JPS6345871B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水平方向の中心線に平行に緊張された
合成繊維織網製の円筒スクリーンと、この中心線
上で回転する回転軸に僅かの捩れ角を付けて取り
付けられ、且つその先端と円筒スクリーン内面と
の間に小さな間隙があるようにした数枚の回転翼
とを有し、円筒スクリーンの一端に供給された粉
状の原料を円筒スクリーン内面に沿つて旋回さ
せ、円筒スクリーンの目より細かなものはこれを
通過させて網下産物とし、目より粗いものは他端
より網上産物として排出するようにした円筒スク
リーン分級機に関するものである。

従来この種の円筒スクリーン分級機は、例えば
昭和58年公開特許公報第219971号の添付図面のも
ののように、円筒スクリーンの一端に供給された
原料が飛び跳ねて円筒スクリーンの中心部の空間
を通り抜け、充分な分級作用を受けないで他端よ
り排出されることを防ぐために、直径に対し中心
線方向の長さが著しく長い円筒スクリーンを使用
していた。目の開きが0.1ミリ以下のよう合成繊
維織網で作られ、両端で支持されている円筒スク
リーンの中央部の中心線に直角の方向の剛性は小
さいので、円筒スクリーンの内面に沿つて旋回し
ている原料の重量が大きくなると、回転翼の回転
に共振して、円筒スクリーンの中央部の回転軸に
直角な断面の中心が回転軸のまわりに大きく振れ
まわる振動が発生し、円筒スクリーンの中央部の
内面が回転翼の先端に接触して破損する現象が生
じ易い。

又、前記分級機は、中心線方向の長さが著しく
長い円筒スクリーンを使用していたので、分級機
自体が大型となり、大きな設置用スペースを必要
とする。

この発明は、上記事情に鑑み、前記円筒スクリ
ーンの中央部の回転軸のまわりに振れまわる現象
の出現を防止し、非常に細かな、例えば0.1ミリ
或は0.05ミリの篩い分けをすることが可能である
円筒形スクリーン分級機を提供しようとするもの
である。

他の目的は、分級機を小型化し、設置用スペー
スが少なくてすむようにすることである。

この発明は、回転軸に取り付けられ、短円筒ス
クリーンの内部で、該回転軸に対して直角で該ス
クリーン原料の供給される端部に近い平面の中で
回転し、該スクリーンの内径との間に小さな間隙
が出来るような直径の遮断円板を具備し、該遮断
円板により原料供給室と分級室とを分断すること
を特徴とするものである。

本発明によれば、粉状の原料は、先ず、短円筒
形スクリーンの原料の供給される端部と、遮断円
板で分断された第１の部屋、即ち、原料供給室に
供給され、該スクリーンの内面にそつて回転して
いる回転翼の上にそそがれ、その室内に分散され
た後、該スクリーンの内面上に均等に分配され、
該スクリーンの内面と遮断円板の外径との間の隙
間を通つて該円板と該スクリーンの排出端との間
の第２の部屋、即ち分級室に入り、回転翼によつ
て該スクリーンを均等の厚さで回転軸を中心とし
て旋回することを繰り返して篩い分け作業を受け
て網上産物と網下産物とに分けられる。

本発明の仕切円板、即ち、原料供給室と分級室
とを分断する遮断円板によつて、原料供給口から
円筒スクリーンに供給された原料が飛び跳ねて円
筒スクリーンの中心部の空間を通り抜けて、充分
に篩い分け作業を受けないで、円筒スクリーンの
排出端より飛び出ることは完全に防止されている
ので、短かい円筒スクリーン例えば直径と長さが
ほぼ等しいようなもの、或は直径より長さが短い
ものでも使用することが出来る。回転翼の先端の
速度はこれによつて加速された原料の粒子が合成
繊維織網の円筒スクリーンの内面に突き当り、円
筒スクリーンの内面の各部に高周波の微振動が生
じて、円筒スクリーンの目に原料の粒子が詰らな
いようにするために、円筒スクリーンの目の開
き、線の太さ、原料の粒度構成、比重、表面の粗
さ等によつて決るのであるが、最低の速度、例え
ば７米／秒等の速度が必要である。従つて円筒ス
クリーンの直径を例えば３倍にすれば、回転翼の
回転速度は1/3にまで低下させることが出来る。
円筒スクリーンの中心線方向の長さ、中心線方向
の縦線の張力、円筒スクリーン単位面積当りの原
料の重量がほぼ同じであれば、このものは、もは
や1/3に低下した回転翼の回転速度に共振するこ
とは出来なくなる。円筒スクリーンの面積が等し
く、篩分能力が同一条件の場合は、例えば円筒ス
クリーンの直径を３倍とすれば長さは1/3となる。
円筒スクリーンの振れまわりの振動数は長さに反
比例するので３倍に上昇する。回転翼の回転速度
は前記のように1/3となつているので共振は行わ
れない。

従来の細長い円筒スクリーンを用いる円筒スク
リーン分級機では回転軸にスクリユーと円筒スク
リーンの内面近くで回転する回転翼とを並べて取
り付け、このスクリユーの端部に供給された原料
を、円筒スクリーンの一端へと送り込まねばなら
なかつた。このための回転軸の両端を支える軸受
はスクユリーを取り囲む円筒の端面と、円筒スク
リーンを出し入れするためにケーシングに設けた
扉に設けられていた。本発明の実施に際し、直径
の大きな円筒スクリーンの一端が接しているケー
シングの端面に原料の入口と、回転軸の軸受とを
設けることが出来るので、前記のスクリユーを省
略することも出来る。またこのようにすると回転
軸は短くなり、片持構造で支持出来るので、ケー
シングの扉を開く度に外さねばならなかつた回転
軸の先端を支持する軸受を省略することも出来
る。

