JPS6341329Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は零れ防止手段を施した容器に関す
る。

（従来の技術） 開口部を蓋で密閉していない容器、例えば花瓶
や塗装作業の際に刷毛を漬ける缶などを不用意に
倒してしまい、その容器中の水や塗料を大量に零
してしまつた様な体験は誰もが持つている。

本考案は上述した様な不都合を解消せしめよう
とするものであり、開口部が開いた状態で倒して
しまつた際にも内部の液体が零れることのない容
器を提供することが目的である。

（技術的課題） 本考案の技術的課題は、容器の開口部を開口さ
せて置きながら、容器が倒れる過程及び倒れた後
も容器内部の液体を零さない様な機能を容器に具
備させることである。

（問題点を解決する為の技術的手段） 容器本体と、この容器本体内へ小径側端部を下
向きにして挿入されるテーパー筒とからなり、前
記容器本体の開口端部内周に内径が容器本体底部
へ向つて小径となる環状のパツキンを設け、この
パツキンの内周に突条を設けると共に、該突条に
上記テーパー筒の大径側端部を密接させたもので
ある。

（作用） 容器本体の開口部から容器本体内に挿入される
テーパー筒の内孔は上記容器の開口となり、且つ
又同テーパー筒の大径側端部は開口端部内周面に
設けたパツキン内周に形成された突条に密接して
同部における水密を保ち、容器が倒れた際、テー
パー筒内面によつて外部への流出を留められる液
体の漏出を防止する。また、上記パツキン面とテ
ーパー筒の大径側端部は共に傾斜した状態で面接
触し、テーパー筒の挿入度に伴つて前記接触圧力
が高まり、水密度も高められる。

（効果） 本考案は叙上の如き構成としたものであるから
次に列記する効果を奏する。

パツキンの内周面に設けた突条とテーパー筒
の大径側端部が共に同方向へ傾斜した状態にて
面接触するので同部の水密度が高く、また、そ
の水密度をテーパー筒を容器内部へ挿入させる
程に高めることが出来る。従つて、容器内の液
体は容器が倒れた後も上記接触部から外部に漏
れ出ることがない。

容器本体内にテーパー筒を小径側端部を下に
向けて挿入しているので、上記容器内の液体量
が容器容量の約1/3以内であれば容器を倒して
も内部の液体はテーパー筒内面にて留められ外
部へ零れ出ることがない。

テーパー筒の小径側に挿入口を開口している
が、該挿入口の口縁には多数の舌片を挿入口中
心へ向けて突出させ同口を覆い隠すようにして
成るから、容器本体内の液体が前記挿入口から
の流出を防止すると共に、第４図に示す如く花
びんとして使用する場合、前記した多数の舌片
によつて挿入した花のくきを挾持することで安
定した挿入支持状態が得られる。

（実施例） 以下、本考案を実施した零れ防止容器を図面に
基づいて説明する。

第１図乃至第４図に示す容器ａは花瓶として用
いたものであり、容器本体１の開口部にテーパー
筒２を挿入させてなるものである。

容器本体１は合成樹脂から成り、同本体１の開
口端内周にはゴム製で環状のパツキン３を開口縁
に固着させて設ける。パツキン３は幾分肉厚状に
形成すると共に、その内径を底部へ向けて小径と
し、パツキング面となる内周には突条４，４を突
出させて周設せしめて成る。

上記の如くパツキン３を付設した開口部にはテ
ーパー筒２が挿入される。このテーパー筒２は軟
質合成樹脂、若しくは合成ゴムから成り、上部側
の外径を容器本体１の開口部と同径とし、且つ下
部側の径を開口部径の半分程度にしたテーパー状
の筒であり、小径側の開口である挿入口２ａの口
縁には多数の舌片５を挿入口２ａ中心へ向けて突
出させ同口２ａを覆い隠す一方、大径側の開口端
部には掛止片２ｂを周設せしめて成るものであ
る。

舌片５は挿入口２ａを覆い隠すことによつて、
容器が倒れた際に上記挿入口２ａから飛び出そう
とする少量の液体を防げるものであり、花の茎を
差し込む際には容器本体１内側へ折り込まれる。

前記したテーパー筒２は容器本体１の開口部を
抜き刺し可能に挿嵌される。挿嵌した際、テーパ
ー筒２の大径側開口外周面は同筒２と同じ傾斜角
のパツキン３内周面及び同面に設けられた突条４
と面接触し、同部における水密を確実に保つ。ま
た、前記したテーパー筒２を容器本体１内部へ挿
入する程に同筒２とパツキン３内周面及び突条４
との密接圧力は高まり、これに伴つて水密度も高
められるものである。

上述した容器ａが倒れた場合、容器本体１の底
部に溜つていた容器容量の約1/3程度の水は容器
本体１の内周面を通つて開口部側へ流動し、テー
パー筒２の内面に当つて跳ね返り容器本体１内に
収まる。そして、容器ａが倒れてしばらくした後
も、前記したパツキン３とテーパー筒２との接触
面の水密が保たれているので水漏れがない。

第５図は本考案の容器a′を塗料を入れる缶とし
て用いた場合を示す図であり、使用する刷毛は挿
入口２ａに差し込んで置くことが出来、塗料の溶
液が気化することも少なく、刷毛が固ることもな
い。

また、この容器a′に用いたテーパー筒２は、パ
ツキン３との接触面から下方の周面を筒中心へ向
けて絞つたものであり、これによつて容器本体１
の内周面と挿入口２ａ周縁との間の空間ｂを増し
て容器本体１内に入れることのできる液体の容量
を増加させているものである。

尚、本考案の容器ａ内に入れる内容物は液体に
限るものではなく砂状物や灰などを収容しても同
様な効果が得られるものであり、例えば灰皿とし
ても使用出来るものである。（図示せず）

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した容器を示す縦断面
図、第２図は同平面図、第３図は倒れた状態を示
す縦断面図、第４図は使用状態を示す縦断面図、
第５図は塗料缶として用いた際の実施例を示す縦
断面図である。 図中、ａ：容器、１：容器本体、２：テーパー
筒、２ａ：挿入口、５：舌片、３：パツキン、
４：突条、５：舌片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体と、この容器本体内へ小径側端部を下
   向きにして挿入されるテーパー筒とからなり、前
   記容器本体の開口端内周に内径が容器本体底部へ
   向つて小径となる環状のパツキンを設け、このパ
   ツキンの内周に突条を設けると共に該突条に上記
   テーパー筒の大径側端部を密接させ、しかも上記
   テーパー筒の小径側に開口した挿入口の口縁に複
   数の舌片を該挿入口中心へ向けて突出せしめて成
   る零れ防止容器。