JPS6345700Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は押釦スイツチの改良に関するものであ
り、とくに、静電容量式のものに好適な押釦スイ
ツチに関するものである。

従来から、スイツチをオンオフする操作棒と、
カツプ状の弾発壁を有し、かつ、操作棒に装着さ
れて弾発壁がスイツチをオフする付勢力を担うよ
うにされた押釦スイツチが知られている。

このスプリング部材の弾発壁は、その周回り方
向に薄肉とされた屈曲部を有し、屈曲部を境に電
極から遠い側の部分がスイツチをオフする方向の
付勢力を担う弾発壁部とされ、屈曲部を境に電極
に近い側の部分が上述の弾発壁部を収納するよう
に拡縮される弾発壁部とされているが、このもの
は、スイツチをオンオフする際に両弾発壁部同志
の屈曲部近傍がこすれあうと、表面が滑らかであ
るため、密着してキユツキユツという物理的ノイ
ズが発生するという不具合がある。とくに、この
従来のものは、スイツチがオンからオフとなると
きに特に大きなノイズが生じていた。

本考案は、この点に鑑みてなされたもので、本
考案の目的は、ノイズ発生の低減化を図つた押釦
スイツチを提供することにあり、本考案の特徴
は、弾発壁の内面の少なくとも屈曲部近傍を粗面
に形成し、両弾発壁部同士が極力密着してこすれ
合わないようにして、ノイズ発生の低減化を図つ
たところにある。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は、押釦スイツチの縦断面図を示すもの
で、１はパネル、２は回路基板で、この回路基板
２には、一対の固定電極３，４が設けられてい
る。パネル１と回路基板２との間には、スイツチ
筐体５が設けられ、このスイツチ筐体５には、固
定電極３，４に離反接近可能に操作棒６が取り付
けられている。操作棒６は、ここでは、ステム７
とキートツプ８とから大略構成され、ステム７に
はスポンジ体９が張着され、スポンジ体９の固定
電極に近い側の面には、導電フイルム等から形成
された可動電極１０が設けられている。スイツチ
オン時には、この可動電極１０を介して固定電極
３，４が導通されるものである。

１１はスプリング部材であつて、第２図に示す
形状を呈しており、ゴム、高分子材料等の弾性部
材で構成されるものであり、このスプリング部材
１１は、カツプ状の弾発壁１２と、密嵌孔１３
と、縁部１４とを有しており、縁部１４はスイツ
チ筐体１の上面に装着され、密嵌孔１３にはキー
トツプ８が嵌挿されてスプリング部材１１はキー
トツプ８に装着される押釦（図示略）によつて操
作棒６に装着されている。ここでは、このスプリ
ング部材１１は、操作棒６を被覆する構成とされ
て、スイツチ内部にごみ、ほこり等の異物が侵入
しない構成とされている。

弾発壁１２は、その周回り方向に薄肉とされた
屈曲部１５を有しており、この屈曲部１５を境に
固定電極３，４から遠い側の部分がスイツチをオ
フする方向の付勢力を担う弾発壁部１６とされ、
この屈曲部１５を境に固定電極３，４に近い側の
部分が弾発壁部１６を収納するように拡縮される
弾発壁部１７とされている。第３図ないし第６図
は、この押釦スイツチをオフからオンにしたとき
のスプリング部材１１の変形過程を示すものであ
り、キートツプ８を押すと、第４図に示すように
屈曲部１５を境にして弾発壁１２が折れ曲がり、
弾発壁部１７が外側に向かつて拡開されると共
に、この拡開が進行するに伴なつて第５図に示す
ように弾発壁部１６の中間部分が内側に向かつて
湾曲し、スイツチがオンすると共に弾発壁部１６
の湾曲が最大となると共に、第６図に示すよう
に、弾発壁部１７は元の状態に復元するようにな
つている。弾発壁部１６には、スイツチをオフす
る方向の付勢力が第３図ないし第６図の過程を経
て蓄積されるものであり、弾発壁１２の内面の少
なくとも屈曲部近傍が粗面とされている。ここで
は、第７図に拡大して示すように、その全面が粗
面とされて、弾発壁部１６と弾発壁部１７とが、
密着しないようにされスイツチをオンオフする際
に極力密着してこすれ合わないようにされてい
る。スプリング部材１１は、内面が金型そのもの
に砂を吹きつけて金型そのものをこのサンドプラ
スト法によつて粗面にして粗面に仕上げる方法、
アルミ粉を金型に吹きつけておいてこれによつて
粗面に仕上げる方法等によつて、粗面とされる程
度のものである。このような処理をほどこすこと
により、スプリング部材１１の内面は、無光沢と
なり、弾発壁部１６と弾発壁部１７とが極力密着
してこすれ合わない状態が実現されるものであ
る。

第８図は、本考案に係る押釦スイツチの作動特
性を示すものであつて、スイツチをオフからオン
にするに際して操作棒６に加える操作力と操作棒
の移動量との関係を図示したものである。この第
８図において縦軸は操作棒に加える操作力を表わ
しており、横軸は操作棒の移動量を表わしてい
る。スイツチをオフからオンにするに際しては、
第１図、第４図および第５図に示すように、スポ
ンジ体９を押圧する力および弾発壁部１７を外側
に向かつて拡開させる力を必要とするため、第８
図に示す曲線は、山高となり、スイツチがオンす
る瞬間においては、この拡開させる力が内側に向
かつて弾発壁部１７を変形させる力となるために
操作棒６に加える操作力は軽減されることとなつ
て谷底となり、弾発壁部１７に蓄積された力が、
スイツチがオンからオンする終期において、スイ
ツチをオンする方向に加わり上昇する。従つて、
スイツチがオンするとき、急峻なスナツプ動作と
なり、バウンスがなく、かつ、クリツク感のない
ソフトな感触のスイツチング動作が得られるもの
である。

以上説明したように、本考案によれば、弾発壁
部同士が極力密着してこすれ合わないように、弾
発壁の内面を粗面に形成したので、スイツチのオ
ンオフの際に生ずるノイズの低減化を図ることが
できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る押釦スイツチの要部縦断
面図、第２図は本考案に係るスプリング部材の斜
視図、第３図ないし第６図は本考案に係るスプリ
ング部材の変形過程を説明するための縦断面図、
第７図は本考案に係るスプリング部材の要部部分
断面図、第８図は本考案に係るスプリング部材の
作動特性図である。 ３，４……固定電極（電極）、６……操作棒、
１１……スプリング部材、１２……弾発壁、１５
……屈曲部、１６，１７……弾発壁部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スイツチをオンオフする操作棒と、カツプ状の
   弾発壁を有し、かつ、前記操作棒に装着されて前
   記弾発壁が前記スイツチをオフする方向の付勢力
   を担つているスプリング部材とを備えた押釦スイ
   ツチであつて、 前記スプリング部材の弾発壁には、その周回り
   方向に薄肉とされた屈曲部が設けられ、該屈曲部
   を境に電極から遠い側の部分が前記スイツチをオ
   フする方向の付勢力を担う弾発壁部とされ、該屈
   曲部を境に電極に近い側が前記弾発壁部を収納す
   るように拡縮される弾発壁部とされ、しかも、前
   記弾発壁の内面の少なくとも前記屈曲部近傍が粗
   面とされていることを特徴とする押釦スイツチ。