WO2017145252A1 - 冷蔵庫の扉、及びそれを備えた冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

　本発明の冷蔵庫の扉は、ガラス面材からなるパネル部材と、表面が前記パネル部材の裏面側に当接し、表面から前方へ突出してパネル部材の外周部の表面側を係止する係止部を有する枠体と、を備え、パネル部材は、外周部の裏面側角部に形成された面取り部を備え、係止部は、内周部の表面側角部に形成された面取り部を備えたものである。

Description

冷蔵庫の扉、及びそれを備えた冷蔵庫

　本発明は、ガラス面材からなるパネル部材を備えた冷蔵庫の扉、及びそれを備えた冷蔵庫に関するものである。

　従来の冷蔵庫の扉として、扉の外観部に飾りのために着色したガラス製又は透明プラスチック製の化粧板を用いて意匠性を向上させたものが提案されている。このような扉は、例えば裏面に印刷等の意匠を施したガラス面材、扉の上下面及び両側面を形成すると共にガラス面材を嵌め込む枠部を有したフレーム部材、樹脂板の真空成型等により形成され冷蔵庫の庫内壁となるドアライナー、及び、これらに囲まれた空間に充填され冷蔵庫の断熱壁となる発泡部材等により構成される。

　ここで、上記の冷蔵庫の扉の中には、ガラス面材からなるパネル部材と、枠体となるフレーム部材とを両面テープのみを用いて貼り付けて固定しているものがある（例えば特許文献１参照）。また、意匠性の向上を目的としてガラス面材をフレーム部材よりも前方に出っ張らせ、パネル部材のエッジをフレーム部材で隠さず露出させている冷蔵庫扉も提案されている（例えば特許文献２参照）。

特開２０１３－１６０３８９号公報 特開２０１５－８１７０６号公報

　特許文献１に記載の冷蔵庫の扉においては、両面テープのみを用いて扉の枠体にガラス面材からなるパネル部材を固定するため、両面テープの粘着強度のみによってパネル部材の固定の強度が決まってしまう。このため、両面テープの粘着強度が低下した場合には、パネル部材が枠体から脱落してしまうという問題、つまりパネル部材が枠体に固定される強度が低下してしまうという問題点があった。

　また、特許文献２に記載の冷蔵庫の扉においては、パネル部材のエッジが冷蔵庫扉の前面に突出して露出しているため、器物がパネル部材のエッジに当たった場合、パネル部材のエッジが破損してしまうという問題点があった。

　本発明は、上記のような問題点を背景になされたものであり、パネル部材を容易に扉の枠体に圧入し、かつ、パネル部材の扉の枠体に固定される強度が増した冷蔵庫の扉、及びそれを備えた冷蔵庫を得ることを目的とする。

　本発明に係る冷蔵庫の扉は、ガラス面材からなるパネル部材と、表面が前記パネル部材の裏面側に当接し、表面から前方へ突出して前記パネル部材の外周部の表面側を係止する係止部を有する枠体と、を備え、前記パネル部材は、外周部の裏面側角部に形成された面取り部を備え、前記係止部は、内周部の表面側角部に形成された面取り部を備えたものである。

　本発明に係る冷蔵庫は、上記の冷蔵庫の扉を備えたものである。

　本発明に係る冷蔵庫の扉によれば、パネル部材は、第１の係合部と第２の係合部とによって外周部が挟み込まれて当該パネル部材が保持されている。このようにすることで、パネル部材の扉の枠体に固定される強度が増した冷蔵庫の扉を得ることができる。また、パネル部材は、外周部の裏面側角部に形成された面取り部を備え、第１の係合部は、内周部の表面側角部に形成された面取り部を備えている。このようにすることで、パネル部材を容易に扉の枠体に押圧して押入れることができる。

　本発明に係る冷蔵庫によれば、上記の冷蔵庫の扉を備えている。このようにすることで、パネル部材が枠体に固定される強度が増した冷蔵庫を得ることができる。

本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫の扉を備えた冷蔵庫の概略正面図である。 本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫の扉の概略正面図である。 図２のＺ－Ｚ断面の概略断面図である。 図２のＹ－Ｙ断面の概略断面図である。 図３のＡ部分の概略拡大図である。 本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫の扉の作成時の様子を示す概略図である。 図６のＢ部分の概略拡大図である。 本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫の扉の作成過程を示すフローチャート図である。 本発明の実施の形態２に係る冷蔵庫の扉の概略正面図である。 図９のＸ－Ｘ断面の概略断面図である。 図９のＷ－Ｗ断面の概略断面図である。 図１１のＣ部分の概略拡大図である。 本発明の実施の形態３に係る冷蔵庫の扉の概略正面図である。 図１３のＶ－Ｖ断面の概略断面図である。 図１３のＵ－Ｕ断面の概略断面図である。

