JPS6344379Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、方形のパレツト上に積重ねられたレ
ンガ材の各層間に配置される緩衝板と該緩衝板を
レンガ材の各層間に配置するための緩衝板配置装
置との組合せに関する。

一般にレンガ製造工程に於いては、乾式成形プ
レスによつて成形されたレンガ材は乾燥室に送ら
れる前に、通常先ず木製のパレツト上に移載され
るが、レンガ材相互に直接に積重ねると搬送中に
角欠けや荷くずれを起こすのでこれを防止するた
め、帯状の緩衝板をパレツト上に積重ねられたレ
ンガ材の各層間に配置する作業が必要となる。

しかし最近のロボツトによるレンガの自動移載
の時代に、この一見何でもない帯状の緩衝板の配
置作業が決して簡単でなく、その配置工程はきわ
めて重要な課題となつている。その主たる理由
は、緩衝材となる帯状厚紙の数の多いこととその
柔軟な性質とそのための取扱いの困難さが現在な
お作業の信頼性ある自動化を妨げていたのであ
る。

先ず従来行われてきたレンガ材の移載手段につ
いて第１図イ，ロにつき述べると、図示されてい
ないコンベヤにより送られてきたレンガ材２は、
水平および垂直方向に動く図示されていないつか
み金具によりパレツト１上に水平方向に適当な間
隔をへだてて並べられ、その上に帯状の厚紙３を
レンガ材の中心を連ねるようにして多数枚配置す
る。次いでパレツト１を90度旋回し、その上につ
かみ金具による同様の手順を経て第１層のレンガ
材２のそれと直交して次のレンガ材２を積重ね、
またその上に帯状の厚紙３を配置した上、以下同
様にして第３、第４のレンガ材層を積み上げてい
く。

ところで、レンガ材の移載に於いて、第３図イ
に示すように図示されていない成形プレスからピ
ツチコンベヤ４により運ばれてきたレンガ材２を
近年多く使用されるようになつたロボツト式つか
み金具５によつてパレツト１の上に移載するのは
容易であるが、帯状の緩衝板多数枚を別位置にあ
るレンガ材上にいちいち配置するには容易でな
く、どうしても人の手により行わざるを得なかつ
た。このためせつかくロボツトによるレンガ材の
自動移載ができてもレンガ製造全作業の自動化は
困難であつた。

特にレンガの形状は種々雑多であり、その形状
が変わるごとに帯状緩衝板の配置位置を変えねば
ならず、このため数千あるいはそれ以上といわれ
るレンガのあらゆる形状に対応するために、ロボ
ツトにあらゆる配列位置の記憶とそれぞれへ正し
く移動する機構の装備が必要となり、どうしても
レンガ製造作業の一部を人の手に頼らねばならな
かつた。

この一つの解決策として、帯状の厚紙の代りに
パレツトと同形同寸法の四角形の一枚の厚紙をレ
ンガ材の層の内に挟むことが考えられるが、乾燥
の際に上下のレンガ材層間の空気の流通が悪く乾
燥効率が著しく低下するため、これは実用に適さ
ない。

本考案は、従来の上記欠点を解消し、いわゆる
ロボツトによつてパレツト上に積重ねられたレン
ガ材層間に緩衝板を配置することができ、かつそ
の緩衝板はレンガ材の乾燥の際に空気の流通を妨
げることのないものである、緩衝板とその緩衝板
をレンガ材層間に配置する緩衝板配置装置の組合
せを提供することを目的としてなされたものであ
る。

このため本考案によれば、方形のパレツト上に
積重ねられたレンガ材の各層間に配置される緩衝
板と該緩衝板をレンガ材の各層間に配置するため
の緩衝板配置装置との組合せに於いて、緩衝板は
多数の孔が均分に明けられていてパレツトのレン
ガ材積載面と略同形同寸法のものであり、また緩
衝板配置装置は、緩衝板を吸着する真空式吸盤を
備えていてパレツトに対して垂直に昇降しかつ水
平に旋回し、緩衝板を真空圧により一枚づつ吸着
し、パレツト上に積込まれたレンガ材の各層上に
真空圧を解除することにより順次配置するもので
あるレンガ材積載用緩衝板と緩衝板配置装置との
組合せが提供される。

