JPS6343983Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えば衣服等の運搬用コンテナー
等の内部に装備されるハンガー保持部材のサポー
ト又は保持部材自身をソケツトから外れないよう
に押さえるためのピンに関する。多数の衣服等を
コンテナーで運搬しようとする場合、従来のコン
テナーではその天井や壁面に直接ハンガー引掛用
のパイプを取り付けて、恰も洋服ダンスの内部の
ように構成されていたので、搭載する衣服の種類
によつてハンガー引掛用のパイプ相互間の間隔や
高さを変更する必要が生じた場合にもその取り付
け位置の移動ができず、実際の作業の面で不便を
感ずることが多かつた。そこでこれを改良してコ
ンテナーの内壁にレールを取り付け、そのレール
にソケツトを取り付け、このソケツトに、衣服用
ハンガーを吊り下げるための保持部材を受け入れ
るサポートを収納するような装置が考案された。
その際、車の振動によつてサポートがソケツトか
ら外れないようにソケツトの孔にピンを挿しこん
でサポートを固定する必要があるが、この考案は
簡便にサポートをソケツトに固定することのでき
るピンに関するものである。

図について説明すれば、第１図Ａ，Ｂはこの考
案に係るピンを用いる装置の概要を示すもので、
コンテナー又は貨物運搬車等１の内壁に横型レー
ル２又は縦型のレール２′が取り付けられ、それ
にソケツト３が引つ掛けられて係止されている。
ソケツトにはサポート６を収納し、サポート６が
外れないようにピンが挿入されている（ピンは図
示してない）。サポートには保持部材４が受け入
れられていて、保持部材４に多数のハンガー５が
吊り下げられ、衣服を吊り下げたままコンテナー
で運搬することができる。

第２図Ａは横型のレール２の詳細を示し、レー
ル２は図示の如く板金を折り曲げて作り、一定の
間隔でレールの中央部を切り開いてソケツトの引
つ掛け部２１を形成するものであつて、横方向に
ソケツトの取り付け位置を調整できる。

第２図Ｂは縦型のレール２′の詳細を示すもの
であつて、上下方向にソケツトの取り付け位置を
調整できる。

第３図は保持部材４を支持し、ソケツト３中に
納められるサポート６を示す。サポート６は任意
の多角形状をなし一側に保持部材４を挿しこむ挿
込孔７があけられている。第４図はサポート６に
保持部材４が挿しこまれたところを示している。

第５図はソケツト３の側面図、第６図は第５図
をＲ方向からみた背面図であつて、ソケツト３は
厚手の金属板を折り曲げて側板３１，３１′、突
出部３２，３２′、底板３３となし、突出部３２，
３２′の上下に、夫々爪３４，３５ならびに３
４′，３５′を形成する。そして突出部３２，３
２′の間に背面方向（即ち第５図の右側）の方を
閉じた断面コ字状の匣状支持体４０を介してロツ
クピン５０を枢支軸３６によつて揺動可能に設置
する。匣状支持体４０は取付軸３８によつて突出
部３２，３２′間に取り付けられている。ロツク
ピン５０は匣状支持体４０の背面との間に介挿し
たバネ３７によつて常時は時計方向に付勢され、
ロツクピン先端５１と爪３４，３４′の間で、後
述の如くレールをつかんでソケツト３をレール２
に固定するものである。サポート６は第５図の左
側の開放された方から収納する。３９はそのサポ
ート６が車の振動でソケツト３から外れないよう
にピンを挿しこむための孔である。

第７図はサポート６を押えるための従来のピン
の構成を示すもので、ソケツト３の孔３９からピ
ン６０を挿しこんでソケツト３の側壁３１，３
１′を貫通させ、両側壁からはみ出したピンにワ
ツシヤー６１，６１を介在させ、それらの外がわ
に割りピン６２，６２を挿しこんでピン６０を固
定していた。しかしながらこのような従来のピン
では、ピン、ワツシヤー、割りピンの組み合せを
要し、作業が行い難く、時間もかかり、しかも不
正確であるという欠点を免れなかつた。

この考案はこれらの欠点を解消し、ワンタツチ
で簡易にサポートをを介して保持部材を、又は直
接保持部材を押さえることのできるようなピンを
得ることをその目的とするものである。

第８図はこの考案のピンの側面図、第９図は第
８図をＲ方向からみたその下面図であつて、ピン
７０は一端は屈曲ストツパー部７１となつてお
り、他端には切込み７２が形成され、取付ピン７
４を介して回動ストツパー片７３が回動自在に取
りつけられている。

