JPS634047Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、紙幣の鑑別、計数などの処理を行
なう装置において集積紙幣を揃える整列装置に関
するものである。

従来、紙幣の鑑別、計数などを行なう紙幣整理
機などにおいては、鑑別、計数などの処理がされ
た紙幣を、第１図に示すように繰り出しローラ
１・１から紙幣の長手方向と直角に繰り出し、集
積車２によつて堆積台３上に側面を揃えて積み重
ねて集積紙幣４とした後、この集積紙幣４を搬送
ベルト５ａ・５ｂの間、搬送ベルト５ｃと搬送ベ
ルト５ｄ・５ｅとの間に挾持してホツパ６へ送つ
て落下させ、このホツパ６から落下した集積紙幣
４を結束部７に送つて結束を行なつている。

ところで、前記結束作業の際には集積紙幣４を
長手方向に移動させて帯を掛けることが行なわ
れ、このため、搬送ベルトによつて紙幣の長手方
向に搬送されていた集積紙幣４を搬送ベルトによ
る挾持から一旦解放し、あらためて、紙幣の長手
方向に移動させる必要がある。

しかしながら、集積紙幣４は、搬送ベルト５ａ
〜５ｅによる搬送の途中で屈曲される際や、ホツ
パ６から落下する際にずれる現象が生じて不揃い
が生ずることが考えられ、不揃いが生じた集積紙
幣４を結束すると、集積紙幣の長手側面から突出
した紙幣の耳が折れたりして結束不良になるおそ
れがある。

この考案は前記の事情を考慮して提案されたも
ので、搬送装置から送り出された集積紙幣を受け
取る収納部を設け、この収納部において集積紙幣
を上下に振動させて整列させるとともに、整列さ
れた集積紙幣をその長手方向に収納部ごと移動さ
せることにより、整列状態の集積紙幣を結束させ
て結束不良をなくすことを目的とするものであ
る。

以下、この考案を第２図〜第４図に示す一実施
例に基づいて説明する。なお、図中従来例と同一
の部分には同一符号を付し説明を簡略化する。

第２図〜第４図はこの考案の一実施例を示すも
ので、図中符号１０で示すものは収納部である。
この収納部１０はホツパ６の下方に設けられ、搬
送部から送り出されホツパ６に案内されて第３
図、第４図矢印イ方向に落下する集積紙幣をその
一長手側面を下方に向けた姿勢で受け取るもので
あり、前記一長手側面に接触する載置板１１と、
集積紙幣をその厚さ方向に挾持する固定挾持板１
２および移動挾持板１３と、集積紙幣の前記長手
側面に垂直な一端面に接触するスライド側板１４
とに囲まれた部分に形成されている。

前記載置板１１は、集積紙幣の落下する方向に
対して垂直に設けられ、一端がスライドブロツク
１５に支持されており、このスライドブロツク１
５は、下方のフレーム１６に集積紙幣の長手方向
と平行に支持されたガイド軸１７・１７に、軸受
１５ａ・１５ａを介して摺動自在に支持されてい
る。また、載置板１１には、前記移動挾持板１３
を案内するための切欠き１１ａ・１１ａ……と、
後述する振動板を突出させるための切欠き１１
ｂ・１１ｂとが形成されている。

そして前記載置板１１の上面には、この載置板
１１と垂直に前記固定挾持板１２が配され、この
固定挾持板１２は、前記スライドブロツク１５に
一端が固定されている。また、この固定挾持板１
２と平行に、かつ一定枚数の集積紙幣の厚さに応
じた間隔をおいて前記移動挾持板１３が設けられ
ており、この移動挾持板１３は、前記スライドブ
ロツク１５に支持された挾持ブロツク１８に取り
付けられている。そして、前記挾持ブロツク１８
は、軸線を集積紙幣の厚さ方向と平行にして前記
スライドブロツク１５に取り付けられたガイド軸
１９・１９に、軸受１８ａ・１８ａを介して摺動
自在に支持されている。また、前記移動挾持板１
３には前記載置板１１の切欠き１１ａ・１１ａ…
…に挿入され、移動挾持板１３を案内する突起１
３ａ・１３ａ……が形成されるとともに、後述す
る振動片を突出させるための切欠き１３ｂ・１３
ｂ……が形成され、さらに、前記スライド側板１
４を突出させるための切欠き１３ｃが形成されて
いる。そして、前記挾持ブロツク１８にはアーム
１８ｂを介してカムローラ２０Ａが取り付けられ
ており、このカムローラ２０Ａは、挾持解放アー
ム２１と係合することによつて、図示しないばね
に付勢されて前記固定挾持板１２に接近しようと
する移動挾持板１３の移動を規制している。

