JPS6337555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガスケツトの材質構成に関し、具体的
には半円状湾曲部、およびこの半円状湾曲部両端
から延びる平面部を備えたガスケツトの材質構成
の改良に関するものである。

従来、例えば内燃機関エンジン等の半円突起部
と平面部を有する部材を密封するガスケツトは、
半円状湾曲部とこれに連なる平面部よりなり、該
ガスケツトにシリンダーヘツドカバー、またはオ
イルパン等のカバー部材を被せ締着結合するもの
であるが、この締着時ガスケツトの半円状湾曲部
分は締着手段が少ないため平面部の締付け圧力よ
り劣り油漏れを発生させることが多くあつた。

この欠点を解消するためガスケツトの半円状湾
曲部を平面部の厚みより増して設けた構造、ある
いは該半円状湾曲部は弾性パツキンを使用し、平
面部をシートパツキンでそれぞれ個別に構成した
方法などが考案されているが、構造が複雑になり
作業性が悪化し組付け不良を起す危険があるなど
多くの欠点があつた。

本考案はこの様な欠点を除去し構造が簡単で組
付けの容易な、しかもシール性の極めて良好なガ
スケツトを提供するものである。

以下、図面を参照しつつ詳述する。

本考案は第１図、第２図、第３図で示すごとく
合成ゴム、合成樹脂、コルクあるいはこれらの合
成体等の弾性体で形成されたガスケツトＡであつ
て、該ガスケツトＡは半円状湾曲部１と、該半円
状湾曲部１の両端から屈曲して延びる平面部２か
らなり、該半円状湾曲部１に軟質弾性体基材を用
い、平面部２に硬質弾性体基材を用いた構成とし
この二基材を同時加硫して結合一体化した密封用
ガスケツトである。

このガスケツトＡの半円状湾曲部１に用いる軟
質弾性体の硬度は、一般的な使用においては
HS40〜60を最適とし、平面部２に用いる硬質弾
性体はHS70〜85を最適なシール材硬度とするが、
使用場所または要求シール性能等の違いにより、
前述硬度以外の硬度でそれぞれ構成しガスケツト
Ａを形成しても差支えない。

この様な構造を有するガスケツトＡは、第１図
のごとくカバー部材３に該ガスケツトＡを被せボ
ルト等の締付け具でシール部材に締着するとき、
平面部２は従来と同様十分な締付け圧を受け、か
つ半円状湾曲部１は変形量の大きい軟質弾性体で
構成されているため締付け圧が低くなつても最適
締付け圧範囲を保ち十分なるシール性を発揮す
る。

また、本考案のガスケツトＡを金型等によつて
成形一体化するとき、半円状湾曲部１と平面部２
との連接部分においては、金型キヤビテイ内の該
半円状湾曲部１へ軟質弾性体基材を多めに充填
し、平面部２へ軟質弾性体基材を流出させ、これ
を加硫させればシール性の悪い該連接部分４に軟
質弾性体が廻り、さらに十分なシール効果を得る
ことが出来る。

以上の様に本考案はガスケツトを構成する弾性
体基材に二つの硬度の違う基材を用い、これを一
体成形した簡単な構造であり、圧縮量の大きい軟
質弾性体を締付け圧の弱い半円状湾曲部１に用い
ることによつて、該半円状湾曲部１のシール性を
大幅に向上させ、組付けが容易に出来る理想的な
密封用ガスケツトである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のガスケツトの斜視図である。
第２図は本考案のガスケツトの側面図である。第
３図は本考案のガスケツトの部分平面図である。 Ａ…ガスケツト、１…半円状湾曲部、２…平面
部、３…カバー部材、４…連接部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 合成ゴム、合成樹脂、コルクあるいはこれら
   の合成体等の弾性体で形成されたシール用ガス
   ケツトにおいて；該ガスケツトは半円状湾曲部
   と、その両端から屈曲して延びる平面部からな
   り、該半円状湾曲部を軟質弾性体基材を用い、
   平面部を硬質弾性体基材を用いた構成とし、こ
   れらの圧縮量の異なる基材を成形一体化したこ
   とを特長とする密封用ガスケツト。 (2) 半円状湾曲部の軟質弾性体の硬度はHS40〜
   60で、かつ平面部の硬質弾性体の強度がHS70
   〜85である実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の密封用ガスケツト。 (3) 半円状湾曲部の軟質弾性体を平面部の先端部
   にまで廻り込ませたことを特長とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の密封用ガスケツ
   ト。