JPS6342359A

JPS6342359A - 高耐摩耗性圧延用ロ−ル材

Info

Publication number: JPS6342359A
Application number: JP18528886A
Authority: JP
Inventors: Manabu Ohori; 大堀　學; Tatsumi Kimura; 木村　達巳; Noriaki Koshizuka; 腰塚　典明; Shuzo Ueda; 上田　修三
Original assignee: Kawasaki Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 1986-08-08
Filing date: 1986-08-08
Publication date: 1988-02-23
Anticipated expiration: 2010-08-09
Also published as: JPH0774411B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、高耐摩耗性圧延用ロール材に関し、特に本発
明は冷間および熱間圧延機用中間ロール。

バックアップロールおよび冷間圧延機用ワークロールな
どに用いるのに好適な優れた高耐摩耗性圧延用ロール材
に関するものである。

（従来の技術）冷間および熱間圧延機用中間ロール、バックアップロー
ルおよび冷間圧延機用ワークロールなど各種ロールにと
っては、耐摩耗性は重要な性能の１つであり、近年、圧
延能率の向上、ｔｌ加工材の増加、あるいは製品品質の
高級化のために、圧延機の高速化、連続化、高圧下化、
ロールの小径化などが指向されており、このような圧延
に対しては、優れた耐摩耗性をもつロール材がますます
要望されるようになっている。

圧延ロールの耐摩耗性向上については、これまで特公昭
５０−７５２９号、特開昭５４−１５９３２３号、特開
昭５７−４７８４９号、特開昭５７−１０８２４８号、
特開昭５９−１１８８５６号などにより多数の提案がな
されている。

たとえば特開昭５７−４７８４９号には、Ｃ：　０．７
〜１．６％、　　Ｓ　ｉ　　：　０．１５〜１．６％、
　Ｍｎ　　：　０．１５〜１．６％、　　Ｃｒ　　：３
．５〜１２％、かつＭｏ　　：０．４〜３．０％、Ｖ：
Ｑ、２〜２．０％の１種または２種を含み、さらにＮｉ
　　１％以下を含むかあるいは含まず、残部Ｆｅよりな
る冷間圧延用ワークロールが［Ｅされている。

ところで、上記諸提案によればロールの耐摩耗性を主と
して支配する要因はロール材の硬度と材料中に含まれる
炭化物の体積率であることを見出し、さらに炭化物の体
積率と成分組成との関係を明らかにすることにより、成
分組成と硬度の組合せより耐摩耗性を予測し、この予測
によるＣとＣｒの相関的含有量についての知見をベース
としてＣｒ以外の硬質炭化物形成元素であるＭｏまたは
ＭｏとＶを含有させるという合金計画に基づくロール材
が開示されている。

（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、たとえば前記特開昭５７−４７８４９号
記載の発明にあっては、前述のとおり、耐摩耗性の向上
についてＣとＣｒの相関含有量をベースとしてＭｏある
いはＭｏと■の添加量が規定されているのでＣとＭＯの
相関含有量あるいはＣとＭ。

とＶとの相関含有量が耐摩耗性に及ぼす効果についての
検討は不十分であるため、Ｃｒ、Ｍｏおよび■の含有量
はそれぞれの上限値からみて不必要に多いので、加工性
が悪いばかりでなく製造コストも高いという問題点があ
る。

（問題点を解決するための手段）本発明は、従来技術の有する前記諸問題点を除去・改善
することのできるロール材を提供することを目的とする
ものであり、特許請求の範囲記載のロール材を提供する
ことによって前記目的を達成することができる。

次に本発明の詳細な説明する。

本発明者らは、Ｃ−Ｃｒ−Ｍｏ鋼の耐摩耗性におよぼす
硬質炭化物の影響に着目し、ＣおよびＭｏ量の影響をし
らべた。その結果、Ｃ：０．８〜１．５％、　Ｍｏ　：
　０．６４〜１．５％、　　Ｃｒ　：３．５〜６．０％
、　　Ｓｉ　　：０．１〜１．０％、　Ｍｎ　　：０．
２〜１．６％。