また、前記スライドブロツク１５には前記スラ
イド側板１４の取り付け部１４ａが取り付けら
れ、このスライド側板１４には、前記載置板１１
および固定挾持板１２と垂直に、集積紙幣の一端
面と接触する当接部１４ｂが形成されている。そ
して、前記取り付け部１４ａには長孔１４ｃ・１
４ｃが形成されており、スライド側板１４は、こ
の長孔１４ｃ・１４ｃをスライドブロツク１５上
面に突設されたピン１５ｂ・１５ｂに外挿させ
て、集積紙幣の長手方向に摺動自在に支持されて
いる。また、このスライド側板１４は、集積紙幣
の他の端面に接触する当接板２２に対向させら
れ、引張りばね２３によつてこの当接板２２から
離れる方向に付勢されるとともに、前記取り付け
部１４ａ端部に取り付けられたカムローラ２０Ｂ
が、金種選択カム２４の突起２４ａに当接される
ことにより、前記当接板２２との間に万円券の長
さより若干大きい間隔をあけられている。

そして、前記金種選択カム２４には、各種紙幣
の長手寸法の差に対応して前記突起２４ａより突
出量の多い突起２４ｂ〜２４ｅが形成され、これ
ら突起２４ｂ〜２４ｅは、カムローラ２０Ｂに当
接して前記スライド側板１４を当接板２２に接近
させ、これらスライド側板１４および当接板２２
の間に集積紙幣を挾持させている。

一方、前記載置板１１の下方には集積紙幣を振
動させる振動板２５が設けられており、この振動
板２５の上部には、集積紙幣の長手側面に接触す
る振動片２５ａ・２５ａが、前記載置板１１の切
欠き１１ｂ・１１ｂに対応して形成され、また、
振動板２５の下部には軸受２５ｂ・２５ｂが取り
付けられ、この軸受２５ｂは、フレーム１６に上
方へ向けて突設されたガイド軸１６ｂ・１６ｂに
摺動自在に外挿されている。さらに、振動板２５
の下部にはカムローラ２０ｃが取り付けられ、こ
のカムローラ２０ｃは、図示しないモータによつ
て回動される加振カム２６と係合して振動板２５
を上、下に振動させている。

また、前記収納部１０は、前記スライドブロツ
ク１５に連結され図示しないモータによつて駆動
される移動用チエイン（移動機構）２７によつ
て、ガイド軸１７に沿つて移動されるようになつ
ている。

以上のように構成された集積紙幣整列装置にお
ける集積紙幣の整列動作および搬送動作について
以下に説明する。

まず、挾持開放アーム２１を第２図矢印ロ方向
に回動させ、固定挾持板１２と移動挾持板１３と
の間隔を集積紙幣の厚さより大きく広げ、さらに
金種選択カム２４の突起２４ａをカムローラ２０
Ｂに当接させ、スライド側板１４と当接板２２と
の間隔を集積紙幣の長手寸法より大きく広げる。

次いでホツパ６から集積紙幣を落下させ、一長
手側面を下方に向けた姿勢で収納部１０内に収納
する。そして、加振カム２６を回動させて振動板
２５を第３図に二点鎖線で示すように上、下に振
動させ、集積紙幣の長手側面を揃える。

そして、金種選択カム２４を回動させてカムロ
ーラ２０Ｂに突起２４ｂ〜２４ｅを択一的に当接
させ、スライド側板１４を集積紙幣の長手方向に
移動させて集積紙幣の端面を揃える。

