JPS6339121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、タイヤの滑り止め用具に係わり、特
に装着した際に走行中タイヤからはずれにくいタ
イヤの滑り止め用具に関する。

〔従来の技術〕

従来、雪道等におけるタイヤの滑り止め用具と
してはタイヤチエーンが用いられてきた。しかし
ながらタイヤチエーンは着脱に手間を要するとと
もに、確実に取り付けるためにはかなりの習熟を
要した。またチエーンを装着すると、走行時に大
きな振動と騒音を発し乗心地が著しく悪化すると
いう問題があつた。

さらに、特開昭51−14604号公報記載のように、
外側面にスパイク等を取付けた防滑バンドをタイ
ヤ接地面に沿うように環状に形成し、且つ防滑バ
ンドの内周面に気密室を環状に形成して内周部分
を向心方向に伸縮可能に設け、この気密室内に圧
力気体を封入することにより防滑バンド内周面を
タイヤ接地面に圧着させるようにしたものもあつ
た。

しかし、この種の防滑バンド等では走行中にタ
イヤからはずれ易いという問題があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そこで、本考案は上記問題点を除くため、着脱
が容易で、かつ、走行中に脱落しない特性をも
ち、その上に振動や騒音が発生しないタイヤの滑
り止め用具を提供するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本考案は、タイヤ
の道路接触面に係合する内周面と、道路に接触す
る外周面と、内部に設けられた周回空洞と、該周
回空洞への空気給排用のバルブとを備え、該外周
面には滑り止め用の凹凸が形成された弾性材製
の、タイヤ外径よりもわずかに大きい内径を有す
る環状のタイヤの滑り止め用具において、前記周
回空洞は、タイヤの滑り止め用具の両側部に設け
られた第１及び第２の周回空洞と、該第１及び第
２の周回空洞を連通する連通孔とからなることを
特徴とするものであり、タイヤの道路接触面両側
縁部を第１及び第２の周回空洞の膨張により押圧
し、タイヤからの脱落を防止するものである。

〔作用〕 このように構成された滑り止め用具はタイヤ外
径よりもわずかに大きい内径Ｄを有しており、こ
れをタイヤに装着した後、バルブから空気を両周
回空洞に圧入する。この圧入空気によつて滑り止
め用具は膨張し、タイヤ道路接触面に密着され
る。

この際に、周回空洞は滑り止め用具の両側部に
設けられた第１の周回空洞、第２の周回空洞、及
び両周回空洞を連通するための連通孔とから構成
されているから、この第１及び第２の周回空洞の
外側部は該空洞に空気を圧入すると第５図Ｂのよ
うに滑り止め用具の内周面側部が大きく膨張し、
タイヤの道路接触面との密着度が向上する。

トレツドパターンはスノータイヤのものとされ
ているから、雪道等におけるタイヤの滑りが防止
される。

なお、本考案の滑り止め用具はバルブから空気
を抜き出すことによつて簡単にタイヤから取りは
ずすことができる。

〔実施例〕

以下添付図面に示す実施例について説明する。

第１図はその斜視図であり、１はタイヤの道路
接触面に係合する内周面、２は道路に接触する外
周面であり、トレツドパターン３が設けられてい
る。４は滑り止め用具内部に設けられた図示され
ない周回空洞への空気給排用のバルブである。こ
の滑り止め用具は、バルブ４を除き弾性材（本実
施例においては強化ゴム）製とされている。

第２図は従来例の断面図であり、滑り止め用具
の内部には周回空洞５が設けられている。このト
レツドパターン３はスノータイヤのトレツドパタ
ーンとされている。

このように構成された滑り止め用具はタイヤ外
径よりもわずかに大きい内径Ｄを有しており、こ
れをタイヤに装着した後、バルブ４から空気を周
回空洞５に圧入する。この圧入空気によつて滑り
止め用具は膨張し、タイヤ道路接触面に密着され
る。

第３図は、他の従来例に係る滑り止め用具の断
面図であり、外周面にスパイク６を設けることに
よつて外周面の凹凸が形成されたものである。こ
のスパイク６によつて氷雪面における滑り防止効
果が得られる。またスパイク６の他にさらに外周
面２に凹凸を刻設し、いわゆるスノーアンドスパ
イク型とすることも可能である。

第４図はさらに他の従来例に係る滑り止め用具
の断面図であり、外周面表面近傍にコード７が周
回するように配設されたものである。

第５図Ａ，Ｂは本考案の実施例に係る滑り止め
用具の断面図であり、第５図Ａは空気圧入前の状
態を、第５図Ｂは空気圧入後の状態を、それぞれ
示すものである。この実施例においては周回空洞
は滑り止め用具の両側部に設けられた第１の周回
空洞８、第２の周回空洞９、及び両周回空洞８，
９を連通するための連通孔１０とから構成されて
いる。

この第１及び第２の周回空洞８，９の外側部は
若干の余裕１１が設けられており、そのため該空
洞８，９に空気を圧入すると第５図Ｂのように滑
り止め用具の内周面側部が大きく膨張し、タイヤ
道路接触面との密着度が向上する。

なお、本考案の滑り止め用具はバルブ４から空
気を抜き出すことによつて簡単にタイヤから取り
はずすことができる。

〔考案の効果〕

本考案は上記の構成であるから、空気給排用の
バルブから空気を圧入することによつて、第１及
び第２の周回空洞が同時に膨張してタイヤの道路
接触面の両側縁部を強固に押圧し、タイヤ道路接
触面から滑り止め用具が脱落するのを防止でき
る。

その上、本考案を装着することによつて走行中
の振動、騒音の発生が防止できる。

また、バルブから空気を抜き出すことによつて
簡単にタイヤからはずすことができ、タイヤへの
着脱が非常に簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る滑り止め用具の
斜視図、第２図，第３図，第４図は従来例を示
し、第５図Ａ，Ｂは本考案の実施例に係る滑り止
め用具の断面図である。 １…内周面、２…外周面、３…トレツドパター
ン、４…バルブ、５…周回空洞、６…スパイク、
７…コード、８…第１の周回空洞、９…第２の周
回空洞、１０…連通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タイヤの道路接触面に係合する内周面と、道路
   に接触する外周面と、内部に設けられた周回空洞
   と、該周回空洞への空気給排用のバルブとを備
   え、該外周面には滑り止め用の凹凸が形成された
   弾性材製の、タイヤ外径よりもわずかに大きい内
   径を有する環状のタイヤの滑り止め用具におい
   て、前記周回空洞は、タイヤ滑り止め用具の両側
   部に設けられた第１及び第２の周回空洞と、該第
   １及び第２の周回空洞を連通する連通孔とからな
   ることを特徴とするタイヤの滑り止め用具。