JPS6346224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加工品を吊下して研掃キヤビネツト内
を循環移動させながら研掃処理を行う懸吊式研掃
装置に関するものである。

従来この懸吊式研掃装置として、研掃キヤビネ
ツトの上部に設けた回転テーブルと一体的に回転
可能な隔壁によつて研掃キヤビネツトを複数の処
理室に区分し、各処理室には研掃すべき加工品の
懸吊機構を配置したターンスタイル方式のものが
実用化されている。しかして、この方式の懸吊式
研掃装置においては、研掃キヤビネツト内で各処
理室の懸吊機構を循環移動させ、処理室が研掃材
投射機構と対応する位置に移動されて来ると、懸
吊機構を自転させながら研掃材を投射して加工品
の研掃処理を行うようにしている。

しかしながら、上記従来装置にあつては、例え
ばシリンダホールを有するエンジンブロツクの如
き加工品を研掃処理する場合にホールの内奥部な
どが死角となつて充分に研掃されないという不都
合が生じていた。

本考案は上記従来装置の不都合を解決した懸吊
式研掃装置を提供することを目的としている。

以下一実施例を示す図面に基づいて本考案を詳
しく説明する。

図において、機枠１上に固定された研掃キヤビ
ネツト２の上部には垂直回転軸３を中心として回
転可能な円盤状の回転テーブル４が設けられてい
る。前記垂直回転軸３の一端は前記研掃キヤビネ
ツト２上方の支持フレーム５に固定された回転駆
動装置６に接続されている。前記研掃キヤビネツ
ト２の内部は前記回転テーブル４の下面に垂設さ
れた複数の隔壁７を介して複数の処理室（本実施
例では２室）Ａ，Ｂに区分されている。これら処
理室Ａ，Ｂには加工品懸吊機構８が各々配置され
ている。本実施例における前記加工品懸吊機構８
は前記垂直回転軸３に支持されたアーム部材９と
該アーム部材９の先方に回転可能に軸支された懸
吊軸１０を備え、該懸吊軸１０は前記回転テーブ
ル４に穿設された弧状の開口部１１を貫通して前
記処理室Ａ，Ｂ内の中間位置に吊下した状態で臨
設されている。また、該懸吊軸１０の下端は加工
品Ｗを吊下するためのフツク１２を備えるととも
にその上端は回転駆動装置１３に接続されてい
る。

前記アーム部材９は流体圧シリンダなどの適当
な駆動装置（図示せず）により所定範囲で往復回
動可能とされ、これにより前記懸吊軸１０が前記
処理室Ａ，Ｂ内において往復運動可能となつてい
る。しかして、前記懸吊軸１０の往復運動方向は
前記研掃キヤビネツト２の一側に配設された研掃
材投射機構１４から投射される研掃材の投射方向
とされている。（第１図参照） 前記研掃材投射機構１４と対向した前記研掃キ
ヤビネツト２の一側は開口部１５とされ、該開口
部１５から前記懸吊軸１０のフツク１２に対して
加工品Ｗの着脱が可能となつている。

なお、図中１６は研掃キヤビネツトの下方に形
成されたホツパ、１７は該ホツパ１６の底部に収
容されて研掃後の研掃材やバリなどの異物を回収
するスクリユーコンベヤである。

次に上述の構成になる本実施例についてその作
用を説明する。

処理室Ａが加工品Ｗの研掃ステーシヨンに、処
理室Ｂが加工品Ｗの着脱ステーシヨンになる図示
の状態において、処理室Ａに位置する加工品懸吊
機構８のアーム部材９を垂直回転軸３の回りに往
復回動せしめると、懸吊軸１０が第１図のａ矢印
に示すように所定範囲で弧状に往復運動する。こ
の懸吊軸１０の往復運動と同期して研掃材投射機
構１４を作動させ、懸吊軸１０のフツク１２に吊
下されている加工品Ｗに対して研掃材を投射して
研掃処理がなされる。この場合、加工品Ｗは研掃
材の投射方向とほゞ直交する方向に往復運動さ
れ、ホールを有する加工品Ｗなどはその内奥部を
も充分に研掃処理される。この懸吊軸１０の往復
運動中、回転駆動装置１３を作動して懸吊軸１０
を回転させ加工品Ｗを反転させてその裏面に対し
ても同様に研掃処理がなされる。このようにして
研掃ステーシヨンにおいて研掃処理がなされてい
る間に、着脱ステーシヨンとなる処理室Ｂにおい
ては開口部１５から懸吊軸１０のフツク１２に吊
下された研掃処理済の加工品Ｗが取外されるとと
もに次に研掃処理すべき加工品Ｗが吊下される。

こうして処理室Ａ，Ｂにおいて研掃処理作業及
び着脱作業が完了すると、回転駆動装置６を作動
せしめて回転テーブル４を180度回転させ、処理
室Ａ，Ｂを反転させた後、前記と同様な各作業が
繰り返される。

なお、上述の実施例においては、加工品懸吊機
構８の懸吊軸１０をアーム部材９にて弧状に往復
運動させているが、本考案はこれに限定されるも
のではなく懸吊軸１０を直動往復せしめるように
構成することも可能であり、更に、処理室も２室
としているが、これを例えば４室としてその２室
を研掃ステーシヨンにするとともに他の２室を加
工品の着装ステーシヨン及び離脱ステーシヨンに
区分するようにしてもよい。

以上詳細に説明したように、本考案に係る懸吊
式研掃装置は、研掃キヤビネツトの上部に設けた
回転テーブルと一体的に回転可能な隔壁を介して
該研掃キヤビネツトを複数の処理室に区分し、該
処理室の各々には加工品懸吊機構を配置するとと
もに該処理室の少なくとも１つを研掃ステーシヨ
ンに、他の処理室の少なくとも１つを着脱ステー
シヨンに形成してなり、前記研掃ステーシヨンに
対応して前記研掃キヤビネツトには研掃材投射機
構を配設し、該研掃材投射機構から投射される研
掃材の投射方向と交差する方向に前記加工品懸吊
機構を弧動もしくは直動往復せしめるように構成
したものであるから、ホールを有する加工品など
を研掃処理する場合にホールの内奥部なども充分
に効率よく研掃できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は概略
平面図、第２図は一部縦断正面図である。 ２……研掃キヤビネツト、４……回転テーブ
ル、７……隔壁、８……加工品懸吊機構、９……
アーム部材、１０……懸吊軸、１２……フツク、
１４……研掃材投射機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 研掃キヤビネツトの上部に設けられ、間欠的に
   割出停止される回転テーブルと一体的に回転可能
   な隔壁を介して該研掃キヤビネツトを複数の処理
   室に区分し、該処理室の各々には加工品懸吊機構
   を配置するとともに該処理室の少なくとも１つを
   研掃ステーシヨンに、他の処理室の少なくとも１
   つを着脱ステーシヨンに形成してなり、前記研掃
   ステーシヨンに対応して前記研掃キヤビネツトに
   は研掃材投射機構を配設し、各加工品懸吊機構に
   は、研掃ステーシヨンにあるとき、該研掃材投射
   機構から投射される研掃材の投射方向と交差する
   方向に研掃ステーシヨンの加工品懸吊機構を弧動
   往復せしめる駆動装置を設けたことを特徴とする
   懸吊式研掃装置。