JPS6337686B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はダイカスト機、プラスチツク成形機等
の射出成形機の型締安全方法および装置に関す
る。

従来、ダイカスト機、プラスチツク成形機等の
型締機には、作業の安全を確保するため種々の安
全装置が取付けられている。この安全装置には、
例えば安全ドアー式安全装置、光電管式安全装
置、両手押釦式安全装置がある。

安全ドアー式安全装置は、固定型を取付けた固
定ダイプレートに、移動型を取付けた移動ダイプ
レートが突き合わされて型閉めが行われている際
には、安全ドアーが閉じて型の近傍に人身が近よ
れないようにすることにより作業の安全を確保す
るものである。この安全装置は、型が完全に開い
ているときに安全ドアーが開いて所望の作業を行
うようになつているため、電気系統などの故障で
突然移動ダイプレートが型閉め方向に動き出した
り、或は、型閉めが終了して移動ダイプレートが
型開き方向に戻る際に事故が発生して型閉め方向
に逆戻りすると、人身事故を起こし易く作業の安
全を確保することができない問題があつた。

光電管式安全装置は、型が開いた状態で移動ダ
イプレートと固定ダイプレートとの間に作業者が
いて作業している場合には、移動ダイプレートと
固定ダイプレートとの間に流通させた赤外線等の
光線を人身が遮断することにより、その遮断信号
によつて型閉方向に移動ダイプレートが動き出さ
ないようにして安全を確保するものである。この
安全装置においても遮断信号を受信する光電管等
の電気系統に故障が起きると、作業中に移動ダイ
プレートが型閉め方向に移動して人身事故等を発
生する問題があつた。

また、両手押釦式安全装置は、移動ダイプレー
トの移動開始スイツチを２つ以上のスイツチに分
けて設けたものであり、移動開始の際は必ず作業
者が両手でスイツチ操作をしなければ移動ダイプ
レートを移動できないようにすることにより安全
を確保するものである。この安全装置においても
作業中に誤つて別の作業者がスイツチを入れたり
すると、移動ダイプレートが型閉め方向に移動し
て人身事故を起こす問題があつた。

本発明はかかる点にかんがみなされたものでそ
の目的は事故や誤動作で型閉め方向に移動し始め
た移動ダイプレートの移動を止めることにより、
作業の安全を確保することができる射出成形機の
型締安全方法および装置を提供するものである。

本発明の他の目的は機械本体の移動部材を利用
するので安全装置としてのコストが低く、かつそ
の設置場所も保守点検に便利な場所に設けた射出
成形機の型締安全方法および装置を提供するもの
である。

以下、本発明の詳細を図面により説明する。第
１図はダイカスト機の型締機構の概略説明図で、
６は型締シリンダ７を固着しさらにトグル機構８
等を支持するリンクハウジング、９は固定ダイプ
レートで、固定金型１０を固着する。１１は移動
ダイプレートで、移動金型１２を固着し型締シリ
ンダ７内のピストンロツド１３の左右動に従つて
トグル機構８によつて力が拡大され固定ダイプレ
ート９に対し型開放および型締を行う。１４はク
ロスヘツドで、型締シリンダ７のピストンロツド
１３の動きをトグル機構８に伝達するものであ
る。

本発明の安全装置を第２図について述べると、
１５はクロスヘツド１４に挿着され同クロスヘツ
ド１４の左右動を案内するガイド棒である。１６
はガイド棒１５の軸芯方向に伸長する変位検出基
準尺で、同基準尺１６の外周には軸芯方向に所定
間隔で強弱の磁性帯を螺旋状の縞目模様（図示せ
ず）になつてクロスヘツド１４に固着されてい
る。

１７ａ，１７ｂは例えば磁気抵抗素子の変位検
出器で、変位検出基準尺１６に近接するようにリ
ンクハウジング６に固着した取付板１８に取着さ
れており変位検出器１７ａは変位検出基準尺１６
の前進、（図で右行、ダイカスト機の型締動作）
変位検出器１７ｂはその後退（図で左行、ダイカ
スト機の型開動作）を検出するために両変位検出
器１７ａ，１７ｂは第３図に示すように位相が
90゜ずれた位置関係にある。１９，２０はダイカ
スト機の型締限、型開限をそれぞれ検出するリミ
ツトスイツチである。２１は型締シリンダ７の動
作用の電磁弁で図示しない油圧源に連通されてい
る。

