JPH04176801A

JPH04176801A - 快削性焼結鋼粉末

Info

Publication number: JPH04176801A
Application number: JP2304616A
Authority: JP
Inventors: Hironori Suzuki; 浩則鈴木; Tetsuya Sawayama; 哲也澤山; Hiroshi Takigawa; 滝川　博; Hiroshi Kakou; 浩家口
Original assignee: Kobe Steel Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd
Priority date: 1990-11-09
Filing date: 1990-11-09
Publication date: 1992-06-24

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、焼結鋼の切削性を向上させる味削性焼結鋼粉
末に関するものである。

（従来の技術）鉄系粉末冶金は鉄粉または合金鋼粉を混合して成形し、
これを焼結して部品を製造する技術で自動車部品や電機
部品などの製造に広く利用されている。

粉末冶金による焼結部品は他の製造工程の部品に比へて
、ニヤ・ネット・シエイブであることが最大の特徴であ
るとされているが、高い寸法精度を要求されたり、穴開
けなどによりほとんどの焼結部品は切削加工か施されて
いる。

しかし、焼結材は残存する空孔のために生じる断続切削
か切削抵抗を高めたり、前記空孔か熱伝導性を悪くし、
工具温度を上昇させ、工具寿命を短くしている。さらに
、粉末表面の酸化被膜か硬い等の理由のため、鋼材に比
へ切削性は良くなく、工具寿命は短い。

そこで、近年、切削性を向上させるために、鉄にＭｎＳ
やＳを固溶させた粉末を使用したり、鉄系あるいは低合
金鋼系の粉末にＭｎＳ　、　ＢＮ粉末等を添加する方法
か主流となっている。

（発明か解決しようとする課題）ところが、切削性を向上させるためにＭｎＳを添加する
と、焼結時に雰囲気中のＨ２およびＣＯとＭｎＳが反応
して、Ｈ２ＳおよびＳ０２をつくり、これか焼結炉の耐
火物や発熱体を腐蝕させたり、焼結体の機械的強度の低
下とばらつきの原因になるという問題かある。さらに、
焼結後にＭｎＳか焼結体表面に浮き出て肌荒れを生しる
ため、寸法精度の点からもＭｎＳの添加は好ましいこと
ではない。また、ＢＮもＭｎＳと同じように、焼結体の
機械的強度の低下を生じ、完全な実用化には到っていな
い。

そこで、焼結炉を腐蝕させないために、硫化物以外の添
加物を添加し切削性を向上させる試みか行われてきたが
、Ｔｅ、Ｓｅ、金属酸化物系は機械的特性を極端に慝＜
シ、実用化か難しかった。

本発明はこのような問題点を解決するためになされたも
のて、ＭｎＳおよびＢＮの添加量を制限し、さらに、Ｉ
ｎを焼結鋼粉末に添加することによって切削性を向上さ
せ、焼結炉の耐火物や発熱体を損ｔわず、かつ、焼結体
の８！械的強度の低下とばらつきのない焼結ｗＩ粉末を
提供することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段）本発明は、前記問題点に鑑み、発明者らか鋭意研究を行
い、検討を重ねた結果、焼結鋼粉末にＩｎを添加するこ
とによって、焼結炉の耐火物や発熱体を損なわず、かつ
、焼結体の機械的強度の低下とばらつきかなく、切削性
を向上させることができるという知見を得て完成された
もので、その第１発明は、純鉄粉または低合金鋼粉にＩ
ｎを０．０１〜４、０ｗｔ％含有した焼結鋼粉末であっ
て、Ｉｎか予め合金化されているおよび／または粉末で
混合されている快削性焼結鋼粉末である。

第２発明は、純鉄粉または低合金鋼粉にＩｎを０゜０１
〜３．０ｗｔ％含有した焼結鋼粉末であって、Ｉｎか予
め合金化されているおよび／または粉末の状態で混合さ
れているとともに、さらに、ＭｎＳ　、　ＢＮ粉末の１
種以上が０．０５〜１．０ｗｔ％混合されている快削性
焼結鋼粉末である。

