JPS6343482B2 - - Google Patents

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JPS6343482B2
JPS6343482B2 JP56115959A JP11595981A JPS6343482B2 JP S6343482 B2 JPS6343482 B2 JP S6343482B2 JP 56115959 A JP56115959 A JP 56115959A JP 11595981 A JP11595981 A JP 11595981A JP S6343482 B2 JPS6343482 B2 JP S6343482B2
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JP
Japan
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water
polymer
resin
absorbing
antistatic
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JP56115959A
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JPS5818408A (ja
Inventor
Mitsuru Wakitani
Shigeru Sawanishi
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Japan Exlan Co Ltd
Original Assignee
Japan Exlan Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS5818408A publication Critical patent/JPS5818408A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、制電性を備えた吸水性アクリル繊維
に関するものであり、更に詳しくは特定の吸水性
樹脂及び制電性重合体が配合されてなり、染色
性、紡績性、強伸度等の加工性、実用性能と共に
制電性、吸水性に優れた新規なアクリル繊維に関
するものである。 従来アクリル繊維はポリアミド、ポリエステル
等他の合成繊維と同様に吸水、吸湿性等に乏しい
ため、肌着、シーツ、スポーツウエア、夏物衣料
用素材等としては快適な着心地性を満足させるた
め多くの場合木綿、レーヨンなどとの混紡品が使
用されている。 このアクリル繊維の吸水、吸湿性を改良するた
めこれまで多くの検討がなされているが、まだ満
足すべき性能を有するものは提案されていない。 例えば、単一成分からなるアクリル繊維を湿式
紡糸法によつて製造する際膨潤ゲル状糸条の多孔
質構造を固定化することにより吸水性を示すアク
リル繊維が得られるが、この方法により得られる
微細孔は不安定であり、後続の乾燥工程或はアイ
ロンがけなどにより容易に消失して吸水性が低下
すると共に極めて多量の紡積油剤の吸収および劣
悪な染色堅牢性などの本質的欠点を内在してい
る。 また、無機質、有機質等の特定物質を添加した
紡糸原液を紡出した後、該添加物質を除去するこ
とにより繊維内部に空孔を形成する手段について
も多くの提案がなされているが、かかる手段にお
いては該物質による溶剤の汚染或は作業環境の悪
化、該物質の回収など製造工程の繁雑化等の本質
的問題を派生し、工業的有利な方法とは言い難
い。 或はまた、アクリル繊維を部分的に加水分解す
ることにより吸水、吸湿性を付与する技術もいく
つか提案されているが、かかる繊維表面に多量の
カルボキシル基が導入された繊維が物性および染
色堅牢性の低下が著しく、また吸水時におけるベ
トツキ感を避けることができず実用上満足すべき
手段ではない。 このような状況下において、本発明者らは上記
欠点を解消し優れた実用性能を有する吸水性アク
リル繊維を工業的有利に提供すべく鋭意研究し、
特定の吸水性樹脂を配合することにより製造工程
におけるノズル詰り、糸切れ、巻き付き、融着等
の問題がなく実用性能を具備した吸水性アクリル
