JPS6339279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、織物、編物等に用いられる光輝性装
飾糸に関する。

〔従来技術とその問題点〕

光輝性装飾糸については、従来より、金属蒸着
フイルムを糸状に裁断したものが周知であり、ま
た、回折格子フイルムや反射型干渉フイルターな
どを利用して、虹色を呈するようにしたものも知
られている。

しかし、これら従来の光輝性装飾糸は、概し
て、色調や光輝状態が単調であり、回折格子フイ
ルム等により虹色を呈するようにしたものでも、
視角の変化に伴なつて虹色色調の変化は見られる
ものの静的であり、いずれも二次元的、平面的な
色調、光輝状態の変化に留まるものであつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、上記のような従来技術の難点を解消
し、多様で、動的、三次元的、立体的な色調、光
輝状態を呈することの可能な光輝性装飾糸を提供
しようとするものである。

(b) 考案の構成 〔課題を解決するための手段〕 三次元画像を記録、再生する手段としてホログ
ラムがあり、近年、情報処理や特殊計測の分野等
に応用されつつあることは知られている。

このようなホログラムは、いわゆる物体光と参
照光が干渉を起して、干渉縞として写真フイルム
その他の感光性フイルムに記録されたものであ
り、そのホログラフイツクフイルムに先の参照光
を照射することにより、観察者は、物体像を三次
元的、立体的に、さらに動的に見ることができる
のである。

本考案は、上記のホログラフイ技術を装飾糸に
応用することによつて先の課題を解決したもので
あり、片面に金属薄膜を形成したホログラフイツ
クフイルムを細幅に裁断してなる光輝性装飾糸に
係るものである。

上記において、ホログラムの記録対象となる画
像の種類に特別の限定はなく、装飾糸の使用目的
や使用態様などに応じて選択すればよい。通常は
比較的細かいランダム模様が好ましいが、一方、
特定の物体像を記録して、織物、編物上にそれを
再現させるようにしてもよい。このようなホログ
ラムの記録されたホログラフイツクフイルム（レ
プリカ複製されたものなどを包含する）は、その
片面に金属薄膜が形成され、虹色、金属光沢、或
いはそれらの混合光沢などを呈する所望の画像
を、三次元的に、あるものは突出し、またあるも
のは奥まつた状態で、しかも視角の変化に伴なつ
て動きのあるように再生することが可能である。

本考案において、金属薄膜の形成は、上記ホロ
グラムの再生に際して光輝性を高めると共に上記
三次元的効果や動的効果をより顕著に生起させる
ことに役立つものである。そのような金属薄膜と
しては純銀、純アルミニウムなどの蒸着膜が一般
的であり、必要に応じて、蒸着膜その他の金属薄
膜上に保護膜を形成することが好ましい。また、
上記のホログラフイツクフイルムを構成するベー
スフイルムの材質としては、例えばポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどを用
いることができる。

〔実施例〕

次に、本考案を図面に基づいて説明する。第１
図は、本考案に係る光輝性装飾糸の一例の断面図
であり、ホログラフイツクフイルム１には虹色を
呈する、細かいランダム模様の画像（図示を省略
する）を三次元的に再生しうるホログラムが記録
され、その片面にアルミ蒸着膜２が形成され、さ
らにそのアルミ蒸着膜２には保護膜３が被覆され
ている。

(c) 考案の効果 以上のように、本考案に係る光輝性装飾糸は、
ホログラフイ技術を応用したものであるため、従
来の光輝性装飾糸には全く見られないような、多
様で、動的、三次元的、立体的な色調、光輝状態
を呈することが可能であり、これらを用いた織
物、編物などに極めて趣のある、高尚な光輝性を
付与することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る光輝性装飾糸の一例の断
面図である。 符号の説明、１……ホログラフイツクフイル
ム、２……アルミ蒸着膜、３……保護膜。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 片面に金属薄膜を形成したホログラフイツクフ
   イルムを細幅に裁断してなる光輝性装飾糸。