　以下、本発明の冷蔵庫の扉、及びそれを備えた冷蔵庫の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図面の形態は一例であり、本発明を限定するものではない。また、各図において同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。さらに、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。

実施の形態１．
［冷蔵庫１の扉の構成］
　図１は、本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫の扉を備えた冷蔵庫の概略正面図である。図１に示されるように、冷蔵庫１は、最上部に開き戸式の冷蔵室扉２を備えている。また、冷蔵室扉２の左側の下方には製氷室扉３が設けられ、冷蔵室扉２の右側の下方には切替室扉４が設けられている。製氷室扉３及び切替室扉４の下方には冷凍室扉５が設けられ、冷凍室扉５の下方には野菜室扉６が設けられている。製氷室扉３、切替室扉４、冷凍室扉５及び野菜室扉６はいずれも引き出し式の扉で構成されている。以上のように、冷蔵庫１は複数の扉を備えているが、以下の実施の形態１～３においては、冷蔵室扉２を複数の扉の代表例として以下において説明する。

　なお、本実施の形態１において、冷蔵庫１の扉として、冷蔵室扉２、製氷室扉３、切替室扉４、冷凍室扉５及び野菜室扉６を備えた例を示したが、冷蔵庫１の扉の構成はこれに限定されず、例えば製氷室扉３又は切替室扉４を備えていない冷蔵庫１でもよい。また、本実施の形態１において、冷蔵室扉２が引き戸式の扉である例を示したが、本発明はこれに限定されず、観音開き式の扉で構成しても良い。また、本実施の形態１において、製氷室扉３、切替室扉４、冷凍室扉５及び野菜室扉６を引き出し式の扉を例として示したが、本発明はこれに限定されず、引き出し式の扉以外の扉で構成してもよい。

　図２は、本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫の扉の概略正面図である。図２に示されるように、冷蔵室扉２は、樹脂製キャップ９を有する枠体１９を備えている。樹脂製キャップ９は、冷蔵室扉２の正面視において上側に上枠部９ａ、下側に下枠部９ｂ、左側に左枠部９ｃ及び右側に右枠部９ｄを有している。上枠部９ａ、下枠部９ｂ、左枠部９ｃ及び右枠部９ｄの内周面には、溝部が形成され、溝部は断面視においてＵの字型となっている。また、樹脂製キャップ９と、ガラス面材からなるパネル部材８とは後述する両面テープ１１により接着されている。

　図３は、図２のＺ－Ｚ断面の概略断面図である。また、図４は、図２のＹ－Ｙ断面の概略断面図である。図３～図４に示されるように、冷蔵室扉２において、最も冷蔵庫１の内側寄りには内板１２が樹脂製キャップ９に接続されて設けられている。また、内板１２よりも外側には、真空断熱材１３が設けられ、真空断熱材１３と内板１２とは、両面テープ（図示省略）により固定されている。冷蔵室扉２において、樹脂製キャップ９と、内板１２と、真空断熱材１３と、最も外側に設けられたパネル部材８との間には、発泡断熱材１０が発泡充填されている。

［樹脂製キャップ９とパネル部材８の構成］
　図５は、図３のＡ部分の概略拡大図である。ここで、枠体１９が備える樹脂製キャップ９は、上枠部９ａ、下枠部９ｂ、左枠部９ｃ及び右枠部９ｄにより構成されているが、各枠部は同様の構成となっているため、本実施の形態１では、上枠部９ａを代表例として説明する。

