JPS6341479Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、連棟式立体駐車場の改良に関し、そ
の目的とするところは立地スペースを一層有効に
利用でき、かつ自動車の出し入れをスムーズに出
来る立体駐車場を提供することにある。近年、市
街地などの限られた土地空間を有効利用するた
め、自動車を回転式の収納ケージ内に収容させて
上下に立体的に駐車させるようにしたいわゆる立
体駐車場が広く使用されている。例えば、２つの
駐車棟を横方向に並設し、自動車用の出入口を
各々の棟の同じ側に並べて開設したもの（これを
本考案のような「連棟式」と区別するため「並棟
式」という）がすでに公知となつているが、この
ような並棟式のものは並行した２つの方向から自
動車を出入りさせる構造であるため、同時に２台
の自動車の出入りが可能となるという利点を有し
ている反面、自動車の出入りのために外路側に大
きいスペースを必要とし、貴重な市街地の土地を
有効に利用出来ないという欠点がある。

したがつて、本考案はこのような欠点を解消で
きる連棟式立体駐車場を提供することを目的とす
る。

本考案は、上記目的を達成するために、連通す
る前後の駐車棟内にそれぞれ回転式の自動車収納
ケージを有した立体駐車場であつて、その前棟の
地上近くに自動車の出入口を開設するとともに、
この前棟の下地面に凹所を設け、この凹所に、前
記下地面と面一となる上限位置と前記前棟内の回
転式自動車収納ケージの回転通過を許容する下限
位置とに亘つて上下方向に昇降する昇降支持板
と、該昇降支持板を先端部で支持する複数の支持
ロツドと、該複数の支持ロツドの後端部に各別に
上端部を連結させ各下端部を水平方向の一方側に
移動させることにより各支持ロツドを起立させて
昇降支持板を上限位置に導き又各下端部を水平方
向の他方側に移動させることにより各支持ロツド
を横倒させて昇降支持板を下限位置に導く下向き
に延びる複数の可動アームと、これら可動アーム
の下端部を水平方向の一方側と他方側に移動させ
る駆動機構とを具備させるようにしたものであ
る。

以下、添付図と共に２棟の立体駐車場について
の一実施例を説明するに、第１図に示すように前
後方向に連設された前後の各棟２１，２２は、い
ずれも第２図に示すようなケージ回転機構を備え
ており、このケージ回転機構は自動車収納のため
の複数のケージ１…を、その各々の下部が常に下
向きの同一姿勢を保持するように吊上具６２…を
介して吊上チエーン６１に枢着し、このチエーン
６１を上下一対のスプロケツトホイール６３，６
３により回転可能にしている。後棟２２の吊上チ
エーン６１には、１つのケージも欠落なく、その
外周を取り巻くようにして複数のケージが列設さ
れている（不図示）が、前棟２１の吊上チエーン
６１は１〜２個のケージが欠落されている（第２
図に示すものは、２点鎖線で示すケージ１′を欠
落したものを示しているが、２つのケージを欠落
させる場合にはチエーン６１に対して対称な位置
のケージを欠落させてもよい）。一方の後棟２２
は、第３図に示すようにその下地面２２ａに凹所
２２ｂを設けており、この凹所２２ｂにはケージ
１がその載置面１ａを下地面２２ａと面一になる
ようにして、つまり前棟２１の下地面２１ａとケ
ージ１の載置面１ａとの間に段差を生じないよう
にして嵌込されている。

前棟２１と後棟２２は、自動車を各棟間に出入
り可能にするためその下部において連通７されて
おり、前棟２１の地上近くには自動車の出入口を
構成する開口３を開設している。

前棟２１の下地面２１ａには凹所２１ｂが凹設
されており、該凹所２１ｂには昇降装置５を出没
可能に設けている。

第４図〜第６図に昇降装置の詳細構成を示す。
すなわち、第４図〜第６図において、５１は前記
下地面２１ａと面一となる上限位置と前記前棟２
１内の回転式自動車収納ケージ１…の回転通過を
許容する下限位置とに亘つて上下方向に昇降する
昇降支持板、５２…は昇降支持板５１を先端部で
支持する支持ロツド、５３…は複数の支持ロツド
５２，５２の後端部に各別に上端部を連結させ各
下端部を水平方向の一方側に移動させることによ
り各支持ロツド５２，５２を起立させて昇降支持
板５１を上限位置に導き又各下端部を水平方向の
他方側に移動させることにより各支持ロツドを横
倒させて昇降支持板５１を下限位置に導く下向き
に延びる可動アーム、５４は駆動機構を構成する
原動機、５７，５７は駆動機構と構成する一組の
平行リンクであり、原動機５４はその駆動軸５５
の伸縮時にはドライブシヤフト５６を回動させ、
一組の平行リンク５７，５７を可動して支持ロツ
ド５２…を起倒させることによつて昇降支持板５
１を第３図に実線で示す収納ケージ１…の回転通
過を許容する下限位置から該前棟２１の下地面２
１ａと面一となる２点鎖線で示す上限位置まで上
下方向に昇降する。なお、５８は自動車１０の乗
り入れ時に支持板５１の可動を防止するリンク金
具である。