この考案のピン７０をソケツトの孔３９に挿し
こむには、回動ストツパー片７３を回動して回動
ストツパー片７３をピン７０の長手方向にのびた
状態（第１の状態）にし、そのまま孔３９に挿し
こみ、サポート６の上を通過してソケツトの反対
側の孔から突き出せば、回動ストツパー片７３は
自身の重量によつて再び第８図に示す如く下方に
回動してピン７０の長手方向を直交する方向にの
びた状態（第２の状態）となり、ストツパー部７
１とストツパー片７３とでソケツトをさしはさ
み、ワンタツチできわめて簡便にピンを取りつけ
ることができる。

第１０図ないし第１４図はソケツト取り付けの
順序を示し、まずソケツト３のロツクピン５０の
先端５１を指で引き、バネ３７（第５図）に抗し
てロツクピンを手前に回動し、爪３４，３４′，
３５，３５′をレール２の切開かれた引つ掛け部
２１にさしこみ（第１１図）、指をはなすと、ロ
ツクピンはバネ３７により爪の方向に回動し、ソ
ケツト３をレール２に固定する。（第１２図）つ
いで保持部材４を挿しこんであるサポート６をソ
ケツト３中に収め（第１３図）、最後に前記の如
くピン７０の回動ストツパー片７３をまつすぐに
しておいてソケツトの孔３９からサポート６の上
を通せば、屈曲ストツパー部７１と反対側のスト
ツパー片７３とでソケツトをさしはさんでピンを
固定し、サポート６を押さえ、車の振動等でサポ
ート６がはね上つてソケツトから外れることを防
止する。（第１４図） 以上この考案のピンの断面は円形として図示し
て来たが、第１５図以下に種々の変形例を図示し
てある。第１５図Ａは断面が四角な場合の側面
図、Ｂはその下面図、第１６図Ａは断面が三角の
場合の側面図、Ｂはその下面図、第１７図Ａは断
面が六角の場合の側面図、Ｂはその下面図を夫々
示し、どの図においても６はザポート、７０は押
さえピン、７１は屈曲ストツパー部、７２は切込
み、７３は回動ストツパー片を示している。図か
ら明らかな如く、ピンの断面が円形の場合にはピ
ンとサポートが線接触によつてサポートを押さえ
ることになるが、ピンの断面が多角形の場合はピ
ンとサポートが面接触しピンが回転せず確実にサ
ポートを押さえることができる。又ソケツト３の
孔３９もピン７０の断面形に応じて、円、三角、
四角、六角等にするものである。

以上の説明において、ピンは保持部材を収納す
るサポートを押さえる例についてのみ記載した
が、場合によつてはサポートを使用せず直接ピン
で保持部材を押さえるようにしてもよい。

この考案のピンはこのような構成であつて、簡
単な構成で、ワンタツチで簡便にピンをソケツト
にさしこみ、サポートを介して保持部材を、又は
保持部材を直接押さえることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは夫々この考案のピンを用いた装
置の概要を示す図、第２図Ａ，Ｂは夫々レールの
拡大図、第３図はサポートの斜視図、第４図はサ
ポートと保持部材との組み合せを示す図、第５図
はソケツトの側面図、第６図は第５図のＲ方向か
らみた背面図、第７図は従来のピンの説明図、第
８図はこの考案のピンの側面図、第９図は第８図
のＲ方向からみた下面図、第１０図ないし第１４
図はソケツトの取り付け順序を示す説明図、第１
５図Ａ，Ｂ、第１６図Ａ，Ｂ、第１７図Ａ，Ｂは
夫々ピン断面の変形例を示す図である。 符号の説明、１……コンテナー、２，２′……
レール、３……ソケツト、４……保持部材、５…
…ハンガー、６……サポート、７……挿込孔、３
１……側板、３２……突出部、３３……底板、３
４，３５……爪、３６……枢支部、３７……バ
ネ、３８……取付軸、３９……ピン挿込孔、４０
……匣状支持体、５０……ロツクピン、５１……
先端、６０……ピン、６１……ワツシヤー、６２
……割りピン、７０……ピン、７１……屈曲スト
ツパー部、７２……切込み、７３……回動ストツ
パー片、７４……取付ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板と、該底板から上方に立上つた一対の側板
   とを有するソケツト内に挿入される保持部材の上
   方への移動を阻止するためのピンにおいて、ソケ
   ツトの一対の側板には該ピンを挿通するための孔
   が形成され、該ピンは一端が略直角に折り曲げら
   れることにより略Ｌ字状に形成されており、他端
   にはピンの長手方向にのびた第１の状態とピンの
   長手方向と直交する方向にのびた第２の状態とを
   とりうるように回動自在に支持されたストツパー
   片が設けられており、該ピンはストツパー片が第
   １の状態にてソケツトの両側壁に設けられた孔を
   貫通した後、ストツパー片が第２の状態へと回動
   されることによりソケツトに取り付けられること
   を特徴とする保持部材の移動を阻止するためのピ
   ン。