JPS6338205Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は糸巻機の一対のボビンホルダーの一方
に嵌着される糸掛けデイスクに関するものであ
り、詳しくは、糸巻機における自動玉揚げ工程に
関連して行われるボビン交換時に、空ボビンへの
糸掛けと糸切断とを確実容易になし得るようにし
たボビンホルダーに嵌着される糸掛けデイスクを
提供することを目的とするものである。

即ち、本考案の糸掛けデイスクはデイスクの周
縁を分割して複数の糸切溝を凹設し、該糸切溝若
しくはその回転方向の直後のボビン保持側の鍔面
に接着固定した面フアスナーのフツクシート等の
糸係止部材を有することを特徴とする。

以下、図面に示す実施例によつて詳しく説明す
る。

第１図は糸巻機の概略図、第２図は糸巻機の要
部斜視図、第３図は本案のボビンホルダー用糸掛
けデイスクのボビン保持側面が表れる斜視図、第
４図は第３図の裏面側のボビンホルダーに嵌着さ
れる側面が表れる斜視図、第５図は糸巻機のボビ
ンホルダーに嵌着された糸掛けデイスクにボビン
が装着された状態の要部斜視図、第６図は一対の
ボビンホルダーの一方に糸掛けデイスク、他方に
保持デイスクを嵌着し、その両者間にボビンを挟
持した状態を示す断面図であり、第７図、第８図
は走行糸条が糸掛けガイドにより糸掛けデイスク
周縁に案内されて糸掛けされる状態を示す説明的
な側面図、正面図である。第９図はボビンに糸の
巻付けが行われ始めた状態を示す正面図である。
第１０図、第１１図は糸掛けデイスクの他の実施
例を示す斜視図である。

第１図及び第２図において、３１は糸巻機のボ
ビン駆動用のフリクシヨンローラー、２０はボビ
ン、２１，２３はボビンホルダー、１はボビンホ
ルダー２１，２３の内側面に回転自在に嵌着され
た本案の糸掛けデイスクであつて、ボビン２０の
一端に嵌着してボビン２０と共に一体となつて回
転するものである。３２は糸巻機の前面に、フリ
クシヨンローラー３１の軸と平行に延設されたト
ラバースガイド管、３３は固定糸ガイド、３４は
可動糸ガイド、３５はオイリングローラー、３６
は供給糸条Ｙをトラバースさせるトラバースガイ
ドピンである。

なお３０はボビン２０前方の糸掛けデイスク１
に対応する位置において、供給糸条Ｙを捕捉して
糸掛けデイスク１に対して進退可能に設けられた
糸掛けガイドである。

糸掛けデイスク１は、硬質合成樹脂又は金属製
のものであり、その周縁を等分割して糸切溝２が
凹設される。該糸切溝２の回転方向の後縁は尖鋭
な糸切刃３となつている。糸掛けデイスク１の一
側面は第３図に示すように周縁の鍔面４から突出
する突円部５が設けられ、他側面は第４図に示す
ように円状凹陥部６と該円状凹陥部６の底面から
側方に向けて環状に突出する多数の突片７が設け
られる。

上記の突円部５はボビン２０端を係合保持する
ためのものであり、環状に突出する多数の突片７
はボビンホルダー２１の側面に軸着された軸受２
２に糸掛けデイスク１を嵌着固定するものであ
り、これらの構造は従来の糸掛けデイスクと変る
ところはないものである。

８は糸係止部材であるところの面フアスナーの
フツクシートであり、基布面から突出した多数の
フツクフイラメントを植設したシートよりなり、
該フツクフイラメント面を表面として、前記糸切
溝２の糸切刃３の回転方向の直後のボビン２０の
保持側の鍔面４に接着等の手段により固定され
る。

本案の糸掛けデイスク１は上述の構成よりなる
もので、これを第５図、第６図に示すように、糸
巻機の一対のボビンホルダー２１，２３の一方の
ボビンホルダー２１の軸受２２に嵌着固定し、他
方のボビンホルダー２３の軸受２４に通常の保持
デイスク１１を嵌着固定することにより、糸掛け
デイスク１と保持デイスク１１との間にボビン２
０が挟持され、該ボビン２０が糸巻機の駆動フリ
クシヨンローラー３１に接することにより、第７
図、第８図及び第９図に矢印で示す方向に回転さ
れるものである。

従つて、糸巻機における満管玉揚げ、空ボビン
の装着が行われ、空ボビン２０を保持した一対の
ボビンホルダー２１，２３が揺動降下して駆動フ
リクシヨンローラー面にボビン２０が接した時点
で糸巻機の前面で供給糸条Ｙを捕捉した二股片よ
りなる糸掛けガイド３０が第７図、第８図に示す
ように糸掛けデイスク１を挟む位置まで突出する
と、糸掛けガイド３０の二股片間に掛け渡された
走行する糸条が糸掛けデイスク１の糸切溝２内に
案内され、その糸切刃２に係合し回転方向に引張
られながら切断されるとともに、その供給側の糸
切断端は糸切刃３の直後に位置するフツクシート
の糸係止部材８面に係止されて、ボビン２０面へ
の巻取りが行われ、一方の切断糸側は通常の吸引
装置に吸い込まれて排除され、また糸掛けガイド
３０は原位置に引き込んで糸掛け工程が終る。

なお、第１０図、第１１図に示されるように糸
掛けデイスク１を、フツクシートの糸係止部材８
を糸切溝２からボビン２０の保持側の鍔面４に亘
つて貼着したものとしてもよい。

本考案の糸掛けデイスクは、上述のように糸巻
機の一対のボビンホルダーの一方に装着すること
により、交換された空ボビンに対する供給糸条の
糸掛け時に、糸切断と同時に切断糸端を糸掛けデ
イスクの鍔面の面フアスナーのフツクシートによ
り保持して容易確実に糸掛けが行い得るものであ
り、満管ボビンから余分の糸端が垂れ下ることが
ないので、玉揚げ後の操作に障碍を生じないな
ど、特に糸巻機の自動玉揚げ工程の安定操業に貢
献するところは甚だ大きなものがある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
糸巻機の概略図、第２図は糸巻機の要部斜視図、
第３図はボビンホルダー用糸掛けデイスクのボビ
ン保持面側が表れる斜視図、第４図は同じくボビ
ンホルダーに嵌着される側面が表れる斜視図、第
５図は糸巻機のボビンホルダーに嵌着された糸掛
けデイスクにボビンが装着された状態の要部斜視
図、第６図は一対のボビンホルダーにボビンが挟
持された状態を示す断面図、第７図、第８図は走
行糸条が糸掛けガイドにより糸掛けデイスク周縁
に案内されて糸掛けされる状態を示す説明的な側
面図、正面図である。第９図はボビンに糸の巻き
付けが行われ始めた状態を示す正面図、第１０
図、第１１図は糸掛けデイスクの他の実施例を示
す斜視図である。 １……糸掛けデイスク、２……糸切溝、３……
糸切刃、４……鍔面、５……突円部、６……円状
凹陥部、２１，２３……ボビンホルダー、２２，
２４……軸受、３０……糸掛けガイド、Ｙ……糸
条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デイスク１周縁を分割して凹設された糸切溝２
   と該糸切溝２若しくはその回転方向の直後の、ボ
   ビン保持側の鍔面４に固設された糸係止部材８と
   を有することを特徴とする糸巻機のボビンホルダ
   ー用糸掛けデイスク。