JPS6338616B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野および目的 本発明は、建造物において、間仕切壁で区分さ
れた隣接する２室の空調装置に関するもので、隣
接する２室を、１室分の空調能力を有する１台の
空調室内機で各別に選択的に空調したり、あるい
は同時に同条件で空調することができ、空調設備
に要するイニシヤルコストおよびランニングコス
トを低減させうる空調装置を提供することを目的
としている。

従来技術 従来の建造物用の空調装置、特に空調室外機と
空調室内機とよりなる装置では、第６図に示され
るように、その空調室内機Ａは、１個の空気吸込
口Ｂと１個の空気吹出口Ｃとを有する１室専用の
ものであり、２室を空調する際には２個の空調室
内機を要し、設備費が高くなる欠点があつた。

また第７図に示されるところの、実開昭56−
63920号公報の考案のように、隣接する建造物ユ
ニツトＤ，Ｅ間の空間Ｆに空調機Ｇを配置し、該
空間を仕切る両ユニツトＤ，Ｅの壁材Ｈ，Ｉにそ
れぞれ空気吸込口Ｊ，Ｋ、空気吹出口Ｌ，Ｍを開
設し、２室同時に空調するものも提案されている
が、一般家庭の場合のように、居間と食堂あるい
は居間と寝室が隣接しており、両室を同時に使用
しない場合でも大容量の空調機を運転して両室を
同時に空調する無駄を避けられなかつた。

発明の構成 本発明は、特許請求の範囲に記載されるよう
に、隣接する２室を区分する間仕切壁に配設され
た１室分の空調能力を有する１台の空調室内機
が、前記各室に各別に開口する空気吸込口と空気
吹出口との組を有しており、各組の空気吸込口と
空気吹出口とを開閉するシヤツターは、一方の室
の空気吸込口と空気吹出口とを全開とし、他方の
室の空気吸込口と空気吹出口とを全開とする位置
と、双方の室の空気吸込口と空気吹出口とをそれ
ぞれ半開とする中間位置とを取りうるよう組み付
けられているという構成とすることにより、隣接
する２室のいずれかを各別に選択的に空調した
り、あるいは２室同時に空調したりできるように
したものである。

実施例とその作用 第１図は、本発明に係る空調装置の使用態様を
示す配置図であつて、建造物における隣接する２
室１，２を区分する間仕切壁３に、１室分の空調
能力を有する１台の空調室内機４が配置されてい
る。図中符号５は空調室外機である。

第２図および第３図は前記空調室内機４の第１
の実施例であり、室内機本体６内には熱交換器７
とフアン８とが配置され、室１側の機壁には空気
吸込口９と空気吹出口１０との組が開設され、室
２側に機壁には空気吸込口１１と空気吹出口１２
との組が開設されている。

しかして、上記空気吸込口９と１１とには、共
通する鎧戸状のシヤツター１３が配置されてお
り、そのシヤツター１３は、第２図に実線で示さ
れるように、空気吸込口９を全閉塞したときは、
他方に空気吸込口１１を全開とし、逆に第２図中
鎖線１４で示されるように、空気吸込口１１を全
閉塞したときには他方の空気吹出口１２を全開
し、長さに設定されている。なお、このシヤツタ
ー１３としては可撓性のある合成樹脂シートであ
つてもよいことは勿論であり、またその摺動機構
は任意のものでよく、駆動装置としては手動機構
であつても、小型モータによる駆動機構であつて
もよいが、いずれも本発明の要旨外の点であり、
その図示は省略されている。図中符号１５，１６
はフイルターである。

また前述の空気吹出口１０と１２とにも、前記
シヤツター１３と同様のシヤツター１７が配設さ
れ、実線で示されるように空気吹出口１０を閉塞
したときには他方の空気吹出口１２を開き、逆に
鎖線１８で示されるように、空気吹出口１２を全
閉塞したときには、空気吹出口１０を全開できる
長さに設定されており、その材質、摺動機構、駆
動機構は、シヤツター１３と同様であるが、シヤ
ツター１３と１７とは互いに連動するように構成
されている。

上述のシヤツター１３と１７とは、第２図に示
されるように、空気吸込口９，１１および空気吹
出口１０，１２を全開、全閉とする位置の外に、
第３図に示されるように、各空気吸込口９，１１
と空気吹出口１０，１２とを共に半開としうる中
間位置をも占めうるように構成されている。

上述の実施例において、シヤツター１３，１７
が第２図中実線で示されるように空気吸込口９と
空気吹出口１０を全閉塞しているときは、室１は
空調されず、空気吸込口１１と空気吹出口１２と
が全開とされている室２のみが空調され、シヤツ
ターが符号１４，１８で示す鎖線位置を占めたと
きは、室１が空調され、室２は空調されない。そ
して第３図に示される中間置にシヤツター１３，
１７が導かれたときには、室１，２が、空調度合
は低下するものの同時に空調されるものである。

