JPS634265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気記録再生機のトラツキング制御装
置に関する。 磁気記録再生機において適正な再生動作を実現
するために磁気ヘツドを電気機械変換器に塔載
し、トラツキングずれに基づく制御信号に従い該
ずれを是正するトラツキング制御装置が種々提案
されている。しかし、これらはいずれも記録媒体
の長手方向に磁化容易軸を配向してなるいわゆる
長手記録方式に関するものであり、記録媒体の垂
直方向に磁化容易軸を配向してなるいわゆる垂直
磁気記録方式のものについては配慮されていな
い。垂直磁気記録方式ではトラツク走行方向の記
録密度を向上させることができるが、従来のヘツ
ド及び媒体ではトラツク巾方向の記録密度を大き
くできず、例えば１〜２mm程度のトラツク巾を必
要とするとされている。この様に大きいトラツク
巾においては、再生時機械的方法のみで十分トラ
ツキングが可能であるからである。しかしなが
ら、最近、ヘツド及び媒体の性能向上に伴ない、
トラツク巾が狭小化例えば100ミクロン以下にま
でなつてきており、ここに機械的トラツキングの
限界が認められるようになつた。 本考案は長手記録方式のみならず垂直記録方式
においても適用できる磁気記録再生機のトラツキ
ング制御機構を提供しようとするものであり、以
下実施例に従い説明する。 第１図は記録媒体上の記録パターンを示すもの
であり、図において１は記録媒体、２，３…は相
互間に所定の巾４のガードバンド５を持つて並行
配設されたトラツクである。該トラツク上には情
報信号であるPCMオーデイオ信号と共に、隣接
するトラツク毎に第１、第２パイロツト信号f₁，
f₂が交互に多重記録されている。 第２図はこの記録媒体に対接するように配設さ
れる磁気ヘツド構体の斜視図である。この磁気ヘ
ツド構体６は各トラツク２，３のトラツク巾に相
当する巾７を持つた主磁気ヘツド８と、該主磁気
ヘツドに一体に成形したリング型の補磁気ヘツド
９とを備えている。各磁気ヘツド８，９には作図
の都合上、コイルを省略している。主磁気ヘツド
８は、相互に記録媒体を挟んで対向する主磁極１
０及び補助磁極１１を備えており、各磁極１０，
１１はスライダー１２，１３及びアーム１４，１
５を介して基台１６に取付けられている。補磁気
ヘツド９はそのトラツク巾１７がガードバンド５
の巾４に一致するように構成されており、その一
面が補助磁極１１の一側面１１ａと一平面上に並
ぶようにスライダー１３に取付けられている。こ
の磁気ヘツド構体６は記録媒体１がデイスク状基
台の表面に垂直方向に磁化容易軸を持つ磁性体
（例えばCo−Cr）をコーテイングされたものであ
るとして、主磁気ヘツド８が垂直磁気ヘツドであ
る場合を示しているが、これに限らず一般のリン
グ型ヘツドであつても良い。かかる磁気ヘツド構
体６の主磁気ヘツド８及び補磁気ヘツド９はこれ
が記録媒体１に適正に配設されたとき、該記録媒
体上のトラツク２，３に対して第１図の仮想線で
示す様な位置関係を採る。 第３図は本考案機構の簡略ブロツク図である。
１８は磁気ヘツド構体６を記録媒体１のトラツク
巾方向１９に変位させるように該磁気ヘツド構体
６を支持するバイモルフの如き電気機械変換器で
あり、２０は主、副各磁気ヘツド８，９からの第
１、第２パイロツト信号再生出力を受け、電気機
械変換器１８に適当な出力を呈する制御手段であ
る。第４図はこの制御手段２０の概略回路構成
図、第５図ａ，ｂ，ｃは磁気ヘツド構体と記録媒
体の相対位置関係を示し、それぞれ主磁気ヘツド
８が完全なる位置にある場合、（ｎ＋１）番トラ
ツク方向にずれた場合、及び（ｎ−１）番トラツ
ク方向にずれた場合を示している。 第４図において、２１，２２は主、補各磁気ヘ
ツド８，９からの再生出力信号を導入する入力端
