JPS6337429Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はロツカー等の庫体の前面開口を開閉する
扉の適所に透明又は不透明のガラス板を取付け、
もつて庫体内部を透視可能となし、若しくは庫体
内部への採光を当該ガラス板を通じて行うように
なした庫体扉において当該ガラス板の取付けを容
易となすとともに取付構造を簡単にし、もつてコ
ストの低減を計ろうとするものである。

従来における、この種ガラス板取付装置として
は例えば実公昭50−37134号に開示されるエツヂ
部材のようにガラス板嵌合保持用の保持溝を形成
する両保持縁を彎曲変形させてガラス板を保持溝
に嵌着取付けするものであつたが、この構成によ
ればガラス板取付時において保持縁はその素材弾
性にて許容される限度までしか変形できないにも
拘らず実際上ガラス板の取付けに際しては保持縁
を外向きに過度に屈曲変形させた状態でガラス板
の周縁を当該保持縁を強制的に乗り超えさせて保
持溝に嵌合させるものであつた為に、ガラス板取
付けが困難となるだけでなくガラス板の割れ等の
問題が残されており、又ガラス板の全周縁を各エ
ツヂ部材の保持溝の溝底に密接した状態で取付け
ることができずガラス板はその取付状態時におい
てガタツキ等を生ずる欠点が残されていた。

一方、このような問題を解決すべく為の他の手
段としては、例えば実公昭33−1451号公報、及び
実公昭38−3459号公報等に開示されるようにガラ
ス板保持溝６を構成する両保持縁７の何れか片方
を保持溝６の溝底６′が側方に完全開放可能とな
るように変形自在となすことによつて扉体開口の
全周口縁に予じめエツヂ部材３を取付けた後ガラ
ス板８を各エツヂ部材の保持溝６にその側方から
装着し、次いで、各エツヂ部材３の開放状態の保
持片をガラス板の側面に密着させ、もつてガラス
板を保持溝６内に嵌着保持するようになしたもの
であるが、このような構成によれば第５図に示す
ように変形可能となした保持縁をガラス板に密着
した状態で保持すべきくさび片ａ、若しくは支持
片及びこれらと嵌合すべき凹溝ｂを別途形成する
必要があり、エツヂ部材の構成、及び製作を複雑
にするとともにガラス板取付作業をも面倒にする
問題が残されていた。

本案は、以上のような従来問題に基づいて考案
したもので以下添付図面にて詳説すればガラス板
取付装置の主体となる各エツヂ部材のガラス板保
持溝を構成する両保持縁の何れか片方を他の支持
片、若しくはくさび片等を用いることなく保持溝
の溝底を開放可能なように変形自在となし、もつ
てガラス板の取付けを容易となすとともに、ガラ
ス板取付完了後は当該変形可能な保持縁を、固有
の弾性を利用することにより取付状態のガラス板
に密接させもつてガラス板の取付保持強度を高め
得るようになしたものであり、図示の例によれば
扉体１の適所に設けられる開口２の口縁２′に嵌
合して取付けられるエツヂ部材３は適宜の合成樹
脂材等の素材弾性を有する部材にて構成され、そ
の一側面には取付縁５，５間に上記開口口縁２′
を嵌合すべき取付溝４を形成し、他側面（第２図
中右側）には取付縁５，５に連続する保持縁７，
７間にガラス板８を嵌合保持すべき保持溝６を形
成してなり当該両保持縁７の何れか片方、例えば
第２図においては下方の保持縁７を保持溝６の溝
底６′の側方を開放可能にすべく屈曲変形自在と
なすとともにガラス板８の嵌合取付状態下におい
ては当該保持縁７の一部、少なくとも遊端部にお
いて取付状態のガラス板８に密着方向に弾力を生
ずるように構成してなるものであり、具体的には
図示のように屈曲変型自在な保持縁７を従来のよ
うに保持溝６の溝底６′の側端に連続して形成す
ることなく当該溝底６′から開口２の外側（第２
図中においては左側）になるべく離隔させて前記
取付縁５に連続して設けるものとし、第２図の例
においては当該保持縁７は、取付縁５の遊端部に
保持溝６の溝底６′から図中寸法Ｌだけ離隔させ
て形成している。即ちこのように折曲変型可能か
つ取付状態のガラス板８を弾力押圧すべき保持縁
７の取付縁５との連結部を保持溝の溝底６′から
なるべく離隔させることにより当該保持縁７は第
２図ロに示すように容易に外側に開放して保持溝
６の溝底６′の側面を完全開放状態となすことが
でき、よつて扉体の開口２の全口縁２′にエツヂ
部材３を嵌合取付けた状態で各エツヂ部材３の屈
曲変型可能な保持縁７を第２図ロに示すように開
放させてガラス板８を簡単に取付けることができ
るのである。

