JPS6343036Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は冷凍肉切削機に関する。より詳しく
は、本考案は冷凍肉の切削刃を周面に具備した回
転体、該切削刃により切削する冷凍肉を載置する
移送テーブル、該移送テーブル上に載置した冷凍
肉を前記回転体に向けて押圧する押圧板および該
押圧板を往復動させる部材からなり、冷凍肉を小
片に切削する冷凍肉切削機の加圧装置に関する。

〔従来の技術〕

移送テーブル上に載置した冷凍肉を押圧板で押
圧して、回転体に取着した切削刃で切削するよう
にした冷凍肉切削機は、例えば、実公昭49−8149
号公報等により、既に公知である。

しかし、この実公昭49−8149号公報に開示され
た冷凍肉切削機では、押圧板が平板形状をしてい
るために、冷凍肉の切削終了時に押圧板と回転体
との間に三角柱状の空間ができ、この部分の肉が
切削できず、作業性が低いという問題がある。

実公昭58−8477号公報には、押圧板の表面を回
転体の周面に沿うように曲面に形成した冷凍肉の
切削機が開示されている。この実公昭58−8477号
公報に開示された切削機では、押圧板の表面を回
転体の周面に沿うように形成しているので冷凍肉
の切削終了時に押圧板と回転体との間に三角柱状
の空間ができない。しかし、押圧板が常時、すな
わち、冷凍肉ブロツクの移送テーブルへの供給時
もまた移送テーブルに沿つて移送する際にも、回
転体の周面に沿つたままであるので、冷凍肉ブロ
ツクの移送テーブルへの供給時に冷凍肉ブロツク
の端部が押圧板に当つて搬入し難かつたり、押圧
板により押圧する間に回転体の切削力の反作用に
より冷凍肉ブロツクが飛び出したりするという問
題がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上述したような従来技術に附随する
問題を解消して、移送テーブルへ容易に冷凍肉ブ
ロツクを搬入でき、移送テーブルに載置した冷凍
肉ブロツクが切削中に飛び出すことを防止でき、
しかも切削終了時に三角柱状の未切削肉を生じな
い冷凍肉切削機の加圧装置を提供することを目的
とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案においては、冷凍肉の切削刃を周面に具
備した回転体、該切削刃により切削する冷凍肉を
載置する移送テーブル、該移送テーブル上に載置
した冷凍肉を前記回転体に向けて押圧する押圧板
および該押圧板を往復動させる部材からなる冷凍
肉切削機において、前記押圧板表面が回転体の周
面に沿うよう曲面に形成されているとともに、後
面が前記往復動部材に揺動可能に支承され、前記
移送テーブルに沿つて移動可能なスライダに該押
圧板の下部が支持ピンにより回動可能に支持さ
れ、前記押圧板を支持ピンの回りに前記回転体に
向けて回動するよう付勢する部材が押圧板とスラ
イダとの間に装着されており、押圧板に係合して
押圧板を回転体に沿つて位置させる係合部材が機
台に設置されている冷凍肉切削機の加圧装置によ
り上述した目的を達成する。

〔作用〕

本考案にあつては、押圧板が後退した際には、
押圧板は係合部材に係合して回転体に沿つて位置
するので、後退した押圧板に接触することなく冷
凍肉ブロツクを移送テーブルへ供給できる。ま
た、押圧板が回転体に接近した際にも、押圧板は
係合部材に係合して回転体に沿つて位置するの
で、押圧板と回転体との間に三角柱状の空間が形
成されず、該空間に未切削肉が残留することもな
い。そして、押圧部材が後退端から回転体の近傍
まで冷凍肉を移送する間は、押圧板とスライダと
の間に装着された付勢部材により押圧板の上部が
傾倒され冷凍肉ブロツクを押圧するように付勢さ
れるので、移送テーブルに載置した冷凍肉ブロツ
クが切削中に飛び出すことが防止される。