シヤツター１３，１７を以上説明したように移
動させる手段としては、手動でもよいし、図示を
省略したコントロール盤で制御するようにしても
よい。

第４図は第２の実施例を示しており、第２図に
示す空調室内機４と同一構成の室内機本体６、熱
交換器７、フアン８、室１側の空気吸込口９、空
気吹出口１０、室２側の空気吸込口１１、空気吹
出口１２を備える空調室内機１９は、室内機本体
６の前後壁２０，２１に縦設されたヒンジ軸２
２，２３により、空気吸込口９，１１を選択的に
交互に全開閉するシヤツトダンパ２４と、空気吹
出口１０，１２を選択的に交互に開閉するシヤツ
トダンパ２５を支持している。

上述のシヤツトダンパ２４，２５とは、第４図
中実線で示すように、室１側の空気吸込口９と空
気吹出口１０とを共に全閉塞する第１の位置と、
第４図中鎖線２６，２７で示されるように、室２
側の空気吸込口１１と空気吹出口１２とを共に全
閉塞する第２の位置と、更に、同図中符号２８，
２９で示すように、空気吸込口９，１１の中間位
置および空気吹出口１０，１２の中間位置たる第
３の位置との３種の位置を選択的に占めうるよう
に構成されている。

シヤツトダンパ２４と２５とが、前記第１の位
置を占めたときは、室１は空調されず、室２のみ
が空調され、シヤツトダンパ２４と２５とが前記
第２の位置を占めたときは、室１が空調され、室
２は空調されず、シヤツトダンパ２４と２５とが
前記第３の位置を占めたときは、室１，２が同時
に空調されるものである。なお、シヤツトダンパ
２４，２５の駆動は手動でもあるいは駆動モータ
とコントロール盤とによる自動制御機構であつて
もよい。第４図中符号３０，３１はフイルターで
ある。

第５図は第３の実施例を示しており、既述の第
１、第２の両実施例における空調室内機と同一構
成の室内機本体を有する空調室内機３２は、室１
側に空気吸込口３３と空気吹出口３４とを備え、
室２側にも空気吸込口３５と空気吹出口３６とを
備えており、各空気吸込口と空気吹出口とには、
選択的に全開姿勢と全閉姿勢とを採りうる回動ル
ーバー３７，３８，３９，４０が配備されてい
る。

第５図においては室１側の回動ルーバー３７，
３８が全開姿勢に在り室１が空調され、室２側の
回動ルーバー３９，４０は全閉姿勢に在り室２は
空調されないが、各ルーバーが逆姿勢となれば室
１，２の空調状態も逆となるし、各ルーバーが共
に半開姿勢となれば、室１，２共に空調される。

上述のように各ルーバーに選択的に各姿勢を採
らせる操作は手動によつても、あるいは駆動モー
タとコントロール盤とにより自動的に行なつても
よいが、その具体的機構は本発明の要旨ではない
ので、図示は省略されている。

発明の効果 本発明は、以上説明した構成、作用のものであ
つて建造物における間仕切壁で区分された隣接す
る２室を、１室分の空調能力を有する１台の空調
室内機により、選択された室ごとに空調すること
ができ、また２室同時に空調することもできる効
果を奏するし、機構も簡単であり、１室分の空調
能力を有する１台の空調室内機を設備すれば２室
の空調が可能となるので、設備費を低減させうる
効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る空調装置の配置の１例を
示す建造物の略示横断面図、第２図は本発明に係
る空調室内機の第１の実施例の略示横断面図、第
３図は第２図に示されるものの異なる使用態様に
おける略示横断面図、第４図は第２の実施例たる
空調室内機の略示横断面図、第５図は第３の実施
例たる空調室内機の略示横断面図、第６図は従来
の空調室内機の略示横断面図、第７図は公知の空
調装置の配置を示す建造物の略示横断面図であ
る。 １，２：室、３：間仕切壁、４：空調室内機、
９，１１：空気吸込口、１０，１２：空気吹出
口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 隣接する２室を区分する間仕切壁に配設され
   た１室分の空調能力を有する１台の空調室内機
   が、前記各室に各別に開口する空気吸込口と空気
   吹出口との組を有しており、各組の空気吸込口と
   空気吹出口とを組ごとに全開閉するシヤツター
   は、一方の室の空気吸込口と空気吹出口とを全開
   とし、他方の室の空気吸込口と空気吹出口とを全
   閉とする位置と、双方の室の空気吸込口と空気吹
   出口とをそれぞれ半開とする中間位置とを取りう
   るよう組み付けられていることを特徴とする建造
   物の空調装置。