本考案の立体駐車場は以上のような構成である
から、昇降支持板５１を前棟２１の下地面２１ａ
より下方の下限位置まで下降させれば、収納ケー
ジ１の回転通過の可能な空間スペースが確保でき
る。

また、昇降支持板５１を前棟２１の下地面２１
ａと面一状態に保持すれば前棟２１の下地面２１
ａには段差が生じないので後棟２２の収納ケージ
１内に自動車をスムーズに出し入れできる。

したがつて、各棟に各別に出入口を設けなくて
も済み出入口の前方に必要なスペースを半減させ
ることができ、駐車場の出入口スペースを軽減で
きる。

また、昇降支持板５１を前棟側の下地面より収
納ケージの回転通過を許容する下限位置まで降下
できるので前棟の高さ寸法の軽減にも寄与する。

さらに、本考案の場合、昇降支持板を下地面と
面一となる上限位置と前棟内の回転式自動車収納
ケージの回転通過を許容する下限位置とに亘つて
上下方向に昇降させるために、昇降支持板を先端
部で支持する複数の支持ロツドと、該複数の支持
ロツドの後端部に各別に上端部を連結させ各下端
部を水平方向の一方側に移動させることにより各
支持ロツドを起立させて昇降支持板を上限位置に
導き又各下端部を水平方向の他方側に移動させる
ことにより各支持ロツドを横倒させて昇降支持板
を下限位置に導く下向きに延びる複数の可動アー
ムと、これら可動アームの下端部を水平方向の一
方側と他方側に移動させる駆動機構とを具備させ
るようにしたので、前棟の下地面に掘る凹所の深
さを浅くすることができる。すなわち、本考案の
場合、駆動機構を水平方向に駆動でき、該駆動機
構を水平方向に駆動することで、可動アームを介
して、支持ロツドが起倒して、昇降支持板が上限
位置と下限位置に移動するので、凹所をそれ程深
く掘らなくても、昇降支持板を十分に上下に移動
させることができるのである。

このように凹所の深さを浅くできると、前棟の
地中下に水道管、瓦斯管、或いは下水道管等の埋
設物を配設しなければならない施工現場におい
て、埋設物と干渉するのを回避できるケースが多
くなり、施工を容易に行うことができるケースが
多くなるのである。

なお、既述の実施例では、２棟のものを示した
にすぎないが、本考案はこのようなものに限られ
ず、前棟が１棟ではなく２棟以上からなるものに
も適用可能なことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の連棟式駐車場の破断概略正面
図、第２図は同上の前棟の概略縦断面図、第３図
は本考案の駐車場の一実施例を示す要部縦断面
図、第４図は昇降支持板の一部切欠概略平面図、
第５図は第４図の−線断面図、第６図は−
線断面図である。 符号の説明、１は自動車収納ケージ、２１，２
２は自動車駐車棟、３は自動車出入口、４は外
路、２１ａは前棟の下地面、２１ｂは凹所、５１
は昇降支持板、５２は支持ロツド、５３は可動ア
ーム、５４は駆動機構を構成する原動機、５５は
駆動機構を構成する駆動軸、５６は駆動機構を構
成するドライブシヤフト、５７，５７は駆動機構
を構成する一組の平行リンクである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連通する前後の駐車棟内にそれぞれ回転式の自
   動車収納ケージを有した立体駐車場であつて、そ
   の前棟の地上近くに自動車の出入口を開設すると
   ともに、この前棟の下地面に凹所を設け、この凹
   所に、前記下地面と面一となる上限位置と前記前
   棟内の回転式自動車収納ケージの回転通過を許容
   する下限位置とに亘つて上下方向に昇降する昇降
   支持板と、該昇降支持板を先端部で支持する複数
   の支持ロツドと、該複数の支持ロツドの後端部に
   各別に上端部を連結させ各下端部を水平方向の一
   方側に移動させることにより各支持ロツドを起立
   させて昇降支持板を上限位置に導き又各下端部を
   水平方向の他方側に移動させることにより各支持
   ロツドを横倒させて昇降支持板を下限位置に導く
   下向きに延びる複数の可動アームと、これら可動
   アームの下端部を水平方向の一方側と他方側に移
   動させる駆動機構とを具備させるようにしたこと
   を特徴とする連棟式立体駐車場。