〔実施例の説明〕

以下、図示した実施例の基き本考案を詳細に説
明する。第２図において、本考案の冷凍肉切削機
は、機台１からなる。

該機台１の一端部に（第２図において左端）に
突設したフレーム１ａに本考案の回転体として回
転円柱体（第３図）が軸受２より回転可能に支持
されている。回転体は円柱体に限られず角柱体で
あつてもよい。

回転円柱体は、例えば、前述の実公昭49−8149
号公報または実公昭50−11823号公報に開示され
ているように、その周面に多数の切削刃を具備し
ており、モータ（図示せず）に連結しており、モ
ータにより回転される。

機台１の上面に移送テーブル（図示せず）が形
成されており、該移送テーブルの側方の機台側壁
に一対のガイド溝１ｂ（第５図）が形成されてい
る。

押圧板５（第１図、第３図、第４図参照）は表
面が回転体の周面に沿うように曲面に形成されて
おり、好ましくは押圧板５の前面に冷凍肉を係止
するために適宜形状をした多数の係止爪５ａ（第
４図）が突設されている。

第１図に示すように、押圧板５の後面にブラケ
ツト５ｂが突設され、該ブラケツト５ｂがピン１
８により本考案の往復動部材の一態様であるエア
シリンダ６のピストンロツド６ａに揺動可能に連
結されている。なお、なお、往復動部材はエアシ
リンダに限られず、例えばねじ棒と該ねじ棒の回
転により往復動するようにした部材との組合せ
等、適宜の構造とすることができる。

エアシリンダ６はトラニオン形式であり、ピン
６ｂにより機台に揺動可能に支承されている（第
３図参照）。

スライダ１１は、底板１１ａと該底板１１ａの
両側に屹立した側板１１ｂと両側板１１ｂを連結
し且つ底板１１ａに連なる背板１１ｃにより、箱
形状に形成されている。なお、スライダ１１の背
板１１ｃにエアシリンダ６のピストンロツド６ａ
通過用の開孔が穿たれている。

側板１１ｂには前記機台に形成したガイド溝に
係合するスライダ軸受部１１ｄが形成されてお
り、スライダ１１は前記移送テーブルに沿つて移
動可能である。スライダ軸受部１１ｄの後部には
ストツパボルト２１がねじ込み長さを調節可能に
螺合されている。

押圧板５の下部にブラケツト５ｃが突設され、
該ブラケツト５ｃが支持ピン１０によりスライダ
１１に回動可能に連結されており、押圧板５はス
ライダ１１の先端で回動可能となつている。

前記押圧板５に揺動可能にプレツシヤプレート
１２が取着され、該プレツシヤプレート１２と背
板１１ｃとの間本考案の付勢部材としての圧縮ば
ね１３が装着され、該圧縮ばね１３により押圧板
５は支持ピン１０の回りに前記回転体に向けて付
勢されている。

なお、圧縮ばね１３を交換し、または、圧縮ば
ね１３に挿入したボルト１９に螺合したセツトナ
ツト２０の位置を調節することにより、圧縮ばね
１３の付勢力を調節可能である。

押圧板５の上部には一対のカムフオロア１４が
回転可能に支持されており、押圧板５の前進端の
近傍に固定設置した係合部材４（第３図）に係合
して押圧板５を位置決めし、また作業面と反対側
（第１図の右側）のカムフオロア１４後退端にお
いて第５図に示すように蓋部材９に取着されたカ
ム９ｄに係合して該蓋部材９を開くように作用す
る。

更に、機台のガイド溝の後端の近傍に係合部材
（図示せず）を固定設置しており、押圧板５のス
ライダ軸受部１１ｄの後部に螺合したストツパボ
ルト２１が該係合部材に係合することによりスラ
イダ１１の後退位置が規制される。