　図５に示されるように、樹脂製キャップ９の上枠部９ａは、上枠部９ａの内周面に形成された溝部であるＵの字部１６を有する。Ｕの字部１６は、断面視においてＵの字型であり、溝部の上部１６ａと、溝部の下部１６ｂと、溝部の側部１６ｄと、溝部の下部１６ｂの先端部に形成された段部１６ｃとにより形成されている。溝部の側部１６ｄは、枠体１９の表面１９ａから前方へ突出している。また、溝部の側部１６ｄの先端部には爪状の溝部の上部１６ａが内周側に突出し、パネル部材８の外周部の表面側を係止している。溝部の上部１６ａ、溝部の側部１６ｄ及び段部１６ｃの間には、溝１４が形成されている。溝部の上部１６ａは、パネル部材８のエッジ部分、つまりパネル部材８の外周部の表面側を覆い隠している。また、溝部の上部１６ａと段部１６ｃとによって、パネル部材８の外周部を挟み込んで当該パネル部材８を保持している。すなわち、枠体１９の表面の一部を構成する段部１６ｃは、パネル部材８の裏面側に当接している。なお、溝部の上部１６ａ及び溝部の側部１６ｄは、本発明における「係止部」に相当する。

　溝部の上部１６ａの角部、つまり樹脂製キャップ９の内周側の表面側角部には、面取り部１６ｅが形成されている。また、パネル部材８の表面側のパネル部材前面８ａは平面上に形成されているが、裏面側のパネル部材裏面８ｂの外周部の角部には面取り部８ｄが形成されている。この面取り部８ｄは、パネル部材８を樹脂製キャップ９に押圧して押入れる際に、樹脂製キャップ９の面取り部１６ｅを外側に押しのけて、溝部の上部１６ａ及び溝部の側部１６ｄを外側に反らすものである。外側に反らされた溝部の上部１６ａ及び溝部の側部１６ｄは、パネル部材８の圧入後に、元の位置に戻り、パネル部材８が固定される。この際、パネル部材８と段部１６ｃとの間に設けられた両面テープ１１によりパネル部材８が接着される。ここで、溝部の側部１６ｄと段部１６ｃとの間には、溝１４が形成されているため、溝部の上部１６ａ及び溝部の側部１６ｄは、より外側に反り易く、パネル部材８を押圧して押入れ易くなる。

　なお、本実施の形態１において、上枠部９ａの溝部の上部１６ａの角部に面取り部１６ｅを形成した例を示したが、下枠部９ｂ、左枠部９ｃ及び右枠部９ｄ側も同様の構成としてよい。また、パネル部材８の上枠部９ａ側に面取り部８ｄを形成した例を示したが、下枠部９ｂ、左枠部９ｃ及び右枠部９ｄ側も同様の構成としてよい。

［圧入動作］
　図６は、本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫の扉の作成時の様子を示す概略図である。また、図７は、図６のＢ部分の概略拡大図である。また、図８は、本発明の実施の形態１に係る冷蔵庫の扉の作成過程を示すフローチャート図である。以下、図６及び図７を参照しながら図８の各ステップに基づいて冷蔵庫１の扉の作成工程を説明する。

（ステップ５Ａ）
　パネル部材８の位置決め工程を行う。パネル部材８とほぼ同じ大きさの中枠を持つ位置決め冶具２０を枠体１９の周辺に配置し、上枠部９ａ、下枠部９ｂ、左枠部９ｃ及び右枠部９ｄの４辺の溝付きのＵの字型の樹脂製キャップ９で作られた枠体１９へパネル部材８の位置決めを行う。その後、工程は（ステップ５Ｂ）へ移行する。

（ステップ５Ｂ）
　次に、位置決めされたパネル部材８をプレス機１５でパネル部材８の端面部８ｃを均一に押す。ここで言う、端面部８ｃとは、パネル部材８が両面テープ１１に当たる面積部分である。その後、工程は（ステップ５Ｃ）へ移行する。

（ステップ５Ｃ）
　次に、パネル部材８の面取り部８ｄと溝部の上部１６ａの面取り部１６ｅとを当接させる。そして、パネル部材８が面取り部８ｄ及び面取り部１６ｅを介して押圧して押入れられることにより、枠体１９のＵの字部１６の溝部の上部１６ａを面取り部１６ｅに沿って外側へ反らせる。その後、工程は（ステップ５Ｄ）へ移行する。

（ステップ５Ｄ）
　次に、パネル部材８は、枠体１９のＵの字部１６の溝部の上部１６ａと溝部の下部１６ｂの先端に設けられた段部１６ｃとの間に挟まれる。この際、パネル部材８は、両面テープ１１が施された段部１６ｃと接着される。ここで、プレス機１５でパネル部材８を段部１６ｃへ押し込むが、枠体１９の裏側を支える冶具２１により、プレス機１５による押し込みで段部１６ｃが損傷することなく、パネル部材８と段部１６ｃを接着することができる。その後、工程は（ステップ５Ｅ）へ移行する。

