JPS6345875Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、直流型コンバイン、詳しくは、刈取
部より搬入経路を経て扱胴の前部中央入口から該
扱胴の下方に刈取穀稈が導入供給される扱室の内
部上面に、前記扱胴の回転に伴なつてその後部下
方から上方に移送される穀稈を、前記扱室の後部
中央から前部両側方向に分離拡散させて前記扱胴
の前部両側の下方から再供給するための分散案内
板を設けるとともに、前記扱胴の後部下方の左右
排出口より排出される脱穀処理物を後方の選別経
路上に放出するためのビータを前記扱胴の後方左
右に設けてある直流型コンバインに関する。

従来のこの種直流型コンバインにおいては、機
体前部の刈取部から搬入される穀稈を扱室で脱穀
処理し、この脱穀処理後の処理物としての排ワラ
および、この排ワラに混入した穀粒あるいは再処
理が必要ないわゆる三番物等を前記扱室後方に設
けられた選別装置に供給し、この選別装置の揺動
作用で選別した後の排ワラを機体後方へ放出すべ
く構成してあつた。

しかしながら、上記従来構成のものにあつて
は、扱室から排出される脱穀処理物が前記選別経
路の左右両側部分へ放出されるので、選別経路の
中央部分は選別作用に寄与せず、選別経路全体を
有効に利用できない欠点が有つた。

本考案は、上記従来実情に鑑みてなされたもの
であつて、その目的は、選別経路上に放出される
処理物の放出方向の広がりを調整して、もつて選
別経路全体で処理物の選別を有効に行うことがで
きる直流型コンバインを提供することにある。

上記目的を達成すべく、本考案による直流型コ
ンバインは、前記扱室の前部中央入口から導入さ
れ前記扱胴で脱穀された処理物の一部を、前記扱
胴の上方へは移送させないで直接後方へ排出させ
るべく構成してあるという特徴を備えている。

上記特徴構成故に、下記の如き優れた効果が発
揮されるに至つた。

即ち、前記左右のビータから放出される処理物
は、扱室後部の左右排出口両側からのみならず扱
胴中央部の一部からも放出されるので、選別経路
の中央部にも不足なく供給されるようにでき、従
つて処理物は選別経路の幅方向に平均的に分散し
て供給されて、もつて、選別経路全体で効果的に
選別作用が行なわれるに至つたのである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図および第２図に示すように、機体１前部
に刈取部２、この刈取部２で刈取られた穀稈を扱
室３に移送する搬入経路としてのコンベア４、前
記扱室３で脱穀処理された穀稈の処理物を機体１
後部に設けられた選別経路としての選別部５に放
出する左右のビータ６，６′、および機体１下部
に走行用クローラ装置７，７を設けて直流型コン
バインを構成してある。

前記刈取部２には、分草具８、引起しリール
９、刈刃１０、および刈取られた穀稈を中央部に
集めるオーガ１１等を装備してあり、機体１の走
行に伴つて前方より導入される穀稈を連続的に刈
取るとともに扱室３の前部中央部に集めて、前記
コンベア４を介して扱室３に穀稈を順次移送すべ
く構成してある。

前記扱室３を構成するに、その内部に扱胴１２
が軸架され、前記扱胴１２の下面に脱穀された穀
粒と穀稈を分離するためのコーンケーブ１３を配
設するとともに、内部上面には前記扱胴１２の上
面に沿つて分散案内板１４，１４を設けてある。

そして、前記コンベア４を介して扱室３の前部
中央入口３ａより扱胴１２の中央下方に導入供給
される穀稈を前記扱胴１２のの回転に伴つてその
後部下方から上方に移送される穀稈を前記分散案
内板１４，１４によつて後部中央から前部両側方
向に分散拡散させて扱胴１２の前部両側の下方か
ら再供給して扱胴１２全体で脱穀し、その脱穀処
理物を前記扱室後部の左右両側に設けられた排出
口３ｂ，３b′より前記ビータ６，６′を介して選
別部５に放出する。

ところで、前記排出口３ｂ，３b′は前記扱室３
の中央入口３ａの幅Ｌとその両端部分の幅ｌ，ｌ
に亘つてラツプする状態で開口してあり、前記扱
胴１２の左右両側部分での脱穀処理物とともに、
中央部での脱穀物は前記のように上方へは移送さ
せずに直接排出すべく構成してある。

更に、前記ビータ６，６′は、夫々、前記排出
口３ｂ，３b′の全幅に亘つて配設してあり、前記
扱室から直接後方の選別部５上に放出すべく作用
するように構成してある。

前記選別部５には、前記扱室排出口３ｂ，３
b′の下方から機体１後部に至るストローウオーカ
１５、その下方に配設されたチヤフシーブ１６、
グレンシーブ１７、および選別風を発生させるト
ウミ１８等より構成されるとともに、選別された
穀粒をグレンタンク１９に搬出する一番スクリユ
ーコンベア２０および再処理が必要な二番物を前
記扱室３に再供給する二番スクリユーコンベア２
１が装備されている。

尚、前記ビータ６，６′の後方には、ビータカ
ーテン２２，２２′を配設してあり、前記ビータ
６，６′を介して前記ストローウオーカ１５上に
放出される脱穀処理をこのビータカーテン２２，
２２′によつても中央方向に流動案内させて選別
部５の全幅に亘つてさらに良好に分散させるべく
構成してある。

そして、前記ビータカーテン２２，２２′の流
動案内構成としては、その下端縁が前記ストロー
ウオーカ１５中央方向に向かつて上方に夫々傾斜
するように構成されたもの、あるいは、前記スト
ローウオーカ１５の中央部方向へ後方に向かつて
傾斜する姿勢、すなわち、後方に向かつて平面視
が逆ハの字形となるように配置するもの、あるい
は、それら両者の組合せ等の種々の構成が考えら
れる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る直流型コンバインの実施例
を示し、第１図は一部縦断側面図、そして第２図
は要部の一部断面平面図である。 ２……刈取部、３……扱室、３ａ……前部中央
入口、３ａ，３b′……左右排出口、４……搬入経
路、５……選別経路、６，６′……ビータ、１２
……扱胴、１４……分散案内板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 刈取部２より搬入経路４を経て扱胴１２の前
   部中央入口３ａから該扱胴１２の下方に刈取穀
   稈が導入供給される扱室３の内部上面に、前記
   扱胴１２の回転に伴なつてその後部下方に移送
   される穀稈を、前記扱室３の後部中央から前部
   両側方向に分離拡散させて前記扱胴１２の前部
   両側の下方から再供給するための分散案内板１
   ４を設けるとともに、前記扱胴１２の後部下方
   の左右排出口３ｂ，３ｂより排出される脱穀処
   略物を後方の選別経路５上に放出するためのビ
   ータ６，６′を前記扱胴１２の後方左右に設け
   てある直流型コンバインであつて、前記扱室３
   の前部中央入口３ａから導入され前記扱胴１２
   で脱穀された処理物の一部を、前記扱胴１２の
   上方へは移送させないで直接後方へ排出させる
   べく構成してあることを特徴とする直流型コン
   バイン。 前記直接後方へ排出される処理物は、前記中
   央入口３ａの左右両端部分から導入された穀稈
   の脱穀処理物であることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第項に記載の直流型コンバイ
   ン。 前記ビータ６，６′は、前記直接後方へ排出
   される処理物をも後方の選別経路５上に放出す
   べく作用するものであることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第項に記載の直流型コン
   バイン。