空気圧シリンダ６の作用により、押圧板５は移
送テーブル上を回転円柱体３に対して進退可能で
あり、第３図に実線で示すようにエアシリンダ６
のピストンロツド６ａを縮小すると、ストツパボ
ルト２１が係合部材に衝突してスライダ１１の移
動が止められ、エアシリンダ６のピストンロツド
６ａを更に縮小させると押圧板５の上部が引つ張
られて垂直となる。また、押圧板５の後退端にお
いて第５図に示すようにカムフオロア１４が三角
形状をしたカム９ｄを押上げて蓋部材９を開く。
この状態で、人手により移送テーブル上に冷凍肉
ブロツクＢを供給する。

次いで、エアシリンダ６ピストンロツド６ａを
伸長して、移送テーブル上に供給された冷凍肉ブ
ロツクＢを回転円柱体３に向けてほぼ一定の設定
押圧力で押圧し、冷凍肉は回転円柱体に取付けた
切削刃により所定の厚さに切削される。

この際に、押圧板５は圧縮ばね１３により押圧
されて支持ピン１０の回りに反時計方向に回動す
る。このため、押圧板５は第３図に一点鎖線で示
すように前傾し、冷凍肉ブロツクＢを移送テーブ
ルに押付ける。従つて、回転円柱体３による切削
の反作用として冷凍肉ブロツクＢに大きな力が作
用しても、該冷凍肉ブロツクＢが飛出すことなく
円滑に切削することができる。

押圧板５がそのストローク端に近付くと、カム
フオロア１４が係合部材４に衝接して押圧板５の
上部の移動が停止される。更にエアシリンダ６の
ピストンロツド６ａが伸長すると圧縮ばね１３が
撓み、押圧板５が支持ピン１０の回りに時計方向
に回動して第３図に二点鎖線で示すように押圧板
５の下部が回転円柱体３の周面に沿つて位置す
る。この結果、回転円柱体３と押圧板５との間の
三角柱状の間隙がなくなり、この間隙に未切削肉
が残留することが防止される。

押圧板５がそのストローク端に達すると、機台
に設けたリミツトスイツチ（図示せず）が打た
れ、該リミツトスイツチからの信号によりエアシ
リンダ６のピストンロツド６ａは縮小されて押圧
板５は初期位置まで後退し、停止する。

以下、上述の作動を繰返す。

本実施例の冷凍肉切削機においては、第４図お
よび第５図に示すように、移送テーブルを挟んで
冷凍肉供給作業面と反対側の位置に機台１から壁
部材７を立設している。壁部材７の上部位置に、
公知の形式のヒンジ８により、蓋部材９を回動可
能に支承している。蓋部材９は、移送テーブルの
上方を覆う上板９ａおよび作業面側側面を覆う側
板９ｂをＬ字状に一対成形している。なお、９ｃ
は蓋部材の補強縁である。上板９ａには三角形状
をしたカム９ｄを固着しており、押圧板５が後退
してくるとカムフオロア１４がカム９ｄに係合
し、蓋部材９は第２図に鎖線で示すように開か
れ、この開かれた間隙から冷凍肉ブロツクＢを移
送テーブルに供給することができる。

カムフオロア１４が蓋部材９の自重によりカム
９ａに乗り互いに係合している。必要に応じて人
手により蓋部材９を持ち上げると蓋部材９ととも
にカム９ｄがカムフオロア１４から簡単に引き離
される。蓋部材９を回動することにより、移送テ
ーブルの上方を覆つていた上板９ａおよび作業面
側側面を覆つていた側板９ｂが一体となつて大き
くなつて開くために、第４図に示すように移送テ
ーブルの上面が全面的に外部に開かれる。従つ
て、移送テーブルの回りを清掃する際にも、移送
テーブルの周辺が外部に開いているので簡単に水
洗でき、付着している冷凍肉のカス等を完全に除
去することができ、衛生的である。

