JPS6343232B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、印字ヘツドを支持したヘツドキヤリ
アが往復動するプリンタにおいて、前記ヘツドキ
ヤリアの往復動作を利用して紙送りを行わしめる
機構に関するものである。

従来、プリンタの紙送り機構としては、紙送り
用のゴムローラをモータによつて回転作動させる
構造や、円弧状に往復作動するレバーによつて、
往路には紙をグリツプし、帰路には紙を解放する
構造などが実施されているが、いずれもモータか
らの減速輪列や、間欠送りの構造が複雑で、装置
は大型化し、部品点数も多くなることが避けられ
なかつた。

本発明は、往復動作するヘツドキヤリアの力を
利用して、紙送りローラを間欠的に所定の角度だ
け回転させることにより、印字紙を所定の長さだ
け送り出すものであり、極めて構造が簡単で、部
品点数の少ないプリンタを提供しようとするもの
である。

以下、図面に従つて本発明の実施例について説
明する。第１図、第２図は本発明を感熱式プリン
タにおいて実施した一例であるが、本発明による
紙送り機構は、放電式プリンタや機械的印字方式
のプリンタにも適用可能なことはいうまでもな
い。

第１図、第２図において、支持枠１、支柱２を
はさんで一対の受板３および４がねじ５によつて
固定されている。支持枠１にはモータ６が装着さ
れ、このモータ６の両側に一対の受ローラ７およ
び８が配置され、この受ローラ７および８は各々
受板３および４に回動自在に固定されている。受
ローラ７，８に圧接する紙送りローラ１０と受ロ
ーラ７，８の間には印刷紙１７が挟持され、紙送
りローラ１０が第２図において時計回りに回転す
ることにより印刷紙１７が送り出される。

一方、モータ軸１８は受ローラ８の回転軸に形
成された中空部を通つて受板４より外に突出して
おり、その突出した先端にはモータカナ１９が固
定されている。モータの回転力は、受板４に回動
自在に固定された減速歯車２０，２１，２２を介
してヘツド送り軸１１を回転させるように構成さ
れている。ヘツド送り軸１１には、ヘツドキヤリ
ア１３を往復作動させるための両方向カム溝が刻
まれている。ヘツドキヤリア１３には、印字ヘツ
ド１５、フレキシブル基板１４が固定されると共
に、後述する紙送りローラとの対向位置に突出部
材２３が弾性部材を介して突出入可能に支持さ
れ、ヘツドキヤリア１３と共に往復作動する。印
字ヘツド１５は印字紙をはさんでプラテン９に対
向しており、プラテン９は弾性部材によつて印字
ヘツド方向に押圧されている。また、紙送りロー
ラ１０の外周部には複数個の作動溝１０ａが形成
されており、ヘツドキヤリア１３の往復作動は前
記突出部材２３を介して紙送りローラの間欠回転
運動に変換される。

本発明は、上記ヘツドキヤリア１３の往復作動
を紙送りローラ１０の間欠回動運動に変換させる
機構に関するものであり、この点につき、さらに
詳細に説明する。

第３図、第４図及び第５図は本発明の実施例で
あるヘツドキヤリアと、紙送りローラの関係を示
した図面であり、紙送りローラ１０の作動溝１０
ａは、断面がラチエツト状に形成されている。即
ち、溝の幅の一方には壁１０ｂが形成され、他方
には壁が形成されないような形状になつている。
かつ作動溝１０ａは、紙送りローラの回転軸中心
に対して所定の角度ねじれている。本実施例で
は、紙送りローラの外周を６分割した計６本の作
動溝を形成すると共に、この分割角度を60゜とし、
作動溝は一方の端部から他端に向かつて相対的に
約70゜ねじれて形成されている。このように、作
動溝のねじれ角を作動溝の分割角度より幾分大き
くすることにより、プリンタの印字動作時にヘツ
ドキヤリア１３の一部に設けられた突出部材２３
がひとつの作動溝の一方の端部から他方の端部に
移動する時、前記突出部材２３は該突出部材を紙
送りローラ方向に弾性的に支持する弾性部材の弾
性力に抗してヘツドキヤリア内に押し下げられる
ように摺動し、となり合つた次の作動溝に乗り移
る。

