JPS6346122B2 - - Google Patents
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- JPS6346122B2 JPS6346122B2 JP54107505A JP10750579A JPS6346122B2 JP S6346122 B2 JPS6346122 B2 JP S6346122B2 JP 54107505 A JP54107505 A JP 54107505A JP 10750579 A JP10750579 A JP 10750579A JP S6346122 B2 JPS6346122 B2 JP S6346122B2
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
本発明は水中ポンプの羽根車などの土砂を含む
流体中で使用される焼結部品に関する。 例えば水中ポンプは土木工事のように土砂など
を含む液体を送る場合に多く用いられるため、こ
の水中ポンプに設けられる羽根車は液体中に含ま
れる土砂などが衝突することにより著しく摩耗す
ることになる。このように厳しい摩耗環境下で使
用される水中ポンプの羽根車は大なる耐摩耗性が
要求される。 しかして、従来水中ポンプの羽根車は鉄系、溶
解材または鋳造材により製造され、耐摩耗性を高
めるために焼入れ処理を行なつている。しかし、
溶解材や鋳造材に焼入れを施しても表面のみが硬
化するだけで内部まで硬化させることが難しい。
このため、羽根車として使用した場合に表面硬化
層が摩耗してしまえば、その後は急速に摩耗して
使用できなくなる。また、溶解材や鋳造材に炭化
物を分散させて土砂などの衝突による摩耗を阻止
することが考えられるが、この場合硬質物が存在
しない軟質部分から摩耗が進行していくので、耐
摩耗性の向上にはあまり役立たない。 従つて、従来は土砂などを含む流体中で使用す
る部品において、優れた耐摩耗性を有するものは
なかつた。 本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、鉄
系焼結体を用いるとともに全体を均質に硬化して
耐摩耗性を向上させ、土砂などを含む流体中の厳
しい摩耗環境にて充分使用できる部品を提供する
ものである。 すなわち、本発明の焼結部品は、重量%で炭素
0.1〜2%、銅0.1〜10%、残部実質的に鉄からな
る全空孔に対し70%以上が連通孔である焼結体か
らなり、且つ浸炭および焼入れ処理がなされてい
ることを特徴とするものである。 以下本発明について説明する。 本発明による土砂などを含む流体中で使用する
焼結部品は鉄系焼結体からなるもので、この鉄系
焼結体は炭素(C)0.1〜2%、銅(Cu)0.1〜10%、
残部実質的に鉄からなる組成をなしている。鉄系
焼結体は他の金属焼結体に比して安価で耐摩耗性
が大であり、しかも多孔質体であるから浸炭およ
び焼入れが効果的に行なえるから本発明にかゝわ
る部品の材料として適切である。前記の組成にお
いて炭素は黒鉛として固溶して硬度を高め耐摩耗
性を向上させるもので、含有範囲が0.1%未満で
は効果がなく、2%を越えると脆性が生じる。銅
は耐摩耗性を高めるもので、含有範囲が0.1%未
満では効果がなく、10%を越えると浸炭されにく
くなるためである。この他にモリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニツケル(Ni)、
けい素(Si)、ほう素(B)、コバルト(Co)のうち
1種または複数種を総量で0.1〜20%の範囲で添
加し、焼入え性を改善することも可能である。 鉄系焼結体はある一定体積における全空孔(外
気と連通する連通孔と外気と連通しない閉鎖孔と
の総和)に対して、閉鎖孔が30%以下の割合をな
すものである。言換えれば連通孔が全空孔に対し
て70%以上の割合を占めるものである。また、浸
炭および焼入れを行なう場合に、浸炭材および焼
入れ液が焼結体内部の空孔内に充分浸透するよう
に、連通孔の割合を多くすることが必要となる。
このような理由により焼結体における閉鎖孔の全
空孔に対する割合を30%以下とする。なお連通孔
および閉鎖孔は、日本工業規格Z2506焼結含油軸
受の有効多孔率測定方法により定める。 さて鉄系焼結体は浸炭処理と焼入れ処理を施し
てある。浸炭処理は焼結後の焼結体に対して行な
うが、粉末段階の組成で炭素含有の割合を大きく
