JPS6344333B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、育苗器の苗箱用台車に関する。

〔従来技術とその課題〕

苗箱に種籾を播種し、その苗箱を育苗器内に積
み重ねて出芽育苗する手段は従来行われている
が、苗箱の積み重ね数量は、上下各段に10〜20枚
で、かつ、第１図ａ，ｂに示すように縦，横数列
に収納するものである。

その収納作業は、育苗器の２側面、ないしは、
４側面より苗箱の出入を行つているため、第１図
ａに示すように、建家Ａと育苗器Ｂの間に所要の
間隙を設け、苗箱の出入作業可能に設置する必要
がある。そのため、建家Ａ内の作業場を著しく狭
くし、また、苗箱の出入作業を育苗器Ｂの２〜４
面から行わねばならず、また10〜20枚積の苗箱群
１の取扱いには多くの労力と時間を要するなど重
大な欠点を伴つていた。

本発明は、このような実積に鑑みなされたもの
で、簡単な構成によつて従来技術の欠点を除去せ
しめ、苗箱用台車の使用により育苗器への苗箱群
の出入を１面からなしうるようになし、第１図ｂ
に示すように、育苗器を建家の隅部に設置させ作
業場の有効利用，作業性の向上及び省力化を計ら
んとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

従来技術の課題を解決する本発明の構成は、前
後両側に、育苗器内に橋架せる案内レールの作用
を兼ねた両横桟に乗載する車輪を夫々軸架した台
枠に、苗箱載台を上下動自在に設け、上記台枠の
幅を、上記両横桟間の幅よりも狭く、かつ、台枠
の上面を横桟の上面より下方に位置させるととも
に、上記台枠に軸架せる前方の車輪を内方に折畳
み可能となし、上記案内レールから外脱しうるよ
うにしたことを特徴とするものである。

〔実施例〕

図面について実施例の詳細を説明すると、２は
育苗器Ｂ内に橋架固定せしめた案内レールの作用
を兼ねた苗箱群１が載せられる横桟、３は該横桟
２間の幅より狭く、而も、上面がこの横桟２の上
面より下方に位置するように介入し、前後両側に
車輪４，５を軸架した平面形状が方形状の台枠
で、該台枠３の車輪４，５は第２図に示すように
夫々上記横桟２上に乗載され、台枠３は車輪軸に
より吊架せしめられたような状態となる。

６は上記台枠３上にリンク７を介して上下動自
在、かつ、略リンク長だけ前後動するようにした
苗箱載台で、この苗箱載台６の後端左右には、２
本の連杆を軸支連結して構成されたリンク機構の
一方の連杆８の前端が連結され、他方の連杆８の
後端は、上記台枠３の上面より上方に、面も、上
記台枠３の搬送方向と直交するよう横架された軸
杆９の両端部に固定されている。また、この軸杆
９の一側には、常時は後方に向け水平姿勢の操作
レバー１０の一端が固定してある。

上記台枠３に軸架せる前方の車輪４は、側面形
状、および、平面形状がＬ字形をした車輪軸１１
の上方外側端に回動可能に軸着してあり、この車
輪軸１１の他端は、台枠３に設けられ、かつ、台
枠３の搬送方向にそつたパイプ１２内に回動自在
に嵌挿してあつて、この車輪４はこのパイプ１２
を中心として回動する上記車輪軸１１により、内
向きに折畳み可能に連結されている。

上記車輪軸１１の上方屈折部近傍には、連動杆
１３の一端が夫々軸支され、これの他端は、台枠
３の搬送方向中心軸線にそつて軸架せる回動軸１
４の前端に設けた回動板１５の周縁対象位置に
夫々軸着されており、また、第２図から明らかな
ように左右の連動杆１３は互いに衝合しないよう
に段違い状に設けてある。そして上記回動軸１４
の後端には回動レバー１６が設けられている。

１７は上記横桟２の内側面に設けられるアング
ル材などよりなる台枠受桟で、これは、前方の車
輪４が横桟２から外脱されたときに台枠３の前方
が後車軸５の軸を中心として下方に回動するの
を、この台枠受桟１７上に受ける役割をなす。こ
のとき、前車輪４は第５図仮想線のように内方に
たたまれ、かつ、台枠３の前方が下方に回動して
台枠受桟１７上にうけられた状態で前車輪４が横
桟２の上面より下方に位置せしめられることが不
可欠の条件である。