第３発明は、粉末で混合されたＩｎが、純鉄粉または低
合金鋼粉表面に拡散処理されている請求項（１）（２）
の快削性焼結鋼粉末である。

（作用）以下、本発明の詳細について説明する。

発明者らは、さまざまな添加物について研究と検討を重
ねた結果、Ｉｎは切削性を向上させるばかりでなく強度
も安定し、また焼結炉の耐火物や発熱体にも悪影響を及
ぼさないことを見出した。

すなわち、鋼材の切削性を向上させる方法の一つに、切
削時に介在物を切削温度て液相化させ潤滑作用による工
具寿命を延ばす方法かあるが、例えば、低融点であるｐ
ｂは焼結時に蒸発して焼結炉に悪影響を与えるため、焼
結材に用いることはできない。しかし、Ｉｎは低融点金
属でありなからＰｂの沸点（１７５０°Ｃ）より高沸点
（２１００°Ｃ）であるため焼結時にも介在物として焼
結材中に止まり、焼結炉に悪影響を与えることもなく、
焼結後の焼結材の切削性を向上させることかてきる。

つぎに、Ｉｎの添加量について説明する。

Ｉｎは０．０１ｗｔ％未満の添加量では、切削性改善へ
の寄与か認められず、また、４．０ｗｔ％超えの添加量
では切削性の改善はそれほど大きく望めず、逆に機械的
特性を極度に低下させるとともに、コスト高になる。し
たがって、Ｉｎの添加量は、０．０１〜４．０ｗｔ％の
範囲とする。ただし、ＩｎとともにＭｎＳ、８Ｎの１種
以上を０．０５〜１．　ｏｗｔ％添加するときは、Ｉｎ
とＭｎＳ　、　ＢＮの相乗効果による切削性の向上によ
って、Ｉｎの添加量の上限を３．０ｗｔ％にすることか
てきる。

ＭｎＳ　、、ＢＮは、０．０５ｗｔ％未満ては、切削性
に対するＩｎとの相乗効果かなく、また、１．０ｗｔ％
超えては、機械的特性か極度に低下する。したがって、
ＭｎＳ　、　ＢＨの添加量は０．０５−１．０ｗｔ％の
範囲とする（実施例）つぎに、実施例にいて説明する。

実施例１供試材は水アトマイズ純鉄粉にＩｎ粉末を０．５％添加
した粉末と、水アトマイズ純鉄粉にＭｎＳを０゜５％添
加した粉末と、なにも添加しない水アトマイズ純鉄粉の
３種類に、黒鉛・０．６％、ステアリン酸亜鉛：０．７
５％を添加して混合した後、外径６４ｍｍ、内径２４ｍ
ｍ、高さ２０ｍｍのリング状に、加圧力６ｔｏｎ／ｃｍ
’で成形し、ＡＸガス（Ｈ２ニア５％、Ｎ２：２５％）
中で、１１２０°Ｃの温度て３０分焼結したものである
。これらの供試材について、硬度、焼結体圧環強度、切
削性を調査した。なお、焼結前の成形時の圧粉体密度に
ついても調査した。

切削性はドリル穴あけにおけるドリル寿命て評価した。

使用したドリルは標準形状（材質　ハイス、直径５ｍｍ
）、潤滑油はドライカット（商品名）、送りは０．１５
ｍｍ／ｒｅｖである。

調査結果を第１図から第４図に示す。

第１図は圧粉体密度を示す。同図から明らかなように、
いずれの粉末も圧粉体密度は７．０〜７．１ｇ／ｃｍ２
の間にあり、差は認められない。

第２図は供試材の硬度を示す。同図から明らかなように
、硬度もＨＲＦ８０前後で、３供試材間には大きな差は
認められない。

第３図は焼結体圧環強度を示す。同図から明らかなよう
に、圧環強度も５０ｋｇｆ／ｍｍ２て、３供試材間には
大きな差は認められない。

第４図は切削速度と工具寿命との関係を示す。

同図から明らかなように、工具寿命は３供試材間に大き
な差かあり、本発明に係わる水アトマイズ純鉄粉にＩｎ
粉末を０．５％添加した粉末（図中・印）は、切削速度
５０ｍ／ｍｉｎにおいて、２０００ＯｃｍＪｕ上の寿命
を示し、水アトマイズ純鉄粉にＭｎＳを０．５％添加し
た粉末（図中△印）よりも長寿命を示している。

