JPS6340701Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来の多穴筒弁の縦断面図を第１図に示す。ま
たこの水平断面図は第３図におけるテーパ形仕切
り９のない形状と同じであるが、図示はしていな
い。さて第１図において１は弁入口フランジ、２
は弁箱、３は弁棒で、同弁棒３の上端は図示しな
いストローク位置決めの操作機構に連結してい
る。また４は弁棒支持台、５は多穴筒弁座でd〓，
dn〓の異径穴５ａが穿設されている。６は弁体で
弁棒３に連結され、径d₁〓の縦方向の流路穴６ａ
が多数環状に設けられている。また７は弁箱内部
の環状流路である。

しかしながら第１図の従来の多穴筒弁は、コン
パクトで弁棒操作に要する流体力のスラストが非
常に小さい（６ａで示すd₁の面積がｄ，dnの多
穴全面積より数倍大きく動圧が小さいので、弁体
上下面の圧力差が非常に小さくスラストが小さ
い）等の利点はあるが、弁全開時の圧力損失が大
きいなどの欠点があつた。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、弁座が多穴を有する円筒状で、同
多穴筒弁座を上下にスライドする中空の弁体より
なる多穴筒形の流量調節弁において、上下対称位
置に開口する弁座多穴部をデイフユーザ穴にする
と共に、その出口の弁箱環状流路を前記上下弁座
多穴部に対応する流路に仕切り、同流路が流体の
流れ方向に向つて流路面積が拡大するようにテー
パ形にした仕切りを設けることにより、弁全開時
の圧力損失の低減を図ることができる流量調節弁
を提供せんとするものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第２図は本考案の実施例を示す流量調節弁の
弁体６部分の縦断面図、第３図は第２図のＡ〜Ａ
断面図、第４図は第２図における多穴筒弁座８の
穴部の拡大断面図である。図において２は弁箱、
３は弁棒、６は縦方向の流路穴６ａを多数円形状
に有し、弁棒３に連結された弁体、７は環状流路
であり、これらは第１図の従来機構と同じであ
る。

８は弁の主な圧力損失発生部である弁座で、弁
座多穴部を入口面取りのデイフユーザ穴８ａにし
てある。この点を第４図において、穴径ｄ及びd₃
が夫々d₂及びd₄に拡大した状態で示してある。９
はデイフユーザ穴８ａ出口の弁箱環状流路７を流
体流れ方向に向つて流路面積が増大するように、
同流路７を２分割するテーパ形仕切りである。

即ち、本考案は弁座８が多穴を有する同筒状
で、中空の弁体６が上下にスライドすることによ
つて多穴を開閉し、流体を弁体中央部を通り放射
状に多穴筒弁座８の多穴を通つて流出するように
した多穴筒弁（二重円筒弁）の弁座８の穴形状
を、デイフユーザ形状にすると共に、環状の流出
流路を上下に仕切ると共に、流体の流れ方向（出
口管路に接続する方向）に向つて流路面積が拡大
するように仕切り９をテーパ状にしてなるもので
ある。

以上詳細に示す如く本考案は、弁座多穴筒をデ
イフユーザ穴にしたので、多穴部の噴出動圧の減
少を図ることができ、更に前記デイフユーザ穴の
出口の弁箱環状流路を流体流れ方向に向つて流路
面積が拡大するテーパ形にしたので、同環状流路
はデイフユーザ流路となり、この環状デイフユー
ザでの圧力損失の低減により、弁全体での圧力損
失を大巾に低減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の多穴筒弁の縦断面図、第２図は
本考案の実施例を示す流量調節弁の弁体、弁座部
分の縦断面図、第３図は第２図のＡ〜Ａ断面図、
第４図は第２図における弁座の拡大図である。 図の主要部分の説明、２……弁箱、６……弁
体、７……環状流路、８……弁座、８ａ……デイ
フユーザ穴、９……テーパ形仕切り。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁座が多穴を有する円筒状で、同多穴筒弁座を
   上下にスライドする中空の弁体よりなる多穴筒形
   の流量調節弁において、上下対称位置に開口する
   弁座多穴部をデイフユーザ穴にすると共に、その
   出口の弁箱環状流路を前記上下弁座多穴部に対応
   する流路に仕切り、同流路が流体の流れ方向に向
   つて流路面積が拡大するようにテーパ形にした仕
   切りを設けたことを特徴とする多穴筒形流量調節
   弁。