（ステップ５Ｅ）
　最後に、プレス機１５がパネル部材８から離れ、パネル部材８が枠体１９のＵの字部１６の溝部の上部１６ａと溝部の下部１６ｂの先端に設けられた段部１６ｃとの間に挟み込まれる。その後、真空断熱材１３が両面テープによって取り付けられた内板１２をパネル部材８が挟み込まれていない裏側から樹脂製キャップ９へ接続する。そして、パネル部材８、樹脂製キャップ９、内板１２及び真空断熱材１３の間に発泡断熱材１０が充填される。以上により、冷蔵庫１の扉の作成工程が終了する。

［圧入構造］
　また、図７に示されるように、樹脂製キャップ９に溝１４を設けることにより、溝部の側部１６ｄの高さを確保でき、より溝部の上部１６ａを面取り部１６ｅに沿って外側へ反らせることができる。パネル部材８と樹脂製キャップ９との接着強度を満足させる荷重２０００（Ｎ）のプレス機１５でパネル部材８を押すとき、パネル部材８の面取り部８ｄと樹脂製キャップ９の面取り部１６ｅとの引っ掛かり量１７は、１．５（ｍｍ）までであれば、溝部の上部１６ａを外側へ反らすことができる。しかし、引っ掛かり量１７を１．５（ｍｍ）以上に増やすと、溝部の側部１６ｄへの応力が掛かり過ぎてしまうため、引っ掛かり量１７は１．５（ｍｍ）が限度である。荷重２０００（Ｎ）のプレス機１５でパネル部材８を押す場合、上部１６ａの面取り部１６ｅの角度は例えば４５°にすることで、パネル部材８を樹脂製キャップ９に押圧して押入れ、樹脂製キャップ９に固定することができる。ここで、図５に示されるように、面取り部１６ｅの角度とは、面取り部１６ｅと、溝部の上部１６ａの突出方向の先端面１６ｆとがなす面取り角度θである。

［実施の形態１の効果］
　以上のことから、本実施の形態１によれば、冷蔵庫１の扉は、ガラス面材からなるパネル部材８と、パネル部材８の外周部の表面側を覆う溝部の上部１６ａ、及び溝部の上部１６ａに対して溝１４を介して設けられた段部１６ｃを備え、溝部の上部１６ａと段部１６ｃとによってパネル部材８の外周部を挟み込んでパネル部材８を保持する枠体１９と、を備え、パネル部材８は、外周部の裏面側角部に形成された面取り部８ｄを備え、溝部の上部１６ａは、内周部の表面側角部に形成された面取り部１６ｅを備えている。
　このようにすることで、パネル部材８のエッジを覆い隠すことができ、エッジが破損することを防止することができる。また、パネル部材８を樹脂製キャップ９へ押圧して押入れることでパネル部材８の落下を防止することができる冷蔵庫１の扉を得ることができる。つまり、パネル部材８が扉の枠体１９に固定される強度が増した冷蔵庫１の扉を得ることができる。
　また、パネル部材８と樹脂製キャップ９との接着を担う両面テープ１１の量は、発泡断熱材１０が発泡充填されるまでの仮固定をする分だけ必要になる。したがって、両面テープ１１の量を削減し、又は両面テープ１１の使用を廃止でき、コストの削減を図ることができる。
　また、パネル部材８のエッジをＵの字部１６で覆い隠すことができるので、パネル部材８のエッジに触れて怪我をするなどの事故を未然に防ぐことができる。
　また、パネル部材は、外周部の裏面側角部に形成された面取り部８ｄを備え、溝部の上部１６ａは、内周部の表面側角部に形成された面取り部１６ｅを備えていることで、パネル部材８を容易に扉の樹脂製キャップ９に押圧して押入れることができる。

　また、パネル部材８の面取り部８ｄは、外周部の裏面側角部の全てに形成され、枠体１９の面取り部１６ｅは、内周部の表面側角部の全てに形成されている。このようにすることで、パネル部材８を樹脂製キャップ９に押圧して押入れ易くなる。
　また、枠体１９に面取り部１６ｅを設けることで、例えば枠体１９の角部に身体が引っ掛かることによる怪我の防止、及び枠体１９の角部の破損の防止も図ることができる。