しておいても、焼結時に炭素がガス化して飛んで
しまいその含有割合が低下するため、さらに焼結
体に炭素を含有させて含有割合を増加させるもの
である。すなわち、炭素の割合を増大して耐摩耗
性を高めるものである。特に鉄系焼結体は多孔質
であり、しかも連通孔の割合が70%以上であるか
ら、炭素は焼結体の表面だけでなく内部にまで全
体にわたり均一に浸入することができる。浸炭処
理の方法にはガス浸炭、固体浸炭があり、ガス浸
炭が好ましい。浸炭処理の条件は、炭素割合0.6
〜2%、加熱時間30分〜1時間、加熱温度910〜
950℃であり、温度は低く過ぎると鉄中に炭素が
固溶されず高過ぎると炭素の浸透量が必要以上に
増大してしまうからである。 焼入れ処理は鉄系焼体の硬度を高めるために行
なうもので、浸炭処理の後に行なう。焼入れ処理
は油焼入れなどの方法で行ない、その条件は浸炭
処理後850℃で30分保持した後油中で冷却させる
ものである。鉄系焼結体は多孔質で連通孔が70%
以上であるから、焼入れ液が焼結体の内部まで充
分浸透するので、冷却速度が速くなり内部まで均
質に焼入れできて均質に硬化する。 しかして、本発明の部品を製造する場合には、
所定の組成に混合した粉末をプレスにより加圧し
て所定の形状をなす粉末成形体を成形し、この粉
末成形体を焼結炉で焼結して焼結体を得る。次い
で、焼結体を浸炭雰囲気中にて浸炭を行ない、そ
の後焼入れを行なう。この製造工程で注意すべき
点は、焼結体において全空孔の30%以下が閉鎖孔
とするために、粉末を加圧する時の加圧条件およ
び粉末成形体を焼結する時の焼結条件を考慮する
ことである。例えば、鉄粉として還元鉄粉を使う
場合は比較的低密度にし、アトマイズ鉄粉を使う
場合は比較的高密度に成形する。焼結温度は1150
℃以上越えない様に留意する必要がある。更に全
空孔の10%以下を閉鎖孔とする為に焼結温度は低
く(例えば1120℃以下に)すると共に、加圧力も
低く(例えば3ton/cm3以下)する必要がある。 しかして、このような本発明における焼結部品
は、炭素、銅を含んで耐摩耗性が大なる鉄系焼結
体を使用し、さらにこの鉄系焼結体は封鎖孔が全
空孔の30%以下として、浸炭処理により炭素を内
部まで均一に浸透させて耐摩耗性を向上し、焼入
れ処理により内部まで均一に硬化させたものであ
る。このため、この部品は表面から内部まで全体
にわたつて均質に硬化して硬度が高められるとと
もに耐摩耗性が向上する。従つて、この部品は全
体的に優れた耐摩耗性を有しており、土砂を含ん
だ液体中の厳しい摩耗環境下で使用した場合、液
体中に含まれる土砂などが衝突しても摩耗の進行
速度が大変遅く、また表面が摩耗しても内部の耐
摩耗性も大であるから継続して使用でき、長期に
わたつて使用が可能となる。 本発明の焼結部品は耐摩耗性に優れたものとし
て、土砂などを含む流体(主として液体)中で使
用する部品に広く適用できる。その代表例として
水中ポンプの羽根車をはじめとする各部品があ
る。 実施例 本発明例および従来例の試料として、第1図で
示す水中ポンプに用いる羽根車を製作した。次の
表で示すように本発明例としては、重量比でFe
−1.5%(±0.5%)Cu−1.7%(±0.5%)Ni−0.8
%(±0.3%)C系粉末の焼結体からなる試料
(表D項)と、Fe−3%(±0.5%)Cu−0.8%
(±0.3%)C系粉末の焼結体からなる試料(表E
項、F項)を夫々製作した。従来例としては、鋳
造材(FCD材)からなる試料(表A項、B項)
と、Fe−1.5%(±0.5%)Cu−1.7%(±0.5%)
Ni−0.8%(±0.3%)C系粉末の焼結体からなる
試料(表C項)を製作した。本発明例の各試料
(表D〜F項)と従来例の焼結体からなる試料
(表C項)は次の条件により製作した。すなわち、
所定の材料粉末を成形圧3〜7トン/cm3で加圧し
て、外径80mm×高さ20mmの水中ポンプの羽根車の
成形体を成形した。その後に、成形体をエンドサ
ーミツクガス中、温度1120℃×30分の条件で焼結
した。このようにして得た本発明例の各試料と従
来例の試料の夫々における全空孔に対する連通孔
の割合は次の表に示す通りである。その後、本発
明例の各試料と従来例の各試料に対し、カーボン
ポテンシヤルCP0.8%、温度910℃×90分の条件
で浸炭処理を行なつた。次いで、本発明例の各試
料と従来例の試料(但し表A項の試料を除く)に
対し、温度850℃×30分で加熱した後に油中で冷