実施例２供試材は溶鉄中にＩｎを０．５％添加して、Ｉｎを鉄粉
に固溶させた粉末と、なにも添加しない水アトマイズ純
鉄粉の２種類に、黒鉛・０．６％、ステアリン酸亜鉛：
０．７５％を添加して混合した後、外径６４ｍｍ、内径
２４ｍｍ、高さ２０ｍｍのリング状に、加圧力６ｔｏｎ
／ｃｍ’で成形し、ＡＸガス（Ｈ２ニア５％、Ｎ２２５
％）中で、１１２０°Ｃの温度で３０分焼結したもので
ある。これらの供試材について、硬度と切削性を調査し
た。なお、調査方法は実施例１に同しである。

調査結果を第５図、第６図に示す。

第５図は供試材の硬度を示す。同図から明らかなように
、硬度はＨＲＦ８０程度で、２供試材間には大きな差は
認められない。

第６図は切削速度と工具寿命との関係を示す。

同図から明らかなように、工具寿命は２供試材間に大き
な差かあり、本発明に係わる鉄粉にＩｎを０゜５％固溶
させた粉末（図中△印）の工具寿命は、同一切削速度に
おいて、水アトマイズ純鉄粉（図中○印）の工具寿命の
１０倍以上である。

実施例３供試材は純鉄粉に、Ｎｉ　：４％、Ｃｕ：１．５％、Ｍ
ｏ：０．５％、ｒｎ：０．５％を拡散処理した粉末と、
純鉄粉に、Ｎ１４％、Ｃｕ：１．５％、Ｍｏ：０．５％
拡散処理した粉末の２種類に、黒鉛、０，６％、ステア
リン酸亜鉛、０゜７５％を添加して混合した後、外径６
４ｍｍ、内径２４ｍｍ、高さ２０ｍｍのリング状に、加
圧力６ｔｏｎ／ｃｍ２て成形し、ＡＸガス（Ｈ，ニア５
％、Ｎ２２５％）中で、１１２０℃の温度で３０分焼結
したものである。これらの供試材について、硬度と切削
性を調査した。なお、調査方法は実施例Ｉに同しである
。

調査結果を第７図、第８図に示す。

第７図は供試材の硬度を示す。同図から明らかなように
、硬度はＨＲＦ１００程度て、２供試材間には大きな差
は認められない。

第８図は切削速度と工具寿命との関係を示す。

同図から明らかなように、工具寿命は２供試材間に大き
な差があり、本発明に係わるＩｎ粉末を０．５％添加し
た拡散型低合金鋼粉末（図中△印）の工具寿命は、同一
切削速度において、拡散Ｙ低合金鋼粉末（図中○印）の
工具寿命の２０倍以上である実施例４供試材は水アトマイズ純鉄粉に、第１表に示す量の［ｎ
、　ＭｎＳ　、　ＢＮの粉末を添加した粉末に、黒鉛二
０．６％、ステアリン酸亜鉛　０．７５％を添加して混
合した後、外径６４ｍｍ、内径２４ｍｍ、高さ２０ｍｍ
のリング状に、加圧力６ｔｏｎ／ｃｍ２て成形し、ＡＸ
ガス（Ｈ２ニア５％、Ｎ２・２５％）中て、１１２０°
Ｃの温度て３０分焼結したものである。これらの供試材
について、焼結体圧環強度と切削性を調査した。

第１表　　（ｗｔ％）切削性はトリル穴あけにおけるドリル逃げ面摩耗量（Ｖ
Ｂ）で評価した。使用したドリルは標準形状（材質・ハ
イス、直径５ｍｍ）、潤滑油は使用せず、送りは０．１
５ｍｍ／ｒｅｖである。