更に、第２図、第４図および第５図に示すよう
に、移送テーブルの側方の作業面には公知の形式
のヒンジ２２により、冷凍肉供給テーブル１５を
回動可能に支承している。冷凍肉供給テーブル１
５は、第２図および第５図に実線で示す作業状態
において移送テーブルより高いレベルまたは同じ
レベルとなる水平板１５ａおよび水平板１５ａの
両端に屹立して冷凍肉ブロツクの位置規制を行う
側板１５ｂ，１５ｃからなつている。

第５図において、ピン１７により機台に枢着し
た支持アーム１６のＵ字状先端１６ａを冷凍肉供
給テーブル１５の下面に形成したピン１５ｄに係
合させて蝶ねじ２３で固定すると第２図に示すよ
うに作業状態となり、冷凍肉供給テーブル１５上
に次回に供給する冷凍肉ブロツクＢを予め準備し
ておくことができ重宝である。

また、支持アーム１６のＵ字状先端１６ａを冷
凍肉供給テーブル１５の下面のピン１５ｄから外
すと、供給テーブル１５を第４図または第５図の
鎖線で示すように折畳むことができ、切削作業終
了後の作業スペースを確保することができるとと
もに、作業者は簡単に冷凍肉切削機本体および冷
凍肉供給テーブルに接近し、水洗し、清掃するこ
とができる。

なお、支持アームと冷凍肉供給テーブルとの連
結機構は公知の形式とすることができるが、ワン
タツチで着脱可能とすると作業が容易となり好ま
しい。

〔考案の効果〕 本考案にあつては、押圧板が後退した際には、
押圧板は係合部材に係合して回転体に沿つて位置
するので、後退した押圧板に接触することなく冷
凍肉ブロツクを移送テーブルへ供給できる。ま
た、押圧板が回転体に接近した際にも、押圧板は
係合部材に係合して回転体に沿つて位置するの
で、押圧板と回転体との間に三角柱状の空間が形
成されず、該空間に未切削肉が残留することもな
い。そして、押圧部材が後退端から回転体の近傍
まで冷凍肉を移送する間は、押圧板とスライダと
の間に装着された付勢部材により押圧板の上部が
傾倒され冷凍肉ブロツクを押圧するように付勢さ
れるので、移送テーブルに載置した冷凍肉ブロツ
クが切削中に飛び出すことが防止される。従つ
て、本考案によれば、非常に高能率で冷凍肉の切
削を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る冷凍肉切削機の一実施例
の要部の斜視図、第２図は本考案に係る冷凍肉切
削機の一実施例の斜視図、第３図は本考案に係る
冷凍肉切削機の作動状態を示す概略断面図、第４
図は本考案に係る冷凍肉切削機の斜視図、第５図
は本考案の冷凍肉切削機の概略断面図である。 １……機台、３……回転円柱体、４……係合部
材、５……押圧板、６……エアシリンダ、９……
蓋部材、１０……支持ピン、１１……スライダ、
１３……圧縮ばね、１４……カムフオロア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷凍肉の切削刃を周面に具備した回転体、該切
   削刃により切削する冷凍肉を載置する移送テーブ
   ル、該移送テーブル上に載置した冷凍肉を前記回
   転体に向けて押圧する押圧板および該押圧板を往
   復動させる部材からなる冷凍肉切削機において、
   前記押圧板表面が回転体の周面に沿うよう曲面に
   形成されているとともに、後面が前記往復動部材
   に揺動可能に支承され、前記移送テーブルに沿つ
   て移動可能なスライダに該押圧板の下部が支持ピ
   ンにより回動可能に支持され、前記押圧板を支持
   ピンの回りに前記回転体に向けて回動するよう付
   勢する部材が押圧板とスライダとの間に装着され
   ており、押圧板に係合して押圧板を回転体に沿つ
   て位置させる係合部材が機台に設置されているこ
   とを特徴とする冷凍肉切削機の加圧装置。