却して焼入処理を行なつた。そして、本発明例と
従来例の各試料を水中ポンプに取付けて耐久試験
を行なつた。この試験は、水中ポンプをスラリ
(河砂)を入れた容器中に設置し、水中ポンプを
24時間連続運転して容器中のスラリを強制給送
(強制循環)させ、100時間程度で水中ポンプの運
転を停止して羽根車すなわち試料の摩耗状態を点
検した。この結果を第2図の線図に示す。この線
図によれば、本発明例の試料による羽根車は従来
例のものに比しいずれも耐久時間が大で、特に連
通孔の割合が大なるもの程耐久時間が大であつて
耐摩耗性にすぐれていることが判る。
流体中で使用される焼結部品に関する。 例えば水中ポンプは土木工事のように土砂など
を含む液体を送る場合に多く用いられるため、こ
の水中ポンプに設けられる羽根車は液体中に含ま
れる土砂などが衝突することにより著しく摩耗す
ることになる。このように厳しい摩耗環境下で使
用される水中ポンプの羽根車は大なる耐摩耗性が
要求される。 しかして、従来水中ポンプの羽根車は鉄系、溶
解材または鋳造材により製造され、耐摩耗性を高
めるために焼入れ処理を行なつている。しかし、
溶解材や鋳造材に焼入れを施しても表面のみが硬
化するだけで内部まで硬化させることが難しい。
このため、羽根車として使用した場合に表面硬化
層が摩耗してしまえば、その後は急速に摩耗して
使用できなくなる。また、溶解材や鋳造材に炭化
物を分散させて土砂などの衝突による摩耗を阻止
することが考えられるが、この場合硬質物が存在
しない軟質部分から摩耗が進行していくので、耐
摩耗性の向上にはあまり役立たない。 従つて、従来は土砂などを含む流体中で使用す
る部品において、優れた耐摩耗性を有するものは
なかつた。 本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、鉄
系焼結体を用いるとともに全体を均質に硬化して
耐摩耗性を向上させ、土砂などを含む流体中の厳
しい摩耗環境にて充分使用できる部品を提供する
ものである。 すなわち、本発明の焼結部品は、重量%で炭素
0.1〜2%、銅0.1〜10%、残部実質的に鉄からな
る全空孔に対し70%以上が連通孔である焼結体か
らなり、且つ浸炭および焼入れ処理がなされてい
ることを特徴とするものである。 以下本発明について説明する。 本発明による土砂などを含む流体中で使用する
焼結部品は鉄系焼結体からなるもので、この鉄系
焼結体は炭素(C)0.1〜2%、銅(Cu)0.1〜10%、
残部実質的に鉄からなる組成をなしている。鉄系
焼結体は他の金属焼結体に比して安価で耐摩耗性
が大であり、しかも多孔質体であるから浸炭およ
び焼入れが効果的に行なえるから本発明にかゝわ
る部品の材料として適切である。前記の組成にお
いて炭素は黒鉛として固溶して硬度を高め耐摩耗
性を向上させるもので、含有範囲が0.1%未満で
は効果がなく、2%を越えると脆性が生じる。銅
は耐摩耗性を高めるもので、含有範囲が0.1%未
満では効果がなく、10%を越えると浸炭されにく
くなるためである。この他にモリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニツケル(Ni)、
けい素(Si)、ほう素(B)、コバルト(Co)のうち
1種または複数種を総量で0.1〜20%の範囲で添
加し、焼入え性を改善することも可能である。 鉄系焼結体はある一定体積における全空孔(外
気と連通する連通孔と外気と連通しない閉鎖孔と
の総和)に対して、閉鎖孔が30%以下の割合をな
すものである。言換えれば連通孔が全空孔に対し
て70%以上の割合を占めるものである。また、浸
炭および焼入れを行なう場合に、浸炭材および焼
入れ液が焼結体内部の空孔内に充分浸透するよう
に、連通孔の割合を多くすることが必要となる。
このような理由により焼結体における閉鎖孔の全
空孔に対する割合を30%以下とする。なお連通孔
および閉鎖孔は、日本工業規格Z2506焼結含油軸
受の有効多孔率測定方法により定める。 さて鉄系焼結体は浸炭処理と焼入れ処理を施し
てある。浸炭処理は焼結後の焼結体に対して行な
うが、粉末段階の組成で炭素含有の割合を大きく
しておいても、焼結時に炭素がガス化して飛んで
しまいその含有割合が低下するため、さらに焼結
体に炭素を含有させて含有割合を増加させるもの
である。すなわち、炭素の割合を増大して耐摩耗
性を高めるものである。特に鉄系焼結体は多孔質