このように、緩衝板はパレツトのレンガ材積載
面と略同形同寸法のものであるので、その緩衝板
と真空式吸盤を備えていてパレツトに対して垂直
に昇降しかつ水平に旋回する緩衝板配置装置とを
組合せ使用することにより、レンガの形状がどの
ように変ろうともいわゆるロボツト方式により緩
衝板をパレツト上に積重ねられたレンガ材の各層
間に配置することができ、レンガ製造作業の完全
なる自動化を計ることができる。そして緩衝板に
は均分に多数の孔が明けらているので、レンガ材
層間の空気の流通を妨げることがなく、乾燥効率
の低下をきたすことがないものである。

以下、図面を参照して本考案の実施例につき説
明する。

第２図に本考案の実施例に係る緩衝板を示し、
緩衝板７はパレツト１の積載面と略同形同寸法の
ものであり、均分に多数の孔７ａが明けられてい
る。図示の例では孔７ａは円形の孔であるが、円
形に限らず四角形、六角形、菱形等であつてもよ
い。また緩衝板７の材料は厚紙が好適に用い得
る。

第３図ロに本考案の実施例に係る緩衝板配置装
置を示し、緩衝板配置装置６は真空式吸盤９を備
えていて、パレツトに対して垂直に昇降し、また
水平に旋回できるようになつている。

この緩衝板配置装置６と緩衝板７を用いてパレ
ツト１へのレンガ材２の移載態様について述べ
る。緩衝板７の多数枚をケース８内に予めかさね
つみして収納しておく。そしてパレツト１上にレ
ンガ材２をロボツトにより移載し、第１層目のの
レンガ材２の移載を終えると、これまたロボツト
により真空式吸盤９を備えた緩衝板配置装置６が
水平に旋回して下降してケース８内に緩衝板７の
一枚を吸盤９で吸着して上昇し、次いでケース８
の中心よりパレツト１の中心へ旋回して緩衝板７
はレンガ材２層の中心上に移動する。

次に緩衝板配置装置６は下降し、緩衝板７が第
１のレンガ材２層の上に接触すると吸盤９の吸着
力は解除され、緩衝板７を解放してレンガ材２層
上に緩衝板７を配置する。その後、緩衝板配置装
置６は上昇しケース８の位置に逆旋回する。

上記パレツト１、つかみ金具５、緩衝板配置装
置６等の操作は、図示しない電気的制御装置と、
ウオームおよびウオームホイール、ネジおよびナ
ツト等の組合せを利用し機械的に行うことができ
る。これ等の技術は従来公知のロボツト方式を採
用することにより完全自動化が可能である。

以上説明したように本考案によれば、レンガ材
のパレツト上への移載は勿論のこと、パレツト上
に載置されたレンガ材層間にレンガ材の形状がど
のように変ろうとも緩衝板をロボツト方式により
自動的に配置することができ、したがつてレンガ
製造工程の全自動化を計ることができる。また緩
衝板によるレンガ材層間の通気阻害等の不都合を
生じることもなく、したがつてレンガ乾燥能率の
低下等の問題をきたすことがないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは従来の緩衝板を用いてパレツト
上にレンガ材を積重ねた状態を示し、イは正面
図、ロは平面図、第２図はパレツト上に載置され
たレンガ材層上に本考案の実施例に係る緩衝板を
配置した状態を示す平面図、第３図イはつかみ金
具によりパレツト上にレンガを移載している状態
を示す説明図、第３図ロは本考案の実施例に係る
緩衝板配置装置を用いて緩衝板をケースから吸着
している状態を示す説明図である。 １……パレツト、２……レンガ材、６……緩衝
板配置装置、７……緩衝板、９……吸盤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形のパレツト上に積重ねられたレンガ材の各
   層間に配置される緩衝板と該緩衝板をレンガ材の
   各層間に配置するための緩衝板配置装置との組合
   せに於いて、緩衝板は、多数の孔が均分に明けら
   れていてパレツトのレンガ材積載面と略同形同寸
   法のものであり、また緩衝板配置装置は、緩衝板
   を吸着する真空式吸盤を備えていてパレツトに対
   して垂直に昇降しかつ水平に旋回し、緩衝板を真
   空圧により一枚づつ吸着し、パレツト上に積込ま
   れたレンガ材の各層上に真空圧を解除することに
   より順次配置するものであることを特徴とするレ
   ンガ材積載用緩衝板と緩衝板配置装置との組合
   せ。