JPS6341793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスペーサ、ダンパ等のクランプを架空
電線に取付けてなる架空電線のクランプ取付部に
関するものである。

通常、架空送電線、架空地線、ジヤンパ線等の
架空電線には、スペーサやダンパが取付けられ、
これらは電線把持用のクランプを具備し、該クラ
ンプを架空電線に把持取付けることにより架空電
線に取付けてなる。

しかし、上記クランプはその外周エツジ部が比
較的鋭利に構成されているので、これを高電圧線
路に使用した場合には、エツジ部からコロナ放電
が起こる恐れがあつた。

一方、クランプのエツジ部に曲率半径の大きな
面取りを施こし、これからコロナ放電が生じない
ようにする方法も考え得るが、このようにすると
クランプ両端部の肉厚が薄くなり機械的強度が低
下し、また機械的強度を所定値に維持した場合に
は、クランプが大型化し、また重量増を来たす不
都合がある。

しかも、この種取付部においては、架空電線の
振動等によりクランプの把持力が低下した場合に
は、クランプが架空電線上を滑り移動し架空電線
表面を損傷する恐れがあつた。

本考案は、このような欠点を改良したものであ
る。

これを第１図〜第３図に示した一実施例に基づ
き説明する。

図において、１はACSR等の架空電線、２は架
空電線１に取付けたクランプ、例えばスペーサ用
のアルミニウム製クランプ、３はクランプ２の両
側にこれと隣接して取付けた金属製、例えばアル
ミニウム製のリング体を示す。

クランプ２は、第２図に示すようにクランプ本
体４と、これにヒンジ結合したクランプキヤツプ
５と、両者を締付けるボルトナツト６とからな
り、クランプ本体４とクランプキヤツプ５には電
線把持溝７を設けてある。

リング体３は、第３図に示す如く２つ割りに構
成され、その一端はヒンジ結合され、他端はボル
トナツト８により締付け固定するようにしてあ
る。図において１１は電線把持溝を示す。

また第１図に示す如く、上記リング体３の外周
エツジ部９は、クランプ２の外周エツジ部１０の
面取りの曲率半径ｒより大きな曲率半径Ｒを有す
る曲面状の面取りを施してなる。

尚、クランプ２としては上記実施例に示したも
のに限らずダンパ用としてもよいばかりか、その
構造も例えばクランプを略Ｕ字状に形成し、この
Ｕ字状の溝内に架空電線を係合し、この上からア
ーマーロツドを巻付け固定するようにしたものと
してもよい。この場合、金属製リング体の外面に
はアーマーロツド嵌合用の溝を設け、アーマーロ
ツドが突出しないようにすることが望ましい。

また金属製リング体３も上記実施例に示したも
のに限らず、例えばリング体を２つ割構造とし、
その一端をヒンジ結合すると共に、他端には一方
の端面に膨出状の凸部を他方の端面には凹部を形
成し、凸部と凹部とを強嵌合するようにしてもよ
く、要はその外周エツジ部にクランプ外周のエツ
ジ部の面取りより大きな曲率半径を有する曲面状
の面取りを施してあればよい。

更にクランプ２又は金属製リング体３の電線把
持面には、導電性ゴム等を内張りしてもよい。

しかして本考案架空電線のクランプ取付部によ
れば、クランプの両側にこれと隣接して金属製リ
ング体を架空電線に取付けたので、クランプの把
持力が低下しても、これの両側の金属製リング体
がストツパーの作用をし、従つてクランプが電線
上を滑り移動することがなく、もつて電線外表面
を損傷する恐れがなくなる。

また金属製リング体は、その外周エツジ部に、
クランプ外周のエツジ部の面取りの曲率半径より
大きな曲率半径を有する曲面状の面取りを施して
あるから、取付部全体としての表面電位傾度が低
くなり、もつてコロナ放電の発生が従来品に比し
格段と低くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案架空電線のクランプ取付部の一
実施例を示す正面図、第２図はクランプの一例を
示す断面図、第３図は金属製リング体の一例を示
す断面図である。 １……架空電線、２……クランプ、３……金属
製リング体、９……金属製リング体の外周エツジ
部、１０……クランプの外周エツジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランプを架空電線に取付けてなる架空電線の
   クランプ取付部において、前記クランプの両側に
   は、これに隣接して金属製リング体を架空電線に
   取付けてなり、該リング体の外周エツヂ部はクラ
   ンプ外周エツジ部の面取りの曲率半径より大きな
   曲率半径を有する曲面状の面取りを施してなるこ
   とを特徴とする架空電線のクランプ取付部。