であり、しかも連通孔の割合が70%以上であるか
ら、炭素は焼結体の表面だけでなく内部にまで全
体にわたり均一に浸入することができる。浸炭処
理の方法にはガス浸炭、固体浸炭があり、ガス浸
炭が好ましい。浸炭処理の条件は、炭素割合0.6
〜2%、加熱時間30分〜1時間、加熱温度910〜
950℃であり、温度は低く過ぎると鉄中に炭素が
固溶されず高過ぎると炭素の浸透量が必要以上に
増大してしまうからである。 焼入れ処理は鉄系焼体の硬度を高めるために行
なうもので、浸炭処理の後に行なう。焼入れ処理
は油焼入れなどの方法で行ない、その条件は浸炭
処理後850℃で30分保持した後油中で冷却させる
ものである。鉄系焼結体は多孔質で連通孔が70%
以上であるから、焼入れ液が焼結体の内部まで充
分浸透するので、冷却速度が速くなり内部まで均
質に焼入れできて均質に硬化する。 しかして、本発明の部品を製造する場合には、
所定の組成に混合した粉末をプレスにより加圧し
て所定の形状をなす粉末成形体を成形し、この粉
末成形体を焼結炉で焼結して焼結体を得る。次い
で、焼結体を浸炭雰囲気中にて浸炭を行ない、そ
の後焼入れを行なう。この製造工程で注意すべき
点は、焼結体において全空孔の30%以下が閉鎖孔
とするために、粉末を加圧する時の加圧条件およ
び粉末成形体を焼結する時の焼結条件を考慮する
ことである。例えば、鉄粉として還元鉄粉を使う
場合は比較的低密度にし、アトマイズ鉄粉を使う
場合は比較的高密度に成形する。焼結温度は1150
℃以上越えない様に留意する必要がある。更に全
空孔の10%以下を閉鎖孔とする為に焼結温度は低
く(例えば1120℃以下に)すると共に、加圧力も
低く(例えば3ton/cm3以下)する必要がある。 しかして、このような本発明における焼結部品
は、炭素、銅を含んで耐摩耗性が大なる鉄系焼結
体を使用し、さらにこの鉄系焼結体は封鎖孔が全
空孔の30%以下として、浸炭処理により炭素を内
部まで均一に浸透させて耐摩耗性を向上し、焼入
れ処理により内部まで均一に硬化させたものであ
る。このため、この部品は表面から内部まで全体
にわたつて均質に硬化して硬度が高められるとと
もに耐摩耗性が向上する。従つて、この部品は全
体的に優れた耐摩耗性を有しており、土砂を含ん
だ液体中の厳しい摩耗環境下で使用した場合、液
体中に含まれる土砂などが衝突しても摩耗の進行
速度が大変遅く、また表面が摩耗しても内部の耐
摩耗性も大であるから継続して使用でき、長期に
わたつて使用が可能となる。 本発明の焼結部品は耐摩耗性に優れたものとし
て、土砂などを含む流体(主として液体)中で使
用する部品に広く適用できる。その代表例として
水中ポンプの羽根車をはじめとする各部品があ
る。 実施例 本発明例および従来例の試料として、第1図で
示す水中ポンプに用いる羽根車を製作した。次の
表で示すように本発明例としては、重量比でFe
−1.5%(±0.5%)Cu−1.7%(±0.5%)Ni−0.8
%(±0.3%)C系粉末の焼結体からなる試料
(表D項)と、Fe−3%(±0.5%)Cu−0.8%
(±0.3%)C系粉末の焼結体からなる試料(表E
項、F項)を夫々製作した。従来例としては、鋳
造材(FCD材)からなる試料(表A項、B項)
と、Fe−1.5%(±0.5%)Cu−1.7%(±0.5%)
Ni−0.8%(±0.3%)C系粉末の焼結体からなる
試料(表C項)を製作した。本発明例の各試料
(表D〜F項)と従来例の焼結体からなる試料
(表C項)は次の条件により製作した。すなわち、
所定の材料粉末を成形圧3〜7トン/cm3で加圧し
て、外径80mm×高さ20mmの水中ポンプの羽根車の
成形体を成形した。その後に、成形体をエンドサ
ーミツクガス中、温度1120℃×30分の条件で焼結
した。このようにして得た本発明例の各試料と従
来例の試料の夫々における全空孔に対する連通孔
の割合は次の表に示す通りである。その後、本発
明例の各試料と従来例の各試料に対し、カーボン
ポテンシヤルCP0.8%、温度910℃×90分の条件
で浸炭処理を行なつた。次いで、本発明例の各試
料と従来例の試料(但し表A項の試料を除く)に
対し、温度850℃×30分で加熱した後に油中で冷
却して焼入処理を行なつた。そして、本発明例と
従来例の各試料を水中ポンプに取付けて耐久試験
を行なつた。この試験は、水中ポンプをスラリ
(河砂)を入れた容器中に設置し、水中ポンプを
24時間連続運転して容器中のスラリを強制給送