繊維を作製し得ることを見出し先に特願昭55−
17360号発明を提案した。 しかし、かかる先願発明においても多孔質繊維
特有の静電気障害、即ち染色加工後の乾燥工程、
整反縫製工程等での反物の乱れや電撃シヨツク
等、或は着用時のまつわりつき、脱衣時の放電火
花等の問題を内在しており、かかる観点からの改
善が更に望まれている。 かかる状況をふまえ、本発明者等は優れた加工
性、実用性能と共に静電気障害の問題のない新規
な多孔質吸水性アクリル繊維を提供すべく鋭意研
究した結果、特定の吸水性樹脂と制電性重合体と
を選択、配合することにより、両者の相乗効果が
著しく発揮され、少量の添加量で従来の多孔性ア
クリル繊維に比し吸水性及び保水性と共に制電性
を飛躍的に改善し得ることを見出し、本発明に到
達した。 すなわち本発明の目的は熱処理等により容易に
低下することのない安定な吸水性能を有すると共
に強伸度等の物性、染色堅牢性、紡積性等の実用
性能に優れ、しかも多孔質繊維においてとりわけ
顕著な静電気障害のない新規な吸水性アクリル繊
維を提供することにあり、他の目的はノズル詰
り、糸切れ、巻き付き、融着等の製造上の問題が
なく、また添加物質の回収、作業環境の悪化など
の問題がなく、さらに吸水時におけるベトツキ感
のない吸水性アクリル繊維の工業的有利な製造手
段を提供することにある。本発明の更に異なる他
の目的は以下の記載により明らかになろう。 このような本発明の上記目的を達成する制電性
を備えた吸水性アクリル繊維は、92〜98.5のアク
リロニトリル(以下ANと略す)系重合体並びに
下記(3)〜(5)式を満足する吸水性樹脂及び制電性重
合体からなり、繊維断面に長径0.2μ以上の空孔を
有し、半減期が20℃、65%RH下で10秒以下であ
り、かつ保水率が20%以上の繊維であり、ここで
前記吸水性樹脂は絶乾状態で0.5μ以下の粒子径お
よび10〜300c.c./gの水膨潤度を有する樹脂であ
り、また前記制電性重合体は下記一般式(1)又は(2)
で示す共重合成分を30〜85重量%含有するAN系
共重合体である。 (但し、Rは水素原子又は低級アルキル基、
R′は水素原子又は炭素数18以下のアルキル基、
フエニル基もしくはその誘導体であり、O≦m<
l、15<l<50である。) (但し、Rは水素原子又は低級アルキル基であ
り、O≦m<l、15<l<50である。) 1.5≦X+Y<8 (3) 0.5≦X<7.0 (4) 1.0≦Y<7.5 (5) (但し、Xは吸水性樹脂(重量%)、Yは制電性
重合体(重量%)である。) 以下、本発明を詳述するが、まず本発明のAN
系重合体としては従来公知のアクリル繊維の製造
に用いられるものであればよく、何ら限定される
ものではないが、好ましくは80重量%以上、更に
好ましくは85%以上のANと残部が他のビニルモ
ノマーとの共重合体を使用することが、繊維物
性、染色性等の点で望ましい。 次に、前記AN系重合体に配合される吸水性樹
脂について述べる。 かかる樹脂としては、絶乾状態で0.5μ以下、好
ましくは0.2μ以下の粒子径および10〜300c.c./g、
好ましくは20〜150c.c./gの水膨潤度を有し、水
およびAN系重合体の溶剤に不溶性の樹脂である
限り採用することができる。 本発明の目的および効果を達成する上でかかる
吸水性樹脂の粒子径および水膨潤度を本発明の推
奨範囲内に設定する必要があり、かかる特性を満
足する吸水性樹脂を採択して初めて優れた実用性
能を備えた吸水性アクリル繊維を、製造工程上の
問題なく工業的有利に作製することができる。即
ち、該樹脂の粒子径および水膨潤度特性は、得ら
れる繊維の吸水性能上重要な役割を果すと共に、
本発明推奨範囲品を使用する場合にのみ曳糸性或
は最終的に得られる繊維の強伸度等の物性、紡績
性、染色性等の実用性能においても満足すべきも
のが得られる。 なお、該樹脂の架橋結合の割合(架橋密度)
を、該樹脂を構成する重合体反覆単位400個あた
り1〜15個、さらに好ましくは2〜10個に設定す
ることにより、粒子径特性と相俟つて該樹脂配合
AN系重合体紡糸原液の曳糸性を一段と向上させ
ることができ、以てノズル詰り、糸切れ等製造上
の問題なしに充分な強伸度、吸水性等の性能を有