Ｎｉ　　：０．１〜１．０％を含有し、残部がＦｅおよ
び不可避的不純物よりなり、しかもＭｏ含有量とＣ含有
量の重量比Ｍｏ／Ｃが０．８〜１．５の範囲内であるこ
とを特徴とする高耐摩耗性圧延用ロール材を新規に知見
した。

次に本発明の冷間圧延用ワークロールの成分組成を限定
する理由を説明する。

Ｃ：本成分系では、Ｃは一部またはすべて基地中に固溶
し、焼入性を向上させると共に、また析出ＣとしてＣｒ
、Ｍｏ、Ｖ、Ｗと炭化物を形成し、析出硬化による硬さ
の上昇および耐摩耗性を向上させるのに寄与する元素で
ある。しかし０．８％より少ないと、それらの効果は小
さく、また１、５％を超えると残留オーステナイトの増
加をまねき、硬さの低下、ひいては耐摩耗性の低下をひ
き起こすので０．８〜１．５の範囲内とする必要がある
。

Ｍｏ：Ｍｏは焼入性を向上させるとともにＣと結合して
硬い炭化物を形成し基地中に分散析出し、耐摩耗性を著
しく向上させるのに寄与する元素であり、Ｍｏが０．６
４％未満ではその効果は小さく、Ｍｏ含有量が１．５％
を超えてもコストの割に、耐摩耗性の向上が望めないた
め、Ｍｏ含有量は０．６４〜１．５％の範囲内にする必
要がある。

Ｃｒ：ＣｒはＣｒ炭化物を形成して基地中に分散し耐摩
耗性を向上させる。一部は固溶し、焼入性を増加させる
が、３．５％未満ではその効果は小さい。また本発明の
Ｃ含有量範囲においてＣｒが６％超ではＣｒ炭化物の増
加をもたらし基地中に固溶するＣを減少させるため、焼
入性を阻害する。

そのためＣｒは３．５〜６．０％の範囲内にする必要が
ある。

Ｓｉ：Ｓｉは耐事故性を向上し、例えばヒートクラック
の防止に役立つ元素であり、その効果は０．１〜１．０
％の範囲で著しい。０．１％未満ではヒートクラック防
止に対して不十分であり、下限を０．１％とし、一方１
．０％を超えると、母材の脆化を助長するため１．０％
を上限とした。したがってＳｉは０．１〜１．０％の範
囲内とする必要がある。

Ｍｎ：Ｍｎは焼入性を増加させる元素であり、０．２％
未満ではその効果がみられず、増量とともに効果も大き
くなるが１．６％を超えると母材の脆化が著しく現れる
のでＭｎは０．２〜１．６％の範囲内にする必要がある
。なおＭｎは０．３〜０．８％の範囲内のときより好ま
しい結果が得られる。

Ｎｉ：Ｎｉは焼入性を増加させる元素であり、炭素との
親和力をもたないため、Ｎｌの添加は焼入性に有効な固
溶Ｃの減少を生じないことから、筋炎素鋼では焼入性に
対してきわめて有効な元素である。とくにロールの表面
焼入のような径方向に温度分布をもつ場合の焼入におい
て焼入深度の確保という意味において有効である。すな
わちＣｒなどの炭化物元素が多い場合には、焼入のため
の加熱に当たって、設定加熱温度に対して表面から内部
に入るに従って到達温度が低く、その場合には炭化物形
成元素がいかに多量添加されていても炭化物の基地中へ
の固溶化が進まず、高硬化深度を要求された場合焼入性
は不足する。しかしＮｉは焼入性の焼入到達温度依存性
は比較的少ないため、他の焼入性増加元素に比べ非常に
有利となり、０．１％以上の添加を必要とする。一方１
％を超える添加は残留オーステナイトを増加させ硬さを
低下させるので、Ｎｉは０．１〜１．０％の範囲内にす
る必要がある。

