ，Ｃは切替バ
ルブのポート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エマージエンシイラインとリレーエマージエン
   シイバルブとの間にエア復帰型の切替バルブを接
   続し、かつエマージエンシイラインの空気圧力に
   より切替バルブが作動するようにパイロツト配管
   によりエマージエンシイラインと切替バルブとを
   接続し、切替バルブとエアタンクとをバイパス回
   路で接続し、エアタンクとエアチヤンバとはリレ
   ーエマージエンシイバルブとを介して空気配管に
   より接続したことを特徴とする、非常ブレーキ開
   放回路。