本発明を添付図面について説明すると、ケーシ
ング１の一方の端面には扉２があり、他方の円筒
面３の設けられてある端面には原料供給管４と軸
受箱５が付けられてある。ケーシング１の内部は
垂直壁６によつて２個の部屋に別けられており、
夫々の部屋の底面は微噴出口７、粗噴出口８とな
つている。９は、合成繊維織網で作られた短円筒
スクリーンで、このスクリーン９の直径と長さは
等しいか、又はほぼ等しくなるように形成されて
いる。円筒スクリーン９の両端は夫々取付金具１
０，１１の円筒部の外面に接着されており、取付
金具１０，１１のフランジとフランジは数本のロ
ツド１２ａ，１２ｂ……で結合され、夫々の端部
のナツトの位置を調整して取付金具１１を動かし
て円筒スクリーン９に中心線方向の張力を与えて
ある。

機外で円筒スクリーン９、取付金具１０，１
１、ロツド１２ａ，１２ｂ……とを組み立てたも
のは扉２を開いて装入され、取付金具１０は前記
の円筒面３に嵌合し、取付金具１１は前記の垂直
壁６にボルトで固定される。円筒スクリーン９の
内面とその先端との間に僅かな間隙があり、且つ
円筒スクリーン９の中心線に対して僅かの捩れ角
があるようにした数枚の回転翼１３ａ，１３ｂ…
…はアーム１４ａ，１４ｂ……と１５ａ，１５ｂ
……とで前記の軸受箱５の内部の２個の軸受で、
円筒スクリーン９の中心線上で回転可能であるよ
うに支持され、一端にプーリ１６が付いている回
転軸１７に結合されている。また回転軸１７には
ケーシング１の原料供給管４の付けてある端面に
近い回転軸１７に直角な平面の中にあり、円筒ス
クリーン９の内径との間に小さな間隙が出来るよ
うにした直径の遮断円板１８が取り付けられてあ
る。

この円板１８は短円筒スクリーン９内を原料供
給室と分級室とに分断するもので、原料供給管４
から、該スクリーン内に供給された原料が直接分
級室に入り込まないようにしている。

プーリ１６に掛けられたベルトにより、回転軸
１７、回転翼１３は図の矢印Ａ１６の方向に旋回
している。篩い分けるべき粉状の原料は原料供給
管４を通つてケーシング１の他方の端面と遮断円
板１８とで仕切られた第一の部屋に供給され、円
筒スクリーン９の内面の近くを回転している回転
翼１３ａ，１３ｂ……によつてこの部屋の中に分
散させられた後、円筒スクリーン９の内面上に均
等に分配され、次に回転翼１３ａ，１３ｂ……に
は前記のように捩れ角が付けられてあるので、円
筒スクリーン９の内面を旋回しつつ円筒スクリー
ン９の排出端に向つて移動させられ、円筒スクリ
ーン９の内面と遮断円板１８の外径との間の間隙
を通つて、遮断円板１８と円筒スクリーン９の排
出端との間の第二の部屋に入り、円筒スクリーン
９内面を均等な厚さで旋回することを繰り返し
て、円筒スクリーン９の目の開きより小さな粒子
はこれを通つて微粉出口７より機外に排出され、
この目を通ることの出来ない粗粉は取付金具１１
の内面を通り、粗粉出口８より機外に排出され
る。

遮断円板１８によつて、原料供給管４より円筒
スクリーン９の内部に投入された原料が回転翼１
３でたたかれ、飛び跳ねて円筒スクリーン９の中
心部の空間を通つて分級作用を受けないで、粗粉
出口から排出されることは完全に防止される。本
発明の実施に際し、回転翼１３ａ，１３ｂ……を
遮断円板１８の外周に固定し、アーム１４ａ，１
４ｂ……を廃止することもこの発明は、以上のよ
うに構成したので、原料供給管から短円筒スクリ
ーン内に供給された原料は、一度原料供給室に入
つて該室内で分散された後、該スクリーンの内面
と遮断円板の外径との間の隙間から少しずゝ分級
室内に流入する。そのため、該スクリーンの中央
部の回転軸のまわりに振れまわる現象がなくなる
と共に非常に細かな篩い分けをすることが可能と
なる。

又短円筒スクリーンなので、分級機を小型化
し、設置用スペースを小さくすることができる
し、又、このように小型化しても、該スクリーン
の直径を大きくすれば、分級室のスクリーン面積
も増大するので、十分な篩い分けをすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の垂直断面図、第２図
は第１図のＡ―Ａ線に沿う横断面図である。 １…ケーシング、４…原料供給管、５…軸受
箱、７…微粉出口、８…粗粉出口、９…円筒スク
リーン、１３ａ，１３ｂ…回転翼、１４ａ，１４
ｂ…アーム、１５ａ，１５ｃ…アーム、１７…回
転軸、１８…遮断円板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水平方向の中心線に平行に緊張された合成繊
   維織網製の円筒スクリーンと、この中心線上で回
   転する回転軸に僅かの捩れ角を付けて取り付けら
   れ、且つその先端と円筒スクリーンの内面との間
   に、小さな間隙があるようにした数枚の回転翼と
   を有する円筒スクリーン分級機に於て前記回転軸
   に取り付けられ、短円筒スクリーンの内部で該回
   転軸に対して直角で該スクリーンの原料の供給さ
   れる端部に近い平面の中で回転し、該スクリーン
   の内径との間に小さな間隙が出来るような直径の
   遮断円板を具備し、該遮断円板により原料供給室
   と、分級室とを分断することを特徴とする円筒ス
   クリーン分級機。