する繊維を作製することができるので望ましい。 また、かかる吸水性樹脂の作製方法について
は、本発明に推奨する上記特性を満足するものが
得られるならば何ら限定されないが、かかる特性
を有する樹脂を工業的有利に作製し得る点で例え
ば次のような方法を挙げることができる。 即ち、粒子径が0.5μ以下、好ましくは0.2μ以下
であり、重合体を構成する単量体全量に対して好
ましくは50重量%以上、更に好ましくは70%以上
のAN、所定量の架橋性モノマーおよびANと共
重合し得る他のビニルモノマーとの架橋AN系共
重合体または該重合体の水分散体に、常法に従つ
てアルカリ物質を作用させてカルボキシル基を導
入することにより10〜300c.c./g、好ましくは20
〜150c.c./gの水膨潤度を有する樹脂または該樹
脂の水分散体を工業的有利に作製することができ
る。 なお、上記架橋性モノマーとしては、例えばア
クリル酸もしくはメタクリル酸のジエステル類、
トリエステル類もしくはテトラエステル類や、不
飽和カルボン酸のアリルエステル類、多価カルボ
ン酸のジアリルエステル類、ジビニル系酸無水物
類、ジビニルスルホン、メチレンビスアクリルア
ミド、或はジビニルベンゼン及びそのアルキル又
はハロゲン置換体の如き分子内に共重合可能な二
重結合を2個以上有する架橋性単量体及び/又は
上記不飽和カルボン酸もしくは不飽和スルホン酸
のグリシジルエステルや、不飽和グリシジルエー
テルの如き分子内に少なくとも1個のエポキシ基
を有する架橋性単量体を前記共重合成分として使
用して重合時もしくは重合終了後に架橋せしめる
ことにより容易に達成することができ、なかでも
分子内に共重合可能な二重結合を2個以上有し、
アルカリ耐性の大きいジビニルスルホン、メチレ
ンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼンなどの
架橋性単量体を共重合成分として使用することが
望ましい。なお、上記微細粒子径の架橋AN系重
合体の作製法については例えば本出願人に係る特
願昭51−24334号発明を採用して有利に実施する
ことができる。 また、かかる吸水性樹脂として架橋AN系共重
合体が共存する樹脂を使用することにより、繊維
形成マトリツクスポリマー(AN系重合体)との
混和性、或は曳糸性等が一段と改善されるので望
ましい。かかる架橋AN系共重合体が共存する吸
水性樹脂の作製法としては何ら限定されるもので
はないが、例えば架橋AN系共重合体を構成する
ビニルモノマーの選択或は加水分解条件の調節な
どにより架橋AN系共重合体粒子の表層部のみを
部分的に加水分解して該共重合体の未反応芯部を
残存させたり、或は該芯部の残存する樹脂粒子を
更にコロイドミル、ボールミル等の手段によりす
り潰して吸水性樹脂表面に架橋AN系共重合体の
少なくとも一部を露出させるなどの方法によつて
有利に作製することができる。 次に、前記AN系重合体に配合される制電性重
合体について述べる。 かかる重合体としては、下記一般式(1)又は(2)で
示す共重合成分を30〜85重量%、好ましくは50〜
85重量%、更に好ましくは70〜85重量%含有する
AN系共重合体であり、他の重合性不飽和ビニル
化合物が少量共重合されていてもよい。 (但し、Rは水素原子又は低級アルキル基、
R′は水素原子又は炭素数18以下のアルキル基、
フエニル基もしくはその誘導体であり、O≦m<
l、15<l<50である。) (但し、Rは水素原子又は低級アルキル基であ
り、O≦m<l、15<l<50である。) かかる一般式(1)又は(2)で示す化合物の共重合割
合が本発明推奨範囲を満足する場合には、本発明
の目的とする制電性付与効果を発揮すると共に吸
水性樹脂の分散を容易にすることができるが、該
範囲の下限を外れる場合には、制電性付与効果が
不十分となり、また上限を越える場合には、AN
系重合体との相溶性低下或は制電耐久性低下等の
問題を惹起するので望ましくない。 なお、AN系重合体を配合する前記吸水性樹脂
(X:重量%)及び制電性重合体(Y:重量%)
の割合としては、XとYとの合計量がAN系重合
体、吸水性樹脂及び制電性重合体の全重量に対し
て8重量%未満であることが必要であり、かつ下
