JPS6344643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、白炎で燃焼する石油ストーブなどの
液体燃料燃焼装置に関する。

〔考案の技術的背景〕

いわゆるホワイトフレームといわれる白炎で燃
焼する石油ストーブなどの液体燃料燃焼装置とし
ては、たとえば、実公昭41−6872号公報に示され
るように、火皿部に対して芯を上下動自在に設け
るとともに、火皿部上に内炎筒、外炎筒および外
筒をクロスピンで結合した燃焼筒を載置し、この
燃焼筒の外筒の上端外周部に外筒トツプ体を設
け、上記燃焼筒の外側に炎筒を配設し、この炎筒
の内周部に上記外筒トツプ体の外端部と対設する
炎筒整流板を設け、燃焼筒の内炎筒と外炎筒との
間の燃焼室で気化ガスを燃焼させるとともに、外
筒トツプ体部においてさらに白炎で燃焼させるよ
うにしている。

〔背景技術の問題点〕

この種の装置においては、外側の炎筒内を上昇
する燃焼排ガスのドラフト力により燃焼ガスの蒸
発を促進し、かつ、燃焼用空気を引き込んで混合
させて燃焼させるものである。

この場合、燃焼排ガスのドラフト力により燃焼
用の空気が燃焼筒部、および、外筒トツプ体と炎
筒整流板との間の間隙の短絡通路とに分流されて
引き込まれるが、短絡通路が大きくて空気が燃焼
筒部を通らずに短絡通路のみから引き込まれる
と、安定した燃焼状態が得られない。

また、燃焼筒の内炎筒と外炎筒は火皿部上に載
置するとともに、外筒トツプ体の外端部を炎筒整
流板上に対設するものであるため、外筒トツプ体
と炎筒整流板との間隙による短絡通路にバラツキ
が生じ、寸法管理上にも問題がある。

〔考案の目的〕 本考案は、このような点を改良しようとするも
ので、燃焼筒の外筒の上部における外筒トツプ体
と炎筒の内周部における炎筒整流板との間に形成
される通気間隙を一定にし、安定した燃焼を行う
ことができるようにすることを目的とするもので
ある。

〔考案の概要〕

本考案は、火皿部に対して芯を上下動自在に設
けるとともに、火皿部上に内炎筒、外炎筒および
外筒をクロスピンで結合した燃焼筒を載置し、こ
の燃焼筒の外筒の上端外周部に外筒トツプ体を設
け、上記燃焼筒の外側に炎筒を配設し、この炎筒
の内周部に上記外筒トツプ体の外端部と対設する
炎筒整流板を設けたものにおいて、上記燃焼筒の
外筒をクロスピンに対して長孔により結合して上
下動自在に設けるとともに、上記外筒トツプ体の
外端部と炎筒整流板の上面のいずれか一方に通気
間隙形成用の突部を形成したことを特徴とし、外
筒トツプ体の外端部を炎筒整流板上に突部を介し
て支持することにより、この間に形成される通気
間隙を一定にするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面について説明す
る。

１は置台で、この置台１上に燃料タンク２が設
けられている。この燃料タンク２の底部中央から
芯案内筒３が立設されているとともに、燃料タン
ク２の上部に芯案内筒３の外側においてバーナバ
スケツト４が取付けられ、この芯案内筒３とバー
ナバスケツト４の上部に火皿部５が形成されてい
る。そして、芯案内筒３とバーナバスケツト４と
の間に円筒状の芯６が上下動自在に設けられ、こ
の芯６は、ダイアル７を有する芯上下機構８を介
して上下動されるようになつている。

また、上記火皿部５の内側に、通気孔９を有す
る整流板１０が設けられているとともに、火皿部
５の外側に遮熱板１１が設けられ、さらに、上記
バーナバスケツト４の外側に、周面に多数のスリ
ツト状の通気孔１２を有する炎筒ベース１３が取
付けられている。なお、バーナバスケツト４の外
側に点火装置１４が設けられている。さらに、芯
案内筒３内に上面を閉塞した円筒状の遮熱筒１５
が所定の間隔をおいて設けられている。

１７は複筒形の燃焼筒で、この燃焼筒１７は、
周面に多数の通気孔１８を有する内炎筒１９、こ
の内炎筒１９の外側の周面に多数の通気孔２０を
有する外炎筒２１、この外炎筒２１の外側の周面
に多数の通気孔２２を有する外筒２３がクロスピ
ン２４で同心円的に結合されている。この場合、
外筒２３は上下方向の長孔２５を介してクロスピ
ン２４で係合し、上下方向移動自在となつてい
る。

また、上記内炎筒１９の上端内側に、通気孔２
７を有する整流板２８が取付けられ、この整流板
２８の中央部に支杆２９が固着され、この支杆２
９の下端に案内整流板３０が取付けられていると
ともに、支杆２９の上端に上板３１が取付けら
れ、この上板３１と整流板２８との間に筒状に金
網３２が張設されている。さらに、上記外筒２３
の上端外周部に外筒トツプ体３３が固着されてい
る。この外筒トツプ体３３は、水平状部３４、こ
の外側の上方に向う傾斜状部３５、この外側の水
平状部３６、この外側の下方に向う係合部３７が
一体に形成されている。

