JPS6342810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等のシートベルトのスライド式
バツクルに関するものであつて、バツクル本体に
タングを係合した時に、タングが正しく係合され
ているか否かを視覚的に容易に認知し得るように
したものである。

従来スライド式バツクルにおいて、タングをバ
ツクル本体に正しく係合した状態と係合しない状
態とでスライドボタンの位置が異り、係合状態を
認知し得るようにしたものが知られている。通常
はスライドボタンはタングをバツクル本体から離
脱させる時にのみ操作され、それ以外の時には常
に最も押し出された位置を採るのであるが、バツ
クル本体にタングを挿入した時に正しく係合して
いないにもかかわらず摩擦力によりタングが保持
され、一見正しく係合したかのように見えるいわ
ゆるハーフラツチ状態となり極めて危険であるた
め、このハーフラツチを防止する為に前記の如く
スライドボタンの位置を異らしめることが行われ
ているのである。

一方、バツクルのタング挿入口の周囲やスライ
ドボタン等に光源を内蔵せしめ、バツクル本体を
光らせてタングの係合・離脱の操作を容易ならし
めると共に、タングの挿入抜去により光を点滅さ
せるようにしたものも知られているが、このもの
はタングの位置を検出してスイツチを切換えるた
め、ハーフラツチを防止することはできない。

本考案は前述のハーフラツチを検出し得るスラ
イドバツクルにおいて、そのスライドボタンの位
置によりスイツチを切換え、該スイツチにより点
滅する光源を内蔵し、ハーフラツチの有無を光の
点滅により認知し得るバツクルを提供するもので
ある。

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すも
のである。１は略チヤンネル状のフレームであつ
てその側板２に形成された略三角形の軸受孔３間
にはフツク４が揺動自在に支持され、その両端縁
の後端部に形成された突部５は側板２から突出し
ている。側板２の外側面にはアーム６が回動自在
に支持され、その前端部に形成された透孔７に前
記突部５が嵌合されており、後端部には突起８が
形成されている。９はスライドボタンであつて透
明乃至半透明のプラスチツクより成り、その両側
壁１０の後下縁１１は傾斜して前記アーム６の突
起に当接し、又中央下部には段部１２が形成され
ており、このスライドボタン９はフレーム１に対
して前後に摺動自在であり且つばね手段により常
時前方へ偏倚せしめられている。

而してタング（図示せず）を係合した状態にお
いてはフツクは第２図の実線で示すように下方へ
回動してタングと係合しており、スライドボタン
９は前方へ偏倚している。次にスライドボタン９
を操作して後方へ押すと、傾斜縁１１が突起８を
押し下げてアーム６を反時計方向へ回動させ、フ
ツク４を上方へ揺動させ、タングとの係合を解除
する。さらにスライドボタン９を押すのを止める
と、スライドボタン９はばね弾力により前方へ偏
倚せしめられるが、フツク４が上方へ揺動してい
る為該フツク４の先端が段部１２の上に当接し、
第２図の鎖線で示すようにやゝ押し込まれた位置
で停止している。

この実施例において１３はプリント基板であつ
てこれからスイツチ片１４が突出し、スライドボ
タン９の裏面に貼着されたターミナル片１５とに
よりスイツチを構成している。このスイツチはバ
ツクル本体にタングが係合してスライドスイツチ
が押し出された位置においてはOFFとなり、タ
ングが係合しておらず又はハーフラツチ状態であ
つてスライドスイツチがやゝ押し込まれた位置に
おいてONとなるようになつている。又１６は光
源となる発光ダイオードである。

第３図はこの実施例の回路図を示すものであつ
て、１７はバツテリー、１８は抵抗、１９はツエ
ナーダイオードである。この実施例においては、
タングがバツクル本体に係合せず又はハーフラツ
チ状態であれば、スイツチ片１４とターミナル片
１５とが接触してスイツチがONとなり、発光ダ
イオード１６に通電してこれを発光させ、スライ
ドボタン９を照らしてタングがバツクル本体に正
しく係合していないことを示す。而してタングを
バツクル本体に正しく係合すると、スライドボタ
ン９はやゝ前進してスイツチはOFFとなり、発
光ダイオード１６は消灯し、正しく係合されたこ
とを示す。

第４図は本考案の他の実施例の配線図であつて
光源として二色発光ダイオード２０を使用したも
のである。この実施例においては、タングがバツ
クル本体に正しく係合していない時には一方の発
光ダイオード２０ａが点灯し、タングがバツクル
本体に正しく係合されたならば他方の発光ダイオ
ード２０ｂが点灯するようになつており、タング
が正しく係合しているか否かを照明の色によつて
認知し得るものである。

第５図乃至第７図は本考案のさらに他の実施例
を示すものであつて、発光ダイオード１６をタン
グ挿入口部材２１の中に設けたものである。この
例においてはターミナル片１５は、スイツチ片１
４に接することによりスイツチ片１４，１４間を
短絡し、発光ダイオード１６に通電するようにな
つている。又第７図に示すように二色発光ダイオ
ード２０を使用して照明の色を変化させることを
可能である。

本考案によれば、シートベルトを着用する際に
タングがバツクル本体に正しく係合しているか否
かをバツクルが発する光の点滅又は色の変化によ
つて容易に且つ明確に認知することができるので
あつて、ハーフラツチを確実に防止することがで
き、極めて安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のバツクル本体のカ
バーを切欠いて示した平面図であり、第２図はそ
のカバーを切欠き且つ一部を中央縦断面で示した
側面図である。第３図はその配線図である。第４
図は本考案の他の実施例を示す配線図である。第
５図は本考案のさらに他の実施例の主要部のカバ
ーを切欠いて示した側面図であり、第６図はその
配線図、第７図はさらに他の例の配線図である。 ９……スライドボタン、１４，１５……スイツ
チ、１６，２０……光源。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートベルトのスライド式バツクルにおけるス
   ライドボタンの位置が、バツクル本体にタング片
   を正しく係合した状態と係合していない状態とで
   異るシートベルト用バツクルにおいて、バツクル
   本体内に前記スライドボタンの位置により切換え
   られるスイツチと、該スイツチにより点滅せしめ
   られる光源とを設けると共に、前記光源より発す
   る光を外部から目視することによりバツクル本体
   にタングが正しく係合したか否かを認知し得るよ
   うにしたことを特徴とするシートベルト用バツク
   ル。