式(3)〜(5)を満足することが必要である。 1.5≦X+Y<8 (3) 0.5≦X<7.0 (4) 1.0≦Y<7.5 (5) かかる吸水性樹脂及び制電性重合体の配合割合
が本発明の推奨範囲を外れる場合には、紡糸時に
おけるノズル詰り、糸切れ等の問題を惹起すると
共に、得られる繊維に充分な物性、染色堅牢性等
を具備させることができず望ましくない。 次に本発明に係る吸水性アクリル繊維の製造法
について述べる。かかる製造法としては本発明の
目的とする性能を備えた繊維が得られる限りいか
なる方法も採用することができるが、工業的有利
に得るためには次のような製造法を採用すること
が望ましい。 即ち、AN系重合体を公知の溶剤に溶解して紡
糸原液を作製し、該紡糸原液に吸水性樹脂及び制
電性重合体、好ましくはそれらの混合水分散体の
所定量を添加混合した後、常法に従つて湿式紡
糸、水洗、延伸を施す。次いでこのようにして得
られた延伸後ゲル糸を、所望により乾燥緻密化し
たのち湿熱緩和処理を行ない、必要に応じて捲縮
処理、油剤処理等を行なつた後乾燥する。 ここで、上記紡糸原液に好適に配合される吸水
性樹脂および制電性重合体の水分散体として、2
〜30重量%、更に好ましくは5〜20%の濃度の水
分散体を使用することにより、更に該水分散体中
に紡糸原液作製用有機または無機溶剤の一部およ
び/または他の無機塩(例えば芒硝、硝酸ソー
ダ)などを添加して該水分散体の粘度を1000cp
以下に調製したものを使用することにより、該水
分散体の紡糸原液への分散性、紡糸性等を一層改
善させることができるので望ましい。 また、上記湿熱緩和処理条件としては、熱水、
飽和水蒸気、過熱水蒸気等の雰囲気中において、
湿熱処理を施さない繊維に対して湿熱処理品の保
水率が1.5倍以上に増大する条件下において湿熱
処理を行なうことが望ましい。かかる湿熱処理を
行なうことによつて初めて繊維中に存在する孔の
拡大固定化および繊維外通孔の生成に伴なう吸水
性能の改善と共に強伸度等の物性、染色堅牢性等
が顕著に改善されたアクリル繊維を提供すること
ができる。なお、かかる湿熱処理条件としては出
発物質であるAN系重合体、吸水性樹脂の種類、
或は紡糸条件等によつて変化し、一義的に規定す
ることは困難であるが、特に飽和水蒸気雰囲気
中、110℃以上、更に好ましくは120℃以上の温度
条件を採用することにより短時間で顕著な効果を
発揮させることができるので望ましい。 なお、吸水性樹脂配合紡糸原液と吸水性樹脂不
含紡糸原液との少なくとも2種の紡糸原液を使用
し、例えば吸水性樹脂不含AN系重合体の少なく
とも一部が繊維表面に露出するように常法に従つ
てシースーコア型、サイド−バイ−サイド型、サ
ンドイツチ型、ランダム複合型、海−島型等の形
態に複合紡糸することができることは言うまでも
ない。また、制電性重合体は、吸水性樹脂不含
AN系重合体側に配合することもできるが、吸水
性樹脂と共に同一紡糸原液に集中配合することに
より、一段と相乗効果を発揮することができるの
で望ましい。 このようにして作製される本発明に係る吸水性
アクリル繊維は、繊維断面に長径0.2μ以上の空孔
を好ましくは5個以上有し、20%以上、好ましく
は25%以上の保水率を有している必要があり、か
かる繊維において初めて木綿に匹敵する吸水、保
水性能を発現することができる。 また、本発明に係る繊維は20℃、65%RH下で
の半減期が10秒以下の性能を有している必要があ
り、また20℃、40%RH下での半減期が30秒以下
の性能を有していることが好ましく、かかる繊維
において初めて肌着、スポーツウエア、毛布、シ
ーツ等の製品形態において、静電気障害による不
快感を解消することができる。 ここにおいて、本発明に推奨する特定の吸水性
樹脂及び制電性重合体を少量配合してなるアクリ
ル繊維が、驚くべき吸水性能及び制電性能を発現
する理由は明らかでないが、吸水性樹脂中のカル
ボキシル基等の親水性基が制電性重合体中の親水
性基と相俟つて制電性能を向上させ、またAN系
重合体中にストリーク状に分散する制電性重合体
が吸水性樹脂の分散、配置を高め、かつ空孔(ボ
イド)形成を助長し、以て吸水、保水性能を向上
させる等の相乗効果をもたらすものと推察され
