JPS6342172Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、キヤブレータのアクセルケーブルあ
るいはチヨークケーブル等におけるケーブル固定
ナツトの緩みを防止するようにしたナツトの緩み
防止構造に関するものである。

一般に、この種のコントロールケーブルは、第
１図および第２図に示すように、インナーケーブ
ル１、アウターケーブル２等からなり、アウター
ケーブル２の端部に取付けたアジヤストスクリユ
ー３がケーブル固定用ブラケツト４にケーブル固
定ナツト５および６を介して固定され、インナー
ケーブル１の先端に取付けられた操作レバー７の
作動範囲を調整するようになつている。しかしな
がら、従来のケーブル固定用ブラケツト４に設け
られたスリツト幅ｘがアジヤストスクリユー３の
径よりも若干大きいものでは、ケーブル固定ナツ
ト５および６による面当りが少ないので、振動な
どにより緩み易く、ケーブル固定用ブラケツト４
より脱落することがある。そこでケーブル固定ナ
ツト５および６間でケーブル固定用ブラケツト４
を挾持して締付けた後、ダブルナツトにより緩み
止めを施す場合もあるが、アジヤストスクリユー
３の先端部等をカシメたりする場合では、インナ
ーケーブル１の作動が円滑に行なわれなかつた
り、ケーブル固定ナツト５および６の着脱が出来
なくなる等の不都合がある。

また、第３図に示すように、ケーブル固定用ブ
ラケツト４に設けられたスリツト４ｂをインナー
ケーブル１が通る幅にしてケーブル固定ナツト５
および６の面当りを多くした場合でも、振動など
により緩んだケーブル固定ナツト５がアジヤスト
スクリユー３の先端から外れてインナーケーブル
１に落ち込むことがあり、操作レバーの調整代が
変化して正確な作動をすることができないという
欠点があつた。

本考案は、かかる従来の欠点を解決するために
提案されたものであり、一端に上記アジヤストス
クリユーが挿通される取付孔が、他端に同アジヤ
ストスクリユーが係合されるとともに両脚部先端
が折曲された略Ｕ字形の切欠き部がそれぞれ形成
され中間部で、略直角に折曲されかつ同折曲部と
上記取付孔との間に折り曲設定用孔が穿設された
Ｌ字状の板材からなる緩み防止金具を備え、上記
取付孔が上記固定用ブラケツトに関してアウタケ
ーブル側の上記アジヤストスクリユーに挿通さ
れ、上記折り曲設定用孔の穿設部で略直角に折曲
されて上記Ｕ字形切欠部の先端折曲部が上記固定
用ブラケツトに関して上記アジヤストスクリユー
開放端側の同スクリユーに螺着されたナツトの外
周面に押圧されることを特徴とするナツトの緩み
防止構造を提供せんとするものである。

以下、本考案に係る緩み防止構造を図面に示し
た実施例に基づいて詳細に説明する。

第４図は本考案の一実施例を示す要部の側面
図、第５図ａ，ｂは本考案に用いるナツト緩み防
止金具の成形工程を示す斜視図、第６図は第４図
のＺ矢視図であるが（従来例と対応する同一部材
には同一番号を付して説明する。）、ケーブル固定
用ブラケツト４には、コントロールケーブルのア
ジヤストスクリユー３が挿入される孔４ｃと、こ
の孔４ｃに連通してインナーケーブル１が通るス
リツト４ｂが形成されている。また、コントロー
ルケーブルを構成するアウターケーブル２の先端
部にはアジヤストスクリユー３が取付けられてお
り、このアジヤストスクリユー３にはナツト緩み
防止金具１０が装着されるとともに、ケーブル固
定用ブラケツト４を両側より挾持して固定するケ
ーブル固定ナツト６が一個螺着されている。さら
に、コントロールケーブルを構成するインナーケ
ーブル１にはケーブル固定ナツト５が一個挿通さ
れている。

ナツト緩み防止金具１０は、第５図ａに示すよ
うに、一端側にアジヤストスクリユー３が自在に
挿通される取付孔１０ａと、他端側にアジヤスト
スクリユー３が係合されるようなＵ形状の切欠き
部１０ｂとを有し、取付孔１０ａと切欠き部１０
ｂとの間を所定の長さの板材で一体成形したもの
を第５図ｂに示すように切欠き部１０ｂの先端部
を内側に90゜折り曲げてケーブル固定ナツト５の
外周面を押える押圧片１０ｃを形成するととも
に、予め板材の所定位置Ａを内側に90゜折り曲げ
た形状に成形されている。なお、ナツト緩み防止
金具１０のＵ形状の切欠き部１０ｂの中心から折
り曲げ位置Ａまでの距離l₁と、取付孔１０ａの中
心からＢ点までの距離l₂を同寸法（l₁＝l₂）とし、
このときのＡ点とＢ点との間隔l₃はケーブル固定
用ブラケツト４の厚さにケーブル固定ナツト５お
よび６の厚さを加えた寸法に相当するように成形
されており、必らずＢ点より折り曲げることがで
きるように折り曲げ設定用孔１０ｄが穿設されて
いる。