調査結果を第９図、第１０図に示す。

第９図は焼結体圧環強度を示す。同図から明らかなよう
に、Ｉｎのみを添加している試料Ｎ００５は、焼結体圧
環強度か向上しており、Ｉｎか強度向上に寄与している
ことかわかる。ＭｎＳを０．０５％、ＢＮを０．０５％
添加した試料Ｎ０１３は、Ｉｎか０．００１％と低いた
め、圧環強度か低下している。また、Ｉｎか０．０５％
添加されている試料Ｎｏ、　４は、ＭｎＳ＋ＢＮか１．
０％以上のため圧環強度か低下している。Ｉｎを０．０
５％、ＭｎＳを０．０５％、ＢＮを０．０５％添加した
試料Ｎｏ、　２は、Ｉｎ、　ＭｎＳ　、　ＢＮとも本発
明の限定範囲内のため、圧環強度の低下はない。

第１０図は切削長と逃げ面摩耗量（Ｖａ）との関係を示
す。同図から明らかなように、本発明である試料ＮＯ１
２は、ＩｎをＭｎＳ　、　ＢＮと複合添加することによ
って、切削性に対して、より大きな相乗効果か得られて
いる。試料Ｎ００３は、Ｉｎの添加か少ないため、試料
Ｎｏ、　２に比較して、切削性能か劣っている。試料Ｎ
０９４は、過剰のＭｎＳ　、　ＢＮか添加されているた
め、試料Ｎｏ、　２に比較して、切削性能か劣っている
。試料Ｎ０９５は、Ｉｎ、　ＭｎＳ　ＳＢＮ無添加の試
料Ｎ０１１に対しては、切削性能は向上しているが、Ｉ
ｎか単独添加のため、試料ＮＯ１２に比較して、切削性
能か劣っている。

（発明の効果）以上説明したように、本発明は純鉄粉または低合金鋼粉
にＩｎを単独添加またはＭｎＳ　、　ＢＮとともに複合
添加しているため、本発明に係わる快削性焼結鋼粉末を
使用することによって、機械的特性を損なうことなく切
削性を極度に向上することかでき、かつ、焼結炉の耐火
物および発熱体に悪影響を及ぼすことなく、切削性のよ
い焼結材を得ることかできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は圧粉体密度を、第２図は硬度を、第３図は焼結
体圧環強度を、第４図は切削速度と工具寿命との関係を
、第５図は硬度を、第６図は切削速度と工具寿命との関
係を、第７図は硬度を、第８図は切削速度と工具寿命と
の関係を、第９図は焼結体圧環強度を、第１０図は切削
長と逃げ面摩耗との関係を示す図である。特許出願人　株式会社　神戸製鋼所代　理　人　弁理士　　全史　章− 第１図十Ｉｎ　（０，５％）　　＋Ｍｎ５（０，５％）第２図十Ｉｎ（０，５°’ｏ）　　　　＋Ｍｎ５（０，５°１
０）第３図十Ｔｎ　（０，５％）　　　＋Ｍｎ５（０，５’／、）
第４図切削速度（ｍ／ｍｉｎ＞切削速度（ｍ／ｍｉｎｌ切削速度（ｍ／ｍ１ｎ）第９図試料番号

Claims

【特許請求の範囲】

（１）純鉄粉または低合金鋼粉にＩｎを０．０１〜４．
０ｗｔ％含有した焼結鋼粉末であって、Ｉｎが予め合金
化されているおよび／または粉末で混合されていること
を特徴とする快削性焼結鋼粉末。
（２）純鉄粉または低合金鋼粉にＩｎを０．０１〜３．
０ｗｔ％含有した焼結鋼粉末であって、Ｉｎが予め合金
化されているおよび／または粉末の状態で混合されてい
るとともに、さらに、ＭｎＳ、ＢＮ粉末の１種以上が０
．０５〜１．０ｗｔ％混合されていることを特徴とする
快削性焼結鋼粉末。
（３）粉末で混合されたＩｎが、純鉄粉または低合金鋼
粉表面に拡散処理されていることを特徴とする請求項（
１）（２）の快削性焼結鋼粉末。