JPS6341801Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、いずれか一方が運転状態となる２回
線の母線の対応する母線に各々１次側が接続され
た２台の計器用変圧器（PTと称する）を同一負
担に択一的に接続する切換回路に関するものであ
る。

一方の母線を常用、他方の母線を予備として買
電系統と自家発電設備またはネツトワーク方式の
配電系統の異なるフイーダにそれぞれ接続し、負
荷に無停電で電力供給を行う２回線の母線構成と
した場合、保護装置に送るための電圧を検出する
PTは母線毎に設けても、保護装置との間には
PT2次出力を択一的に選択する切換回路を設ける
のが一般的である。

例えば、第１図に示すように２回線構成の母線
１Ａ，１Ｂの一方の母線１ＡにはPT２Ａ、他方
の母線１ＢにはPT２Ｂの１次側をそれぞれ接続
し、各PT２Ａ，２Ｂの２次側と負担との間には
転換リレー（キープリレー）の接点からなる切換
回路３を設けている。

この切換回路３により２台のPT２Ａ，２Ｂを
切換えるとき、瞬時であつてもPT２Ａ，２Ｂの
２次側が並列状態になると、通電状態の母線側の
PTの２次出力電圧が休止状態の母線側のPTの２
次側に印加され、その１次側に高電圧が誘起され
るため、甚だ危険である。このため、切換回路３
に使用する転換リレーは、その極間が十分大き
く、かつPT切換時に負担電流の遮断に伴つて発
生するアークを確実に断てる性能のものが要求さ
れるが、このような特殊なリレーは高価なもので
あり、その使用はコスト高を招くことになる。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、
PT一台当たり一般の電磁リレーを２個ずつ用い、
その直列動作とインターロツク動作で切換過程に
無電圧状態を発生させることにより、廉価で安全
度の高い計器用変圧器の２次自動切換回路を提供
することを目的とする。

以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳細に
説明する。

第２図は本考案の一実施例を示すもので、１
Ａ，１Ｂは母線、２Ａ，２ＢはPTである。一方
のPT２Ａは、その１次側を母線１Ａに接続し、
２次側には一般の電磁リレー４Ａ，５Ａの動作コ
イル４A_c，５A_cを各々接続している。この場合、
一方のコイル５A_cには他のリレー４Ａのａ接点
４A_aを直列に接続しており、リレー動作はリレ
ー４Ａ，リレー５Ａの順となり、いわば直列動作
となる。ここでは、先に動作するリレー４Ａを先
行リレー、他を後続リレーと称する。

また、他方のPT２Ｂは、その１次側を母線１
Ｂに接続し、２次側には一般の電磁リレー４Ｂ，
５Ｂの動作コイル４B_c，５B_cを各々接続してい
る。このPT２Ｂ側でもPT２Ａ側と同様に一方の
リレー（後続リレー）５Ｂの動作コイル５B_cと
直列に他のリレー（先行リレー）４Ｂのａ接点４
B_aを接続する一方、先行リレー４Ｂの動作コイ
ル４B_cと直列にPT２Ａ側の先行リレー４Ａのｂ
接点４A_bを接続している。

そして、前記PT２Ａの２次端子と負担との間
に前記PT２Ｂ側の先行リレー４Ｂのｂ接点_bと
PT２Ａ側の後続リレー５Ａのａ接点５A_aの直列
回路を、また前記PT２Ｂの２次端子と負担との
間にPT２Ａ側の先行リレー４Ａのｂ接点４A_bと
PT２Ｂ側の後続リレー５Ｂのａ接点５B_aの直列
回路をそれぞれ接続し、PT２Ａ，２Ｂを負担に
択一的に接続するようにしている。

このような回路構成とすると、母線１Ａが通電
状態にある場合には、PT２Ａ側の両リレー４Ａ，
５Ａが順次動作し、PT２Ｂの両リレー４Ｂ，５
Ｂは消勢状態にある。この結果、PT２Ａ側のリ
レー接点回路が閉路、PT２Ｂ側のリレー接点回
路が開路状態となり、負担にはPT２Ａの２次電
圧が供給される。

ここで、母線１Ａが停電すると、PT２Ａ側の
先行リレー４Ａ、後続リレー５Ａが消勢状態とな
り、この先行リレー４Ａの復帰に伴うｂ接点４
B_bの閉路でPT２Ｂ側の先行リレー４Ｂの動作コ
イル４B_cが励磁される。この励磁により先行リ
レー４Ｂが動作し、次いで後続リレー５Ｂが動作
する。このPT２Ａ側のリレー４Ａ，５Ａの消勢、
PT２Ｂ側のリレー４Ｂ，５Ｂの付勢に伴つてPT
２ＡからPT２Ｂへ切換えが行われる。この切換
過程においてリレーの直列動作（縦続動作）によ
る無電圧状態が瞬時といえども必ず生じ、休止母
線側に高電圧が誘起される危険が確実に回避され
る。

また、母線１Ａの停電回復時にはPT２Ａ側の
先行リレー４Ａが動作してPT２Ｂ側の先行リレ
ー４Ｂが復帰し、その後後続リレー５Ａが付勢状
態、後続リレー５Ｂが消勢状態となつて、PTの
切換えが行われる。

なお、母線１Ａが常用、母線１Ｂが予備であつ
て、母線１Ａの停電時にのみ母線１Ｂが通電状態
となる場合には、PT２Ａ側の先行リレー４Ａの
動作コイル４A_cと直列にPT２Ｂ側の先行リレー
４Ｂのｂ接点を接続して、インターロツク動作を
行うようにしてもよい。

以上のように本考案によれば、PT1台当たり２
個の一般リレーを用い、直列動作とインターロツ
ク動作を行う回路構成としたので、切換過程にリ
レー動作時間による無電圧状態を確実に現出させ
ることができ、安全度の高い切換動作が期待でき
る。しかも、一般のリレーで構成したので、低廉
化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はPTの２次切換回路の従来例を示す回
路図、第２図は本考案に係るPTの２次自動切換
回路の一実施例を示す回路図である。 １Ａ及び１Ｂ……母線、２Ａ及び２Ｂ……PT、
４Ａ及び４Ｂ……先行リレー、５Ａ及び５Ｂ……
後続リレー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. いずれか一方が運転状態となる第１、第２の母
   線の対応する母線に１次側を各々接続した第１、
   第２の計器用変圧器を同一負担に選択的に接続す
   る切換回路において、第１、第２の計器用変圧器
   の２次端子間に各々２個ずつ一般電磁リレーの動
   作コイルを接続し、同じ計器用変圧器側の一方の
   リレーの動作コイルと直列に他方のリレーのａ接
   点を挿設して、他方のリレーを先行リレー、一方
   のリレーを後続リレーとするとともに、第１、第
   ２の計器用変圧器の少なくとも一方の側の先行リ
   レーの動作コイルと直列に相手側の先行リレーの
   ｂ接点を挿設する一方、第１、第２の計器用変圧
   器の２次端子と負担との間に相手側の先行リレー
   のｂ接点と自分側の後続リレーのａ接点の直列回
   路をそれぞれ接続したことを特徴とする計器用変
   圧器の２次自動切換回路。