JPS6343980B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は高圧回転機線輪の絶縁性能監視方法に
関し、上記線輪の対地絶縁層の性能を監視しこれ
の絶縁破壊を未然に防止するようにしたものであ
る。

＜従来の技術及び発明が解決しようとする問題点
＞ 高圧回転機の対地絶縁層にはマイカ樹脂の複合
絶縁を用いているが、ストリーマは一般に高圧導
体若しくは鉄心から発生し鉄心若しくは高圧導体
に向かつて進展していく。ストリーマが進展して
いくとその先端の電界は上昇していき進展速度も
次第に速くなつていくと思われる。

かくて対地絶縁層の絶縁劣化が進行するのであ
るが、この進行の程度を監視する手段は未だに存
在しない。絶縁劣化の程度によつては絶縁破壊と
いう重大な事故につながるので、ストリーマの進
展状態を捉え得る手段の出現が待望されている。

本発明は、上記現状に鑑み、高圧回転機線輪の
対地絶縁の性能を監視し絶縁破壊を未然に防止し
得る絶縁監視方法を提供することを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記目的を達成する本発明は次の知見をその技
術思想の基礎とするものである。

高圧回転機線輪の対地絶縁層をストリーマが進
展していくにしたがいストリーマの先端の電界の
上昇、ストリーマの進展速度の変化を考慮する
と、対地絶縁層の厚さｔmmのうち1/2ｔmm、即ち
半分の地点までのストリーマの進展が線輪の寿命
を左右していると思われる。

因に、第１図はストリーマの進展割合に対する
残存寿命の関係を示すグラフである。同図を参照
すればストリーマが対地絶縁層の厚さに対して70
％程度進展している場合は残存寿命は零に近く、
既に短時間破壊領域に至つているのがわかり1/2
ｔmm、（50％）にてストリーマの進展をキヤツチ
することにより絶縁破壊を未然に防止し得ること
が理解される。

一方、ストリーマが対地絶縁層を進展した場
合、高圧印加を中断した後にもカーボナイズされ
た導電路は残るので、第２図ａ，ｂに示すよう
に、環状に成形して構成した高圧導体１とこの高
圧導体１に巻回された対地絶縁層２とを有する高
圧回転電機線輪において、対地絶縁層２の厚さｔ
の半分の部分に半導電性テープ３を巻回しておき
ストリーマがその半導電性テープ３の部分まで進
展しているか否かを高圧導体１と半導電性テープ
３間及び鉄心（図示せず）と半導電性テープ３間
の導電性をチエツクすることにより半断すれば良
い。

したがつて、本発明の構成は、環状に成形され
た高圧導体の外周に巻回された対地絶縁層を有し
て鉄心に刻設されたスロツトルに収納されている
高圧回転機線輪の対地絶縁層の半分の厚さの部分
に巻回した半導電性テープと高圧回転機線輪の高
圧導体及び鉄心との間に電流を流し、半導電性テ
ープと高圧導体及び鉄心との間の導通、非導通を
検出することにより半導電性テープと高圧導体及
び鉄心との間が導通しているか否かを検出するこ
とを特徴とする。

＜実施例＞ 以下本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明
する。なお、第１図及び第２図と同一部分には同
一番号を付し重複する説明は省略する。

第３図及び第４図に示すように、高圧回転機の
内部である対地絶縁層２の厚さｔの半分の部分
には半導電性テープ３が巻回されており、この半
導電性テープ３の端部はリード線４に接続されて
いる。このリード線４は、コイルエンドの彎曲部
の対地絶縁層２の表面に固着された電気・光変換
器５に接続されており、この電気・光変換器５で
光に変換され光フアイバ６及びスイツチSW₁を介
して高圧回転機の外部の導通検出器７に接続さ
れている。このとき半導電性テープ３は亀甲形の
高圧回転機線輪のうち鉄心１３のスロツトルに収
納される部分及びこの部分に連続する直線部に通
常のハーフラツプ巻き等により巻回され、かかる
半導電性テープ３の第３図中の右端部にリード線
４の一端が固着されて外部に引き出されている。

なお、上述の如く半導電性テープ３を巻回する
ことは必須の構成要件ではない。半導電性テープ
３はストリーマの進展を検出するためのものであ
るため、このストリーマが進展し易い場所、即ち
対地絶縁層２の劣化を生起し易い鉄心１３の端部
に少なくとも巻回されていれば良い。導通検出器
７は、光フアイバ８及びスイツチSW₂を介して
光・電気変換器９に接続されるとともに光フアイ
バ１０及びスイツチSW₃を介して光・電気変換器
１１に接続されている。また、光・電気変換器９
はリード線１２により鉄心１３に、光・電気変換
器１１はリード線１４により高圧導体１に夫々接
続されている。このときリード線１４と高圧導体
１の接続はＵ，Ｖ，Ｗ各相のライン側より10本目
までの高圧導体１に半導電性テープを巻回するこ
とにより行なう。