次に本発明においてＭｏ含有量とＣ含有量の重量比Ｍｏ
／Ｃを限定する理由を実験データについて説明する。

成分組成のうちＭｏが一部発明成分範囲以下を含む６種
類の鋼を用いて摩耗試験を実施し、Ｍｏ／Ｃ比と摩耗速
度との関係を求めた。上記関係を第１図に示す。第１図
よりＭｏ／Ｃ比が０．８以上では十分に耐摩耗性が向上
するので、Ｍｏ／Ｃ比の下限を０．８とした。また上限
を１．５としたのは、Ｍｏ／Ｃ比をこれ以上大きくして
もほとんど耐摩耗性の向上は望めないためである。した
がって、Ｍ。

／Ｃ比は０．８〜１．５の範囲内とする必要がある。

Ｍｏ含有量は、上記Ｍｏ／Ｃ比の範囲とＣ含有量の範囲
からＭｏ含有量の下限を０．６４％とした。またＭｏ含
有量が１．５％を超えてもコス［−の割りには耐摩耗性
の向上が望めないため、Ｍｏ含有量の上限を１．５％と
した。したがってＭｏは０．６４〜１．５％の範囲内に
する必要がある。

したがって、本発明におけるＣおよびＭｏの成分範囲は
第２図の斜線の部分となる。

次に本発明を実施例について説明する。

（実施例）高周波真空溶解炉を用い、耐摩耗性を評価するためＣお
よびＭｏ含１ｆｌを変化させ表に示す成分組成の５％Ｃ
ｒロール鋼用１００　ｋｇ鋼塊Ａ−Ｆを熔製し、６５朋
φに鍛造した。Ａ、Ｂは比較鋼、Ｃ〜Ｆは発明鋼である
。それらについて、実体ロールに施されるのと同じ前処
理、調質処理を施した。

表西原式摩耗試験機を用い、ヘルツ応力１００　ｋｇｆ／
龍２゜スリップ率２０％、潤滑油３％鉱油エマルジョン
の条件で摩耗試験を行った。試験片硬さはＨｖ８００と
し、相手材にはＳ　４５　Ｃ（Ｈｖ　２００）を用いた
。試験片は所定の回転数だけ回転させた後取り外し摩耗
減量を求め、相手材はそのつど交換した。

各年の摩耗速度（ｍｇ／１０５回転）とＭｏ／Ｃ比との
関係を第１図に示す。表に示すＭｏが０．６４％以上Ｍ
ｏＩＣ比が０．８以上の発明鋼Ｃ，Ｅ、　　Ｆ、　　Ｄ
は、Ｍｏがそれぞれ０．３２．０．３１％、Ｍｏ／Ｃ比
がそれぞれ０．３３゜０．２４の比較鋼に比し、耐摩耗
性に優れ、Ｍｏ量の増加は耐摩耗性を著しく向上させる
ことがわかる。なお表より比較鋼Ａ、Ｂの０％がそれぞ
れ０．９６．１．２８％で、他の成分組成は殆ど同じで
あるが０％のや＼多い比較＠Ｂは比較ｍＡより耐摩耗性
が劣っていることから、耐摩耗性の向上にはｃ４の増加
よりもＭｏ／Ｃ比が影響することがわかる。

（発明の効果）本発明のロール材は、従来知られている前記Ｑ　’＝Ｅ
のロール材では達成されなかった著しく優れた耐摩耗性
を存するロール材であり、本発明のロール材を用いると
ロール原単位を向上させるだけでな（、圧延機の性能を
も向上させることができ、本発明の効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はＭｏ／Ｃ比と摩耗速度との関係を示す図。第２図は、本発明鋼のＣおよびλ４０の成分組成範囲を
示す図である。

Claims

【特許請求の範囲】

Ｃ：０．８〜１．５％、Ｓｉ：０．１〜１．０％、Ｍｎ
：０．２〜１．６％、Ｎｉ：０．１〜１．０％、Ｃｒ：
３．５〜６．０％、Ｍｏ：０．６４〜１．５％を含有し
、しかもＭｏ含有量とＣ含有量の重量比Ｍｏ／Ｃが０．
８〜１．５の範囲内であり残部がＦｅおよび不可避的不
純物よりなることを特徴とする高耐摩耗性圧延用ロール
材。