而して、このガラス板８を取付けるに際し屈曲
変型可能な保持縁７を、上記第２図に示すような
方向に開放させることなく、第４図に示すように
当該ガラス板８の端部で押圧しつつ、ガラス板取
付けを行うこともできるが、この場合屈曲変型可
能な保持縁７は第３図に示すように頂部７′を有
する屈曲形状となし遊端片７″を、頂部７′から折
曲げ可能となすか、若しくは基部片７をも彎曲
可能となし、もつてガラス板８の取付時において
は当該ガラス板８の端面にて遊端片７″を基部片
７方向へ押圧屈曲させることにより前記した保
持溝６の溝底６′の側面を完全開放状態となして
ガラス板８の取付けを行うようになすことがで
き、この場合屈曲変型可能な保持縁７をあえて開
放させることなく、ガラス板８を屈曲可能な保持
縁７に押付けつつエツヂ部材３に嵌合取付けする
ことができる作業上の利便がある。

以上のようになる本案のガラス板取付装置によ
れば、扉体の開口口縁に取付けられるエツヂ部材
３のガラス板嵌合保持用の保持溝６を構成する保
持縁７，７の何れか片方を当該保持溝６の溝底
６′に連続することなく当該溝底６′からなるべく
離隔させて取付縁５に連結形成するものであるか
ら溝底６′の側面を開放状態となすことは極めて
容易となり、しかも当該保持縁７を溝底６′に連
続して形成するものでないことは、前記した従来
例のように溝底の側方を完全開放可能なように変
型させる為に当該保持縁７の基部に凹溝、切欠等
を設ける必要がなく、又当該保持縁７を取付状態
のガラス板８に密接させる為に支持片、くさび片
等を別途形成する必要がないのである。又当該屈
曲変型可能な保持縁７を頂部７′を有する山型屈
曲形状に成型すれば、ガラス板８の取付時に当該
ガラス板８の端面にて遊端片７″を押圧屈曲させ
ることにより当該保持縁７の変型による溝底６′
側方の開放を行いガラス板取付をより一層容易に
するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の実施例を示す庫体の斜視
図、第２イ，ロ図は同じく本案装置の実施例を示
す要部拡大横断平面図、第３図は本案の他実施例
を示す横断平面図、第４図はガラス板取付状態を
示す横断平面図、第５図は従来構造を示す断面図
である。 Ａ：庫体、１：扉体、２：開口、２′：口縁、
３：エツヂ部材、４：取付溝、５：取付縁、６：
保持溝、６′：溝底、７：保持縁、７′：頂部、
７″：遊端片、７：基部片、８：ガラス板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弾性材よりなる帯状のエツヂ部材３の一側端面
   に、扉体の所定位置に開設した開口２の口縁に嵌
   合すべき取付溝４を取付縁間に形成し、他側端に
   はガラス板保持溝６を形成するとともに、当該保
   持溝６を構成する両保持縁７の何れか片方を保持
   溝の溝底６′の側端に連続することなく当該溝底
   よりも取付縁方向に離隔させて当該取付縁に一体
   連結形成したことを特徴とする庫体扉におけるガ
   ラス板取付装置。