JPS6337963Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） この考案は、医科で使用する抗性物質、生理食
塩水等の液体を入れて加熱滅菌するプラスチツク
ボトルの変形を防止するさめの変形防止具に関す
る。

（背景技術） 医科で使用する生理的食塩水等の液体を、プラ
スチツクボトルに入れて加熱滅菌することが行な
われている。

第１図はこの滅菌処理の概要を例示するもの
で、密閉できる蒸気滅菌器１内の棚２に、被処理
液体を入れたプラスチツクボトル３を置き、蒸気
管４から電磁弁５を経て滅菌器１内に蒸気を送つ
てボトル３を加熱し、排気管６から電磁弁７を経
て適度に器内を排蒸し、加熱を終つたならば電磁
弁５を閉じて蒸気を止め、電磁弁９を開いて水管
８から冷却水を器内に送つてボトル３を冷却し、
冷却終了後ボトルを滅菌器から取出すのである。
冷却水の代りに気体（空気、窒素、二酸化炭素
等）を送給して気体冷却するものもある。

ボトル３としては、近年はポリエチレン、ポリ
プロピレン等のプラスチツクボトルが使用される
ようになつて来たが、プラスチツクボトルは、加
熱により材料が軟化するので変形防止を考慮しな
ければならない。即ち、蒸気加熱によりボトル３
は外圧を受けると共に、液体の蒸気による内圧を
受けるので、内外圧の差が大き過ぎると、軟化し
たボトルに変形を生じてしまう。

この変形現象を避けるため、第１図に例示した
ように、滅菌器内のボトルの一つをサンプルボト
ル３ａとしてその内圧を管１０により差圧スイツ
チ１１に導き、滅菌器内の圧力を管１２により同
スイツチ１１に導いて、両者の差圧が大きくなり
過ぎたときは差圧スイツチ１１の信号に基き電磁
弁５，７を制御して、この差圧を許容範囲に納め
るように操作されていた。

しかしながら、所定時間の滅菌が終り、電磁弁
５を閉じて給蒸を停止し、電磁弁９を開いて冷却
水を滅菌器内に供給する冷却段階において、ボト
ル３は第２図のような変形を生じ易い。これは蒸
気による外圧が除かれること、ボトル内の液体は
未だ高温であり内圧が高いことのため、未だ軟化
状態にあるボトルの胴部３ｂが内圧により膨張す
るものと考えられる。ボトルの首、肩の部分は、
内圧に対して比較的強いことと比熱が小さく冷却
が早いことのため、変形を生じ難い。

（本考案の目的） この考案は、上記のような冷却時のプラスチツ
クボトルの変形を生じさせない変形防止具を得る
ことを目的としたものである。

（本考案の構成） 本考案の変形防止具は、プラスチツクボトルの
胴部の横断面形に等しい横断面形を持ち、胴部に
嵌合すると共に、ボトルの変形を抑えられる強度
を持つ筒形に形成したものである。筒形の上部
は、天井板で塞いでもよい。

（本考案の実施例） 第３図は、本考案の実施例の第一例を示す。変
形防止具１３は、プラスチツクボトルの胴部３ｂ
の横断面形に等しい横断面形を持ち、胴部３ｂに
摺動自在に嵌合する筒部１３ａの上部を、天井板
１３ｂで塞いだ構造のもので、ボトルの胴部３ｂ
を外れた部分およびボトルの首部の上方を外れた
天井板部分に通孔１４を穿設したものである。

通孔１４は冷却水（気体冷却の場合は冷却気
体）を防止具１３の内部に入れるためのものであ
る。

第４図は気体冷却する場合に適した変形防止具
の第二例を示し、防止具１３をボトルの胴部のみ
を囲むように形成したものである。通孔１４は穿
設しない。

第５図は、ボトルの肩部をも抑えられるように
形成した変形防止具の第三例を示す。

何れの場合も、変形防止具１３は、伝熱性をよ
くするためと強度を大にするために金属製とし、
防錆のためにはステンレス鋼を用いることが有効
である。

（本考案の効果） (1) プラスチツクボトルの冷却時に変形する胴部
３ｂは、変形防止具１３の胴部１３ａに嵌合し
て膨張を抑えられるから、第２図のような変形
を生じさせない。

(2) 天井板１３ｂは、ボトルの首部、肩部が冷却
水により急激に冷却されるのを防止する。

(3) 天井板１３ｂはまた、ボトルのキヤツプの締
付け不足等でシールが悪い場合でも、冷却水が
ボトル内に侵入するのを防止できる。そのため
には天井板に通孔１４を設けないか、周縁に片
寄らせて設ける。

(4) ボトルを気体冷却する場合は、第４〜５図の
形状の変形防止具が使える。

(5) ボトルの胴部３ｂの横断面形が円でなく四角
形のような内圧により変形し易いものでも、有
効に変形を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は加熱滅菌器を例示する略図、第２図は
プラスチツクボトルの変形状態を示す側面図、第
３図は本考案の実施例の第一例を示す縦断面図、
第４〜５図は同じく第二〜三例を示す縦断面図で
ある。 １：蒸気滅菌器、２：棚、３：プラスチツクボ
トル、３ａ：サンプルボトル、３ｂ：胴部、４：
蒸気管、５，７，９：電磁弁、６：排気管、８：
水管、１０，１２：管、１１：差圧スイツチ、１
３：変形防止具、１３ａ：筒部、１３ｂ：天井
板、１４：通孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 加熱滅菌用プラスチツクボトル３の胴部３ｂ
   の横断面形に等しい横断面形を持ち、この胴部
   ３ｂに摺動自在に嵌合する筒形で、滅菌時のボ
   トル内圧を抑えられる強度を持つ加熱滅菌用プ
   ラスチツクボトルの変形防止具。 ２ 実用新案登録請求の範囲１において、変形防
   止具の筒形の筒部１３ａの上部を天井板１３ｂ
   で塞ぎ、この筒部１３ａのプラスチツクボトル
   の胴部３ｂを外れた部分および天井板１３ｂの
   ボルトの首部の上方部分を外れた部分に、通孔
   １４を穿設した加熱滅菌用プラスチツクボトル
   の変形防止具。