子で、それぞれアンプ２３，２４を介して帯域通
過フイルタ２５，２６及び低域通過フイルタ２
７，２８に入力信号を伝送するようにしている。
帯域通過フイルタ２５，２６は第１パイロツト信
号（例えば10KHzの正弦波）を選択通過させ、一
方低域通過フイルタ２７，２８は第２パイロツト
信号（例えば1KHzの正弦波）を通過させるよう
にしている。各フイルタ出力は整流回路２９，３
０，３１，３２を介して図示の如き論理回路で構
成された判別回路３３に入力される。そして、磁
気ヘツド構体６が第５図ａの如く位置するとき、
入力端子２１からの再生信号で整流回路２９又は
３０の出力だけが論理回路３３に付与されるから
該論理回路３３の出力端子３４，３５はともにロ
ウレベルに維持され、電気機械変換器１８を駆動
しない。しかし、第５図ｂの如く（ｎ＋１）番ト
ラツク側に偏位すると、主、補各磁気ヘツド８，
９にはそれぞれ第１、第２パイロツト信号f₁，f₂
を再生入力するので、また第５図ｃの如く（ｎ−
１）番トラツク側に偏位すると、主、補各磁気ヘ
ツド８，９には第１パイロツト信号f₁を再生入力
するので、論理回路３３は前者に対して出力端子
３５を、また後者に対して出力端子３４をそれぞ
れハイレベルに設定せしめ、もつて磁気ヘツド構
体６をそれぞれ第５図ａに示す如く変位せしめる
ように作動させる。尚、第４図中３６は情報信号
を通過せしめる高域通過フイルタで、次段の
PCM信号処理回路３７に第１、第２パイロツト
信号を伝送しないようにしている。 本考案機構は叙上の如く構成したので、主磁気
ヘツドは記録媒体の情報トラツク上を的確にトレ
ースして最適出力を導出する。また、本機構を垂
直磁気記録方式に適用した場合、該方式において
トラツク巾を小さくしていつた際に要求されるガ
ードバンドを、トラツキングのずれを検出するた
めに利用するようにしているので、トラツク巾方
向の記録密度向上にむだがなく実用的である。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案機構に関するもので、第
１図は記録媒体上の記録パターン図、第２図は磁
気ヘツド構体の構成斜視図、第３図は構成ブロツ
ク図、第４図は制御手段の概略回路構成図、第５
図ａ，ｂ，ｃは記録媒体に対する磁気ヘツド構体
の３つの典型的な位置を示す図である。 主な図番の説明、１……記録媒体、８……主磁
気ヘツド、９……補磁気ヘツド、６……磁気ヘツ
ド構体、１８……電気機械変換器、２０……制御
手段、１１……補助磁極。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 所定の巾のガードバンドを挟んで順次並行配
   設されたトラツクの隣接するトラツク上に情報
   信号と共に第１、第２パイロツト信号を交互に
   多重記録してなる記録媒体と、該記録媒体に対
   接するように配設され前記トラツクに適合する
   主磁気ヘツド及び前記ガードバンドに適合する
   補磁気ヘツドを一体に具備する磁気ヘツド構体
   と、該磁気ヘツド構体を前記トラツクの巾方向
   に変位させるように該磁気ヘツド構体を支持す
   る電気機械変換器と、前記主、補各磁気ヘツド
   の再生出力中の前記第１、第２パイロツト信号
   を検出して前記補磁気ヘツドの再生出力中のパ
   イロツト信号の種別が前記主磁気ヘツドの再生
   出力中のパイロツト信号と同じであるか、異な
   つているかに応じた制御信号を前記電気機械変
   換器に付与する制御手段とを備えてなる磁気記
   録再生機のトラツキング制御装置。 (2) 前記主磁気ヘツドは垂直磁気記録ヘツドの補
   助磁極であり、一方前記補磁気ヘツドはリング
   型ヘツドである登録請求の範囲第(1)項記載の磁
   気記録再生機のトラツキング制御装置。