実施の形態２．
　本実施の形態２における冷蔵庫１の扉の基本的な構成は実施の形態１における冷蔵庫１の扉と同様であるため、以下、実施の形態１との相違点を中心に本実施の形態２を説明する。実施の形態１と本実施の形態２との相違点は、実施の形態１は枠体１９に樹脂製キャップ９を４辺に備えているが、本実施の形態２は枠体１９に樹脂製キャップ９を３辺に備えている点である。

　図９は、本発明の実施の形態２に係る冷蔵庫の扉の概略正面図である。図１０は、図９のＸ－Ｘ断面の概略断面図である。図１１は、図９のＷ－Ｗ断面の概略断面図である。図１２は、図１１のＣ部分の概略拡大図である。図９～図１１に示されるように、扉の枠体１９として、面取り部１６ｅが施された上枠部９ａ、下枠部９ｂ、左枠部９ｃ及び右枠部９ｄのいずれか３辺が、Ｕの字部１６を有する樹脂製キャップ９を備えている。本実施の形態２においては、例として、上枠部９ａ、下枠部９ｂ及び左枠部９ｃに樹脂製キャップ９を備えた場合について説明する。

　図１２に示されるように、残りの１辺、この場合において右枠部９ｄは、Ｕの字部１６を有さずパネル部材８の側面を支持することができるＵの字部１６の溝部の上部１６ａを取り除いたＪの字形状の樹脂製キャップ１８を有している。Ｊの字形状の樹脂製キャップ１８と、Ｕの字部１６を有する樹脂製キャップ９との違いは、上述したように、樹脂製キャップ９のＵの字部１６の溝部の上部１６ａを取り除いて形成されたもの、つまり、溝部の側部１６ｄ、溝部の下部１６ｂ及び段部１６ｃにより形成されたものがＪの字形状の樹脂製キャップ１８となる点である。

　そして、パネル部材８は、実施の形態１と同様に上枠部９ａ、下枠部９ｂ及び左枠部９ｃに押圧して押入れられて固定されている。なお、本実施の形態２において右枠部９ｄがＪの字形状の樹脂製キャップ１８を有している例を示したが本発明はこれに限定されず、上枠部９ａ、下枠部９ｂ及び左枠部９ｃのいずれかにＪの字形状の樹脂製キャップ１８を設けてもよい。

［実施の形態２の効果］
　以上のことから、本実施の形態２によれば、枠体１９は、上枠部９ａ、下枠部９ｂ、左枠部９ｃ、及び右枠部９ｄの４つの枠部により形成され、パネル部材８は、上枠部９ａ、下枠部９ｂ、左枠部９ｃ、及び右枠部９ｄの内、いずれか３つの枠部へ押圧して押入れられている。このようにすることで、パネル部材８と樹脂製キャップ９の接着を担う両面テープの量をさらに削減でき、コストの低減化を図ることができる。また、意匠の観点から、冷蔵庫１の扉の用途に合わせて実施の形態１における冷蔵庫１の扉と使い分けをすることが可能となる。

実施の形態３．
　本実施の形態３における冷蔵庫１の扉の基本的な構成は実施の形態１における冷蔵庫１の扉と同様であるため、以下、実施の形態１との相違点を中心に本実施の形態３を説明する。実施の形態１と本実施の形態３との相違点は、実施の形態１は枠体１９に樹脂製キャップ９を４辺に備えているが、本実施の形態３は枠体１９に樹脂製キャップ９を２辺に備えている点である。

　図１３は、本発明の実施の形態３に係る冷蔵庫の扉の概略正面図である。図１４は、図１３のＶ－Ｖ断面の概略断面図である。図１５は、図１３のＵ－Ｕ断面の概略断面図である。図１３～図１５に示されるように、扉の枠体１９として、面取り部１６ｅが施された上枠部９ａ、下枠部９ｂ、左枠部９ｃ及び右枠部９ｄの対向する２辺が、Ｕの字部１６を有する樹脂製キャップ９を備えている。本実施の形態３においては、例として、上枠部９ａ及び下枠部９ｂに樹脂製キャップ９を備え、左枠部９ｃ及び右枠部９ｄがＪの字形状の樹脂製キャップ１８を備えた場合について説明する。

　図１５に示されるように、枠体１９を構成する対向する２辺、この場合において右枠部９ｄ及び左枠部９ｃは、Ｕの字部１６を有さずパネル部材８の側面を支持することができるＵの字部１６の溝部の上部１６ａを取り除いたＪの字形状の樹脂製キャップ１８を有している。Ｊの字形状の樹脂製キャップ１８と、Ｕの字部１６を有する樹脂製キャップ９との違いは、上述したように、樹脂製キャップ９のＵの字部１６の溝部の上部１６ａを取り除いて形成されたものがＪの字形状の樹脂製キャップ１８となる点である。

