JPS634083Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は二階床の換気構造に関するものであ
る。

一般に建物各部の換気（通風）は、建物の朽廃
を防止するためにも必要であり、二階床もその例
にもれない。ただ、かかる換気構造としては施工
の容易な形態で構成できることが要請され、この
要請は現場作業の省力化を目的とするプレハブ建
物においては極めて重要である。

本考案は上述の要請に基づいた二階床の換気構
造、即ち、一階側壁上端部に木質系中空パネルよ
りなる二階床パネルの外縁部と該二階床パネルの
外側に配される胴差とを介在させて二階側壁を設
けた建物において、上記二階床パネルの外側枠材
及び上記胴差に、上記二階床パネルの中空部と外
部とを連通する換気口を設け、該換気口の外側に
水返しを設けたことを特徴とする二階床の換気構
造を提供するものである。

以下、本考案の二階床の換気構造を図面に示す
一実施例について説明する。

第１図に示す建物は、木質系中空両面パネルよ
りなる一階側壁１の上端部内側に木質系中空片面
パネルよりなる二階床パネル２の端部を載置釘止
めし、二階床パネル２を囲んで胴差３を、その外
側面部を一階側壁１の外側面部に一致させ、且つ
その上面部を二階床パネル２の上面部に一致させ
て二階床パネル２の外側枠材２′に釘止めした後、
上記胴差３及び外側枠材２′をボルト（図示せず）
により一階側壁１の上端部に緊締し、しかる後、
木質系中空両面パネルよりなる二階側壁４をボル
ト（図示せず）により上記胴差３及び外側枠材
２′上に緊結して建築したものである。尚、木質
系中空両面パネルとは枠組した枠材の両面に表面
材を接合したものであり、又木質系中空片面パネ
ルとは同様に枠組した枠材の一表面部にのみ表面
材、図示例の場合には二階床板２″を接合したも
のである。

５は、本考案において上記二階床パネル２の外
側枠材２′及び上記胴差３に設けた換気口であり、
第２図に示す如く二階床パネル２の外側枠材２′
に下方より多数の切欠部５′を予め設け、胴差３
にもこの切欠部５′に対応させて下方より多数の
切欠部５″を予め設けておくことにより、上述の
建物の建築作業を何ら変更することなく二階床パ
ネル２と胴差３の設置と同時に形成されたもので
あり、二階床パネル２の中空部と外部とを連通す
るようになしてある。

６は、上記換気口５の外側に防虫網７（第２
図）を介在させて設けた水返しであり、第２図に
詳細を示す如く、建物外壁部に固定される固定部
６′と、固定部６′に上記換気口５を臨ませて設け
た開口部６″と、開口部６″を囲んで固定部６′に
突設した筒部６とから構成され、上記筒部６
はその上面部を下方に傾斜させてあり、筒部６
の下面部を上記換気口５の下面部よりも第１図に
示す如く下方に位置させて建物外壁部に釘等の手
段により固定されている。

尚、その他、図面中、８は一階天井材、９は水
返し６を建物外壁部に固定した後、建物外壁部に
被覆された防水シート及びモルタル等からなる外
装材である。又図示はしていないが、複数枚の二
階床パネル２，２，…は互いにその中空部を連通
するよう各二階床パネル２，２，…の枠材に開口
が設けられていても良い。

而して、本考案の上述の如き二階床の換気構造
においては、二階床パネル２として木質系中空片
面パネルに限らず木質系中空両面パネルを用いた
場合にも換気口５を介して確実に二階床パネル２
の中空部の換気がなされ、特に二階床パネル２と
して図示例の如く木質系中空片面パネルを用いた
場合には一階天井裏の換気もなされる。又実施例
の如く水返し６を構成した場合には、筒部６の
上面部が下方に傾斜させてあるから換気口５への
雨水の直接の侵入が阻止され、且つ万一雨水が筒
部６の下面部上に侵入してもかかる下面部は換
気口５の下面部よりも低位置にあるから同じく換
気口５への雨水の侵入が阻止されて、二階床パネ
ル２が湿気を帯びることがない。又さらに防虫網
７により二階床パネル２内への虫の侵入も阻止さ
れる。

叙上の如く、本考案の二階床の換気構造は、実
施例の如く木質系中空パネルよりなる二階床パネ
ルの外側枠材及び胴差に予め切欠部を設けておけ
ば、通常の建築作業と何ら変わりなく二階床の換
気口を形成できる等、施工の極めて容易な形態で
二階床を換気できるものであつて、さらに上記二
階床パネルとして木質系中空片面パネルを用いれ
ば一階天井裏の換気も同時になせる等、その構造
の簡易さ及び雨水の侵入を阻止した水返しの効果
と相俟ち、実用的価値が極めて高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の二階床の換気構造の一実施例を
示すもので、第１図はその縦断面図、第２図はそ
の要部の分解斜視図である。 １……一階側壁、２……二階床パネル、２′…
…外側枠材、２″……二階床板、３……胴差、４
……二階側壁、５……換気口、５′，５″……切欠
部、６……水返し、６′……固定部、６″……開口
部、６……筒部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一階側壁上端部に木質系中空パネルよりなる
   二階床パネルの外縁部と該二階床パネルの外側
   に配される胴差とを介在させて二階側壁を設け
   た建物において、上記二階床パネルの外側枠材
   及び上記胴差に、上記二階床パネルの中空部と
   外部とを連通する換気口を設け、該換気口の外
   側に水返しを設けたことを特徴とする二階床の
   換気構造。 (2) 上記換気口が上記二階床の外側枠材及び胴差
   に下方から設けた切欠部により形成されてい
   る、実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の二階
   床の換気構造。 (3) 上記水返しが、建物外壁部に固定される固定
   部と、該固定部に上記換気口を臨ませて設けた
   開口部と、該開口部を囲んで上記固定部に突設
   した筒部とから成り、上記筒部の下面部を上記
   換気口の下面部よりも下方に位置させて建物外
   壁部に固定されている、実用新案登録請求の範
   囲第(1)項記載の二階床の換気構造。 (4) 上記筒部はその上面部が下方に傾斜させてあ
   る、実用新案登録請求の範囲第(3)項記載の二階
   床の換気構造。 (5) 上記二階床パネルが、枠組した枠材の一表面
   に二階床板を接合した木質系中空片面パネルで
   ある、実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の二
   階床の換気構造。