JPS6344048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は砂時計式に上下容器の天地転倒により
上部容器の芳香液を下部容器に落下させるに当
り、上下容器を連結する連結体によつて芳香液の
落下速度をコントロールすると共に連結体表面よ
り芳香を揮散させる芳香器に関する。

従来の芳香器は、芳香液容器より吸い上げた芳
香液を紙などのある面積を有する揮散面より芳
香を揮散する形式のものと、エアゾール容器を利
用したスプレー式のものとがある。前者は芳香を
必要とする時と、しない時とにかかわらず芳香を
つづけるため、芳香を必要としない場合も、芳香
を続けて芳香寿命をちぢめるという欠点があつ
た。また後者は、芳香を必要なときにスプレーす
れば芳香を発するが、空中の芳香成分が落下して
しまうまでの限られた時間のみの芳香しか持続せ
ず、又、高圧ガスを用いるため、高温にさらされ
た場合などは爆発の危険などがあり、安全上好ま
しくない。

本考案はかかる欠点を解消し、芳香時間を任意
に設定しうるように上下２箇の容器を砂時計式に
天地を転倒させて芳香液を落下させる際、落下速
度をコントロールさせる特殊な連結体を上下容器
の間に設け、かつその連結体の表面から芳香を揮
散させるようにした芳香器である。

本考案を図によつて説明する。

第１図において上容器１と下容器５との間に連
結体２が設けられている。今まで下容器であつた
１を逆さにすると第１図の如き状態となり連結体
２の中央に貫通して設けたパイプ３を伝つて上容
器１の芳香液が下容器５へ流下する。しかし普通
のパイプではある程度芳香液が流下すれば上容器
が減圧になり下容器５が加圧となるから芳香液の
重力に抗して圧の均衡がとれ、以後芳香液が落下
しなくなる。従つてパイプの太さを大きくして下
容器の蒸気が上容器に昇り芳香液が流下し絶えず
上下容器の圧の均衡がとれれば連続して芳香液が
流下するが、あまり太くすれば一気に芳香液が流
下して落下速度のコントロールは不可能となる。
さらにこれに加えて芳香を揮散させる構造を採り
入れなければならない。

そのため第２図の如くパイプ３に横孔８をあ
け、パイプの外周には吸水体４を設け、さらに吸
水体の外周には表面気散体１１が設けられてい
る。パイプの径と芳香液の落下については上記の
関係があるが、その上パイプの口を斜めにカツト
することにより実質的な開口面積を大きくし、芳
香液の表面エネルギーによるパイプ口における掛
止現象を防止する。表面気散体は液は通さないが
気体を透す紙、メンブレン、四弗化エチレン製薄
膜等で作られ、吸水体で吸い上げた芳香液を気体
の形で表面から揮散させる。芳香液が揮散するこ
とにより容器内が減圧になるので、芳香液の揮散
と同時に外気を吸気し容器内を一定圧力に保つ。
吸水体は芳香液の落下の際パイプの横孔から滲み
出た芳香液を吸収する性質を有するもので紙等の
繊維からなつているものを用い、これにより実質
揮散面積となる表面気散体の直径をひろげ、揮散
面積をひろげる役目をはたす。またパイプの横孔
の形状、数量、大きさは特に制限はなく、芳香液
の種類、必要とする揮散量等の関係から表面気散
体の面積等との関連で適宜決定される。

また本考案の上下容器は透明なガラス製容器が
好適であるが、軟質、硬質のプラスチツク袋であ
つても一向に差し支えない。

本考案により上下容器を転倒することにより上
容器→下容器→上容器−と、上部芳香液が落下し
ている間芳香を揮散するので、必要なある時間香
りを得ることができる。また芳香時間は、芳香液
の量及び落下量を調整することにより任意に設定
でき、合理的な日常生活が営める。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の芳香器の一実施例の縦断面図
であり、第２図は第１図の中の連結体の拡大詳細
断面図である。 １……上容器、２……連結体、３……パイプ、
４……吸水体、５……下容器、６……栓体、７…
…芳香液、８……横孔、１１……表面気散体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器１と容器５とを、切り口を斜めにカツト
   し、管壁に多数の孔を設けたパイプと吸水体及び
   表面気散体とからなる連結体２によつて連結する
   ことにより液体及び気体を通し得、かつ該連結体
   表面から芳香を揮散し得る砂時計式芳香器。