JPS6338567B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はピンタイプデイスクブレーキの改良に
関するものである。

機械装置一般にそうであるように車両に装備さ
れるブレーキ装置においても軽量化、簡略化は常
に求められている課題の一つであり、特に車両の
装備装置ではエネルギー効率の向上等の観点から
その傾向が大きくなつている。そこで本出願人は
このような目的に沿つたブレーキ装置として、デ
イスクの一側方に配置したサボート（又はナツク
ル）にデイスク縁部外方を軸方向に横切る左右一
対のガイドピンを固定し、このガイドピンによつ
て、一対の対向摩擦パツドをデイスクに挾圧させ
るキヤリパをデイスク軸方向移動可能に支持する
と共に、前記対向摩擦パツドを同様に移動可能に
支持し、更にこれら摩擦パツドに生ずるブレーキ
トルクを夫々異なるガイドピンにより分散支承し
て特にサポートの簡略・軽量化を達成するものを
既に提供している。

本発明はこのピンタイプデイスクブレーキを更
に改良したものである。即ちこの種のデイスクブ
レーキを構成するに際して、キヤリパ及び摩擦パ
ツドを支承するガイドピンは強度的には大きな径
のものとすることが当然望ましいと言えるが、他
方ブレーキ装置の組付け部分は既知の如くあまり
組付け容積の余裕のないのが普通であり、特にデ
イスクの外縁部分はホイールの内径によつてその
隙間量が制約されている。

そこで本発明においては、このような制約のあ
るブレーキ装置においてのガイドピンの強度を出
来るだけ有利なものとできるようにした形状のガ
イドピンを有するピンタイプデイスクを提供する
ものである。

即ち本発明は、車体固定部よりデイスクの一側
方部分に延設固定されたサポート又はナツクル
に、デイスクの縁部外方を横切つてその軸方向に
延びる左右一対のガイドピンを夫々その中間部で
固定し、これらガイドピンのデイスクとは反対側
に延出する一端部側によりキヤリパを該デイスク
の軸方向移動可能に支承し、ガイドピンのもう一
方の延出端部側によりデイスクを挾圧する対向摩
擦パツドを該デイスク軸方向移動可能に支承する
と共に、これら摩擦パツドに生ずるブレーキトル
クを互いに異なるガイドピンにて支承するよう構
成したピンタイプデイスクブレーキにおいて、前
記左右一対のガイドピンは、夫々摩擦パツドを支
承する側の延出端部側がサポート又はナツクル近
傍の大径部とデイスク縁部外方から先端部に至る
細径部の２つの異径部を有するよう構成したこと
を特徴とするピンタイプデイスクブレーキであ
る。

以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明
する。

図において１はデイスク、２は車体固定部より
延設されたサポートであり、下記キヤリパの収容
されるデイスク径外方に開いた凹部３を形成する
よう左右一対の腕部４，４が設けられている。
５，５は、これら腕部４，４の上端に中間部が螺
着固定された左右一対のガイドピンであり、サポ
ート２からデイスク軸の両方向に延出された２つ
のガイドピン部分を備えている。６はデイスク１
の縁部に跨座するよう配置されたキヤリパであ
り、パツド押圧機構を内蔵したインナー側におい
て左右に突出されたボス部６ａ，６ａが、前記ガ
イドピン５，５のデイスク１とは反対側方向に延
出された端部側のガイドピン部分に滑合してデイ
スク軸方向移動可能に支承されている。７はブー
ツと一体のブツシユである。

８はインナーパツド、９はアウターパツドであ
り、これらはデイスク１を挾んで対向するよう配
置されて夫々左右一対のガイドピン５，５により
デイスク軸方向移動可能に支承されると共に、
夫々異なるガイドピンに対して円形の嵌合と回り
止めのための遊嵌関係をなしてブレーキトルクを
分散して受けるように設けられている。１０はガ
タ止め用のパツドクリツプである。

以上の構成において、ガイドピン５のインナ
ー・アウターの両パツド８，９を支承するガイド
ピン部は、第３図に示す如くホイール１１の存在
によつて比較的狭い隙間部分でデイスク縁部の外
方を横切つている。そこで本発明においては、該
ガイドピン５のサポート２からデイスク１の縁部
外方に至る余裕のある部分ではガイドピン５を太
径にし、一方デイスク縁部外方から先端に至る容
積的制限のある部分では、これに合わせてガイド
ピン５を細径としたものである。

このような構成によれば、同一径のガイドピン
を用いていた従来のものと比べ、容積的余裕のあ
る部が太径となつた分だけガイドピン５のたわみ
変形量は小さくできるため、この変形に伴つて生
ずることのある悪影響を可及的小ならしめること
ができることとなり、その実用上の利益は極めて
大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明よりなるピンタイプデイスクブレ
ーキの一実施例を示すものであり、第１図は一部
断面を含む平面図、第２図は正面図、第３図は部
分側断面図である。 １……デイスク、２……サポート、３……凹
部、４……腕部、５……ガイドピン、６……キヤ
リパ、６ａ……ボス部、７……ブーツ、８……イ
ンナーパツド、９……アウターパツド、１０……
パツドグリツプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体固定部よりデイスクの一側方部分に延設
   固定されたサポート又はナツクルに、デイスクの
   縁部外方を横切つてその軸方向に延びる左右一対
   のガイドピンを夫々その中間部で固定し、これら
   ガイドピンのデイスクとは反対側に延出する一端
   部側によりキヤリパを該デイスクの軸方向移動可
   能に支承し、ガイドピンのもう一方の延出端部側
   によりデイスクを挾圧する対向摩擦パツドを該デ
   イスク軸方向移動可能に支承すると共に、これら
   摩擦パツドに生ずるブレーキトルクを互いに異な
   るガイドピンにて支承するよう構成したピンタイ
   プデイスクブレーキにおいて、前記左右一対のガ
   イドピンは、夫々摩擦パツドを支承する側の延出
   端部側がサポート又はナツクル近傍の大径部とデ
   イスク縁部外方から先端部に至る細径部の２つの
   異径部を有するよう構成したことを特徴とするピ
   ンタイプデイスクブレーキ。