JPS6320282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は刈取穀稈を扱室内において扱胴の周囲
を一回転させることにより第１次及び第２次の脱
穀を行うようにした直流形コンバインにおける脱
穀装置の改良に関する。

ところで、刈取穀稈の全体を扱室内に導入する
直流形コンバインの脱穀装置においては、該穀稈
が扱室内における扱胴とコーンケーブの間を十分
に脱穀作用を受けることなく通り過ぎてしまう嫌
いがあつて扱残しを生じ易いのであり、そこで、
扱室の前面中央の入口から導入される穀稈を扱胴
とコーンケーブの中央部の間に供給して第１次の
脱穀を行つた後、これを扱胴の上方を左右両側方
に分離案内しながら一回転させて該扱胴とコーン
ケーブの左右両側部の間に再び供給することによ
り第２次の脱穀を行うようにして、扱残しの防止
を図ることが行われるのである。然してこのよう
な脱穀装置においては、扱室の上面に穀稈を左右
に分離する分離案内部材が設けられるのである
が、従来の案内部材によつては全ての穀稈を確実
に分離することができない嫌いがあつて、扱室内
における穀稈の詰りや、第１次の脱穀を終えた穀
稈と新たに導入された穀稈が混合することによる
損傷粒の発生等の脱穀不良を来たしていたのであ
る。

本考案は、刈取穀稈を扱室内において扱胴の周
囲を一回転させることにより第１次及び第２次の
脱穀を行うようにした直流形コンバインにおい
て、扱胴の上方を覆う扱室カバーの上面に、扱胴
の後方中央部から左右に拡開しながら上方に至る
第１の分離案内部材と、扱胴の上方中央部から同
じく左右に拡開しながら前方に至る第２の分離案
内部材を設けると共に、前者の部材を扱胴の周面
から離反させ、且つ後者の部材を扱胴の周面に近
接させることにより、第１次の脱穀を終えた穀稈
が扱胴の後方から上方に回行せしめられて前方に
導かれる際に、先づ第１の分離案内部材により扱
胴の周面から比較的離れて回行する穀稈を左右に
分離すると共に、次いで第２の分離案内部材によ
り扱胴の周面近くを回行する穀稈を左右に分離す
るようになし、これにより扱胴とコーンケーブの
中央部において第１次の脱穀を終えた穀稈を確実
に分離して、第２次の脱穀を行うべく扱胴とコー
ンケーブの左右両側部の間に無理なく確実に送り
込み、もつて穀稈の詰りや脱穀不良等を防止する
ようにしたものである。

以下、本考案を図に示す実施例に基いて説明す
ると、第１図において１は機体、２は該機体の前
方に装備された刈取部、３は該機体内の前部に設
けられた脱穀部で、刈取部は分草用デバイダ４、
引起しリール５、刈刃６等により構成されている
と共に、該部において刈取られた穀稈は補助コン
ベア７、横送りオーガ８及び縦搬送コンベア９に
より上記脱穀部３に供給されるよう構成され、ま
た該脱穀部は前面中央部に入口１０ａ、後面の左
右両側部に二個の出口１０ｂ，１０ｂが夫々設け
られた扱室１０、該扱室内に軸架された扱胴１１
及びその下方に配設されたコーンケーブ１２等に
より構成され、且つ上記各出口１０ｂには藁排出
用ビーター１３が具備されていると共に、扱胴の
上方を覆う扱室カバー１４の内面には分離案内部
材１５が設けられている。ここで、該分離案内部
材１５は、第２，３図に拡大して示すように、扱
胴１１の後方中央部から左右に対称的に拡開しな
がら該扱胴の上方に至る第１の分離案内部材１５
ａと、扱胴の上方中央部から同じく左右に拡開し
ながら該扱胴の前方に至る第２の分離案内部材１
５ｂにより構成されていると共に、第１の部材１
５ａは背が低く、第２の部材１５ｂは背が高くさ
れて、前者が扱胴の周面から離反せしめられ、且
つ後者が扱胴の周面に近接せしめられている。こ
こで、図示の実施例においては扱胴１１の上方に
おいて第１，第２の分離案内部材１５ａ，１５ｂ
が側面視において一部オーバーラツプされている
と共に、上記扱室カバー１４が後部カバー１４ａ
と前部カバー１４ｂに分離されていることに伴つ
て、第１の部材１５ａが後部カバー１４ａに、第
２の部材１５ｂが前部カバー１４ｂに夫々固着さ
れている。尚、第１図中１６は扱室の出口１０ｂ
の下方から機体後部の藁排出部１７にかけて配設
されたストローウオカー、１８は機体底部に設け
られた選別部で、該部には揺動板１９、トウミ２
０、グレンシーブ２１及び選別された一、二番物
を搬出するスクリユーコンベア２２，２３等が配
備されている。