(強制循環)させ、100時間程度で水中ポンプの運
転を停止して羽根車すなわち試料の摩耗状態を点
検した。この結果を第2図の線図に示す。この線
図によれば、本発明例の試料による羽根車は従来
例のものに比しいずれも耐久時間が大で、特に連
通孔の割合が大なるもの程耐久時間が大であつて
耐摩耗性にすぐれていることが判る。
【表】
以上説明したように本発明の土砂などを含む流
体中で使用する焼結部品によれば、全体にわたつ
て優れた耐摩耗性を有し、耐久性が大で土砂など
を含む流体中で使用する部品として最適である。
体中で使用する焼結部品によれば、全体にわたつ
て優れた耐摩耗性を有し、耐久性が大で土砂など
を含む流体中で使用する部品として最適である。
第1図は本発明の一実施例である水中ポンプの
羽根車を示す平面図、第2図は羽根車の運転時間
とその摩耗率との関係を示す線図である。
羽根車を示す平面図、第2図は羽根車の運転時間
とその摩耗率との関係を示す線図である。
Claims (1)
- 1 重量%で炭素0.1〜2%、銅0.1〜10%、残部
実質的に鉄からになるとともに全空孔の90%以上
が連通孔である焼結体からなり、且つ浸炭処理お
よび焼入れ処理が施されていることを特徴とする
土砂などを含む流体中で使用する羽根車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10750579A JPS5633456A (en) | 1979-08-23 | 1979-08-23 | Sintered parts used in fluid containing earth, sand or the like |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10750579A JPS5633456A (en) | 1979-08-23 | 1979-08-23 | Sintered parts used in fluid containing earth, sand or the like |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5633456A JPS5633456A (en) | 1981-04-03 |
JPS6346122B2 true JPS6346122B2 (ja) | 1988-09-13 |
Family
ID=14460902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10750579A Granted JPS5633456A (en) | 1979-08-23 | 1979-08-23 | Sintered parts used in fluid containing earth, sand or the like |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5633456A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2772689B2 (ja) * | 1989-11-16 | 1998-07-02 | 株式会社小松製作所 | 焼結摺動材料 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5155706A (ja) * | 1974-11-11 | 1976-05-17 | Riken Piston Ring Ind Co Ltd | Tetsukeishoketsukinzokuno ryukashorihoho |
-
1979
- 1979-08-23 JP JP10750579A patent/JPS5633456A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5155706A (ja) * | 1974-11-11 | 1976-05-17 | Riken Piston Ring Ind Co Ltd | Tetsukeishoketsukinzokuno ryukashorihoho |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5633456A (en) | 1981-04-03 |
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