さらに、挾持解放アーム２１を第２図矢印ハ方
向に回動させて移動挾持板１３を固定挾持板１２
に接近させ、集積紙幣をこれらの間に挾持させ
る。その後当接板２２を退避させ移動用チエイン
２７を第２図矢印ニ方向へ周回させ、集積紙幣を
収納部１０ごと第２図、第３図矢印ホ方向へ移動
させて図示しない結束部へ搬送する。

なお、図示しない結束部では集積紙幣を固定挾
持板１２および移動挾持板１３に挾持させた状態
で結束し、その後、前記挾持解放アーム２１と同
じ構成であつて反対向きの図示しないアームによ
つて一時的に挾持状態を解除し、その間に結束紙
幣を取り出す。

そして、集積紙幣を搬送及び結束した後、移動
用チエイン２７を第２図矢印ヘ方向へ周回させて
収納部１０をホツパ６下方の位置に戻し、当接板
２２を復帰させ、金種選択カム２４の突起２４ａ
をカムローラ２０Ｂに当接する位置に合わせる
と、前記当接板２２とスライド側板１４との間隔
が万円券の長手寸法より長くされる。そして、挾
持解放アーム２１を第２図矢印ロ方向に回動させ
て移動挾持板１３を固定挾持板１２から離間させ
る。このようにして、次の集積紙幣受け取りの準
備状態になるのである。

以上の説明で明らかなように、この考案は搬送
装置から紙幣の長手方向と直角に送り出される集
積紙幣をその一長手側面を下方に向けて収納部に
受け取り、この収納部において前記一長手側面を
振動板に接触させて集積紙幣を上下に振動させる
ようにしたから、収納部内で集積紙幣が整列さ
れ、また、集積紙幣を収納部ごと長手方向に移動
させるようにしたから搬送時に不揃いが生ずるこ
とがない。したがつて、集積紙幣を整列状態のま
ま長手方向に搬送することができ、結束の際に結
束不良が発生しないという効果を有する。加え
て、集積紙幣を挾持板の間にほぼ垂直姿勢に支持
した状態で振動させるようにしたから、紙幣相互
間に作用する摩擦力が小さくなり、小さな振幅の
振動を加えることによつて、紙幣の端部に折れを
生させることなく容易に揃えることができるとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の集積紙幣搬送装置の側面図であ
る。また、第２図〜第４図はこの考案の一実施例
を示すもので、第２図は集積紙幣整列装置の平面
図、第３図は第２図の−線に沿う矢視図、第
４図は第３図の−線に沿う矢視図である。 ７……結束部、１０……収納部、１１……載置
板、１２……固定挾持板、１３……移動挾持板、
１４……スライド側板、２５……振動板、２６…
…加振カム、２７……移動用チエイン（移動機
構）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集積紙幣をその短辺に沿う方向に沿つてかつほ
   ぼ鉛直下方に搬送する搬送手段の下方に設けられ
   て前記集積紙幣をその一長手側面を下方へ向けた
   状態で受け取る収納部と、この収納部の下方に設
   けられ前記一長手側面に接触して集積紙幣を上下
   に振動させる振動板と、前記集積紙幣を収納部ご
   と長手方向に移動させる移動機構とから構成さ
   れ、前記収納部は、前記一長手側面が接触させら
   れる載置板をほぼ水平方向に向けて設けるととも
   に、該載置板に対してほぼ垂直にかつ載置板上の
   集積紙幣を挟んで互いに対向するように一対の挾
   持板を設けてなり、前記載置板には、前記振動板
   を通過させるための切欠きが形成され、前記一対
   の挾持板は、揃えるべき集積紙幣の厚さとほぼ等
   しいかもしくはそれより僅かに小さい対向間隔と
   なる得る位置と、集積紙幣の厚さよりも大きな対
   向間隔となる位置との間で相対的に移動可能に設
   けられたことを特徴とする集積紙幣整列装置。