上記の構成によれば、刈取部２において刈取ら
れた穀稈は扱室１０内に前面中央の入口１０ａか
ら導入され、扱胴１１とコーンケーブ１２の中央
部の間に供給されることにより先づ第１次の脱穀
が行われると共に、この第１次の脱穀を終えた穀
稈は扱胴１１の回転によりその後方から上方に回
行せしめられるのであるが、該扱胴の上方を覆う
扱室カバー１４の内面には分離案内部材１５が設
けられていることにより、穀稈は扱胴の上方を左
右に分離されながら前方に導かれて該扱胴と上記
コーンケーブ１２の左右両側部の間に再び供給さ
れるのであり、これにより第２次の脱穀が行わ
れ、然る後扱室後面の左右両側部に設けられた出
口１０ｂ，１０ｂからストローウオカー１７上に
排出されるのである。然して上記分離案内部材１
５は扱胴１１の後方から上方に至る扱胴周面から
離反した第１の分離案内部材１５ａと、扱胴の上
方から前方に至る扱胴周面に近接した第２の分離
案内部材１５ｂにより構成されているから、第１
次の脱穀を終えた穀稈は、先づ第１の部材１５ａ
により扱胴から比較的離れて回行するものが左右
に分離されると共に、更に第２の部材１５ｂによ
り扱胴の周面近くを回行するものが左右に分離さ
れることになり、このようにして穀稈が二段階に
分けて左右に分離されることにより、扱胴の上方
を回行する間に全ての穀稈が無理なく確実に分離
され、第２次の脱穀を行うべく扱胴とコーンケー
ブの左右両側部の間に円滑に送り込まれることに
なるのである。

以上のように本考案は、刈取穀稈を扱室内にお
いて扱胴の周囲を一回転させることにより、該扱
胴とコーンケーブの中央部及び左右両側部の間で
夫々第１次，第２次の脱穀を行うようにした直流
形コンバインの脱穀装置において、扱胴の上方を
覆う扱室カバーの内面に、該扱胴の後方から上方
に至る扱胴周面から離反した第１の分離案内部材
と、扱胴の上方から前方に至る扱胴周面に近接し
た第２の分離案内部材を設ける構成としたから、
第１次の脱穀を終えた全ての穀稈が円滑且つ確実
に左右に分離されて第２次の脱穀に供せられるこ
とになり、これにより扱室内における穀稈の詰り
や損傷粒の発生等の脱穀不良が防止せしめられる
効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す直流形コンバイ
ンの縦断側面図、第２図は該実施例の要部拡大側
面図、第３図は同じく要部拡大平面図である。 １０……扱室、１０ａ……入口、１０ｂ……出
口、１１……扱胴、１２……コーンケーブ、１４
……扱室カバー、１５ａ……第１の分離案内部
材、１５ｂ……第２の分離案内部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室内に扱胴を軸架し且つその下方にコーンケ
   ーブを配設すると共に、該扱室の前面中央部に穀
   稈の入口を、後面の左右両側部に出口を夫々設
   け、且つ扱室カバーの内面に、上記入口から扱胴
   とコーンケーブの中央部の間に供給された穀稈を
   該扱胴の後方から上方を経て前方に左右両側方に
   分離しながら導く分離案内部材を設けた脱穀装置
   であつて、該分離案内部材を、扱胴の後方中央部
   から左右に拡開しながら上方に至る第１分離案内
   部材と、扱胴の上方中央部から同じく左右に拡開
   しながら前方に至る第２分離案内部材により構成
   し、且つ第１分離案内部材は扱胴の周面から離反
   させ且つ第２分離案内部材は扱胴の周面に近接さ
   せたことを特徴とする直流形コンバインの脱穀装
   置。