上記装置を用いる本実施例方法では、スイツチ
SW₁，SW₂を閉成することにより鉄心１３と半導
電性テープ３間のストリーマによる導通若しくは
非導通を導通検出器７により検出することがで
き、スイツチSW₁，SW₃を閉成することにより高
圧導体１と半導電性テープ３間のストリーマによ
る導通若しくは非導通を同様に検出することがで
きる。この導通試験は回転電機の停止時に行な
う。

更に詳言すると、スイツチSW₁，SW₂を閉成し
て導通検出器７から光を発し、この光を光フアイ
バ８を介して例えばフオト・ダイオードである
光・電気変換器９に導く。この結果、光・電気変
換器９はリード線１２を介して鉄心１３に電流を
供給する。このとき、対地絶縁層２のストリーマ
が鉄心１３から半導電性テープ３に迄達している
と、前記電流はストリーマ、半導電性テープ３及
びリード線４を通つて例えば発光ダイオードであ
る電気・光変換器５に流れる。この結果、電流が
光に変換され光フアイバ６を介して導通検出器７
に導かれる。したがつて、導通検出器７で光フア
イバ６からの光を視認し得るようにすれば半導電
性テープ３と鉄心１３がストリーマにより導通さ
れているか否かを検知し得る。一方、半導電性テ
ープ３と高圧導体１とがストリーマにより導通さ
れているか否かを検知する際にはスイツチSW₁，
SW₃を閉成して導通検出器７から光を発し、この
光を光フアイバ１０を介して例えばフオト・ダイ
オードである光・電気変換器１１に導く。この結
果、光・電気変換器１１はリード線１４を介して
高圧導体１に電流を供給する。このとき、対地絶
縁層２のストリーマが高圧導体１から半導電性テ
ープ３に迄達していると、前記電流はストリー
マ、半導電性テープ３及びリード線４を通つて例
えば発光ダイオードである電気・光変換器５に流
れる。この結果、電流が光に変換され光フアイバ
６を介して導通検出器７に導かれる。したがつ
て、導通検出器７で光フアイバ６からの光を視認
し得るようにすれば半導電性テープ３と高圧導体
１がストリーマにより導通されているか否かを検
知し得る。

このとき、光フアイバ６からの光を視認し得る
ようにするには、例えば光フアイバ６により導か
れた光を再度電気に変換してパイロツトランプ等
を点灯させるようにすれば良い。

一方、ストリーマが半導電性テープ３迄達して
いない場合には鉄心１３及び高圧導体１と半導電
性テープ３との間の対地絶縁層２で回路が遮断さ
れるため、光・電気変換器１１による電流は流れ
ず、電気・光変換器５は発光しない。

なお、半導電性テープ３の巻回位置は厳密に1/
２でなくても良いことは勿論である。

本実施例によれば半導電性テープ３と導通検出
器７とは光フアイバ６で接続され電気的には絶縁
されているので、安全性に優れるものとなる。

＜発明の効果＞ 以上実施例とともに具体的に説明したように本
発明によれば対地絶縁層内のストリーマの進展状
況をこれが絶縁破壊を生起する程度に成長する以
前に検出することができるので、絶縁破壊を未然
に防止し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図はストリーマの進展割合と対地絶縁層の
残存寿命との関係を示すグラフ、第２図ａは高圧
回転機の線輪を示す縦断面図、第２図ｂはその横
断面図、第３図は高圧回転機線輪に本発明の実施
例を適用した状態を示す説明図、第４図は本発明
の実施例を実現する装置を示すブロツク線図であ
る。 図面中、１は高圧導体、２は対地絶縁層、３は
半導電性テープ、４，１２，１４はリード線、５
は電気・光変換器、６，８，１０は光フアイバ、
７は導通検出器、９，１１は光・電気変換器、１
３は鉄心、SW₁，SW₂，SW₃はスイツチである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 環状に成形された高圧導体の外周に巻回され
   た対地絶縁層を有して鉄心に刻設されたスロツト
   ルに収納されている高圧回転機線輪の対地絶縁層
   の半分の厚さの部分に巻回した半導電性テープと
   高圧回転機線輪の高圧導体及び鉄心との間に電流
   を流し、半導電性テープと高圧導体及び鉄心との
   間の導通、非導通を検出することにより半導電性
   テープと高圧導体及び鉄心との間が導通している
   か否かを検出することを特徴とする高圧回転機線
   輪の絶縁性能監視方法。