また、第２図、および、第３図に示すように、
台枠３の後端両側に横桟２の下面に当接する受部
材１８を設け、台枠３の前端が下方に回動、詳し
くは、台枠３の後端が後車輪５の軸を中心として
上向きに回動したときに、この受部材１８が横桟
２の下面に当接し、必要以上に台枠３の前方が下
方に回動するのを防止するようにしたもので、こ
の受部材１８を設けることによつて上記台枠受桟
１７を省略することができる。そしてこの台枠受
桟１７の省略により、育苗器下方からの温気の上
昇効率をよくすることができる。

本発明としては、台枠受桟１７、または、受部
材１８を夫々単独に設けるか、あるいは、両者を
設置するか、あるいは、何れも用いなくともよ
い。第４図における１９は、横桟２の先端部上面
に設けた前車輪４のストツパーである。

〔作用〕

次に作用について説明すると、育苗器Ｂに橋架
してある横桟２上に、第２，３図に示すように台
枠３の前後車輪４，５を乗載する。そして上昇位
置にある苗箱載台６上に10〜20枚積みされた苗箱
群１を、第２図の仮想線で示すように、苗箱１の
長手方向が横桟２の長手方向と直交する方向に載
せてから、操作レバー１０を押動して台枠３を育
苗器Ｂの奥に送り込む。

台枠３の前車輪４が、横桟２の前端に設けたス
トツパー１９に度当たりした位置で台枠３の運行
を止め、次に、操作レバー１０を第３図仮想線に
示す位置まで上向きに回動する。この操作により
軸杆９，リンク構造の連杆８を介して苗箱載台６
が前方に前進しながらリンク７を介して下降し、
苗箱群が横桟２上に移行載置される。

次に、回動レバー１６を右、または、左方向に
回動すると、回動軸１４の前端に固定されている
回動板１５が左右何れかの方向に回動し、第５図
に示すように、連動杆１３、および車輪軸１１は
仮想線の位置に変位され、前方の車輪４は横桟２
から外脱せしめられる。

この状態になると、台枠３の前端部は自重によ
つて下方に回動するが、台枠３の前端下部が横桟
２の内側に設けられた台枠受桟１７上に支持され
るか、あるいは、台枠３に設けた受部材１８が横
桟２の下面に当接するかして台枠３の下向き回動
は一定した角度で阻止される。

この状態で操作レバー１０を把持して台枠全体
を後方、即ち、旧位に引き戻してから、回動レバ
ー１６を上記と逆方向に回動すると同時に台枠３
の前方を若干上方に持ち上げるようにすると、前
車輪４は再び横桟２上に乗載され、次いで、操作
レバー１０を下方に回動して苗箱載台６を横桟２
より上方の位置に復帰せしめる。

そして、再び別の苗箱群を苗箱載台６上に積み
上げ、上記と同様の操作を繰り返し行い、第１図
ｂに示すように育苗器Ｂ内に搬入収容せしめる。
尚、同一列で２回目の搬入時には、既に積込み収
容済みの苗箱群の後面がストツパー１９の役割を
果し、各列の苗箱群間には所要の間隙が自動的に
形成される。

〔効果〕

このように本発明の構成によれば、次のような
効果が得られる。

(a) 従来技術では、育苗器の２〜４面側から手作
業で苗箱群を搬入収容させていたが、本発明に
よれば苗箱用台車によつて連続的、かつ、容易
に収容でき、而も、その搬入が育苗器の一面か
らのみ行えるために、第１図ｂに示すように育
苗器を建家の隅に設置することができ、作業場
の有効利用が果しうる。

(b) 前車輪が内向きに折り畳まれ、横桟から外脱
されるようにしてあるため、同一ラインにおい
て台車の往復動が自在に行われ作業効率の向上
が計れるばかりでなく、従来技術に比べ大巾な
省力化が計れる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは育苗器の設置状態の対比説明
図、第２図は本発明の平面図、第３図は同上側面
図、第４図は作業状態の側面図、第５図は要部の
正面図である。 ３…台枠、４，５…車輪、６…苗箱載台、７…
リンク、８…連杆、９…軸杆、１０…操作レバ
ー、１１…Ｌ字形の車輪軸、１２…パイプ、１３
…連動杆、１４…回動軸、１５…回動板、１６…
回動レバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前後両側に、育苗器内に橋架せる案内レール
   の作用を兼ねた両横桟に乗載する車輪を夫々軸架
   した台枠に、苗箱載台を上下動自在に設け、 上記台枠の幅を、上記両横桟間の幅よりも狭
   く、かつ、台枠の上面を横桟の上面より下方に位
   置させるとともに、上記台枠に軸架せる前方の車
   輪を内方に折畳み可能となし、上記案内レールか
   ら外脱しうるようにしたことを特徴とする育苗器
   の苗箱用台車。