次に本実施例の動作を第２図、第４図により説
明する。第２図は電磁弁２１のソレノイド２１ｂ
の励磁で型締シリンダ７のピストン５は後退した
状態を示した位置にあつて移動ダイプレート１１
は型開きの位置にあり、リミツトスイツチ２０は
ONして移動ダイプレート１１の型開限を検知し
ている。この状態で例えば型締シリンダ７のピス
トンロツド１３が折損すると、同ピストンロツド
１３はロツドの断面積に作用する油圧力により図
で右行して移動ダイプレート１１は型締動作に入
り、変位検出基準尺１６は移動ダイプレート１１
に協動し、第２図で右行する。このため変位検出
器１７ａ，１７ｂからはそれぞれ第４図に示すよ
うにパレス信号Ａ，Ｂを連続的に発し、同パレス
信号が移動ダイプレート１１の前進後退を判別す
る公知の位相差判別回路２２に入る。

一方、移動ダイプレート１１を型開眼に位置さ
せるための電磁弁２１のソレノイド２１ｂの電気
信号は第１、第２のアンド回路２３，２４に入つ
ているので、位相差判別回路２２から型締信号が
第１のアンド回路２３に入ると、同アンド回路２
３からは異常型締の信号が出て同信号により電磁
弁２１を中立にするかもしくは電源をOFFにす
る。よつて型締シリンダ７のピストンロツド１３
は第２図で型締方向（第２図で右行）に移動せず
停止する。

なお位相差判別回路２２から型開信号が第２の
アンド回路２４に入ると同アンド回路２４からは
正常の信号が出るので、電磁弁２１はソレノイド
２１ａが励磁の状態を保持する。

本実施例では変位検出器２２として磁気抵抗素
子の場合について説明したが、このほか公知の光
電管を用いたり、加減算のできるデジタルリニヤ
スケール等を使用して実施できることは云うまで
もない。

さらに本実施例においては変位検出基準尺１６
の磁性帯の縞目模様を螺旋状にしたが、磁性帯を
螺旋状にしないで所定間隔の強弱の磁性帯を交叉
に設けてもよい。

第５図ないし第９図は変位検出器２２と変位検
出基準尺１６の磁性帯の縞目模様を他の移動部材
に設けてパルスを検出する検出手段の他の実施例
を示す概略図で、図中、第２図と同一作用のもの
は同一符号で示して説明を省略する。

以上説明したように、本発明に係る射出成形機
の安全方法および全装置によれば、移動ダイプレ
ートの移動に伴つて移動する移動部材にデジタル
スケールを取着し、このデジタルスケールおよび
変位検出器によつて発するパルスによつて射出成
形機の型開き動作中であることを確認するように
なつているので、突発的な事故や誤動作によつて
移動ダイプレートが型締方向に移動し始めても、
直ちにその移動を止めて人身事故等の発生を防止
し、作業の安全を確保することができる等顕著な
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はダイカスト機の型締部の一部断面側面
図、第２図は本考案の一実施例を示す概略図で、
第１のＸ―Ｘ線による断面図、第３図第２図のＹ
―Ｙ線による断面図、第４図は本考案の一実施例
における動作説明図、第５図ないし第９図は本考
案の他の実施例を示す概略図である。 ５…ピストン、６…リンクハウジング、７…型
締シリンダ、８…トグル機構、９…固定ダイプレ
ート、１０…固定金型、１１…移動ダイプレー
ト、１２…移動金型、１３…ピストンロツド、１
４…クロスヘツド、１５…ガイド棒、１６…変位
検出基準尺、１７ａ，１７ｂ…変位検出器、１８
…取付板、１９，２０…リミツトスイツチ、２１
…電磁弁、２１ａ，２１ｂ…ソレノイド、２２…
位相差判別回路、２３…第１のアンド回路、２４
…第２のアンド回路、２５…タイバー、２６…フ
レーム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 型の開閉に伴つて移動する移動ダイプレート
   の動きをパルス信号として検出することにより、
   型締動作、型開動作の正常性（型締指令に対する
   型締動作、型開指令に対する型開動作）および異
   常性（型締指令に対し型開動作をすること、型開
   指令に対し型締動作をすること）を判断し異常動
   作をした場合には型締シリンダの駆動源を自動的
   に切ることを特徴とする射出成形機の型締安全方
   法。 ２ 射出成形機の型開閉に伴つて前後進する移動
   部材と、同移動部材に敷設もしくは取着しパルス
   を発する変位検出基準尺と、同変位検出基準尺の
   パルスを検出する90゜位相差の関係を有する複数
   の変位検出器と、同変位検出器のパルスによつて
   射出成形機の型締型開方向を判別する位相差判別
   回路とから構成され、前記位相差判別回路からの
   信号によつて射出成形機の型締シリンダの駆動源
   を自動的に切りの状態にすることを特徴とする射
   出成形機の型締安全装置。