　そして、パネル部材８は、上枠部９ａ及び下枠部９ｂに押圧して押入れられて固定されている。なお、本実施の形態３において左枠部９ｃ及び右枠部９ｄがＪの字形状の樹脂製キャップ１８を有している例を示したが本発明はこれに限定されない。例えば、上枠部９ａ及び下枠部９ｂにＪの字形状の樹脂製キャップ１８を設け、左枠部９ｃ及び右枠部９ｄに樹脂製キャップ９を設け、パネル部材８を左枠部９ｃ及び右枠部９ｄに押圧して押入れて固定してもよい。

［実施の形態３の効果］
　以上のことから、本実施の形態３によれば、枠体１９は、上枠部９ａ、下枠部９ｂ、左枠部９ｃ、及び右枠部９ｄの４つの枠部により形成され、パネル部材８は、上枠部９ａ及び下枠部９ｂ、又は、左枠部９ｃ及び右枠部９ｄの２つの枠部へ押圧して押入られている。このようにすることで、パネル部材８と樹脂製キャップ９の接着を担う両面テープの量をさらに削減でき、コストの低減化を図ることができる。また、意匠の観点から、冷蔵庫１の扉の用途に合わせて実施の形態１における冷蔵庫１の扉と使い分けをすることが可能となる。

　以上、実施の形態１～３について説明したが、本発明は各実施の形態の説明に限定されない。例えば、各実施の形態の全て又は一部を組み合わせることも可能である。

　１　冷蔵庫、２　冷蔵室扉、３　製氷室扉、４　切替室扉、５　冷凍室扉、６　野菜室扉、８　パネル部材、８ａ　パネル部材前面、８ｂ　パネル部材裏面、８ｃ　端面部、８ｄ　面取り部、９　樹脂製キャップ、９ａ　上枠部、９ｂ　下枠部、９ｃ　左枠部、９ｄ　右枠部、１０　発泡断熱材、１１　両面テープ、１２　内板、１３　真空断熱材、１４　溝、１５　プレス機、１６　Ｕの字部、１６ａ　溝部の上部、１６ｂ　溝部の下部、１６ｃ　段部、１６ｄ　溝部の側部、１６ｅ　面取り部、１６ｆ　先端面、１７　引っ掛かり量、１８　樹脂製キャップ、１９　枠体、１９ａ　表面、２０　位置決め冶具、２１　冶具、θ　面取り角度。

Claims (7)

1. 　ガラス面材からなるパネル部材と、
   　表面が前記パネル部材の裏面側に当接し、表面から前方へ突出して前記パネル部材の外周部の表面側を係止する係止部を有する枠体と、
   　を備え、
   　前記パネル部材は、外周部の裏面側角部に形成された面取り部を備え、
   　前記係止部は、内周部の表面側角部に形成された面取り部を備えた
   　冷蔵庫の扉。
2. 　前記パネル部材の面取り部は、
   　前記外周部の裏面側角部の全てに形成されている
   　請求項１に記載の冷蔵庫の扉。
3. 　前記係止部の面取り部は、
   　前記内周部の表面側角部の全てに形成されている
   　請求項１又は２に記載の冷蔵庫の扉。
4. 　前記パネル部材のエッジは、
   　前記係止部により覆い隠されている
   　請求項１～３の何れか一項に記載の冷蔵庫の扉。
5. 　前記枠体は、
   　上枠部、下枠部、左枠部、及び右枠部の４つの枠部により形成され、
   　前記パネル部材は、
   　前記上枠部、前記下枠部、前記左枠部、及び前記右枠部の内、いずれか３つの枠部へ押圧して押入れられている
   　請求項１～４の何れか一項に記載の冷蔵庫の扉。
6. 　前記枠体は、
   　上枠部、下枠部、左枠部、及び右枠部の４つの枠部により形成され、
   　前記パネル部材は、
   　前記上枠部及び前記下枠部、又は、前記左枠部及び前記右枠部の２つの枠部へ押圧して押入れられている
   　請求項１～４の何れか一項に記載の冷蔵庫の扉。
7. 　請求項１～６の何れか一項に記載の冷蔵庫の扉を備えた
   　冷蔵庫。

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