る。 上述した本発明に係るアクリル繊維は、ノズル
詰り、糸切れ等の製造工程上の問題がなく、強伸
度等の物性、発色性、染色堅牢性、紡績性などの
実用性能を有しながら、満足すべき制電性能及び
吸水性能が付与されたものであり、かかる諸点が
本発明の特筆すべき効果である。 上記製造工程上及び実用性能上多くの利点を有
する本発明アクリル繊維は、単独で或は市販のポ
リエステル系、ポリアミド系、ポリアクリロニト
リル系もしくはモダクリル系等の各種合成繊維、
木綿、羊毛等と混用することにより、快適な着心
地性を有する肌着、シーツ、タオル、スポーツウ
エア、夏物衣料用素材等としての適用が可能とな
つた。 以下実施例により本発明の効果をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および百分率は
特に断りのない限り重量基準で示す。 以下の実施例において吸水性樹脂の水膨潤度、
繊維の保水率および半減期は下記の方法で測定乃
至算出したものである。 (1) 水膨潤度(c.c./g) 吸水性樹脂約0.5gを純水中に浸漬し、25℃
で24時間経過後、水膨潤状態の吸水性樹脂を
紙の間にはさみ樹脂粒子間の水を除去する。こ
のようにして調整した試料の重量(W1)を測
定する。次に該試料を80℃の真空乾燥機中で恒
量になるまで乾燥して重量(W2)を測定する。
以上の測定結果より、次式に従つて算出する。 水膨潤度=W1−W2/W2 (2) 保水率(%) 試料約5gを純水中に浸漬し、25±3℃で2
時間経過後、遠心脱水機(コクサンエンシンキ
(株)製、半径12cm)を用いて2000rpmの回転で5
分間繊維間の水を除去する。このようにして調
整した試料の重量(W1)を測定する。次に該
試料を80℃の熱風乾燥機中で恒量になるまで乾
燥して重量(W2)を測定する。以上の測定結
果より、次式により算出する。 保水率=W1−W2/W2×100 (3) 半減期(秒) 家庭用電気洗濯機中に、40℃の洗液(中性洗
剤:2g/)及び試料(浴比:1/30)を投
入し、10分間運転した後、常温水により5分間
すすぎを2回繰返したのち排水、脱水する。こ
の操作を3回(洗濯3回)繰返し、熱風乾燥機
中で70℃×30分間乾燥した後、更に70℃×1時
間乾燥を行ない、測定条件に調湿された20℃の
測定室内に一昼夜放置した試料を準備した。 試験片をスタテイツクオネストメーター(宍
戸商会(株)製)に取りつけ印加電圧10000Vで30
秒間印加(試料回転数:1000r・p・m)した
のち、帯電極が半分量になる時間を測定する。 上記半減期は、それが短いほど制電性が良好
であることを示す。 実施例 1 AN76%、メタクリル酸メチル(MMA)20
%、メチレンビスアクリルアミド(MBA)2%
及びp−スチレンスルホン酸ソーダ(SPSS)2
%からなり、重合体の粒子径が0.1μである架橋
AN系重合体水性エマルジヨンを作製し、それを
3%の苛性ソーダ水溶液中で撹拌下に95℃×60分
間アルカリ処理を施した。得られた吸水性樹脂は
0.1μの粒子径及び30c.c./gの水膨潤度を有してい
た。 また、AN25%及びメトキシポリオキシエチレ
ン(30モル)メタクリレート75%からなる制電性
重合体を作製した。 この吸水性樹脂及び制電性重合体の混合水分散
体を、90%のAN、9.7%のアクリル酸メチル
(MA)及び0.3%のメタリルスルホン酸ソーダ
(SMAS)を含有するAN系重合体A(30℃のジメ
チルホルムアミド溶液中の固有粘度〔η〕=1.3)
10部及び50%のロダンソーダ水溶液90部からなる
紡糸原液に、添加量を第1表記載の如く変化させ
て加えた。吸水性樹脂及び制電性重合体は紡糸原
液中において凝集することなく均一に分散し、該
紡糸原液を0.060mmφの口金を用い常法に従つて
湿式紡糸したところノズル詰り、糸切れ等の問題
なく良好に紡出、凝固、水洗、延伸を行なうこと
ができた。次に、乾球温度/湿球温度=120℃/
60℃×20分間乾燥緻密化した後、飽和水蒸気中で
125℃×5分間湿熱処理し、110℃×10分間乾燥し
た。 得られた8種類の繊維の繊維断面を走査型電子
顕微鏡で5000倍に拡大して実測した直径0.2μ以上
