JPS634402Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は柔軟で滑り止め効果が高く、かつ耐摩
耗性のある靴底に関する。

従来、硬質ポリウレタンの発泡体から成形され
た靴底は耐摩耗性に優れ、かつ軽いものとして知
られている。しかし、このような靴底は硬く歩行
性が良くないことと滑り易いと云う欠点を有して
おり、その改良が望まれている。この改良の一つ
としては、靴底に波型の凹凸をつける手段がある
が、この場合凹部または凸部の境界部で屈曲時割
れ易い欠点がある。また他の改良の一つとして、
底本体の接地面に硬質ゴム等の滑りにくい材料を
一体化する手段があるが、接着、融着や耐摩耗性
に問題がある。特にこれらを一体成形する場合、
境界面に存在する空気が抜けないため、この部分
での剥離が生じ易い。そしてこれらの場合、いず
れも靴底の柔軟性を十分に付与するに至つていな
い。

本考案は、このような欠点を除き、柔軟で底接
地面の耐摩耗性に優れ、かつ十分な防滑性を有す
るものを提供せんとするもので、第１図および第
２図に例示するように、硬質ポリウレタンの発泡
体からなる靴底１に対して、不織繊維層内に微多
孔構造の硬質ポリウレタンを含有させたシート材
料２が、少なくとも底接地面３の一部をなすよう
に一体成形された靴底である。該シート材料２
は、第１図に示す底接地面のａ，ｂ等のいずれか
あるいは両方に位置せしめ、防滑効果を得ること
ができる。

また該シート材料２は、不織繊維層に対してポ
リウレタン溶液または分散液を含浸し、凝固（好
ましくは湿式凝固）して該繊維層内にポリウレタ
ンの微多孔構造を形成したもので一般に人工皮革
として知られているものである。これらはさらに
表面にポリウレタンの微多孔層（いわゆる銀面）
４を有していてもよい。このシート材料は柔軟で
あり、かつ耐摩耗性にも富むものであるが、さら
に通気性を有するため、このシート材料を金型に
挿入して靴底本体１とインジエクシヨンモルデイ
ング法等で一体成形するとき、両者の境界に入り
込んだ空気がシートを通して排出され、両者が隙
間なく融着一体化される。さらにこの融着は、靴
底本体およびシート材料が共にポリウレタンから
なるため、成形時に簡単に行なわれ、かつ強力に
融着されたものが得られる。

本考案において、シート材料の底接地面側は、
さらに滑り止め効果を高めるために、エンボス加
工により凹凸５が形成されていてもよい。このエ
ンボスは、シート材料が繊維層によつて補強され
ているため、凹凸の部分で亀裂を生ずることがな
く、また着色等により、一層意匠効果を高めるこ
とができ、特に銀面を有するシート材料において
は、エンボス効果、着色効果が高い。

本考案によれば、硬質の靴底本体の少なくとも
一部が柔軟で弾力性に富んだシート材料で置換さ
れているため、靴底が柔軟で屈曲し易いものとな
り、したがつて履心地が良好なものとなり、さら
に従来のポリウレタン靴底に比べて滑り止め効果
が高いものとなる。また該滑り止め部分のシート
材料は成形時に簡単かつ確実に融着して靴底本体
から剥離を生ずることがない。本考案において
は、第１図に示したａ，ｂ以外に、デザイン的目
的をもつて、シート材料を他の部分、例えば側面
に一体化することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の靴底の一例を示す接地面側平
面図であり、第２図は第１図に示す靴底の断面図
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 硬質ポリウレタンの発泡体からなる靴底本体
   に対して、不織繊維層内に微多孔構造の軟質ポ
   リウレタンを含有させたシート材料が、少なく
   とも底接地面の一部をなすように一体成形され
   ていることを特徴とする靴底。 ２ シート材料の底接地面側に微多孔構造の軟質
   ポリウレタン層が一体化されている実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の靴底。 ３ シート材料の底接地面側がエンボス加工によ
   り凹凸構造となつている実用新案登録請求の範
   囲第１項または第２項記載の靴底。