すなわち、第４図において突出部材２３の始点
をＡ点とし、ヘツドキヤリアが右に移動した時、
該ヘツドキヤリアに支持された突出部材はヘツド
キヤリアと共にＡ点からＢ点に移動する。そし
て、該突出部材２３は作動溝１０ａの面にそつて
次第にヘツドキヤリア内に押し下げられる。この
時、突出部材２３は弾性部材により作動溝１０ａ
に押し当てられているが、弾性部材の弾性力は弱
いので、突出部材が紙送りローラ１０を逆転させ
るだけの偶力は発せられず、紙送りローラ１０は
停止している。

ヘツドキヤリアがさらに移動して突出部材がＣ
点に至る時、該突出部材はとなり合つた次の作動
溝に乗り移り、作動溝１０ａの底に突出してＤ点
に至る。そしてＤ点から今度は左方向への移動が
開始される時、突出部材はＤ点からＣ点までは往
路と同じ路を戻るが、Ｃ点からＡ点までは作動溝
の一方にのみ形成された壁１０ｂに当たり、前記
作動溝の壁１０ｂを押し滑りながら左に進み
A′点に至る。実際には、突出部材２３は、Ｄ点
とＡ点間を往復するため、A′点がＡ点に重なる
まで紙送りローラ１０を回転させることになる。

このとき、前進の作動溝のねじれ角が分割角度
以下であると、突出部材２３は次の作動溝に乗り
越えることができず、又、このねじれ角が分割角
度の２倍以上になると、ふたつ目の作動溝に係合
することになるため、作動溝のねじれ角は分割角
度より大きく、分割角度の２倍より小さくなけれ
ばならない。この間であればねじれ角によらず、
紙送りローラ１０の１回の回転角は作動溝の分割
角度によつて規制される。

以上述べた機構によれば、極めて容易に印字ヘ
ツドの往復作動を紙送りローラの回転作動に変換
できる上、紙送りローラは常に紙送りの方向、即
ち一方向に回転するため、記録紙を誤つて逆方向
に送つてしまうこともなく、一回ずつの紙送り量
も極めて正確になる他、紙送りローラは一方向ラ
チエツトを構成しているので、必要に応じて任意
量の記録紙を任意の位置で記録紙排出方向に引き
出す事も可能である。また、部品点数も少ないた
め、結果として小型化が可能になると共に、コス
トダウン、信頼性も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す平面図、第
２図は、本発明の一実施例を示し、受板をはずし
た側面図、第３図は、本発明の実施例の要部を示
した平面図、第４図ａ，ｂは、本発明の実施例の
作動説明図、第５図は、第４図ａのＦ−F′断面図
である。 １……支持枠、３，４……受板、６……モー
タ、７，８……受ローラ、９……プラテン、１０
……紙送りローラ、１１……ヘツド送り軸、１３
……ヘツドキヤリア、１５……印字ヘツド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 左右に往復移動自在に設けられたヘツドキヤ
   リアと、このヘツドキヤリアと一体的に設けら
   れ、ヘツドキヤリアから弾性的に突出入する突出
   部材と、前記ヘツドキヤリアの移動方向と平行に
   回転中心軸を有する紙送りローラと、この紙送り
   ローラの外周部に該ローラの軸方向に対して互い
   に平行となるようねじれ角を有して形成され、前
   記突出部材と係合する断面ラチエツト状の複数の
   作動溝と、前記ヘツドキヤリアを往復駆動するた
   めのヘツド送り軸と、このヘツド送り軸を駆動す
   るためのモータとを備え、前記作動溝のねじれ角
   を該作動溝の分割角度より大きくかつ２倍より小
   さく形成することにより、前記ヘツドキヤリアが
   印字開始位置に復帰する復移動時に前記紙送りロ
   ーラを作動溝の分割角度分だけ回転させる構成と
   したことを特徴とするプリンタ。