このように構成されたコントロールケーブルを
取付けるにあたつては、まずコントロールケーブ
ルのアジヤストスクリユー３には第５図ｂの形状
に成形されたナツト緩み防止金具１０の取付孔１
０ａ部が挿着されるとともにケーブル固定ナツト
６が螺着され、インナーケーブル１にはもう一個
の固定ナツト５が挿通された状態に組付けられて
いる。コントロールケーブルをケーブル固定用ブ
ラケツト４に取付けるには、インナーケーブル１
をケーブル固定用ブラケツト４のスリツト４ｂよ
り挿入し、つづいてアジヤストスクリユー３をケ
ーブル固定用ブラケツト４の孔４ｃに挿着し、イ
ンナーケーブル１に挿入されているケーブル固定
ナツト５をアジヤストスクリユー３の先端部より
螺着させる。つづいてインナーケーブル１の先端
を所定の操作レバー等に固定した後、ストローク
を調整し、ケーブル固定ナツト５および６により
ケーブル固定用ブラケツト４を両側より挾持する
ように締付けて固定し、最後にナツト緩み防止金
具１０の切欠き部１０ｂ側を折り曲げ、第４図お
よび第６図に示すように、ケーブル固定ナツト５
を押え込んで取付けが完了する。

以上、図面に示した実施例に基づいて詳細に説
明したように、本考案に係るナツトの緩み防止構
造は、板材で一体に成形されたナツト緩み防止金
具を使用することによりケーブル固定用ブラケツ
トに締付け固定されたケーブル固定ナツトが振動
などにより緩むのを防止することができる。

なお、本考案の実施例ではナツト緩み防止金具
をアジヤストスクリユーに最初に挿着したが、予
め螺着されるケーブル固定用ナツトとケーブル固
定用ブラケツトとの間に挿着するようにしてもよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコントロールケーブルの取付状
態を示す側面図、第２図は第１図の要部を示す説
明図、第３図は他の実施例を示すケーブル固定用
ブラケツトの正面図、第４図は本考案におけるコ
ントロールケーブルの取付状態を示す側面図、第
５図ａ，ｂは本考案に用いるナツト緩み防止金具
の成形工程を示す斜視図、第６図は第４図のＺ矢
視図である。 １……インナーケーブル、２……アウターケー
ブル、３……アジヤストスクリユー、４……ケー
ブル固定用ブラケツト、４ｂ……スリツト、４ｃ
……孔、５，６……ケーブル固定ナツト、１０…
…ナツト緩み防止金具、１０ａ……取付孔、１０
ｂ……切欠き部、１０ｃ……押圧片、１０ｄ……
折り曲設定用孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インナーケーブルと、このインナーケーブルを
   被覆するアウタケーブルと、このアウタケーブル
   の端部に結合したアジヤストスクリユーと、この
   アジヤストスクリユーに係合するケーブル固定用
   ブラケツトと、上記アジヤストスクリユーに螺着
   され上記ケーブル固定用ブラケツトを挾持する一
   対のナツトとを備えたケーブル固定装置におい
   て、一端に上記アジヤストスクリユーが挿通され
   る取付孔が、他端に同アジヤストスクリユーが係
   合されるとともに両脚部先端が折曲された略Ｕ字
   形の切欠き部がそれぞれ形成され中間部で、略直
   角に折曲されかつ同折曲部と上記取付孔との間に
   折り曲設定用孔が穿設されたＬ字状の板材からな
   る緩み防止金具を備え、上記取付孔が上記固定用
   ブラケツトに関してアウタケーブル側の上記アジ
   ヤストスクリユーに挿通され、上記折り曲設定用
   孔の穿設部で略直角に折曲されて上記Ｕ字形切欠
   部の先端折曲部が上記固定用ブラケツトに関して
   上記アジヤストスクリユー開放端側の同スクリユ
   ーに螺着されたナツトの外周面に押圧されること
   を特徴とするナツトの緩み防止構造。