の空孔の個数並びに得られた繊維よりなる編物の
保水率及び制電性(半減期)を測定した結果を第
1表に併記する。
【表】 (注) (1) ○印:本発明品
(2) AN系重合体に対する添加割合
上表の結果より、本発明に係る吸水性樹脂及び
制電性重合体を併用することにより、吸水性及び
制電性が顕著に改善される事実が理解される。 実施例 2 実施例1記載のAN系重合体AとAN88%及び
酢酸ビニル12%を含有するAN系重合体Bとを使
用し、重合体Bの紡糸原液中に吸水性樹脂及び制
電性重合体を各3%添加すること、及び通常のサ
イド−バイ−サイド型複合繊維紡糸口金を介して
湿式複合紡糸(A/B=50/50)する以外は実施
例1記載の処方に従つて繊維(No.9)を作製し
た。 この繊維は0.2μ以上の空孔を9個有し、保水率
が30%、半減期が20℃×65%RH下で3秒、20℃
×40%RH下で5秒の性能を有していた。 実施例 3 実施例1記載の試料No.1、5及び8の3種類の
繊維を短繊維紡でメートル番手58番、撚数610
回/mの糸を作成し、チーズ染色した後両面肌着
を作成し、着用テストを実施した。結果を第2表
に記載する。
【表】 上表より明らかなように、本発明(No.5)は静
電気障害の問題がなく、着心地性にも優れている
ことが理解される。 実施例 4 実施例1No.6の繊維に、26%の収縮率を示す通
常アクリル繊維を40%混紡し、実施例3記載の方
法に従つて両面肌着を作成した。この肌着の保水
率は36%であり、半減期は20℃×65%RH下で6
秒、20℃×40%RH下で17秒であつた。また、こ
の肌着の着用テストを行なつたところ、静電気障
害は殆ど認められず、またテニスによる運転時の
ベトツキ感もなく、比較として使用した木綿肌着
に較べ保温性、乾燥速度が著しく優れていた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 92〜98.5重量%のアクリロニトリル系重合体
    並びに下記(3)〜(5)式を満足する吸水性樹脂及び制
    電性重合体からなり、繊維断面に長径0.2μ以上の
    空孔を有し、半減期が20℃、65%RH下で10秒以
    下であり、かつ保水率が20%以上である制電性を
    備えた吸水性アクリル繊維。 こゝで、前記吸水性樹脂は絶乾状態で0.5μ以下
    の粒子径及び10〜300c.c./gの水膨潤度を有する
    樹脂であり、また前記制電性重合体は下記一般式
    (1)又は(2)で示す共重合成分を30〜85重量%含有す
    るアクリロニトリル系共重合体である。 (但し、Rは水素原子又は低級アルキル基、
    R′は水素原子又は炭素数18以下のアルキル基、
    フエニル基もしくはその誘導体であり、O≦m<
    l、15<l<50である。) (但し、Rは水素原子又は低級アルキル基であ
    り、O≦m<l、15<l<50である。) 1.5≦X+Y<8 (3) 0.5≦X<7.0 (4) 1.0≦Y<7.5 (5) (但し、Xは吸水性樹脂(重量%)、Yは制電性
    重合体(重量%)である。) 2 繊維断面に長径0.2μ以上の空孔を5個以上有
    する特許請求の範囲第1項記載の吸水性アクリル
    繊維。 3 吸水性樹脂が、該樹脂を構成する重合体反覆
    単位400個あたり1〜15個の架橋結合を有する樹
    脂である特許請求の範囲第1項記載の吸水性アク
    リル繊維。 4 半減期が20℃、40%RH下で30秒以下である
    特許請求の範囲第1項記載の吸水性アクリル繊
    維。
JP11595981A 1981-07-23 1981-07-23 制電性を備えた吸水性アクリル繊維 Granted JPS5818408A (ja)

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JPS5340038A (en) * 1976-09-27 1978-04-12 Japan Exlan Co Ltd Preparation of microhydrogel

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