４１は上記炎筒ベース１３上に載支される炎筒
で、この炎筒４１の上部周囲に多数のスリツト状
の通気孔４２が形成されているとともに、炎筒４
１の上面に天板４３が着脱自在に取付けられ、か
つ、炎筒４１の内側下部に環状の炎筒整流板４４
が取付けられ、この炎筒整流板４４の上面にビー
ド状の突部４５が所定間隔ごとに膨出形成されて
いる。なお、炎筒４１にのぞき窓４６が設けられ
ているとともに、炎筒４１の外側にガード４７お
よびハンドル４８が設けられている。

そして、燃焼筒１７は炎筒４１内に配置され、
外筒トツプ体３３の係合部３７が炎筒整流板４４
上に各突部４５を介して載支され、この突部４５
の高さの通気間隙４９が形成されている。また、
炎筒４１が炎筒ベース１３上に載支されていると
ともに、燃焼筒１７の内炎筒１９および外炎筒２
１が火皿部５上に載支されている。この際、外筒
２３はクロスピン２４に対する長孔２５により自
由に上下動して、外筒トツプ体３３で炎筒４１の
炎筒整流板４４上に支持されている。したがつ
て、燃焼筒１７の載置面の高さにバラツキが生じ
ても、外筒トツプ体３３と炎筒整流板４４との間
の通気間隙４９は一定に保持される。

なお、炎筒４１の炎筒整流板４４における突部
４５は、たとえば0.5〜1.0mmの高さに形成し、す
なわち、炎筒整流板４４の上面と外筒トツプ体３
３の係合部３７との間に0.5〜1.0mmの通気間隙４
９を保持する。

そうして、燃焼時においては、芯６により吸上
げられた油が火皿部５で気化され、燃焼筒１７の
内炎筒１９と外炎筒２１との間の燃焼室で燃焼す
るとともに、外筒トツプ体３３と上板３１との間
の近傍で白炎で燃焼する。

この際、燃焼用の空気は芯案内筒３内から火皿
部５の整流板１０の通気孔９および内炎筒１９の
通気孔１８から燃焼室内に入るとともに、上部の
整流板２８の通気孔２７および網体３２を介して
炎筒４１内に導かれ、また、炎筒ベース１３の通
気孔１２からも燃焼用空気が導入されて上昇し、
外筒２３および外炎筒２１の通気孔２２，２０か
ら燃焼室内に入るとともに、外筒トツプ体３３と
炎筒整流板４４との間の各突部４５間における通
気間隔４９から上方に導かれ、上記燃焼を行わせ
る。

なお、炎筒ベース１３の通気孔１２から上昇す
る空気は燃焼筒１７の外周部を適宜に冷却する作
用も行う。

また、芯案内筒３内に上面を閉塞した円筒状の
遮熱筒１５を所定の間隔をおいて設けることによ
り、燃焼筒１７から芯案内筒３への輻射熱を少な
くするとともに、燃焼用の空気を芯案内筒３の内
板面に沿つて上昇させて芯案内筒３を冷却し、芯
案内筒３および燃料タンク２内の油温低下をはか
り、油の異常な気化をおさえて安定した燃焼を行
わせることができる。

なお、実施にあたつて、炎筒整流板４４の上面
にビード状の突部４５を所定間隔ごとに突設して
外筒トツプ体３３との間に通気間隙４９を形成す
るほか、外筒トツプ体３３の係合部３７の下端に
突部を所定間隔ごとに突設して炎筒整流板４４と
の間に通気間隙４９を形成するようにしてもよ
い。

〔考案の効果〕

本考案によれば、組立時などのバラツキによ
り、燃焼筒の内炎筒および外炎筒の載置面と外筒
の上部の外筒トツプ体の載置面との高さの差にバ
ラツキが生じても、外筒はクロスピンに対して上
下方向の長孔により結合しているため外筒は自由
に上下動し、かつ、外筒トツプ体は炎筒の炎筒整
流板上にいずれか一方に形成した突部を介して支
持されているため、外筒トツプ体と炎筒の炎筒整
流板との間の通気間隙が一定に確保でき、したが
つて、外筒トツプ体と炎筒整流板との間の炎筒上
部に対する短絡通路が一定で、燃焼部へのドラフ
ト力が一定となつて安定した燃焼状態を得ること
ができるとともに、発熱量のバラツキを少なくす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の一実施例を示す縦断面
図、第２図はその一部の拡大縦断面図、第３図は
その炎筒整流板部の斜視図である。 ５……火皿部、６……芯、１７……燃焼筒、１
９……内炎筒、２１……外炎筒、２３……外筒、
２４……クロスピン、２５……長孔、３３……外
筒トツプ体、４１……炎筒、４４……炎筒整流
板、４５……突部、４９……通気間隙。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 火皿部に対して芯を上下動自在に設けるととも
   に、火皿部上に内炎筒、外炎筒および外筒をクロ
   スピンで結合した燃焼筒を載置し、この燃焼筒の
   外筒の上端外周部に外筒トツプ体を設け、上記燃
   焼筒の外側に炎筒を配設し、この炎筒の内周部に
   上記外筒トツプ体の外端部と対設する炎筒整流板
   を設けたものにおいて、 上記燃焼筒の外筒をクロスピンに対して長孔に
   より結合して上下動自在に設けるとともに、上記
   外筒トツプ体の外端部と炎筒整流板の上面のいず
   れか一方に通気間隙形成用の突部を形成したこと
   を特徴とする液体燃料燃焼装置。