JPS6344729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の走行距離を表示する自動車用
電子式デジタル表示距離計（トリツプカウンタ
ー）に関するものである。

自動車用電子式デジタル表示距離計はパルス発
生器と表示器によつて構成され、表示器は演算回
路と表示回路とよりなつている。

計測を行う場合、速度、距離と密接に関連して
いる部分に取付けたパルス発生器Ｐに発生するパ
ルスを基にこれを計算し表示を行う。

ここでデジタル表示を行うためには、この数値
は当然に正の整数となる必要がある。一方デジタ
ル表示を行うためのパルスは通常車輪一回転につ
き数パルス発生する構成となつており、走行距離
と車の回転の関係を示す値として規定値が用いら
れる。従つて、規定値と一回転に発生するパルス
数との積が単位距離あたりに発生するパルス数と
なる。ここで規定値の例を述べると日本工業規格
の一般車輛の速度と距離の関係より１Km当りの規
定値は637回転である。

今１回転に４パルス発生させるとすると１Kmで
2548パルスが発生する。ここで距離表示は距離単
位100ｍの桁より表示することが普通である。し
かし、距離単位100ｍの桁を表示するに当り100ｍ
に対応するパルス数が254.8であることよりデジ
タル表示をする信号は整数である必要があること
より254又255に設計上決定する必要がある。今、
仮にプラス側に決めると１Km積算を行うと2550パ
ルスとなり誤差が２パルスとなる。このパルス数
を基に積算すると例えば1000Kmまで積算すると誤
差量が2000パルスとなり距離になおすと800ｍ程
度になる。

従つて、本考案ではパルス数が単位距離あたり
正の整数をなる桁を基準の桁としこれより下位の
桁を別に積算を行いこの誤差を基準の桁にくみ入
れないようにしたものであり、使用時の最大誤差
は基準の桁の下位の桁に生ずる微少のものとする
ことを目的としたものである。

以下前述のごとく１Km当りの規定数637回、１
回転につき４パルスを発生する実施例に基づき詳
述する。

車軸等速度あるいは走行距離と密接に関連して
いる部分に取付けたパルス発生器Ｐより発生した
パルスはバイナリカウンターＡに入る。バイナリ
カウンターＡはパルス数を積算し、次のマルチイ
ンプツトゲイトＢ，B′に接続している。マルチ
インプツトゲイトＢ，B′は所定のパルス数に一
度パルスを発生する。ここでマルチインプツトゲ
イトＢは基準の桁の表示を行うパルスを発生さ
せ、他のマルチインプツトゲイトB′は基準の桁
より下位の桁表示を行うパルスを発生させる。
今、基準の桁を設定するに際し単位距離あたり正
数のパルス数となる値に設定する。実施例に於い
て基準の桁を１Kmとし、この時のパルス数は2548
パルスである。

従つて、マルチインプツトゲイトＢは2548パル
スにつき１パルスの出力を発生する様に設定す
る。一方マルチインプツトゲイトB′は基準の桁
が１Kmであることにより通常走行距離表示を100
ｍ単位とすると基準の桁のパルス数の1/10の近似
値である255パルスにつき１パルスの出力を発生
する様設定する。

マルチインプツトゲイトＢの出力を分枝し、一
方はカウンタC_b、デコーダーD_bを介し表示部L_b
により表示を行う。分枝した他方の出力はリセツ
トスイツチＳよりの信号とをオアゲートｂを介し
バイナリカウンターＡ及び後述するカウンタC_a
のリセツト端子に接続している。マルチインプツ
トゲイトB′の出力はカウンターC_a、デコーダー
D_aを介し表示部L_aにより表示を行つている。

又、カウンターC_cはカウンターC_bの上位の桁
の表示を行うためのものでありC_cの入力はカウン
ターC_bの10パルスにつき１パルスを出す端子に
接続されデコーダーD_cを介し表示部により表示
を行う。以下同様の方法により桁上げを行う。

なおリセツトスイツチＳの信号はオアゲートｂ
へ送るほかカウンターC_b，C_c…の各々のリセツ
ト端子に接続している。

又、表示部L_a、L_b，L_c…の表示方法は特に限
定することはないが、例えば発光ダイオード、液
晶、蛍光表示管などにより表示を行うことが出来
る。

図中点線のごとく、バイナリカウンターＡの端
子例えば256パルス目の信号を発する端子を直接
利用できる場合にはマルチインプツトゲイト
B′は必要がないのはいうまでもない。

本考案は上述のように構成することにより１Km
距離単位あたり2548パルスでマルチインプツトゲ
イトＢより１パルスの出力が出される。この出力
を基とし積算を行う。100ｍの桁は255パルスごと
に積算が行われ、900ｍ〜１Kmの表示に於いては
通常の回路では255パルスで桁上げが行われるが
１Kmの表示が2548パルス目で表示が行われるの
で、この時の100ｍ桁では253パルス目にあたるが
１Kmの桁の表示を行つたパルスがバイナリカウン
ターＡ、カウンターC_aにリセツト信号として作
用しカウンターのリセツトを行い100ｍの桁の表
示を０とし次のパルスより又積算を開始する。

なおリセツトスイツチＳを閉とすることにより
バイナリカウンターＡ、カウンターC_a，C_b，C_c
…をリセツトすることが出来る。

従つて、本考案によれば距離表示を行うパルス
数が正の整数となる単位距離の桁（基準の桁）と
これより下位の桁とを２分し積算表示を行うこと
より基準の桁の誤差はまつたく生じない。又、当
該下位の桁の誤差は基準の桁が積算された時点で
キヤンセルされることより誤差が積算されること
がない。つまり実施例に於いて100ｍあたりの誤
差が0.2パルスであり1000ｍ積算直前に誤差は最
大２パルスとなり、その直後に誤差は０となり以
後このくり返しである。

通常の自動車用デジタル距離計に於いては最下
位の桁を基準としていることより上述と同様の規
定数、パルス数を用いた場合１Kmまでの誤差は同
じ２パルスであるが、走行距離が1000Km迄積算す
ると2000パルスとなるのに比べ本考案によれば２
パルス以内となり走行距離と関係なく２パルス以
内ときわめて正確である。

このように本考案によれば誤差の少ない自動車
用デジタル距離計を提供でき、しかも構造が簡単
であることより安価に大量に生産出来る等すぐれ
た効果を有するものである。

なお、実施例に於いて基準の桁より下位の桁の
パルス数を設定するに際し少数点以下を切上げた
近似値のパルス数としている。これは100ｍの桁
が９の表示中に正確な桁上げ１Kmの桁の表示が行
えるからである。

したがつて、パルス数を少数点以下切捨てた近
似値を用いる場合には100ｍの表示時に於いて例
えば９の表示を１Kmの桁上げが行われるまで保持
する回路が必要である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したブロツク図であ
る。 Ａはバイナリカウンター、Ｂはマルチインプツ
トゲイト、C_a，C_b，C_c…はカウンター、D_a，D_b，
D_cはデコーダー、L_a，L_b，L_cは表示部、ｂはオ
アゲイト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の走行距離毎に発生するパルスを積算して
   走行距離を表示するものに於て、パルス発生器の
   正の整数値と単位距離とが対応する桁を基準と
   し、これと下位の桁とを各々独立して積算するカ
   ウンタを設け、下位の桁は単位距離に近似する正
   の整数値でカウントすると共に、基準桁の数の変
   更に同期して帰零することを特徴とする、自動車
   用電子式デジタル表示距離計。